東京都保健医療局・福祉局に2025年度予算を巡り要望書を提出

東京都保健医療局・福祉局に要望/東京都歯科保健推進計画など4項目

協会は828日、東京都第二本庁舎にて東京都保健医療局および福祉局に対し、協会が作成した「2025年度(令和7年度)東京都予算等に関する要望書」を提出。これに基づく意見交換を行った。協会からは坪田有史会長のほか、本橋昌宏副会長、松島良次理事が参加した。

協会が提出した要望は、「医療機関における指導」「歯科衛生士への復職支援」「医療費助成制度」「患者トラブル・ハラスメント」の4項目となっている。

東京都2025年度予算への要請を行う(左から)本橋昌宏副会長、坪田有史会長、松島良次理事

1、医療機関における指導について

協会は、個別指導に関する対象患者の通知について、「1週間前に30名全員分を通知すること」および「作成や保存していない持参物については持参不要である旨を通知に明記すること」を要望。また、電子カルテによる指導については、実施要領の説明を求めた。

東京都側は、指導については各地方厚生局と都道府県で統一の内容で実施しており、当日の対象患者の通知時期、作成していない書類の扱いについては、引き続き関東信越厚生局東京事務所と情報を共有していくとの考えを示した。また、電子カルテについては、適切かつ個別的な方法で実施要領を定めていくとの考えを示した。

2、歯科衛生士への復職支援について

歯科衛生士の復職については、歯科衛生士としての技術や技量の維持などが課題となっていることから、技術的なリスキリングができるような支援や、再就職に向けたフォローなどを要望した。

東京都側は、歯科衛生士の確保策として再就業対策がより重要であるとの認識を示し、現在、国が歯科専門職の業務実態、働き方改革、働き方に関する調査や、業務のやりがいや魅力を伝えるための効果的な普及啓発を検討していることから、これらに則した形で離職した歯科衛生士に向けた複合的なカリキュラムを備えた研修を実施していくとの考えを示した。

3、医療費助成制度について

「通院1回につき最大200円まで」という自己負担金が残っているため、多摩地区などでは、以前から歯科受診の妨げになっているとの指摘がある。そのため、東京都の子育て支援に関する予算から自己負担分を捻出できないか要望した。

東京都側は、子どもの医療費助成制度は、一定の自己負担を前提とする国の医療保険制度のもと、自己負担を設けていると説明。200円の自己負担について、協会側に理解を求めた。

3、患者トラブル・ハラスメントについて

東京都が開設した「専用ハラスメント相談窓口」について、ハラスメント事例の公表を要望した。また、現在の相談窓口は在宅だけに限定されており、外来も含めた対応を求めた。

東京都側は、相談窓口に寄せられた事例を分析し、今後、在宅医療従事者向けの研修で共有していくとの考えを示し、外来診療におけるハラスメント対策については、さまざまな取り組みによりハラスメント対策の充実を図ることで、医療現場の安全を確保し、安心して従事できる環境を整備していくと説明した。