厚生労働省は11月28日、第1回「歯科専門職の資質向上検討会」(座長:日本歯科大学の大塚吉兵衛総長))を同省内の会議室で開催した。この日の初回会合では、①歯科衛生士法の一部改正:歯科衛生士国家試験)、②歯科技工士法の一部改正:歯科技工士国家試験、③歯科医師臨床研修―などをめぐり協議・検討が加えられた。
会合では、まず医政局歯科保健課の小椋正之課長補佐が説明に立ち、①会の設置の目的、②想定される主な検討内容、構成、③検討会の運営―などについて報告。特に①については、「基礎疾患をもつ高齢者の歯科診療の受診機会増加、在宅歯科のニーズの増加など、国民が求める歯科サービスが高度化・多様化しているため、より安全・安心な歯科医療の提供が求められる」とした。さらに、それらを踏まえた形で具体的な目的を掲げ、「歯学教育モデル・コア・カリキュラムや歯科医師国家試験制度改善検討部会報告書等を踏まえた到達目標等の歯科医師臨床研修制度の見直し」「歯科技工士国家試験等の在り方や出題基準等の検討を行なう」をあげた。
一方、歯科医療を取り巻く状況に関しても言及し、「要介護高齢者等の誤嚥性肺炎や低栄養を予防する上で、専門的口腔ケアが重視されている。また、生活習慣病でも歯科との関係が指摘されている。臨床現場面でも、歯科衛生士が関係する診療報酬、介護報酬における項目が増加しており、その対応が急務であり、歯科衛生士の求人倍率は高く、その質の高い歯科保健対策の提供が必要とされているとともに、人材確保等対策が求められている」との認識を提示。その具体策としては、
◆歯科衛生士法改正:歯科医師国家試験または歯科医師国家試験予備試験を受けることができる者を追加したい。
◆歯科技工士法改正:国が作成する旨に法改正を行いたい。ワーキンググループを設置する。
◆歯科医師臨床研修推進検討会の見直し:歯科技工士の統一試験と同様に、歯科医師ワーキンググループ(WG)を設置して、さらなる論議を行う。
なお、今後は、平成25年夏頃:平成26年度予算要求に反映可能なものは対応、必要に応じてWGを開催(5~6回前後)、平成26年春頃:意見書取りまとめ、医政局長へ答申する予定だ。