疑義解釈資料(2010年3月30日更新)

歯科診療報酬点数表関係

【初診・再診料】

(問1)

障害者歯科医療連携加算は、初診料を算定した日ではなく、初診月内の再診時に算定することは可能か。

障害者歯科医療連携加算は、初診料を算定した日に限り算定できるものであり、再診日には算定できない。

(問2)

別に厚生労働大臣が定める歯科外来診療環境体制加算に係る施設基準に適合するものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において、外来診療部門において初診行為を行い、必要があって、当該初診日と同日に入院した場合、歯科外来診療環境体制加算は算定できるのか。

別に厚生労働大臣が定める歯科外来診療環境体制加算に係る施設基準に適合するものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において、外来において初診行為を行い、必要があって即日入院した場合においては、歯科外来診療環境体制加算は算定できる。

(問3)

歯科医療を担当する病院の外来診療部門において初診を行い、入院医療の必要性を認め、初診日と同日に入院した場合において、障害者歯科医療連携加算と地域歯科診療支援病院入院加算を併せて算定することは可能か。

別に厚生労働大臣が定める障害者歯科医療連携加算及び地域歯科診療支援病院入院加算に係る施設基準に適合するものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において、外来において初診行為を行い、必要があって即日入院した場合、算定要件を満たす患者であれば、障害者歯科医療連携加算と地域歯科診療支援病院入院加算を併せて算定することができる。

【医学管理】

(問4)

初診日が平成22年3月である患者について、同月に歯科疾患管理料(1回目)を算定せず、初診日から起算して1月以内の期間が同年4月に及ぶ場合において、歯科疾患管理料(1回目)を同年4月に算定する場合の算定時期についての考え方如何。

この場合においては、歯科疾患管理料(1回目)は、平成22年4月末日までに算定する。

(問5)

初診日が平成22年3月である患者について、同月に歯科疾患管理料(1回目)を算定した場合においては、歯科疾患管理料(2回目)の算定時期についての考え方如何。

この場合における歯科疾患管理料(2回目)の算定については、継続的な歯科疾患の管理が行われている場合は、初診日から起算して1月を経過していない場合であっても、同年4月に歯科疾患管理料(2回目)を算定して差し支えない。

(問6)

平成22年度歯科診療報酬改定において新設された歯科疾患在宅療養管理料は、歯科訪問診療料を算定した患者であって、継続的な歯科疾患の管理が必要な患者が対象となるが、この「歯科訪問診療料を算定した患者」とは、同一初診期間中に歯科訪問診療料を算定した患者か、又は、歯科疾患在宅療養管理料を算定する日に歯科訪問診療料を算定している患者のいずれをいうのか。

同一初診期間中に歯科訪問診療料を算定した患者をいう。

(問7)

平成22年3月に「新製有床義歯管理料」を算定した場合であって、引き続き、義歯管理を行っている場合の平成22年4月以降における同一初診期間中の義歯管理料の取扱い如何。

平成22年3月に新製有床義歯管理料を算定した場合であって、平成22年4月以降において義歯管理を行った場合は、平成22年4月及び5月においては、有床義歯管理料を算定し、6月から平成23年2月までの期間においては、有床義歯長期管理料を算定する取扱いとなる。

(問8)

平成22年3月に新製有床義歯を装着したが、同月に新製有床義歯管理料を算定しない場合において、平成22年4月以降(同一初診期間中)の義歯管理料を算定する場合の取扱い如何。

平成22年3月に新製有床義歯を装着したが、同月に新製有床義歯管理料を算定しない場合であって、平成22年4月以降に義歯管理を行った場合は、平成22年4月においては新製有床義歯管理料を、同年5月及び6月においては有床義歯管理料を、同年7月から平成23年3月までの期間においては、有床義歯長期管理料を算定する取扱いとなる。

(問9)

同一月において、有床義歯の新製を前提に旧義歯の修理及び義歯管理を行った後に有床義歯の新製を行った場合における義歯管理料の算定方法如何。

この場合においては、当該月に有床義歯管理料を算定し、その後に新製有床義歯管理料を算定することとなる。

(問10)

有床義歯調整管理料は、当該管理料を算定する月と同一月において、義歯管理料を算定した患者について算定するものであると考えてよいか。

有床義歯調整管理料は、当該管理料を算定する月と同一月に義歯管理料を算定した患者について、義歯管理料を算定した日以外の日において、月2回を限度に算定できる。

(問11)

同一月において、有床義歯の新製を前提に旧義歯の修理及び義歯管理を行った後に有床義歯の新製を行った場合の有床義歯調整管理料は、当該月に何回まで算定可能か。

有床義歯調整管理料は、同一月に有床義歯管理料及び新製有床義歯管理料を算定した場合であっても、義歯管理料を算定した日以外において、月2回を限度に算定する取扱いである。

(問12)

歯科衛生実地指導料について、小児患者又は障害者である患者との意思の疎通が困難な場合において、当該患者のプラークチャートを用いたプラークの付着状況を指摘し、当該患者に対するブラッシングを観察した上で、当該患者の保護者に対して療養上必要な指導を行った場合に当該指導料は算定できるか。

算定できる。

(問13)

平成22年度歯科診療報酬改定において、区分番号A000に掲げる初診料の「注10」に規定する障害者歯科医療連携加算が新設されたこと等に伴い、障害者歯科医療に係る医療機関間の円滑な連携を図る観点から、区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)の「注6」に規定する加算の算定に基づく診療情報提供を行う場合等であって、診療情報提供の文書に示すべき診療状況に係る情報の中に、患者が基本診療料に係る障害者加算を算定していた旨を含めるものと考えてよいか。

そのとおり。

【在宅医療】

(問14)

患者に対する歯科疾患在宅療養管理料に係る情報提供文書と口腔機能管理加算に係る情報提供文書を同一の文書にまとめても差し支えないか。

差し支えない。

(問15)

歯科疾患在宅療養管理料については、3月に1回以上患者に対して文書により情報提供することとなっているが、口腔機能管理加算に係る情報提供文書の取扱い如何。

口腔機能管理加算については、算定ごとに文書による情報提供が必要となる。

(問16)

歯科訪問診療料について、同一敷地内又は隣接地に棟が異なる建物が集まったマンション群や公団住宅等はそれぞれの建物を別の建物と扱うと考えてよいか。

そのとおり。

(問17)

同一日に同一建物居住者に対して歯科訪問診療を行った場合は、診療時間により歯科訪問診療2又は初診料若しくは再診料のいずれかの算定となる取扱いであるが、患者の都合等により、当該同一建物居住者に対して、午前と午後の2回に分けて訪問診療を行った場合においては、いずれの患者についても、歯科訪問診療2又は初診料若しくは再診料のいずれかにより算定するものと考えてよいか。

そのとおり。

(問18)

歯科訪問診療料について、外観上明らかに別建物であるが渡り廊下のみで繋がっている場合は別建物として扱うものと考えてよいか。

そのとおり。

【検査】

(問19)

平成22年度歯科診療報酬改定において、混合歯列期歯周組織検査が新設されたが、乳歯列期の患者についての混合歯列期歯周組織検査に係る取扱い如何。

混合歯列期歯周組織検査における乳歯列期の患者の取扱いについては、混合歯列期の患者に準じて取り扱う。

(問20)

平成22年度歯科診療報酬改定において新設された混合歯列期歯周組織検査について、歯周基本検査及び歯周精密検査と同様に、1月以内に歯周組織検査を2回以上行った場合は、第2回目以降の検査は所定点数の100分の50により算定する取扱いとなるのか。

そのとおり。

(問21)

混合歯列期の患者について、患者の口腔内の状態により、プロービング時の出血の有無及び歯周ポケット測定のいずれの検査も行わず、プラークの付着状況の検査等を行った場合において、歯周組織検査を算定することは可能か。

算定できない。

【画像診断】

(問22)

平成22年度歯科診療報酬改定において歯科点数表に新設された時間外緊急院内画像診断加算は、地域において、休日診療の当番医となっている歯科保険医療機関においても算定可能か。

保険医療機関が診療応需の体制を解いた状況であって、急患等により診療を求められた場合であって、通常の診断では的確な診断が下せず、なおかつ通常の画像診断の体制が整う時間まで画像診断の実施を見合わせることができないような緊急に画像診断を要する場合において、当該診断体制を整えることを考慮して設定されているものである。このことから、休日診療の当番医となっている歯科保険医療機関において、応需体制を整えている診療時間において当該加算を算定することはできない。

(問23)

歯科点数表の区分番号E100に掲げる歯牙、歯周組織、顎骨、口腔軟組織の「注1」の加算については、咬翼型フィルム又は咬合型フィルムを使用した場合に加算する取扱いであったところ、平成22年度歯科診療報酬改定において、咬翼法撮影又は咬合法撮影を行った場合に加算する取扱いとなったが、デジタル撮影により咬翼法又は咬合法撮影を行った場合であっても算定できるものと考えてよいか。

そのとおり。

【処置】

(問24)

歯周基本治療処置は、歯周基本治療を行った部位に対して、歯周基本治療と同日に算定して差し支えないか。

差し支えない。

(問25)

歯周基本治療処置と歯周疾患処置は、同一月内には算定できない取扱いであるが、同一月内において、歯周基本治療処置を算定した後、歯周疾患の急性症状が発現し、症状の緩解を目的として歯周ポケット内へ薬剤注入を行った場合の算定方法如何。

この場合においては、歯周基本治療処置を算定し、歯周疾患処置については、特定薬剤に係る費用のみの算定となる。

(問26)

舌接触補助床は、歯科保険医療機関において摂食機能療法を行っている患者にについて、当該補助床が必要と判断され、製作した場合に算定するものであるが、医科の保険医療機関において摂食機能療法を行っている患者について、当該医科の医療機関において舌接触補助床の製作が必要と判断され、歯科の保険医療機関に当該補助床の製作を依頼した場合においても、床副子の「3著しく困難なもの」により算定することは可能か。

可能である。なお、この場合において、床副子の「3著しく困難なもの」の算定に当たっては、摂食機能療法を行っている医科の医療機関名を診療報酬明細書の「摘要」欄に記載すること。

【歯冠修復及び欠損補綴】

(問27)

平成22年度歯科診療報酬改定において新設された有床義歯修理にかかる歯科技工加算は、破損した有床義歯に係る診察を行い、破損した義歯を患者から預かった日から起算して2日以内において、院内技工士を活用して修理を行い、装着した場合に算定することとなっているが、休診日等のため、修理後の有床義歯を装着するまでに、当該義歯を預かった日から起算して3日以上を要した場合は、歯科技工加算はどのような取扱いとなるのか。

歯科技工加算は、破損した義歯を患者から預かった日から起算して2日以内に装着した場合に算定する取扱いである。

【歯科矯正】

(問28)

歯科矯正診断料に係る施設基準の要件の一つに、1名以上の常勤歯科医師が配置されていなければならないが、歯科矯正治療の経験を5年以上有する歯科医師と同一の歯科医師である場合は、当該施設基準の届出書の「常勤の歯科医師」欄と「歯科矯正を担当する専任の歯科医師」欄には、当該歯科医師のみについて記載すればよいのか。

そのとおり。

(問29)

平成22年度歯科診療報酬改定において、別に厚生労働大臣が定める先天性疾患等の範囲が拡大されたが、平成22年3月末日まで既に自費診療にて矯正治療を行っていた場合であって、平成22年4月以降においても継続して当該歯科治療を行う場合の取扱い如何。

平成22年度歯科診療報酬改定において、別に厚生労働大臣が定める疾患として新たに追加された疾患については、平成22年4月1日以降に、歯科矯正セファロ分析、口腔内写真、顔面写真等による分析結果や評価等を踏まえた上で、治療計画書を患者に提供し、歯科矯正診断料を算定した場合にあっては、当該疾患に係る歯科矯正治療は保険給付の対象となる。なお、この場合においては、診療報酬明細書の「傷病名部位」欄に当該疾患名を記載し、自費診療からの保険診療へ移行した旨を「摘要」欄に記載すること。

(問30)

歯科矯正管理料に係る患者又はその家族に対する情報提供文書については、顎切除、顎離断等の手術を必要とする療養を行う場合においては、当該手術を担当する保険医療機関名及び担当保険医の氏名等を記載することとなっているが、歯科矯正診断料に基づく歯科矯正治療においても、顎切除等の手術が必要な場合には当該保険医療機関名及び担当保険医の氏名等の記載が必要となるのか。

歯科矯正診断料に基づく歯科矯正治療において、顎切除等の手術が必要となる場合においては、歯科矯正管理料に係る患者又はその家族に対する情報提供文書に当該手術を担当する保険医療機関名及び担当保険医の氏名等を記載する必要がある。

【明細書の発行】

(問31)

平成22年4月現在、歯科診療所はレセプトの電子請求が義務化されていないが、明細書発行の義務はあるのか。

歯科診療所は平成23年4月1日より原則としてレセプトの電子請求が義務化となるため、平成23年4月1日より原則として全患者に対しての明細書発行が義務となる。
なお、電子請求が義務化されたが正当な理由に該当する診療所については、平成23年4月1日までに地方厚生(支)局長あてに届出を行うこと。

(問32)

平成23年4月1日以降であっても、常勤の歯科医師がすべて高齢者であることやレセコンリース期間中であること等により、電子請求が免除又は猶予されている歯科診療所の場合、明細書発行の義務はあるのか。

電子請求が免除又は猶予されている場合には、明細書発行の義務はないが、発行されることが望ましい。

医科の疑義解釈より

【明細書発行体制等加算】

(問8)

明細書が不要である旨申し出た患者に対しても明細書発行体制等加算を算定してよいのか。

算定可。

(問9)

明細書としてレセプトを交付している場合でも要件に該当するのか。

個別の点数がわかるように必要な情報を付したうえで交付していれば、レセプトでも差し支えない。

(問10)

明細書発行体制等加算の届出には、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の別添7の様式2の2以外に、何らかの添付書類は必要なのか。

不要。

(問11)

明細書発行体制等加算の要件には、レセプト電子請求を行っていることとあるが、電子請求の届出を審査支払機関に既に提出しており、確認試験中である場合には、当該要件を満たすことになるのか。

電子請求を行っていることが要件であるため、電子請求が可能となる月から算定可能である。
具体的には、例えば5月10日の請求から電子請求が可能となる場合には、その他の要件を満たしていれば、5月1日の診療分から明細書発行体制等加算が算定可能となる。なお、この場合、明細書発行体制等加算の地方厚生(支)局長への届出は5月1日までに行う必要がある。