社保審医療保険部会で紹介状なし大病院受診に議論集中
第78回社会保障審議会医療保険部会が7月7日、厚労省講堂で開催された。「療養の範囲の適正化・負担公平の確保」「出産育児一時金」「紹介状なしで大病院を受診する場合の患者負担」などが取り上げられた。その中で議論が集中したのは「紹介状なしで大病院を受診する場合の患者負担」で、厚労省側の考えでは、紹介状を持たずに大病院を受診した患者に対し、治療の初回にかかる初診料や、再診料を全額自費負担にしたい、との意向である点が明らかにされ、さらに厚労省側から、現在でも200床以上の病院で紹介状のない患者の初診と再診については、病院が任意で保険外併用療養費が加算できる仕組みがあることを報告。こうした事実を踏まえて議論を行うよう示唆した。しかし、医院側からは、患者が大病院を志向する理由は何か、どのような患者が大病院を選択しているのか、紹介状なしで大病院を受診した患者の病状などに関する具体的なデータ提出を求める意見が出された。しかし、部会の場には、厚労省側にそのようなデータがなかったため、その作成、提示が急務となった。
そのほか、厚労省側が、「定額負担を求める保険医療機関の範囲」「定額負担の額をどうするのか」「新たな定額負担は、高額療養費の対象とするか」などについて説明を加えたが、医院から「定額負担」との表現そのものが、かつての「受診時定額負担」を連想させてしまうほか、これが保険外の布石にされることも考えられるといったことが指摘された。