高点数による個別指導は4年連続実施なし/萎縮診療せずカルテ記載や請求内容を確実に
協会は関東信越厚生局東京事務所(以下、東京事務所)に行政文書の開示請求を行い、2023年度の個別指導が96件実施されたことが明らかになった。選定理由の内訳は、情報提供40件、再指導53件などで、高点数による個別指導は4年連続して実施されなかった(表1)。
◆「情報提供」による個別指導は計画件数より2倍
個別指導の実施件数は、指導計画では全体で84件が予定されていたが、実際は12件増の96件となり、情報提供による個別指導は指導計画の21件に対し、約2倍となる40件の医療機関に実施されたことが分かった。これについて東京事務所は、「年度途中の情報等により早急に指導が必要と認める保険医療機関について、適宜選定委員会において選定の上、実施する」とした。
◆新規個別指導の再指導26件
個別指導後の結果は、「概ね妥当」1件、「経過観察」48件、「再指導」32件、「中断中」6件「年度内に指導結果の通知が送付されていない」15件であった(表2)。
新規個別指導の結果は、「概ね妥当」90件、「経過観察」258件、「再指導」26件となった(表3)。新規個別指導後の再指導は、概ね1年後に個別指導が実施される。
指導を受けて今後が不安な先生は、協会まで連絡いただきたい。
◆正しい知識とカルテ記載こそ重要
東京都で行われる個別指導は、指導医療官4名、東京都福祉保健局指導監査部医療機関担当課長1名のほか、保険指導医31名で行う。指導においては、正しい保険請求の知識とその根拠となる適切なカルテ記載こそが最も重要である。
協会では、カルテ記載や保険点数の算定要件などを解説する新規開業医講習会を本年3月に開催する。これから新規個別指導が予定されている方や個別指導などに不安を感じている方はご参加いただきたい。開催要領は下記をご覧ください。
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【新規開業医講習会】
◆新規個別指導を控える先生、改めて保険診療を学びたい先生へ―
新規個別指導は開業後、概ね半年~8カ月以内の医療機関が選定されています。指導対策は、通知が届く前の早い段階で準備を進めることが最も大切です。講習会では、年間100件を超える相談を基に、指導で指摘されやすい事項を含め、保険診療の基本的なルールやカルテ記載、請求方法、自費と保険の考え方を丁寧に解説します。
これから開業を検討しておられる先生や勤務医の先生、改めて保険のルールなどについて確認したいという先生にも、ぜひご参加いただきたい講習会です。
★日 時 3月30日(日)正午~午後5時30分
★講 師 協会講師団
★会 場 ワイム貸会議室高田馬場(4F)
★定 員 50名
★対 象 会員・未入会員
★参加費 会員13,000円、未入会員30,000円
★予 約 こちらからお申し込みください
★担 当 組織部:TEL 03-3205-2999