2016年分の年末調整とマイナンバー制度/機関紙2016年12月1日号(№561号)より 

2016年分の年末調整とマイナンバー制度/機関紙2016年12月1日号(№561号)より 

質問① 税務署から※「平成29年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」という書類が届くなど、従業員の社会保険手続きや年末調整等でマイナンバーを使用する場面が増えてきたが、従業員からマイナンバーを集めて記載しなければならないのか。

回答①  今年度から事業主に、従業員の年末調整の際のマイナンバーの収集義務が課されました。事業主は従業員のマイナンバーを収集し、社会保険関係の届け出や税務署への提出書類に従業員のマイナンバーを記載することが義務となります。ただし、従業員にマイナンバーの提出を拒否された場合、記載せずに提出することもできます。収集できなかったことによる罰則は今のところはなく、内閣官房でもマイナンバーの記載がなくても書類は受け取ると回答しています。事業主として、収集は努力義務なので、マイナンバーの提供を拒否された場合、収集に努めたが収集できなかった旨を必ず記録として残しておいてください。

質問② 年末調整のマイナンバーの取り扱いについて、歯科診療所での実務はどのようなものがあるか。

回答② 事業主が個人番号関係事務の実施者となりますので、①マイナンバーの取得・本人確認、②利用・安全管理、③マイナンバーの提供、の各段階に応じて注意すべき事項があります。まず①ですが、従業員のマイナンバーを取得する際に、本人のもので間違いがないか運転免許証や住民票などで確認を行います。ただし、従業員の扶養家族については扶養者である従業員に本人確認義務がありますので、従業員の扶養家族のマイナンバーまで確認を行う必要はありません。次に ②ですが、マイナンバーの利用について、番号法で定められている利用範囲を超えて利用することはできないため、マイナンバーをむやみに利用・提供することはできません。最後に③ですが、マイナンバーの提供とは従業員のマイナンバーを含む特定個人情報を第三者へ開示することです。ただし、事業主が特定個人情報を第三者へ提供できるのは番号法第19条に定められている場合に限定されます。当該法に該当しない場合は要求を拒否する必要があります。

質問③  来年度から毎年5月に郵送される住民税特別徴収の通知書に、従業員のマイナンバーが記載された状態で郵送されてくるという報道を見た。どういうことか。

回答③ 事業主が個人番号関係事務の実施者となりますので、①マイナンバーの取得・本人確認、②利用・安全管理、③マイナンバーの提供、の各段階に応じて注意すべき事項があります。まず①ですが、従業員のマイナンバーを取得する際に、本人のもので間違いがないか運転免許証や住民票などで確認を行います。ただし、従業員の扶養家族については扶養者である従業員に本人確認義務がありますので、従業員の扶養家族のマイナンバーまで確認を行う必要はありません。次に ②ですが、マイナンバーの利用について、番号法で定められている利用範囲を超えて利用することはできないため、マイナンバーをむやみに利用・提供することはできません。最後に③ですが、マイナンバーの提供とは従業員のマイナンバーを含む特定個人情報を第三者へ開示することです。ただし、事業主が特定個人情報を第三者へ提供できるのは番号法第19条に定められている場合に限定されます。当該法に該当しない場合は要求を拒否する必要があります。