かかりつけ歯科医を医政局検討会が協議・検討/歯科医師資質向上等に関する検討会が第4回会合を開催/歯科保健医療ビジョン策定に向け検討開始
厚生労働省は5月22日、同省内で第4回「歯科医師資質向上等に関する検討会」(座長:江藤一洋・医療系大学間共用試験実施機構副理事長)を開催した。昨年11月以降開催されていなかった同検討会ではあるが、
本年4月6日に同省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が報告書を取りまとめたこと、さらに3月17日の第110回歯科医師国家試験合格発表後のデータ解析なども終了したことも背景にあると思われる。それらを背景に今回は、「今後の歯科保健医療の需要を踏まえたあるべき歯科保健医療の提供体制(歯科保健医療ビジョン)の策定にむけた検討」が取り上げられた。
また、江藤座長の要望で、同検討会傘下の①歯科医師需給の問題、②女性歯科医師の活躍について、③歯科医療における専門性―の3ワーキンググループの検討状況の報告も行われた。
◆かかりつけ歯科医師が議論の俎上に
一方、上記の歯科保健医療ビジョンの検討の中で「かかりつけ歯科医」に関する議論が展開された。1996年の旧・厚生省健康政策局時代に、「歯科保健・福祉のあり方に関する検討委員会」が行った答申の中で、かかりつけ歯科医の考え方が提示されたが、今回の検討会では、新たに「現時点におけるかかりつけ歯科医のイメージ」を示した。医政局内の検討の場で、かかりつけ歯科医のイメージなどが正式に示されたのは、これが初めてのこと。新たに示したイメージでは、かかりつけ医の具体的役割として、①訪問診療を実施していない場合は、実施歯科医療機関と連携すること、②予防活動を通じた地域住民の口腔の健康管理を行うこと—などが新たに盛り込まれている。
次期診療報酬改定に関する議論は、保険局所管の中医協で検討されることになるが、今回医政局で議論された内容、論点を含めた審議・検討が行われることが予想される。