歯科医師数の現状や今後の需要に対する発言多数/今年度第1回メディア懇談会を開催
協会は5月10日、2019年度第1回(通算第74回)メディア懇談会を協会会議室で開催した。加藤開副会長が説明に当たり、司会は広報・ホームページ部長の早坂美都理事が務めた。参加は5名。今回の主なテーマは、①政策委員長談話「入学定員などの見直しを求める」、財政部長談話「10月の消費税率の引き上げの中止を求める」、② 「保険でより良い歯科医療を」請願署名、③「21世紀にふさわしい歯科改革提言2019年版」、④「保険でより良い歯科医療を求める」6・6歯科総決起集会への当会の取り組みと案内、⑤第47回定期総会の取材案内―などとした。
参加者から注目されたのは、政策委員長談話で、協会から「歯科医師になれない学生が約1700名。また、出願者数3723名と受験者数3231名。明らかに相違がり、現実的には、留年、卒業延期、国試受験できず卒業のみなどの背景が想定できる。この問題は、歯科医師養成予算の観点からみても問題」などを指摘。参加者からは、「一般社会の常識からすれば、歯学部に入学志願する人を理解できないのではないか」、「国公立大学歯学部なら国策として具体的な対応を図る可能性はあるが、私立歯科大学は政府が介入して決めることは、社会問題になるなど懸念がある」、「問題解決の要望を談話として発表しているが、具体的に解決策を念頭においてのことなのか。指摘だけでは、まだ不十分ともいえる」などの発言があった。また、歯科医師国家試験自体について、「医師・歯科医師の国試のあり方はどうなのか。一般の弁護士・公認会計士などと違い、医師・歯科医師を目指す大学に入学している。基本認識は資格試験。他の選抜試験とは違う。この認識が大事。当初はその理念が明確であったが、最近の傾向は、おおよそ3000名が受験し2000名が合格、1000名が不合格という形でで推移。これが歯科医師抑制対策と称されているものではないか。もし、社会的に問題提起した場合、それに対する説明や釈明が整合性、合理性をもち、社会が納得できるものとなるのか不安」とする意見もあった。そのほか、「これからの人口減少と高齢者の疾病構造の変化、歯科訪問診療の必要性など、歯科医療へのニーズ変化に対応するために必要となる歯科医師数はどうなるのか」や、「明確なエビデンスに基づき、具体的な歯科医師数を念頭にしての過剰・不足の議論が、行政でも歯科医療関係団体でも整理されていない」などの点を指摘する声もあった。