医療安全対策と保健所の検査
質問1 医療機関の管理者は、医療の安全を確保するための措置をすることが医療法で規定されていると聞いたのだが、具体的にどのようなことをすればよいか。
回答1 医療機関の管理者は、医療の安全を確保するための指針の策定、従業員に対する研修の実施をはじめとする医療の安全を確保するための措置を講じなければならないことが、医療法施行規則第6条の10に規定されています。具体的措置としては、①医療安全管理、②院内感染対策、③医薬品安全管理、④医療機器安全管理-の4項目の体制確保が義務付けられており、指針の策定や職員・従業員の研修、事故報告などを行わなければいけません。下記表をご参照ください。なお、①~④の指針の例示をご希望の方も、協会までお問い合わせください。
質問2 個人診療所で開業して6年になる。まだ当院は保健所の立ち入り検査が入っていないのだが、5年に1度、立ち入り検査が入ると友人から聞いた。そろそろ立ち入り検査が入るのではないかと考えているのだが、どのような準備をすべきか。
回答2 保健所の立ち入り検査は、無床の診療所について「できる限り実施する事」とされていますが、大くの歯科医療機関は無床の診療所に当たると思います。しかし、5年に1度という規定はありません。ただ、いつ立ち入り検査が入ってもおかしくはないので、日頃から医療安全対策には万全を期しましょう。主に以下の点には十分に注意してください。
①院内掲示物が広告規制に反していないか(心配であれば保健所に確認する)。
②カルテなどがきちんと整理されているか、保管場所は施錠されているか。
③劇薬の保管は鍵のかかる保管場所を確保しているか、それ以外の薬品と一緒に保管していないか。
④消火器の期限や避難経路の確保はされているか。
⑤エックス線装置・エックス線漏洩テスト・サーベイ・メーターによる漏洩テストは行われているか。
⑥医療安全管理に関する指針、院内感染対策、医療品安全管理、医療機器安全管理の指針の作成などはできているか。
⑦健康診断は行っているか。
⑧産業廃棄物関連は整理されているか。
⑨個人情報保護に関しては規約を作って周知してい るか。
⑩技工指示書の内容の確認はできているか。
医療安全管理対策に関するものは、患者さんの安全を守ること同時に、従業員や先生ご本人を守ることにもつながります。日頃から管理体制を整え、安心安全の歯科診療所を目指しましょう。