歯科診療報酬改定に関する通知案が提示される/51年通知は廃止に
厚生労働省は本日付で、ホームページ上に2014年度診療報酬改定に関する通知案を掲載した。医科歯科調剤が同じ資料に掲載されているが、詳細は以下のアドレスから閲覧していただきたい(なお、歯科関係ページはパソコン上では607ページ付近から)。
厚労省は、いわゆる「51年通知」について、「保険給付外の材料等による歯冠修復及び欠損補綴は保険給付外の治療となるが、この取扱いについては、歯及び口腔に対する治療体系が細分化されている歯科治療の特殊性に鑑み、当該治療を患者が希望した場合に限り、歯冠修復にあっては、歯冠形成(支台築造を含む。)以降、欠損補綴にあっては補綴時診断以降を保険給付外の扱いとする。 その際に、当該治療を行った場合は、診療録に自費診療への移行等や当該部位に係る保険診療が完結している旨が判るように明確に記載する。なお、『歯科領域における保険給付外等の範囲について』(昭和51年7月29日保文発第352号)は、平成26年3月31日をもって廃止する」としている。いわゆる51年通知はこのセンテンスで廃止が決まった。このセンテンスをよく読めば、51年通知は廃止されたものの、実質的にこれまでと大きな変動はない、とみることはできよう。しかし、あらためて「廃止する」と宣言する本当の理由、目的はどこにあるのか疑問が残るところだ。
なお、この通知案について厚労省は改めて「この資料は、関係者の準備に資することを目的として、現段階の案を掲載したものです。今後、変更が
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000038904.pdf
◆重くなる在宅医療支援歯科診療所の役割
なお、今後の機能強化が示唆されているのは在宅療養支援歯科診療所である。これは、 在宅または社会福祉施設等における療養を歯科医療面から支援する歯科診療所であり、平成20年度診療報酬改定時に創設されたもので、①歯科訪問診療料を算定していること、②高齢者の心身の特性、口腔機能管理、緊急時対応に関する研修を修了した常勤の歯科医師が1名以上配置されていること、③歯科衛生士が配置されていること、④必要に応じて、患者または家族、在宅医療を担う医師、介護・福祉関係者等に情報提供できる体制を整えていること、⑤在宅歯科医療に係る後方支援の機能を有する別の保険医療機関との連携体制が確保されていること―など、厳しい施設要件が規定されている。協会でもこれら諸要件を満たす講習会を開催しているが、現在、この支援診の届け出を出しているのは、全国の歯科診療所の中の約7%にとどまっている。