賞与・退職金と評価制度年末年始の宴席について/2019年12月号掲載(No.597)
質問1 スタッフに賞与と退職金は必ず支給しなければならないのか。
回答1 賞与と退職金の支給は、法律上で義務付けられていませんので、必ず支給をしなければいけないというわけではありませんが、就業規則や労働条件通知書等で支給を規定していれば支給義務があります。賞与や退職金の支給など福利厚生面を充実させることは、求人で有利になったり、従業員のモチベーションアップにもつながる面もあります。雇用関係でお悩みであれば導入を検討するのも一つです。
質問2 スタッフに賞与支給を検討している。仕事ぶりを評価して金額に反映させるような評価制度を導入したいのだが、問題はないか。
回答2 評価基準を賞与支給の要件として設けることは法律上、問題はありません。評価方法などでトラブルになってしまう可能性もあるので、導入するのであれば、先生の主観のみで判断しないよう、どういった点を評価しているのか明確にする必要があります。例えば、業務は正確でミスがなかったか、期待されている業務量をこなしたかなど、評価しやすい項目を立てるといいでしょう。評価をするということは人の優劣を決定づけてしまい、職場内の雰囲気を悪くしてしまう可能性もあります。仮に悪い評価を付けざるを得ないケースでも、スタッフとよくコミュニケーションを図り、今抱えている悩みはないか、業務上で困っていること・わからないことはないかなど、今後の改善に向けてアドバイスができるような関係作りをすることが大切です。
質問3 忘年会や新年会などを診療所のスタッフたちと毎年行っているが、まったく参加しないスタッフがいる。原則全員参加としても問題はないか。
回答3 アルコールが入る宴席であっても全員参加とするのであれば労働時間とみなされます。仕事としての位置付けにしないのであれば、参加は任意にされたほうがいいでしょう。忘年会や新年会などの宴席は、仕事中では話しづらいことを話すことができ、仕事中では話しずらいことを話すことができ、職場のコミュニケーションを円滑にする効果も期待できますが、宴席の場で気が緩み、不快に思われる発言や行動をしてしまい、関係が悪化してしまうことも考えられます。せっかくの宴席の場ですので、参加している方全員が楽しめるような配慮を心がけましょう。 なお、働き方改革法などを含んだ労務全般に関わる問題やお悩みに役立つ書籍「医院経営と雇用管理―2019年版―」が今月発刊となりました。希望する会員の先生方には一冊無料でお配りします。また、12月5日には就業規則の作成をテーマに研究会も予定しておりますので、参加ご希望の場合は、経営管理部までお申し込みください。