オン資猶予でも資格確認限定型を導入可/マイナ保険証機能のスマホ搭載、見切り発車感否めず
9月30日の社会保障審議会医療保険部会(部長:田辺国昭/東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、オンライン資格確認システム(以下、オン資)の猶予届出書を提出した医療機関への対応およびマイナ保険証のスマホ搭載が提起された。
◆オン資猶予中でも限定型が導入可能に
電子レセプト請求医療機関では、オン資導入が義務化されているが、光回線未整備などの事情がある場合は猶予されている。今回は、紙レセプト請求医療機関が導入できる資格確認限定型のオン資の対象を拡大し、①光回線が未整備(類型2)、②改築工事中や臨時施設の医療機関(類型4)、③特に困難な事情がある(類型6)―との猶予届出書を提出した医療機関も導入を可能にする(図参照)。11月より医療機関等向け総合ポータルサイトで利用申請を開始し、補助金(4.1万円を上限に3/4補助)も来年1月15日締切で受け付けている。
注目のマイナ保険証のスマホへの搭載については、来年春に、スマホを読み取る「汎用カードリーダー」を顔認証付きカードリーダーに接続して運用する実証事業を行う。実証後に各医療機関で導入する。
ただ、導入に関する補助金は提起されなかった。検討会メンバーの大杉和司氏(日本歯科医師会常任理事)は、度重なるオン資の改修費用などが発生しており、汎用カードリーダーは無償配布すべきと意見を述べた。オン資には、資格確認限定型および訪問診療時を対象とする居宅同意取得型などもあるが、それらには一切触れていない。スマホ搭載の対象が拡大し、その都度改修費用がかかれば現場がついていけなくなる。少なくとも厚生労働省は、適切なシステム開発計画と十分な支援を提案すべきである。