育児休業 介護休業の付与
質問1 雇って五年目の常勤歯科衛生士から育児休業を取りたいと言われた。育休は必ず与えるべきものなのか。
回答1 育児・介護休業法第6条と12条より、事業主は従業員から育児休業や介護休業の申出があった場合は拒むことができないとされています。育児休業は、子が1歳になるまで(両親ともに育児休業を取得する場合で、一定の要件に該当する場合は1歳2カ月になるまで)の間に原則1人の子に対して1回、出産日以降の産前・産後休業期間と合わせて1年を限度として取得できます。子が保育所に入所できない、または配偶者が子の養育をすることが困難になった等、一定の要件に該当する場合には育児休業期間を1歳6カ月まで延長することができます。パートタイマーも法適用となりますが、契約期間の定めのある従業員の場合は申出の時点で以下の条件を満たしていれば育児休業を取得できます。
①同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること。
②養育する子が1歳6カ月になる日の前日までに労働契約(更新される場合は更新後の契約)の期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと。
また、育児休業の取り組みをすることで申請できる助成金制度(両立支援助成金等)もあります。
質問2 育児休業中の社会保険料の取り扱いはどうなるか。
回答2 育児休業中は申請をすれば、健康保険と厚生年金保険の保険料が従業員、事業主共に免除されます。保険料は支払っているものとみなされ、保険による診療を受けることができ、また、年金においても加入期間として将来受け取る年金の受給額に反映されます。2014年4月1日からは育児休業中だけでなく、産前産後休業中の健康保険と厚生年金保険の保険料に関しても同様に免除されることになりました。
質問3 10年以上働いている歯科衛生士から介護休業を取りたいと言われた。これは、与えなければいけないものか。
回答3 介護休業は従業員からの申出があった際、これを拒むことができないとされています。介護休業をすることができるのは、要介護状態にある対象家族(配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母)を介護する従業員です。対象家族1人につき、通算して93日まで3回を限度として取得できます。パートタイマーも法適用となりますが、契約期間の定めのある従業員の場合は申出の時点で以下の条件を満たしていれば介護休業を取得できます。
①同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること。
②取得予定日から起算して93日を経過する日から6カ月を経過する日までに労働契約(更新される場合は更新後の契約)の期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと。
また、2017年1月1日施行の改正育児・介護休業法において、介護休業の分割取得が可能になり、半日単位の取得や、所定労働時間の短縮措置が介護休業とは別に利用できるようになりました。介護や育児を理由とした不利益な扱いは法律で禁じられていますので、育児・介護休業が必要な従業員が働きやすい職場づくり、従業員との無用なトラブルを防ぐためにも就業規則の整備をお勧めします。