毎年恒例となりました、当協会と東京保険医協会、千葉県保険医協会の3協会による医科歯科連携研究会を今年も開催します。今回のテーマは、「糖尿病と歯周病」に関する医科歯科連携です。是非、ご参加ください。
【テーマ】
糖尿病と歯周病からみる医科歯科連携の重要性と診療への活かし方~医科と歯科の立場から~
【抄録】
*医科から*
講師:加藤光敏氏(加藤内科クリニック 院長/糖尿病専門医)
「糖尿病治療概念の進歩:歯科受診に対する患者さんの意識の実態を含めて」
当院は糖尿病の専門クリニックのため、多くの糖尿病患者さんの治療や療養指導をしている。しかし糖尿病治療は一筋縄ではいかず、やっと平均HbA1cは7.0%に抑えている状況で反省しきりである。歯科の先生方に糖尿病治療は進化の途中であることを理解していただけたら幸いである。糖尿病はいわゆる3大合併症と共に大血管障害抑制が極めて重要で、これに高齢者の認知症の問題がからんでくる。糖尿病治療薬の進歩は著しく血糖が高ければインスリンとの考えは大きく変化した。さらに医師患者関係も大きく変化し、歯科の先生方にも重要な、例えばスティグマとアドボカシーなどの概念を話す。さて歯周病が糖尿病の合併症の一つとされてから久しい。しかし患者さんの意識を変えるのは容易では無い。歯周病は、慢性炎症を基盤とする病態で糖尿病と互いに影響し合う。歯周病菌や、菌が産生するエンドトキシン(LPS)が口腔内から歯原性菌血症を起こし種々の臓器に影響を与え血糖コントロールに悪影響をおよぼしている。そこで当院通院の2型糖尿病患者100人の唾液で、ペリオスクリーンを用いて潜血反応陽性者を抽出し歯周病専門医を中心に紹介状を渡した。歯科での治療効果を歯科医院からの診断および歯周病治療報告書を得た結果を紹介しながら、医科歯科連携の進展のために我々内科医は何をしたら良いのか。一緒に考えるきっかけになればと考えている。
*歯科から*
講師:三辺正人氏(文教通り歯科クリニック 院長/歯周病専門医)
「歯周病と糖尿病の医科歯科連携のポイント」
歯周病と糖尿病の医科歯科連携について、歯周医学的背景に基づいた検査、歯周治療の血糖コントロールに及ぼす効果、歯周病の新分類などを説明した上で、歯周病・糖尿病医科歯科連携におけるスクリーニング、連携情報の共有の方法、連携紹介時に把握しておくべき事項、どのような患者を紹介すべきか?などについて概説する。そして現在、千葉大学と共同開発を行っている連携手帳のアプリとそれを用いた、千葉県保険医協会での調査研究について現状報告を行う。(講演は、こうの歯科クリニックの河野寛二先生の奈良市歯科医師会での動画講演(2023年2月19日)を視聴して頂き、最後に連携手帳アプリについて千葉県保険医協会から説明を頂く予定である。)
【日時】
3月5日(日)14時30分~16時00分
【講師】
加藤光敏氏
(加藤内科クリニック 院長/糖尿病専門医)
三辺正人氏
(文教通り歯科クリニック 院長/歯周病専門医)
【会場】
Zoomウェビナーを用いたライブ配信
または
東京保険医協会セミナールーム
【参加条件】
保険医協会・医会の会員と当該診療所のスタッフ
【定員】
Zoomウェビナー:500名
セミナールーム:30名(先着順)
【参加費】
無料
【申込方法】