坪田有史会長が「2024年度改定を考察し、今後の歯科医療を展望する」をテーマに記念講演
2024年度診療報酬改定のポイントと今後の歯科医療の展望
6月16日に開催した第52回定期総会では、総会終了後に記念講演が「2024年度改定を考察し、今後の歯科医療を展望する」をテーマに開催され、当協会の坪田有史会長が講師を務めた。
講演では、社会医療診療行為別統計のこれまでの傾向と、今後の歯科治療の需要の将来予想イメージが治療中心型から治療・管理・連携型に移行しつつあることに触れ、それらを踏まえたうえで、今次改定を「難解」とし、さらに、健康寿命延伸や在宅医療提供が喫緊の課題となる中で、その患者の負担割合を引き上げる動きには反対であるとしつつ、これまでの政府の「骨太の方針」を見据えつつ、今後の歯科医療に言及。国民皆歯科健診とも関連させ、疾病の早期発見と健康寿命の延伸が求められていることなどを指摘した。
一方、今回の診療報酬改定については、複雑・難解な改定、新たな項目や算定要件、加算、施設基準の届出などが多数含まれていることを指摘しつつ、日々の診療に加え、特に今次改定でさらに複雑化した診療報酬体系を学習・理解し、適正な保険請求に繋げることが肝要であるとした。
そして、「我々歯科医師の目的は目の前の患者に適正に歯科医療を提供することに邁進したいということだけである」と強調した。
◆萎縮診療はしないこと
最後に、集団的個別指導を恐れた萎縮診療はしないこと、適正な保険請求を行うこと、歯科界全体で協力し、歯科医療費の総枠拡大を目指すことの必要性を提唱し、講演を締め括った。