「現行の健康保険証」(以下「健康保険証」)の廃止などを盛り込んだマイナンバー法など関連法改正案が4月25日に衆議院特別委員会でわずか13時間の審議時間で採決された。
健康保険証が廃止されれば、マイナンバーカードを持たない患者さんやマイナンバーカードと保険証を一体化することに抵抗がある患者さんは、「資格確認書」を申請する必要がある。「資格確認書」の有効期限は最長1年間で、申請や更新を忘れてしまうと無保険状態となり、患者さんは、受診をためらってしまう危険性がある。また、更新がいつまで可能かは示されていない。
医療機関では、マイナンバーカードの読み取り不具合やオンライン資格確認での確認内容と実際の資格に相違があるなど、トラブルが多発している(オンライン資格確認トラブル事例は2面参照)。現状であれば、トラブルが起こった場合でも健康保険証で資格を確認することができるが、廃止されてしまえば資格確認ができず、窓口で一時的に10割の負担を患者さんに求めざるを得なくなる。
これまで問題なく使用できている健康保険証をわざわざ廃止する必要はあるのだろうか。
健康保険証を存続させるため『健康保険証を廃止しないことを求める請願署名』を「月刊保団連」4月号に同封して送付しています。保険証廃止法案を撤回させるため、より一層のご協力をお願いいたします。1筆でも結構です。ぜひ、5月24日(水)までにご返送ください!(署名用紙注文フォーム)
『負担増ストップ!国民の医療と介護を守る緊急請願署名』も同時に取り組んでいます!
全国保険医団体連合会が行ったアンケートでは、75歳以上で2割負担の患者さんの16.8%が「経済的な理由による受診控えがある」と回答しています。必要な時に、必要な医療が受けられる制度を守れるよう、併せてご協力をお願いいたします。
いただいた署名は、5月下旬に坪田有史会長より国会議員を通じて国会に提出する予定です。