社保・学術部

5月31日までにホームページに掲載すべき事項について

5月31日までにホームページに掲載すべき事項について

2024年度診療報酬改定で保険医療機関は書面掲示することとされている事項について、5月31日までに原則としてウェブサイトに掲載しなければならなくなりました。
掲載すべき項目は以下の通りです。

○ 厚生局に届け出た施設基準
○ 明細書の発行状況に関する掲示
○ 物品の販売等であって患者から費用の支払を受けるものに関する事項(当該費用の支払が法令の規定に基づくものを除く)

○ 保険外併用療養費に関するもの
  ・ 金属床による総義歯に係る費用徴収その他必要な事項
  ・ う蝕に罹患している患者の指導管理に係る費用徴収その他必要な事項
  ・ う蝕に罹患している患者の指導管理に係る費用徴収その他必要な事項
  ・ 長期収載品(後発医薬品のある先発医薬品)の処方

自ら管理するウェブサイトを有しない保険医療機関は対象外です。

デンタルブックでは、院内掲示ポスターがダウンロードできます。
院内掲示ポスターの内容を活用してHPにも掲載してください。
各医院に適したものをダウンロードしてご利用ください。


① デンタルブックにログインし、「デンタル書庫」を選択

 
② 「デンタル書庫」内の「院内掲示ポスター/患者配布チラシ」を選択


③ 必要な施設基準をダウンロードし、ご利用ください。PDFやPowerPointデータなどでもダウンロードできます。

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厚生労働省が通知 歯科薬剤の安定供給を指示/協会の要望が反映・実現

厚生労働省が通知 歯科薬剤の安定供給を指示/協会の要望が反映・実現

厚生労働省は16日、医政局医薬産業振興・医療情報企画課からの事務連絡「歯科診療所等への医療用医薬品の安定供給について(協力依頼)」を関係機関宛に通知した。

これは、スポンゼルの限定出荷が長期に渡り代替品との価格差が大きいこと、および麻酔剤や抗菌薬、解熱鎮痛剤などが入手困難な状況であることから、20249月に協会が厚労省に改善を要望した。その際に、「医薬品の安定的な供給については、医薬産業振興・医療情報企画課にも情報共有しながら対応していきたい」との回答を受けていた。その後、千葉県保険医協会と全国保険医団体連合会も改善を要求。その結果として、今回の事務連絡が通知されたものである。

その中では、歯科診療所では、「歯科治療に用いる医療用医薬品の内、特に解熱鎮痛剤、抗菌薬、麻酔剤(以下、解熱鎮痛剤等)の入手が困難な状況が続いており」と現状分析し、さらに「医療機関や薬局と比較して、歯科診療所の購入が少量であることや購入実績が少ないことから、限定出荷や出荷調整の影響を受けやすい」と考えられることを示した。

また、解熱鎮痛剤を含む医療上必要不可欠な安定確保医薬品などに対しては、供給不足に対応するため、増産に必要な施設整備費などへ緊急的な補助を行うといった対応をするとしている。しかし、状況の改善には、まだ時間を要する見込みであることから、歯科用医薬品卸売販売業者や歯科診療所にも適切な量の供給に協力を求めている。

今回の通知により、今後、歯科薬剤の安定供給が確実に実行されるよう期待したい。協会は引き続き、状況を注視し、対処していく。

生産性向上・職場環境改善を目指す/1診療所当たり18万円を給付へ

生産性向上・職場環境改善を目指す/1診療所当たり18万円を給付へ

昨年125日に開催された社会保障審議会医療保険部会で、2024年度補正予算に「医療分野の生産性向上・職場環境改善等による更なる賃上げ等の支援」が盛り込まれた。

▼ベースアップ評価料の届出が条件

これは、ベースアップ評価料の届出をしている1歯科医療機関あたり経費相当分の給付金として18万円を支給するものだ。具体的な申請方法や申請期限は、今後示される予定。詳細がわかり次第、デンタルブックメールニュースなどで知らせる。

なお、本年1月から、ベースアップ評価料(Ⅰ)専用届出様式が簡素化されている。概要は以下の通り。

【対象施設】

・生産性の向上に資する設備導入等の取り組みを進める医療機関等(ベースアップ評価料届出医療機関に限る)

【交付額】

18万円/施設

【生産性向上に向けた取り組みのイメージ】

ICT機器の導入による業務の効率化

・タブレット端末、離床センサー、インカム、WEB会議設備等の導入

 →職員間の情報伝達の効率化(チーム医療の推進)

・床ふきロボット、監視カメラ等の導入

 →清掃業務、院内監視業務等の効率化

・タスクシフト/シェアによる業務の効率化

・医師事務作業補助者・看護補助者の配置↓医師・看護師の業務効率化(診断書作成、病室内の環境整備や看護用品の整理等)

※新たに配置する際に必要な経費の他、既に雇用している職員の人件費に充てることが可能

【施策のスキームなど】

Ⅰ 医療機関は都道府県に交付申請し、都道府県は国に所要額を交付申請

Ⅱ 国は都道府県を通じて医療機関に所要額を交付決定し、都道府県が医療機関に交付

Ⅲ 医療機関は速やかに都道府県に実績報告

Ⅳ 都道府県が国に実績報告を行い、国は交付額を確定して都道府県に通知

診療報酬期中改定/4月実施へ

診療報酬期中改定/4月実施へ

1月29日に行われた中央社会保険医療協議会(中医協)総会に「中間年改定の年に行う期中の診療報酬改定」として、歯科に関連して歯科衛生士や歯科技工士のタスクシフト・手間への評価が答申された。その中で歯科関連については、歯科衛生実地指導料の口腔機能指導加算、歯科技工士連携加算がそれぞれ4月から引き上げられる(表参照)。

今回答申されたのは、①入院時の食費の基準の見直し、②歯科衛生士や歯科技工士のタスクシフト、手間への評価の見直し、③長期収載品の選定療養化や医薬品供給不安に伴う服薬指導の評価の見直し―の3項目。特に②では、高齢化の進展などにより歯科診療のニーズが増加している中、歯科診療所などで、より専門的な業務を行う歯科衛生士、歯科技工士を確保し、限られた人材で歯科医療を効率的に提供する観点から、歯科衛生士、歯科技工期中改定表 4月以降の点数引き上げ士の業務に関わる評価の見直しが盛り込まれている。

昨年1225日の大臣折衝を踏まえ、緊急的に対応すべきものとして「地域での希少な医療資源を有効活用する観点から、口腔機能指導や歯科技工士との連携に係る加算について上乗せ加算を講ずる」とされた。

重要懸案/オンライン請求猶予届出を巡り厚労省が再提出方法示す

重要懸案/オンライン請求猶予届出を巡り厚労省が再提出方法示す

会員から「オンライン請求の猶予届出が不受理となった」との問い合わせが多数寄せられている。全国の保険医協会・医会からも同様の状況が報告されているため、全国保険医団体連合会(保団連)は昨年1226日、オンライン請求猶予届出の再提出に関する厚生労働省要請を実施した。以下に、届出の再提出の方法などを紹介するので、参考にしていただきたい。

厚労省はオンライン資格確認の体制整備の機会に乗じて、医療機関の請求方法を「20249月末までに原則オンライン請求に移行」とし、光ディスクなど(以下、電子媒体)で請求する医療機関については「猶予届出書兼オンライン請求への移行計画書(以下、猶予届出書)」の提出が必要としていた。 ところが、電子媒体での請求を続けるための猶予届出書を提出したにもかかわらず、「オンライン請求に移行できない理由」に該当しないとして、支払基金から電話があり、返戻される事案が東京を含む全国で確認されていた。

そこで、保団連が電子媒体で請求する医療機関からの猶予届出書の再提出要請を撤回することなどを求めて、改めて厚労省要請を実施した形だ。

その結果、「移行できない理由」を記載する際は、その具体的な理由を付け加えて記載することが付記された。例えば、「患者減少のため、今後の費用負担など経営上の理由で導入困難」や「高齢のためセキュリティ上の不安から導入困難」などがあげられる。

「レセプト枚数が極端に少ない」や「1年後に廃院を検討中」「高齢のため一人で対応している」など、さらに具体的な理由がある場合は「備考欄」に記入する。

また、猶予届出書の更新期日は2025年9月末まである。様式には、移行の目安時期の記載が必要となる。移行計画は「イ.来年*3月末までの時期」または、「ウ.来年*9月末までの時期」のどちらかを選択することになるが、残りの期間を鑑みると、「ウ」の選択が現実的である(*猶予届出書は2024年内に提出したものであるため、「来年=2025年」を指す)。

歯科用貴金属の随時改定 3月から引き上げへ

歯科用貴金属の随時改定 3月から引き上げへ

歯科用貴金属の随時改定が3月から実施される。
金銀パラジウム合金などの告示価格は1グラムあたり3,010円から3,230円に、30グラムあたりでは90,300円から96,900円に引き上げられる。

4つの施設基準のための講習会を開催

4つの施設基準のための講習会を開催

協会は1215日、ワイム貸会議室高田馬場で、改定後に追加された研修内容を含む「施設基準のための講習会」を開催した。講師は、繁田雅弘氏(東京慈恵会医科大学名誉教授)、坂下英明氏(明海大学名誉教授)、馬場安彦氏(当協会副会長) 、森元主税氏(当協会理事)が務めた。

この講習会は、①歯科外来診療医療安全対策加算1(外安全1)、②歯科外来診療感染対策加算2(外感染2)、③口腔管理体制強化加算(口管強)—などの研修要件に対応した講習であり、新規に施設基準の届出を行う会員を想定して開催したもの。

歯初診・外安全1・外感染2に対応したコースに30名、歯初診・外安全1・外感染2、口管強、歯援診に対応したコース53名が参加した。

◆次回講習会開催予定

次回は316日に今年度最後の施設基準のための講習会を開催する。今後新規に施設基準の届出を検討している会員はぜひ参加いただきたい。

なお、本年5月末までに再届出が必要となっている旧か強診の届出医療機関は、改定により追加された研修を受講し、その要件を満たした上で、再届出する必要があるため、130日および219日の「口管強追加研修」を受講していただきたい。

内容詳細・お申し込みは、この協会ホームページ「研究会・行事」をご覧いただきたい。

2023年度 高点数による個別指導は4年連続実施なし/萎縮診療せずカルテ記載や請求内容を確実に

2023年度 高点数による個別指導は4年連続実施なし/萎縮診療せずカルテ記載や請求内容を確実に

協会は関東信越厚生局東京事務所(以下、東京事務所)に行政文書の開示請求を行い、2023年度の個別指導が96件実施されたことが明らかになった。選定理由の内訳は、情報提供40件、再指導53件などで、高点数による個別指導は4年連続して実施されなかった(1)。

◆「情報提供」による個別指導は計画件数より2倍

個別指導の実施件数は、指導計画では全体で84件が予定されていたが、実際は12件増の96件となり、情報提供による個別指導は指導計画の21件に対し、約2倍となる40件の医療機関に実施されたことが分かった。これについて東京事務所は、「年度途中の情報等により早急に指導が必要と認める保険医療機関について、適宜選定委員会において選定の上、実施する」とした。

◆新規個別指導の再指導26件

個別指導後の結果は、「概ね妥当」1件、「経過観察」48件、「再指導」32件、「中断中」6件「年度内に指導結果の通知が送付されていない」15件であった(2)。

 新規個別指導の結果は、「概ね妥当」90件、「経過観察」258件、「再指導」26件となった(3)。新規個別指導後の再指導は、概ね1年後に個別指導が実施される。

指導を受けて今後が不安な先生は、協会まで連絡いただきたい。

◆正しい知識とカルテ記載こそ重要

東京都で行われる個別指導は、指導医療官4名、東京都福祉保健局指導監査部医療機関担当課長1名のほか、保険指導医31名で行う。指導においては、正しい保険請求の知識とその根拠となる適切なカルテ記載こそが最も重要である。

協会では、カルテ記載や保険点数の算定要件などを解説する新規開業医講習会を本年3月に開催する。これから新規個別指導が予定されている方や個別指導などに不安を感じている方はご参加いただきたい。開催要領は下記をご覧ください。

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【新規開業医講習会】

◆新規個別指導を控える先生、改めて保険診療を学びたい先生へ―

新規個別指導は開業後、概ね半年~8カ月以内の医療機関が選定されています。指導対策は、通知が届く前の早い段階で準備を進めることが最も大切です。講習会では、年間100件を超える相談を基に、指導で指摘されやすい事項を含め、保険診療の基本的なルールやカルテ記載、請求方法、自費と保険の考え方を丁寧に解説します。

 これから開業を検討しておられる先生や勤務医の先生、改めて保険のルールなどについて確認したいという先生にも、ぜひご参加いただきたい講習会です。

★日 時 330日(日)正午~午後530

★講 師 協会講師団

★会 場 ワイム貸会議室高田馬場(4F)

★定 員 50

★対 象 会員・未入会員

★参加費 会員13,000円、未入会員30,000

★予 約 こちらからお申し込みください

★担 当 組織部:TEL 03-3205-2999

<受付中>3月16日(日) 第7回施設基準のための講習会

本講習会は、以下に掲げる施設基準の「研修要件」を満たす講習会です。

新規に以下の施設基準を届出する会員の先生方向けの講習会です。
  • 歯初診(歯科点数表の初診料の注1に係る施設基準)
  • 外安全1(歯科外来診療医療安全対策加算1)
  • 外感染2(歯科外来診療感染対策加算2)
  • 口管強(小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算)
  • 歯援診1・2(在宅療養支援歯科診療所1・在宅療養支援歯科診療所2)

◆お申込みの内容を確認後、開催(2月中旬以降)が近くなりましたら、郵送先(すでに協会に登録済みのDM送付先)に案内状と振込用紙(ゆうちょ銀行用)をお送りします。なお、期日までに振込の確認ができない場合、キャンセル扱いとなる場合がございます。
また、当会会員限定の講習会になっておりますので、未入会の先生はお申込み前にご入会が必要になります。

【日 時】
3月 16 日(日)

【内 容】
▼5つコース▼ 参加費:8,000円
13時~1830
~対応している施設基準~
●歯初診、外安全1、外感染2、口管強、歯援診1・2
※お申込みを頂くコースによって、開始時間および参加費用が異なりますのでご注意ください。

▼3つコース▼ 参加費:5,000円
16時~1830
~対応している施設基準~
●歯初診、外安全1、外感染2
※お申込みを頂くコースによって、開始時間および参加費用が異なりますのでご注意ください。

 【場 所】
ワイム貸会議室高田馬場 3階

 【対象者】
会員(東京歯科保険医協会の会員に限ります)
※代理出席は認められません。ご本人の参加が必須です。
※未入会の先生はご入会が必要になります。
※他協会の方はお申込み頂けません。

【定 員】
100名程度(定員になり次第、締め切らせていただきます)。

【講 師】
・繁田雅弘 氏(東京慈恵会医科大学精神医学講座 名誉教授)
・坂下英明 氏(明海大学名誉教授/朝日大学客員教授/我孫子聖仁会病院口腔外科センター長)
・馬場安彦 氏(東京歯科保険医協会 副会長)
・森元主税 氏(東京歯科保険医協会 理事)
 
【内 容】
在宅医療・介護等、歯科疾患の重症化予防に資する継続管理(エナメル質初期う蝕管理、根面う蝕管理および口腔機能の管理を含む)、高齢者・小児の心身の特性(認知症を含む)、院内感染防止、緊急時対応、医療事故、偶発症等
※施設基準の届出に必要な研修要件を網羅できます。

【問い合わせ先】
社保・学術部:03-3205-2999

 【申し込みはこちら】
https://forms.gle/UKoH3tma8fp5R8SR8
<必ずお読みください>
かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の施設基準を3月31日までに届け出ている医療機関であって、かつ当該施設基準の算定実績がある医療機関の場合、2025年5月31日までに口管強(小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算)の施設基準を厚生局に届け出を行うことで施設基準を維持することができます。そのため、上記に該当する会員においては、「施設基準のための講習会(口管強追加研修)  」を受講いただき、口管強の届出の際にご活用ください。ご不明な点は、協会までお問い合せください。

「第1回学術研究会」を開催~オーラルフレイルを見過ごさない

「第1回学術研究会」を開催~オーラルフレイルを見過ごさない

協会は1023日、第1回学術研究会を協会会議室とZoomウェビナー併用で開催した。「今なぜオーラルフレイル(オラフ)を学ぶのか?」をテーマに、松島良次理事が講師を務め、会場8名を含む146名が参加した。

オーラルフレイルは、滑舌の低下、食事中のむせ、噛めない食品の増加など、とかく見過ごしやすい口腔の機能障害が徐々に進みつつある状況を指す。

講演では、口腔機能低下症の診断をすることは、客観的な検査を通じて患者に機能低下を自覚してもらうことで、機能回復のための訓練に向けた入口になると説明し、歯科医療従事者がオーラルフレイルを学ぶ必要性を伝えた。

◆オーラルフレイルは「健康寿命の延伸」に直結

また、診療中に全身状態の把握のための会話から、フレイルの兆候を感じた際は、質問票などを活用して口腔機能低下症の診断に必要な検査と訓練に導くことが歯科医師の責務であると説明した。

さらに、オーラルフレイルの進行を少しでも遅らせることは、誰もが望む「健康寿命の延伸」につながると強調した。

参加者からは、「実践的な話で臨床に活用したい」「検査方法や訓練など具体的で分かりやすい」などの感想が寄せられた。

12月から変更「医療情報取得加算」/マイナ保険証の有無にかかわらず1点に

12月から変更「医療情報取得加算」/マイナ保険証の有無にかかわらず1点に

12月1日から初診時、再診時ともに「医療情報取得加算1234」が変更され、マイナ保険証、現行の健康保険証のいずれかで情報を取得した場合でも医療情報取得加算として1点の加算となる。

11月末までは、「マイナ保険証や電子資格確認を使用、診療情報提供書を持参して医療情報を取得した場合」は医療情報取得加算24として初診時、再診時ともに1点、「現行の健康保険証で、初診時に標準的な問診票の項目を歯科医師が患者から聞き取るなど、直接情報を取得した場合」は医療情報取得加算13点)、32点)を算定する取り扱いだったが、今回の改定により点数が統一された。これにより、マイナ保険証を使用しないと患者負担が高くなるという状況は解消された。

 

 

 

 

◆施設基準は変更なし

なお、算定にあたり届出は不要だが、施設基準として、①オンライン請求を行っていること、②オンライン資格確認を行う体制があること、③受診歴、薬剤情報、特定健診情報等、必要な診療情報を取得・活用して診療を行うことを院内掲示していること、④院内掲示している事項を原則としてウェブサイトに掲載している(2025531日までは猶予)―を満たす必要がある。

指導対策の❝要❞は適切な保険請求とカルテ記載/社保研究会に110人が参加

指導対策の❝要❞は適切な保険請求とカルテ記載/社保研究会に110人が参加

協会は829日、「2024年度の個別指導、集団的個別指導を知る」をテーマとする社保研究会を開催した。これは、2024年度の集団的個別指導が95日および10日に実施されるにあたり、通知が届いた会員を中心に不安の声が寄せられ、これに対応するために開いたもので、会場とZoomを合わせ110人が参加した。

◆個別指導の特徴点などを中心に解説

加藤開副会長が講師を務め、2024年度の開示請求結果をもとに集団的個別指導の選定基準や仕組みを解説し、新規個別指導や個別指導の選定基準にも触れた。今年度は、「高点数」による個別指導が8件計画されているが、個別指導の中心は、スタッフや患者、審査支払機関からの「情報提供」や「再指導」によるものが多いことを示し、「高点数による指導を心配しない・萎縮診療をしないでほしい。適切な保険請求とカルテ記載こそが最善の指導対策」と説明した。

このほか、生活保護指定医療機関を対象にした指導計画とその特徴にも言及した。

▼定例報告やオンライン請求猶予届出の提出を忘れずに

最後に、8月末の提出が求められている歯科診療所の定例報告、光ディスクなどでレセプトを請求している医療機関に向けてオンライン請求の猶予届出についても解説し、必要な報告や申請を忘れずに行うよう呼びかけた。

<受付を開始しました>12/18第7回院内感染防止対策講習会

<受付を開始しました>12/18第7回院内感染防止対策講習会

歯初診の研修である院内感染防止対策講習会の参加受付を開始しました。
内容をご確認いただきお申し込みください。

お申し込みはデンタルブックから行います。
ここをクリック!!

この講習会は、
 ・歯初診(初診料注1の施設基準)
 ・外感染1(歯科外来診療感染対策加算1)
の施設基準に対応しています。
※ 外感染1の届け出には、歯初診の届け出が前提となります。
※ この講習会は口腔管理体制強化加算(口管強)の講習ではありません。
※ 会場開催はありません。

◆ 講習会名 第7回院内感染防止対策講習会
◆ 開催日時 2024年12月18日(水)午後1時~午後2時10分
◆ 開催形式 Web開催(会場開催はありません)
◆ 講  師 浜﨑啓吾氏(東京歯科保険医協会 院内感染対策部長)
◆ 対  象 東京歯科保険医協会会員
◆ 参加費  1,000円
◆ 修了証  受講後お送りするメールの本文内に記載

◆ 申し込み方法
1)ここをクリック(デンタルブックに移動します)
2)Zoomウェビナー予約フォームに必要事項を入力
3)Zoomウェビナー登録メールが届く
4)上記3)のメールに記載のある決済ページに進む。
5)決済ページに必要事項を入力し、決済を行う。
6)決済確認メールが届く。
=申し込み完了=

◆ 確認テスト
・受講後に確認テストを行います。必ず確認テストを行ってください。
・確認テスト合格者に受講修了のメールをお送りいたします。
・確認テスト不合格の場合は事務局よりご連絡いたします。
・確認テストを行わなかった場合は修了証の発行は行いません。

◆ 注意事項
・遅れて入室した場合や、途中退室した場合、修了証は発行できません。
・参加費の入金が確認できなかった場合には強制終了となる場合があります。
・お申し込みにはデンタルブックへの登録が必要です。

薬剤長期収載品の選定療養

薬剤長期収載品の選定療養

後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について]10月1日から先発医薬品(長期収載品)の選定療養化が開始されます。 長期収載品の対象医薬品は1095品目、歯科で使用頻度の高い医薬品も含まれます。
ただし、長期収載品のすべてが選定療養となるわけではなく、条件に当てはまる場合は選定療養の対象にはなりません。
処方箋様式は10月から変更ですが、従来の様式を修正して使用することも可能です。
【医療機関・薬局の方向けのチラシ】(厚生労働省)

1.対象となる要件と患者負担
選定療養の対象になる場合
①医師・歯科医師が医療上必要があると認めた場合(院外処方の場合は処方箋の「変更不可(医療上必要)」欄に「✓」または「×」を記載した場合)
②後発医薬品の在庫状況等を踏まえ、医療機関や保険薬局で後発医薬品が提供することが困難な場合、のいずれかに該当しない場合
対象になる場合、先発医薬品と後発医薬品の価格差の4分の1相当の料金を特別な料金(選定療養)として患者から別途受領します。「特別の料金」は課税対象であるため、消費税分を加えて受領してください。

2.対象となる医薬品
以下①または②が対象です。
対象医薬品リストは厚労省HP「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について」からご確認できます。
①後発医薬品が初めて薬価基準に収載された日の属する月の翌月の初日から起算して5年を経過している医薬品で後発医薬品置き換え率が1%以上のもの
②後発医薬品の置き換え率が50%以上であるもの
【対象となる歯科の医薬品の例】
・ボルタレン錠25㎎、ロキソニン細粒10%、ジスロマック錠250㎎など。

長期収載品を選定療養の対象とする場合の後発医薬品の価格との比較について厚労省でリストを作成しています。ご参照ください。
※示されている額はあくまでイメージであり、実際に窓口で負担する額とは異なることにご注意ください

後発医薬品との価格比較リスト[487KB]別ウィンドウで開く

3.レセプト記載
(1)選定療養の対象とならない場合のレセプト・処方箋記載
①院内処方の場合のレセプト記載
医療上の必要があると認められる場合、および後発医薬品の在庫状況等を踏まえ、後発医薬品を提供することが困難で選定療養の対象とならない場合は、別表1の理由より選択して、レセプトの「摘要」欄に記載します。

コード レセプト表示文言
820101320 長期収載品と後発医薬品で薬事上承認された効能・効果に差異があるため
820101321 患者が後発医薬品を使用した際、副作用や、他の医薬品との飲み合わせによる相互作用、長期収載品との間で治療効果に差異があったため
820101322 学会が作成しているガイドラインにおいて、長期収載品を使用している患者について後発医薬品へ切り替えないことが推奨されているため
820101323 剤形上の違いにより、長期収載品を処方等の必要があるため
820101324 後発医薬品の在庫状況等を踏まえ後発医薬品を提供することが困難なため

②院外処方の場合の処方箋記載
処方箋の「変更不可(医療上必要)」欄に「✓」または「×」と記載し、「保険医署名」欄に署名または記名、押印します。
記載がない場合、薬局での聴き取りにより「患者希望」が確認できた場合、選定療養の対象となる可能性があります。
(2)選定療養の対象となる場合のレセプト・処方箋記載
①院内処方の場合のレセプト記載
当該医薬品の後に「(選)」と記載し、所定単位につき、選定療養に係る額を除いた薬価を用いて算出した点数を記載します。
【記載例】
ジスロマック錠250㎎(選)3錠 43×3
②院外処方の場合の処方箋記載
処方箋の「患者希望」欄に医薬品ごとに「✓」または「×」と記載する。

4.疑義解釈より抜粋
(問)医療上の必要があると認められるのは、どのような場合が想定されるのか。
(答)保険医療機関の医師又は歯科医師(以下、医師等)において、次のように判断する場合が想定される。
① 長期収載品と後発医薬品で薬事上承認された効能・効果に差異がある場合
(※)であって、当該患者の疾病に対する治療において長期収載品を処方等する医療上の必要があると医師等が判断する場合。
(※)効能・効果の差異に関する情報が掲載されているサイトの一例
PMDAの添付文書検索サイト
日本ジェネリック製薬協会が公開する「効能効果、用法用量等に違いのある後発医薬品リスト」
② 当該患者が後発医薬品を使用した際に、副作用や、他の医薬品との飲み合わせによる相互作用、先発医薬品との間で治療効果に差異があったと医師等が判断する場合であって、安全性の観点等から長期収載品の処方等をする医療上の必要があると判断する場合。
③ 学会が作成しているガイドラインにおいて、長期収載品を使用している患者について後発医薬品へ切り替えないことが推奨されており、それを踏まえ、医師等が長期収載品を処方等する医療上の必要があると判断する場合
④ 後発医薬品の剤形では飲みにくい、吸湿性により一包化ができないなど、剤形上の違いにより、長期収載品を処方等をする医療上の必要があると判断する場合。ただし、単に剤形の好みによって長期収載品を選択することは含まれない。

(問)院内採用品に後発医薬品がない場合は、「後発医薬品を提供することが困難な場合」に該当すると考えて保険給付してよいか。
(答)患者が後発医薬品を選択することができないため、従来通りの保険給付として差し支えない。

(問) 医療保険に加入している患者であって、かつ、国の公費負担医療制度により一部負担金が助成等されている患者が長期収載品を希望した場合について、長期収載品の選定療養の対象としているか。
(答)長期収載品の選定療養の制度趣旨は、医療上必要があると認められる場合等は、従来通りの保険給付としつつ、それ以外の場合に患者が長期収載品を希望する場合は、選定療養の対象とすることとしたものであることから、今般、対象外の者は設けておらず、国の公費負担医療制度の対象となっている患者が長期収載品を希望した場合についても、他の患者と同様に、長期収載品の選定療養の対象となる。なお、医療上必要があると認められる場合に該当する場合は、従来通りの保険給付として差し支えない

(問)生活保護を受給している患者が、単にその好みから長期収載品を希望した場合は、特別の料金を徴収することになりますか。
(答)生活保護受給者である患者には、単にその嗜好から長期収載品を希望した場合であっても、後発医薬品を処方等又は調剤することとなります。そのため、特別の料金を徴収するケースは生じません。

<そのほかの疑義解釈>
長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について
(その1) 
(その2)
(その3)
(その3)の一部訂正について

5.院内掲示について
「後発医薬品のある先発医薬品の処方等又は調剤に係る費用徴収その他必要な事項を当該保険医療機関及び当該保険薬局内の見やすい場所に掲示しなければならないものとする」とされています。掲示する内容については、厚労省HPのポスターを参考してください。

【オンライン請求の医療機関】返戻レセプト等の紙送付の廃止について

【オンライン請求の医療機関】返戻レセプト等の紙送付の廃止について

10月からオンライン請求を行う医療機関に対する返戻レセプトおよび通知の紙での送付が廃止されます。
電子媒体や紙媒体で請求している場合の取扱いには変更はありません。

10月以降は返戻レセプトや各種帳票はダウンロードのみの取り扱いになります。
各医療機関で3カ月以内にダウンロードをしなければなりません。
ダウンロードがされていない場合には注意喚起のポップアップの表示や審査支払機関から確認の電話などがあるようですが、本来、診療報酬の請求権は診療翌月から5年間とされていることから、ダウンロード期間が3カ月という扱いは請求権との関係から問題です。
事情によりダウンロードが期間内に行えなかった場合には審査支払機関に問い合わせください。

<参考>
・ オンライン請求システム操作手順書(運用編)社会保険診療報酬支払基金
・ オンライン請求について(医療保険)東京都国民健康保険団体連合会
・ 返戻再請求のオンライン化についてのご案内(厚生労働省)
・ オンラインによる返戻再請求の実施についてのご案内(厚生労働省)

・ 厚労省HP
・ 支払基金HP
・ 支払基金HP (オンライン請求システムに関する Q&A)

・ 国保中央会HP(オンライン請求)
・ オンライン請求システムサポートサイト

10月からの変更に注意/医療DX推進体制整備加算

10月からの変更に注意/医療DX推進体制整備加算

初診料の加算として新設された「医療DX推進体制整備加算(医DX)」が10月以降、マイナ保険証の利用率に応じて、3つに区分されます。
医DXの施設基準を届け出た医療機関において、9月末までは初診料に6点の加算でしたが、10月1日からは(表1)の通り、算定時期の利用率区分に応じて、加算点数を算定します。
利用率については、支払基金から毎月メールで通知されますのでご確認ください。

※医DXは、施設基準届出医療機関において初診料に加算することができます。

(表1)マイナ保険証の利用率区分と算定時期

今年10月~12月

来年1月~3月

医DX1 (9点)

15%

30%

医DX2(8点)

10%

20%

医DX3(6点)

5%

10%

(表2)参照可能なマイナ保険証利用率の実績

 

レセプト件数ベース

オン資件数ベース

10月

5~7月

6~8月

11月

6~8月

7~9月

12月

7~9月

8~10

1月

8~10

9~11

2月

9~11

(経過措置終了)

マイナ保険証の利用率は、加算を算定する3カ月前から5カ月前のうち最も高い月の「レセプト件数ベース保険証利用率」を用います。ただし経過措置として2025年1月までは2カ月前から4カ月前の「オンライン資格確認ベースマイナ保険証利用率」を用いることもできます。

<受付終了>10月23日(水)第1回学術研究会

【テーマ】 今なぜオーラルフレイル(オラフ)を学ぶのか?

【抄録】

口腔機能低下症が保険導入されて6年が経ちました。しかし、算定率はいまだに一桁のようです。私も学校教育で学んだ記憶がありません。「訪問診療を行うようになったらやればよい」と考えている人が少なくないようですが、通院できるうちにやっておくべき検査と訓練の話です。今改定でもインセンティブが与えられた分野で、自覚症状に気づかない患者にどう説明し訓練をさせるか?治療というより指導です。超高齢社会の中で、避けては通れないオーラルフレイルを学びませんか!(講師より)

【日時】  10月23日(水)19時00分~21時00分

【講師】   松島良次氏 (東京歯科保険医協会理事)

【配信方法】 Zoomウェビナー+協会会議室18名(先着順)

【対象】   会員とそのスタッフ

【参加費】  無料(会場参加の場合、同伴者1名につき1,000円)

【申込はこちら】  https://forms.gle/YSyQky7usbobe3br7

 

施設基準のための講習会を開催/126名が参加

施設基準のための講習会を開催/126名が参加

施設基準のための講習会を開催

改定診療報酬6月施行後の初開催に126名が参加

協会は728日、ワイム貸会議室高田馬場で、6月の診療報酬改定施行後初めて「施設基準のための講習会」を開催した。講師は、繁田雅弘氏(東京慈恵会医科大学名誉教授他)、坂下英明氏(明海大学名誉教授他)、馬場安彦氏(当協会副会長)、森元主税氏(当協会理事)が務めた。

本講習会は、歯科外来診療医療安全対策加算1(外安全1)、歯科外来診療感染対策加算2(外感染2)、口腔管理体制強化加算(口管強)の新基準要件にも対応している。歯初診・外安全1・外感染2に対応したコースに20名、歯初診・外安全1・外感染2・口管強・歯援診に対応したコースに106名と、計126名が参加した。なお、次回は1215日(日)を予定している(下記案内参照)。

 

<受付を開始しました>9/26第6回院内感染防止対策講習会

<受付を開始しました>9/26第6回院内感染防止対策講習会

歯初診の研修である院内感染防止対策講習会の参加受付を開始しました。
内容をご確認いただきお申し込みください。

お申し込みはデンタルブックから行います。
ここをクリック!!

この講習会は、
 ・歯初診(初診料注1の施設基準)
 ・外感染1(歯科外来診療感染対策加算1)
の施設基準に対応しています。
※ 外感染1の届け出には、歯初診の届け出が前提となります。
※ この講習会は口腔管理体制強化加算(口管強)の講習ではありません。
※ 会場開催はありません。

◆ 講習会名 第6回院内感染防止対策講習会
◆ 開催日時 2024年9月26日(木)午後1時~午後2時10分
◆ 開催形式 Web開催(会場開催はありません)
◆ 講  師 浜﨑啓吾氏(東京歯科保険医協会 院内感染対策部長)
◆ 対  象 東京歯科保険医協会会員
◆ 参加費  1,000円
◆ 修了証  受講後お送りするメールの本文内に記載

◆ 申し込み方法
1)ここをクリック(デンタルブックに移動します)
2)Zoomウェビナー予約フォームに必要事項を入力
3)Zoomウェビナー登録メールが届く
4)上記3)のメールに記載のある決済ページに進む。
5)決済ページに必要事項を入力し、決済を行う。
6)決済確認メールが届く。
=申し込み完了=

◆ 確認テスト
・受講後に確認テストを行います。必ず確認テストを行ってください。
・確認テスト合格者に受講修了のメールをお送りいたします。
・確認テスト不合格の場合は事務局よりご連絡いたします。
・確認テストを行わなかった場合は修了証の発行は行いません。

◆ 注意事項
・遅れて入室した場合や、途中退室した場合、修了証は発行できません。
・参加費の入金が確認できなかった場合には強制終了となる場合があります。
・お申し込みにはデンタルブックへの登録が必要です。

保険証新規発行停止後に混乱生じる懸念

保険証新規発行停止後に混乱生じる懸念

マイナ保険証の利用率は、6月時点で9.90%に留まっていることが明らかになった。国は、医療機関向けの補助金を引き上げるなど利用率向上に躍起になっているが、前月の7.73%から2.17ポイントしか増加しておらず、利用率は依然、低いままである。

◆資格確認方法が2パターンに/混乱はこれから

今年122日で健康保険証の新規発行が停止となるが、すでに発行されている健康保険証は、記載された有効期限、または202512 1日まで使用できる(1参照)。

新規発行停止後は資格確認方法が2つに分かれる。マイナ保険証の登録をしていない患者の場合、現在の健康保険証の有効期限が終了した後は、保険者から送付される「資格確認書」を窓口で提示する。一方、マイナ保険証の登録をしている患者の場合は、現在の健康保険証の有効期限が終了した後は、①マイナ保険証を提示するか、②オンライン資格確認システムを導入していない医療機関に受診する場合は、マイナ保険証に加え、保険者から送付される資格情報が記載された「資格情報のお知らせ」もしくはスマートフォンでマイナポータルの資格情報画面を窓口で提示する(2参照)。

後期高齢者の場合は257月頃、国保の患者の場合は259月頃に、現在の健康保険証の多くが有効期限切れとなり、有効期限がない社保の患者の場合も25121日に期限が切れるため、これらの時期に、多くの患者の窓口での資格確認方法が変わるため、大きな混乱が生じることが懸念されている。

◆マイナ保険証登録済も

健康保険証利用する人多数マイナンバーカードの保有者数は今年4月末時点で全人口の73.7%、うちマイナ保険証の登録をしているのは78.5%のため、全人口当たりのマイナ保険証の所有者は57.9%となるが、利用率はたった9.9%である。つまり、マイナ保険証の登録をしている患者の多くが、マイナ保険証を使わずに健康保険証を窓口に提示している。本人が気づかないうちに健康保険証が使えなくなり、受診時にマイナ保険証を忘れ、資格確認ができないということが頻発しかねないのが現状だ。

◆健康保険証を残すことこそ肝要

これまで資格確認は健康保険証でも滞りなく行われてきた。健康保険証を存続し、患者の自主的な判断に委ね、マイナ保険証との併用を認めるべきである。なお、マイナ保険証を登録した患者であっても、今年10月から利用登録を解除すれば「資格確認書」の発行を受けることが可能になる。

国は、このような選択肢があることを患者に広く周知するべきである。

集団的個別指導の通知について

集団的個別指導の通知について

2024年9月に実施される集団的個別指導の通知が、対象となる医療機関に簡易書留で届いている。

今年度は、9月5日(木)・10日(火)の2日間に分けて実施される。通知には、「正当な理由なく集団的個別指導を欠席した場合は、個別指導の対象となります」との記載があるため、通知が届いた医療機関は注意いただきたい。

なお、協会では、東京歯科保険医新聞7月号に集団的個別指導の平均点数や基準平均点数など掲載している。また、8月29日(木)社保研究会でも解説する予定であり、会員の先生方にはぜひ参加していただきたい。

 

日 時 :9月5日(木)16時00分~17時30分まで(予定)

     9月10日(火)10時30分~12時00分まで(予定)

場 所 : 日本教育会館 一ツ橋ホール(両日)

出席者 : 管理者

持参物 : 筆記用具、出席票

★東京歯科保険医新聞7月号はこちらから※2面に掲載

★社保研究会の申込みはこちらから

 

2024年度指導計画/協会の開示請求で明らかに

集団的個別指導は1,466点以上が対象に

2024年度指導計画が関東信越厚生局東京事務所(以下、厚生局)より開示され、集団的個別指導、新規個別指導、個別指導の指導計画が明らかになった(下表参照)。

◆新規個別指導

264件は前年度の半数今年度の新規個別指導は、243月までに新規指定された医療機関を対象に、前年度(532件)の半数となる264件に対し、年6回に振り分けて実施される。

◆集団的個別指導の基準平均点数は1,463点

集団的個別指導は、23年度のレセプト1枚当たりの平均点数が東京都の平均点数(1,219点)の1.2倍を超える基準点数1,463点以上の上位8%にあたる医療機関801件に対して、9月に52回に分けて実施される。実際に選定された医療機関の平均点数は1,466点以上となった。集団的個別指導へのカルテ持参は不要で、2時間の講習を受けるのみである。ただし、正当な理由がなく欠席した場合は個別指導の対象となるため、通知が届いた際は、必ず参加いただきたい。

 

 

 

 

◆高点数による個別指導が計画

個別指導は102件が計画され、568月を除き、毎月実施される。選定理由の内訳は、「情報提供」15件、「再指導」70件、「高点数」8件、「その他」9件となっている。高点数による個別指導は、コロナ禍に配慮して21年度以降は計画されていなかったが、今年度は計画件数が明記された。ただ、厚生局は「情報提供や再指導を優先して個別指導を実施する」としている。患者トラブルによるカルテ開示や医療費通知と領収証との不一致など、患者からの情報提供により個別指導に選定されることもあるため、日頃から適切な保険請求やカルテ記載を行うことが肝要だ。

 

 

 

 

 

◆4月の異動で新たに指導医療官が着任

また、厚生局の開示資料より、東京の指導医療官が明らかになった。東京では2名の指導医療官の異動に伴い、新たに笹井義宣氏と小林隆氏が着任した。なお、前年度に引き続き田原洋氏と山本健氏は留任となった。

◆不安を感じたら

迷わず協会に相談を診療報酬の改定が6月に施行され、新設された点数や改変された点数など多岐にわたる。協会では改定に対応した「歯科保険診療の研究 20246月版」を会員にお送りしている。ぜひご一読いただき、保険請求などの際にご活用いただきたい。

また、新規開業医だけでなく、改めて保険のルールやカルテ記載の方法などを確認したい先生は、新規開業医講習会に、ぜひ、ご参加いただきたい。

協会では保険請求の相談のほか、指導に関する相談も行っている。不安を感じている先生は、一人で抱え込まず、協会へ連絡してほしい(TEL   033205―2999)。

【重要:提出期限が近づいています!】毎年の施設基準の定例報告について

定例報告の提出時期が今年度から以下のように変更になっています。

【~2023年度】   【2024年度~】
  7月報告    →     8月報告
※施設基準等を届け出た保険医療機関は、各種通知等に基づき、毎年8月1日現在の状況を地方厚生局長へ報告する必要があります。なお、すべての様式を提出する必要はございません。貴医院における施設基準の届出状況により、提出する様式が異なりますので、ご注意ください。

まずは、ご自身で自院の施設基準の届出状況を確認することが必要です。
ここをクリック→各医院の施設基準等の届出状況の確認はこちらから(保険医療機関・保険薬局の施設基準の届出受理状況及び保険外併用療養費医療機関一覧)
※PDFの画面で、「Ctrl+F」を押し、自院の電話番号(03-●●●●-●●●●)を入力します。

<主な定例報告>
※以下の様式以外にも報告・届出状況により、厚生局へ提出が必要になる場合があります。不明点は協会までお問い合せください。(TEL:03-3205-2999 社保・学術部)

2023年8月1日から2024年7月31日までの間に歯科衛生実地指導料(実地指)または訪問歯科衛生指導料(訪衛指)のいずれかを算定した実績がある場合には提出が必要。
➡【別紙様式5選定療養及び歯科衛生実地指導等の実施状況報告書(歯科)

歯科点数表の初診料の注1(歯初診)の施設基準を届け出ている場合。(フローチャート参照)
➡【別紙様式27歯科点数表の初診料の注1の施設基準に係る報告書※記入見本は下にスクロール

<フローチャート>


<提出様式のダウンロード

ここをクリック→歯科診療所に係る定例報告等について
※関東信越厚生局のホームページに移行します。


<提出様式の記入見本>
※歯科点数表の初診料の注1の施設基準に係る報告書


















<提出先>

関東信越厚生局 東京事務所 審査課
〒163-1111
東京都新宿区西新宿6-22-1 新宿スクエアタワー11階
TEL:03-6692-5119


<提出期限>
8月30日(金)
※提出期限に遅れることのないようにお気を付けください。

【重要】CD-R等の請求に係る猶予届出兼オンライン請求への移行計画書の提出について

CD-R等の請求に係る猶予届出兼オンライン請求への移行計画書の提出について


<概要説明>

  • 光ディスク(CD-RやMO)でレセプト請求している場合の取り扱い

    ①2023年4月以降、オンライン資格確認システムの導入の原則義務化に伴い、レセプトのオンライン請求も可能な回線が整備された状況にあると解釈され、2024年9月末までにオンライン請求に原則として移行しなければならない。

    ②特段の届出を行うことなく、2024年4月~9月までは従来の方法でレセプトの請求ができる。

    ③2024年10月以降も従来の方法でレセプト請求をするためには、審査支払機関(社保・国保)に対して、届出とオンライン請求への移行計画書を提出しなければならない。
    ※2024年8月31日までに医療機関向け総合ポータルサイトから提出することが必要。

    ④移行計画書は、最大で1年以内の計画を記載する必要があり、記載した期間に限り、従来の方法でレセプト請求ができる。


    ➄1年間の更新制であり、従来の方法を継続していくためには、改めて届出と移行計画書の提出が必要である。

    ■詳細はこちら↓↓↓
    光ディスク(CD-RやMO)でレセプト請求している場合の提出フローはこちらをクリック

★キャンセル待ち★【受付中】7月28日(日)開催:第2回施設基準のための講習会

本講習会は、以下に掲げる施設基準の「研修要件」を満たすための講習会です。 

●歯初診(歯科点数表の初診料の注1に係る施設基準)
●外安全1(歯科外来診療医療安全対策加算1)
●口管強(小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算)
●歯援診1・2(在宅療養支援歯科診療所1・在宅療養支援歯科診療所2)

◆お申込みの内容を確認後、開催が近くなりましたら、郵送先(すでに協会に登録済みのDM送付先)に案内状と振込用紙(ゆうちょ銀行用)をお送りします。なお、期日までに振込の確認ができない場合、キャンセル扱いとなる場合がございます。
また、当会会員限定の講習会になっておりますので、未入会の先生はお申込み前にご入会が必要になります。

【日 時】
7 月 28 日(日)

【内 容】
▼4つコース▼ 参加費:8,000円
13時~1830
~対応している施設基準~
●歯初診、外安全1、口管強、歯援診1・2
※お申込みを頂くコースによって、開始時間および参加費用が異なりますのでご注意ください。

▼2つコース▼ 参加費:5,000円
16時~1830
~対応している施設基準~
●歯初診、外安全1
※お申込みを頂くコースによって、開始時間および参加費用が異なりますのでご注意ください。

 【場 所】
ワイム貸会議室高田馬場 4階

 【対象者】
会員(東京歯科保険医協会の会員に限ります)
※代理出席は認められません。ご本人の参加が必須です。
※未入会の先生はご入会が必要になります。
※他協会の方はお申込み頂けません。

【定 員】
100名程度(定員になり次第、締め切らせていただきます)。

【講 師】
・繁田雅弘 氏(東京慈恵会医科大学精神医学講座 名誉教授)
・坂下英明 氏(明海大学名誉教授/朝日大学客員教授/我孫子聖仁会病院口腔外科センター長)
・馬場安彦 氏(東京歯科保険医協会 副会長)
・森元主税 氏(東京歯科保険医協会 理事)
 
【内 容】
在宅医療・介護等、歯科疾患の重症化予防に資する継続管理(エナメル質初期う蝕管理、根面う蝕管理および口腔機能の管理を含む)、高齢者・小児の心身の特性(認知症を含む)、院内感染防止、緊急時対応、医療事故、偶発症等
※施設基準の届出に必要な研修要件を網羅できます。

【問い合わせ先】
社保・学術部:03-3205-2999

 【申し込みはこちら】
https://forms.gle/UKoH3tma8fp5R8SR8
<必ずお読みください>
かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の施設基準を3月31日までに届け出ている医療機関であって、かつ当該施設基準の算定実績がある医療機関の場合、2025年5月31日までに口管強(小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算)の施設基準を厚生局に届け出を行うことで施設基準を維持することができます。そのため、急いでご受講をする必要はございません。ご不明な点は、協会までお問い合せください。
※新規届出以外の会員の先生方向けの講習会は、別途開催予定です。日時の確定までもうしばらくお待ちください。



【施設基準の届出】外安全1の届出に係る主な注意点/2024年度診療報酬改定情報

【施設基準の届出】外安全1の届出に係る主な注意点/2024年度診療報酬改定情報

 

2024年3月31日までに外来環1の施設基準を届出済み、かつ算定している医療機関

外安全1の研修については届出日から3年以内の再受講は必要なく、様式4にある「常勤歯科医師名と医療安全に関する研修の受講歴等」の「受講者名」欄に常勤歯科医師名を記載し、「講習名(テーマ)」欄に外来環1の届出時の受理番号を記載する。

届出に必要な様式は以下のとおり(外安全と外感染を同時に出す場合は別添7はそれぞれ必要だが、様式4は1部で良い)。

外安全1 別添7(PDF)

外安全1・外感染1 様式4

※リンクは変更される可能性があります。

東京歯科保険医協会に未入会の先生(歯科医師)は、ぜひご入会をご検討ください (▼入会資料請求をする)

【重要】CD-R・紙レセプト請求継続には届出が必要/レセプトの請求方法 オンライン化の動き

 2024年4月1日以降、新規で光ディスク等(CD-RやMO)および紙媒体での請求は選択できなくなる。現時点で光ディスク等や書面でレセプト請求をしている医療機関における今後の取り扱いは以下の通りとなる。


(1) 光ディスク等(CD-RやMO)でレセプト請求している場合
①2023年4月以降、オンライン資格確認システムの導入の原則義務化に伴い、レセプトのオンライン請求も可能な回線が整備された状況にあると解釈され、2024年9月末までにオンライン請求に原則として移行しなければならない。
②2024年4月~9月までは、特段の届出を行うことなく従来の方法でレセプトの請求ができる。
③2024年10月以降も従来の方法でレセプトの請求をする場合は、審査支払機関(社保・国保)に対して、届出とオンライン請求への移行計画書を提出しなければならない。
 ※2024年8月31日までに医療機関向け総合ポータルサイト(4月頃開設予定)から提出することが必要。
④移行計画書は、最大で1年以内の計画を記載する必要があり、記載した期間に限り、従来の方法でレセプト請求ができる。
⑤届出自体は、1年間の更新制であり、従来の方法を継続していくためには、改めて届出と移行計画書の提出が必要である。


(2) 書面でレセプト請求している場合(①または②であることが必要)
①レセプトコンピュタを使用していない医療機関であること。
②レセプトコンピュタを使用していて、診療に従事するすべての常勤の保険医が1946年4月1日以前の生年月日(概ね77歳以上)であること。
③2024年4月以降も従来の方法でレセプト請求をする場合は、審査支払機関(社保・国保)に対して、届出書を提出しなければならない。なお、紙レセプトで請求を行っている医療機関を対象に、届出書と記載例などが支払基金より、2月上旬に郵送されるとのこと。
※2024年2月29日までに審査支払機関(社保・国保)に届出書の提出が必要。

①社会保険診療報酬支払基金
 〒105-0004 東京都港区新橋2-1-3
 社会保険診療報酬支払基金 事業統括部事業サポート課
 ※封筒の表面には、赤字で「猶予届出書在中(紙レセ)」と記載。

②東京都国民健康保険団体連合会
 〒102-0072 東京都国保連合会
 東京都千代田区飯田橋3-5-1東京区政会館11階
 東京都国民健康保険団体連合会 

パブリック・コメント:「レセプトのオンライン請求の実質的な義務化」について

*たくさんのパブリック・コメントが必要です*

パブリック・コメントの入力はこちらをクリック

3月23日の社会保障審議会医療保険部会において、「オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ案」を厚生労働省(以下、厚労省)が示してから6カ月が経った9月6日、「療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令及び介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令の一部を改正する命令案に関する御意見の募集について」(以下、パブリック・コメント)の募集を開始しました。

概要は、光ディスク(CD-RMO)及び紙媒体によるレセプト請求を続けるためには、いずれの場合も事前に審査支払機関に届け出ることが必要になります。また、光ディスク(CD-RMO)でレセプト請求を継続する場合に限っては、オンライン請求への移行計画(詳細は不明)を求められ、1年毎の更新制になります。また、2024年4月1日以降に新規で開業した場合、紙媒体によるレセプト請求は選択できなくなります。さらに、電子(オンラインやCD-R等)によるレセプト請求から紙媒体によるレセプト請求に変更することもできなくなる。このように請求方法を限ったり、いずれの請求方法を選択するとしても各種手続きが煩雑になることは明らかです。

直近の東京都における歯科医療機関の各種請求方法(レセプト請求形態別の請求状況 社会保険診療報酬支払基金より)をみると、オンライン請求を行っている割合が31.1%、光ディスク等の電子媒体による請求及び紙媒体によるレセプト請求を行っている割合が68.9%です。

レセプト請求形態別の請求状況(令和5年度6月診療分)社会保険診療報酬支払基金より

東京歯科保険医新聞6月号2面に掲載の社保・学術部長談話では、「診療報酬の請求方法を一つに限定する実質的な義務化の強要は、医療機関に混乱を招き、地域医療の崩壊を加速させ、医療提供に影響を及ぼし、患者・国民にも波及しかねない」と警鐘を鳴らしています。

今回、募集を始めたパブリック・コメントは、厚労省に現場の意見を伝えることのできる唯一の場です。実質的なレセプトのオンライン請求義務化の動きに対するパブリック・コメントを是非数多く投稿しましょう。

パブリック・コメントの入力はこちらをクリック

——————–「レセプトのオンライン請求の実質的な義務化」の概要————————————-

(1)レセプトの請求媒体の取扱い

フレキシブルディスク(FD)による請求方法を削除し、CDRMOのみに限る。。

 (2)光ディスク等でレセプト請求をしている医療機関の取扱い

2024年3月31日以前から光ディスク等を用いてレセプト請求を行っている医療機関は、同年9月30日までは光ディスク等を用いてレセプト請求できる。

2024年9月30日以降も光ディスク等を用いてレセプト請求を続ける場合は、オンラインによるレセプト請求へ移行するための計画と光ディスク等を用いてレセプト請求を行うことを事前に審査支払機関に届け出ることにより、1年ごとの更新で光ディスクによるレセプト請求を継続できる。

 (3)紙媒体でレセプト請求をしている医療機関の取扱い

【レセプトコンピューターを使用していない医療機関の取扱い】

2024年3月31日以前から紙媒体を用いてレセプト請求を行っている医療機関は、レセプトコンピューターを使用していない旨を事前に審査支払機関に届け出ることにより、紙媒体のレセプト請求を継続できる。

【高齢の歯科医師が常勤でいる医療機関の取扱い】

2024年3月31日以前から紙媒体を用いてレセプト請求を行っている医療機関であって、常勤の歯科医師が高齢かつ、レセプトコンピューターを使用している場合、当該歯科医師の生年月日が、1946年4月1日以前(概ね77歳)である旨を事前に審査支払機関に届け出ることにより、紙媒体のレセプト請求を継続できる。

 (4)施行日

20244月1日

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【談話】次期診療報酬改定に向けて~診療側の視点に立った適切な評価を〜/社保・学術部長

次期診療報酬改定に向けて~診療側の視点に立った適切な評価を〜

7月12日に開催された中央社会保険医療協議会(以下、中医協)の2024年度診療報酬改定に向けた「歯科医療について(その1)」の議論の中で、支払側より「予防的な部分に保険診療の領域が拡大していくことに強い問題意識を持っている」という発言があった。

確かに、国民健康保険法の第二条には、「国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとする」とある。そのため、健康保険は疾病等、あくまで診断に至ったものに対して給付されるべきものという考えが根強いのだろう。また、保険医療機関及び保険医療養担当規則の第一条 療養の給付の担当の範囲に「診察、薬剤・治療材料の支給、処置・手術その他の治療」とあり、これも疾病を前提にした記載である。

しかし、歯周疾患や口腔機能低下症など、「歯科疾患の重症化予防」が重要視されていることは周知の事実である。これからの歯科医療には、疾病の進行を抑制するためにも「重症化予防」の視点を積極的に取り入れていくことが求められている。

診療側より出された意見について、「施設基準の重複」の整理が必要なこと、口腔機能や口腔疾患に大きな影響を与える全身的な疾患等において医・歯・薬のより深い「医療連携を深める」ことができるよう検討すること、また要件の緩和はあったものの、1998年より長期にわたり評価が据え置かれていた「歯科衛生実地指導料」についても、この間の社会情勢の変化や人件費の高騰に対応した適切な評価をすべきである。

前述の「重症化予防」にも繋がるが、口腔機能管理の中で行われる機能の獲得や維持、機能が低下した場合には、回復および向上のための「訓練に対する評価がない」ことに対しても意見が出されている。また、歯科用材料については、支払側も診療側も市場価格に左右されない非金属の新しい材料を積極的に活用すべきと意見が一致しているようである。これらの診療側の意見は、今後の歯科保険医療を充実させるために重要な視点ばかりである。

これからの歯科医療は「重症化予防」を抜きに、国民に対する歯科医療提供体制の構築はできないのではないか。また診療側から出された意見も、国が推進する地域包括ケアを含めたこれからの歯科医療には不可欠な検討課題であり、より歯科保健医療を充実させることを念頭に置いた議論を今後の中医協に期待したい。

2023年7月28

東京歯科保険医協会

社保・学術部長 本橋昌宏

談話「次期診療報酬改定に向けて ~診療側の視点に立った適切な評価を〜」

7月12日に開催された中央社会保険医療協議会(以下、中医協)の2024年度診療報酬改定に向けた「歯科医療について(その1)」の議論の中で、支払側より「予防的な部分に保険診療の領域が拡大していくことに強い問題意識を持っている」という発言があった。

確かに、国民健康保険法の第二条には、「国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとする」とある。そのため、健康保険は疾病等、あくまで診断に至ったものに対して給付されるべきものという考えが根強いのだろう。また、保険医療機関及び保険医療養担当規則の第一条 療養の給付の担当の範囲に「診察、薬剤・治療材料の支給、処置・手術その他の治療」とあり、これも疾病を前提にした記載である。

 しかし、歯周疾患や口腔機能低下症など、「歯科疾患の重症化予防」が重要視されていることは周知の事実である。これからの歯科医療には、疾病の進行を抑制するためにも「重症化予防」の視点を積極的に取り入れていくことが求められている。

 診療側より出された意見について、「施設基準の重複」の整理が必要なこと、口腔機能や口腔疾患に大きな影響を与える全身的な疾患等において医・歯・薬のより深い「医療連携を深める」ことができるよう検討すること、また要件の緩和はあったものの、1998年より長期にわたり評価が据え置かれていた「歯科衛生実地指導料」についても、この間の社会情勢の変化や人件費の高騰に対応した適切な評価をすべきである。

前述の「重症化予防」にも繋がるが、口腔機能管理の中で行われる機能の獲得や維持、機能が低下した場合には、回復および向上のための「訓練に対する評価がない」ことに対しても意見が出されている。また、歯科用材料については、支払側も診療側も市場価格に左右されない非金属の新しい材料を積極的に活用すべきと意見が一致しているようである。これらの診療側の意見は、今後の歯科保険医療を充実させるために重要な視点ばかりである。

 これからの歯科医療は「重症化予防」を抜きに、国民に対する歯科医療提供体制の構築はできないのではないか。また診療側から出された意見も、国が推進する地域包括ケアを含めたこれからの歯科医療には不可欠な検討課題であり、より歯科保健医療を充実させることを念頭に置いた議論を今後の中医協に期待したい。

7月28
東京歯科保険医協会
社保・学術部長
本橋昌宏