協会ニュース

オン資トラブル終息せず/全国の実施調査で明らかに

オン資トラブル終息せず/全国の実施調査で明らかに

2025年124日に開催された「保険証を返せ!国会集会」で、全国保険医団体連合会(保団連)が2510月から11月にかけて行った「20258月以降のマイナ保険証利用状況に関わる実態調査」(以下、実態調査)の中間報告を公表した。それによると、回答した医療機関の69.8%がオンライン資格確認システム(以下、オン資)でのトラブルを経験しており、挨拶に立った保団連の竹田智雄会長は、「トラブルは改善していない。混乱は健康保険証を残せば解消する」と指摘した。

スマホ保険証*の導入率未だ25・1%と低迷

122日以降の資格確認方法は、表の通りである。マイナ保険証の有無、マイナ保険証(マイナンバーカード)かスマホ保険証か、オン資の導入状況などにより、資格確認方法は複数に分かれる。

また、同11月のマイナ保険証の利用率は39.24%と低迷している。同9月から始まったスマホ保険証も、対応可能な都内の歯科医療機関は同1215日付で2,594件に留まっており、12月1日付の保険医療機関数が10341施設であることを考慮すると、導入率は25.1%と低調である。

◆進まない資格情報無効のトラブル対策

実態調査のトラブルの多くは、「が出る」と「資格情報が無効」が占めている。前者について厚生労働省は、26年度を目途に多くの解消を目指す施策を示したが、後者の解消策は示されていない。「資格があるはずなのにオン資で資格無効と表示される。最新情報が反映されていない」との相談は協会に度々寄せられており、厚労省は対応策を示すべきである。

協会は、引き続き適切な対応を求めていくので、トラブルが起きた場合は遠慮なく相談してほしい(☎ 03-3205-2999)。

*マイナ保険証をスマートフォンで利用すること

 

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)1月1日号

東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)1月1日号

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2026年(令和8年)01月01日号No.670

【1面】
  1.会長年頭所感
  2.巻頭写真「冬のモルゲンロート」
  3.探針

【2面】
  4.2026年度診療報酬改定3.09% 診療報酬本体引き上げへ
  5.厚労省要請を実施/診療現場の不合理是正求める
  6.東京の損益差額は全国最低/厚労省の調査で明らかに
  7.政策委員長談話「地域医療を守るため、プラス改定の実感を得られる改定内容を求める」

【3面】
  8.第4回施設基準のための講習会を開催
  9.第1回地域医療研究会/リハビリ・栄養・口腔の連携重視を強調 患者のADLとQOL向上につなげる
10.地域医療部長談話「生活を脅かす介護保険利用者の負担割合引き上げに反対する」
11.1月の申請手続きをお忘れなく/医療機関等物価高騰緊急対策支援金(2025年4月~12月分)歯科は11.7万円
12.オン資義務化撤回訴訟/「患者の診療情報守れない」改めて訴え


【4面】
13.経営・税務相談Q&A/No.436「カルテやその他の書類などの保存期間と電子カルテとは?」
14.OTC類似薬問題で世論づくりの重要性を強調/よい歯連絡会が定期総会・記念講演
15.3年ぶりに改訂版完成 冊子「医院経営と雇用管理」
16.会員無料相談

【5面】
17.研究会・行事ご案内
18.Pick up!会員だけが購入できるオススメ書籍「歯科 カルテ記載を中心とした指導対策テキスト」/カルテ記載の不安解消

【6・7面】
19.新春対談「“声をひろう”2人の女性リーダーが見据える組織作り」(早坂美都/東京歯科保険医協会会長✕ダイアナ・コー/法政大学総長)


【8面】
20.遊歩道 第1回/2026年度改定に向け厚生労働省へ要請
21.理事会だより
22.協会活動日誌
23.共済部だより

【9面】
24.謹賀新年名刺広告
25.通信員だよりNo.156
26.デンタルブックPR

【10面】
27.臨床研究「臨床的視点と算定要件の整理~CAD/CAM冠/インレー・PEEK冠・エンドクラウン~」

【11面】
28.連載/協会探訪その⑤「会員に寄り添い協会組織をより強固に―組織部―
29.神田川界隈「大事な先生方の“声”~厚労省要請などで訴えていきます」(理事・池川裕子/葛飾区)
30.IT相談室/再考歯科医院の情報発信④-ホームページの未来像-
31.お詫びと訂正

【12面】
32.オン資トラブル終息せず/全国の実施調査で明らかに
33.会員寄稿「声」 “街に聞く”歯科医院を目指す 建築×食の視点から(須永健一)
34.2026年度診療報酬改定 新点数説明会ご案内
35.新春会員投稿「私の一枚」

第1回地域医療研究会/リハビリ・栄養・口腔の連携重視を強調 患者のADLとQOL向上につなげる

第1回地域医療研究会/リハビリ・栄養・口腔の連携重視を強調 患者のADLとQOL向上につなげる

若林秀隆氏

協会は2025年11月27日、協会会議室(WEB併用)で第1回地域医療研究会を開催した。「リハビリテーション・栄養・口腔連携の重要性」をテーマに、若林秀隆氏(東京女子医科大学病院リハビリテーション科教授・診療部長)を講師に迎え、65名が参加した。
講演の冒頭では、入院継続か在宅療養へ切り替えるかの判断には、栄養状態や嚥下、口腔状態を総合的に見る必要があり、リハビリと栄養の管理に歯科が介入することが重要であると自身の症例を交えて紹介した。
その後、低栄養の原因にアプローチすることの重要性が示され、リハビリ・栄養・口腔の三位一体の連携に基づく介入で、栄養不良による筋力低下や嚥下機能低下を防ぎ、患者のADLおよびQOLを引き上げることができるとした。診断方法としては、低栄養の診断基準である「GLIM基準※」が紹介され、「栄養スクリーニング」である「MUST」を使い、BMI、体重減少、急性疾患の有無、栄養摂取などを点数化して評価する方法も紹介した。
また、栄養管理への介入には、患者本人のベスト体重を共有し、話し合いながらゴールを設定することが大切であるとした。
誤嚥性肺炎の栄養管理では、不適切な安静臥床、禁食などの栄養管理、医原性疾患や薬剤の副作用がもたらす「医原性サルコペニア」の予防が重要であるとし、適切な評価のもとで、在宅の多職種にわたるチームが整っている場合には、早期の退院を目指すことが必要であると述べた。
◆これからの栄養は「感謝・親切・応援」が大事
最後に「これからのリハ栄養3・0」として、心理面については傾聴、共感の重要性を説き、そして時間が許す限りそばにいることで、患者のウェルビーイングが高まるとした。また、医療者のウェルビーイングも重要であり、「感謝・親切・応援」は実行した側もされた側もプラスになるエビデンスがあり、積極的な取り組みを呼びかけた。
◆デンタルブックで配信中
本研究会は現在、デンタルブックでオンデマンド配信中である。保険診療における栄養やリハビリとの連携を視野に入れた歯科治療が求められており、次年度の診療報酬改定への議論でも栄養サポートチーム等連携指導料や情報通信機器を用いたミールラウンドなどの有効性に焦点が当たっている。歯科医師が栄養の視点を持つことで患者の生活を支えることができる。ぜひ、ご視聴いただきたい。

※GLIM基準:世界の主要な臨床栄養学会が協力することにより「Global Leadership Initiative on Malnutrition (GLIM)」として提唱した新しい成人の低栄養診断基準のこと。

第4回 施設基準のための講習会を開催

第4回 施設基準のための講習会を開催

協会は20251214日、ワイム貸会議室高田馬場で「第4回施設基準のための講習会」を開催。講師は繁田雅弘氏(東京慈恵会医科大学名誉教授)、坂下英明氏(明海大学名誉教授)、馬場安彦氏(協会副会長)、森元主税氏(協会理事)の4名が務めた。

本講習会は、歯科点数表の初診料注1(歯初診)、歯科外来診療医療安全対策加算1(外安全1)、歯科外来診療感染対策加算2(外感染2)、在宅療養支援歯科診療所12(歯援診12)、口腔管理体制強化加算(口管強)の研修要件に対応した内容となっている。「歯初診・外安全1・外感染2対応コース」には12名、「歯初診・外安全1・外感染2、口管強・歯援診対応コース」には40名がそれぞれ参加した。

東京都における歯科診療所の施設基準の届出状況は、外安全144.38%、口管強は17.90%(2025111日時点)となっている。

参加した会員のアンケートからは「講習会には参加したが、研修要件以外にも算定実績の要件があり、どのように算定したらいいか分からない」などの声も寄せられており、施設基準の要件が複雑なため、届け出が進んでいない。診療報酬改定を間近に控え、施設基準の分かりづらさに困っているという声は以前から協会に寄せられている。

協会は、今後も診療報酬改定の内容を会員に分かりやすく伝えるとともに、不合理な改定内容については引き続き是正を求めていく。

オン資義務化撤回訴訟/「患者の診療情報守れない」改めて訴え

オン資義務化撤回訴訟/「患者の診療情報守れない」改めて訴え

オンライン資格確認を療養担当規則で原則義務化するのは違憲だとして、全国の医師・歯科医師が国を訴えた裁判の控訴審が始まり、第1回口頭弁論が20251126日、東京高等裁判所で行われた。控訴審にあたり、医師・歯科医師12,222人が原告となっている。控訴審では、原告団の佐藤一樹氏(東京保険医協会理事)が意見陳述を行い、一審判決が原告の主張に向き合っていないことを批判し、現状の日本における医療情報セキュリティレベルでは、患者の診療情報を守ることができないと訴えた。

その後に行われた記者・原告説明会では、弁護団が控訴理由書などを解説。一審判決では、オン資義務化の反対意見は、全国保険医団体連合会、保険医協会・医会の「特定の団体内の意見」に限られるとした。しかし、保団連は全国の医師・歯科医師の会員約107000人が加入しており、「特定の団体」と位置付けて無視できる規模ではなく、このような取り扱いは許されないことなどと説明した。

また、一橋大学大学院の只野雅人教授(憲法)、名古屋大学大学院の稲葉一将教授(行政法)による意見書も提出したことが報告された。それら意見書を踏まえて原告側は、行政機関が「法律の文言上、無理のある判断を行い、(中略)多くの保険医療機関の反対を押し切って、新たに義務を課す制度を、(法律より下位の)規則によって無理やり導入しようとしている」と主張した。

弁護団長の喜田村洋一弁護士は、専門家2名の意見書を提出できたことへの有効性を強調した上で、「国民主権のもとに法律に基づいた規則でならなければならないという考えに立った判決が下されるものと信じています」と期待を込めた。

2回口頭弁論は、2026225日(水)午前1130分から東京地裁にて行われる。

【IT相談室】再考 歯科医院の情報発信④―ホームページの近未来―

【IT相談室】再考 歯科医院の情報発信④―ホームページの近未来―

現在の検索サイトでは、例えば「歯科医院+地名」で検索した場合に、マップ表示とともに上位いくつかの数医院が表示されるローカルパック、PCでは右側に縦長に表示されるナレッジパネル、求人など特定の条件とともに検索した場合、それに応じたリストを表示するリッチリザルトなど、多くの一覧表示・要約表示があり、さらにAI検索が加わりました。

◆情報源としてのホームページ
検索サイトに表示される情報の元は、ホームページにあります。ユーザーが検索サイトに留まることで、ホームページへのアクセス数は下がりますが、集患に対する影響力は変わりません。検索者が必要な情報にダイレクトにアクセスできるように、さらにはホームページにアクセスしなくても済むように進化している時代のポイントは、シンプルさとナチュラルさだと考えています。情報源としてのホームページには、ユーザーが求める情報を集約しながら蓄積していく必要があるでしょう。
このほか、ホームページの「構造化」という手法が重要ですが、これは完全に制作者サイドの情報になるため、詳細は省きます。

◆シンプルにナチュラルに
現在の検索エンジンは、AI技術の進歩もあって進化しており、意図的・作為的なコンテンツ、特徴のないコンテンツは評価されないと、Google社から繰り返しアナウンスされています。
「予防から治療、審美・矯正・インプラントまで、なんでもできます…」というホームページになっていませんか。また、「保険も自費も急患もスムーズに受け入れます…」と表現してはいませんか。
過去にはコンテンツの多さ、長さが検索順位に影響すると考えられた時期がありました。また、制作側が医院の実態をリサーチせずにテンプレート的な提案を繰り返した結果、総花的なホームページが多数存在しています。しかし、歯科医院の過半を占める個人経営の医院のトップの方々は、自院の強みをシンプルに表現するコンテンツを作成すべきです。
次回からは、TikTokやYouTubeなどのSNSについて再考していきます。

東京の損益差額は全国最低/厚労省の調査で明らかに

東京の損益差額は全国最低/厚労省の調査で明らかに

25回医療経済実態調査の結果が20251126日、中央社会保険医療協議会(中医協)に報告された。結果からは、厳しい歯科診療所の経営状況が明らかになった。

歯科医療機関の7割を占める個人立歯科診療所の全国の状況を見ると、医業収益が対前年度比で1.9%上昇(前々年度5,121万円、前年度5,2185,000円)した一方、医業・介護費用が2.4%上昇(前々年度3,5958,000円、前年度36824000円)した。収益では労災や自費の収入が減り、保険診療が増加を示している。費用面では給与費が4.5%、委託技工料が6.5%と、それぞれ上昇し、経営を圧迫。その結果、損益差額は0.8%の伸び(前々年度15493000円、前年度15322000円)に留まった。

◆厳しい環境下にある東京の歯科医療機関

他方、東京23区の歯科医療機関では保険診療収益が1.5%上昇(前々年度47622000円、前年度48343000円)、自費収入が10.4%上昇(前々年度19341000円、前年度21357000円)したが、費用面では医業・介護費用は前年並みとなり、損益差額は43.5%上昇(前々年度520万円、前年度7463000円)した。損益差額が上昇したといっても、全ての地域(1級~7級)で最も低く、一番多い地域(5級地域17476000円)のわずか42.7%に留まった。費用面では給与費が1.8%(前々年度33458000円、前年度32869000万円)、委託技工料が9.6%低下(前々年度6378000円、前年度5764000円)、減価償却費が5.6%(前々年度3762000円、前年度3452000円)それぞれ減少した。東京では、物価高騰の中で、人件費などの経費を削減して何とか経営を維持している状況が見て取れる。

診療報酬は全体として6回連続で実質マイナス改定が続く中、設備投資が必要な施設基準が次々に導入されてきた。しかし、現場では新たな設備を導入する資金がないため、届出そのものが難しい状況だ。24年度改定では、人件費に対応したベースアップ評価料が導入されたが仕組みが複雑な上、次期改定以降も存続する保証がないため算定しづらく、算定率は伸びていない。安定した収入増が見込めないため、特に都内においては人件費を引き上げることができず、結局、人材の流出にも歯止めがかからなかった。さらに、それに追い打ちをかけるように、テナントの更新時の家賃値上げや、再開発による立ち退きを迫られる場面も散見される。オンライン資格確認も、ランニングコストは全て医療機関の負担となり経営を圧迫している。こうした状況が如実に表れた結果となった。現在でも閉院・廃業に追い込まれる歯科医療機関増加には、歯止めがかからなくなっている。

その解消のために、26年度診療報酬改定では、疲弊した歯科医療機関の経営を立て直すための大幅なプラス改定が求められる。

厚労省要請を実施/診療現場の不合理是正求める

厚労省要請を実施/診療現場の不合理是正求める

協会は2025年12月4日、26年度診療報酬改定に向け、厚生労働省保険局医療課に対し、歯科診療の現場で生じている診療報酬の運用、保険請求上の課題改善に関する要請を行った。協会からは加藤開、坪田有史、本橋昌宏の各副会長、川本弘、濱﨑啓吾、松島良次の各理事が参加し、厚労省保険局医療課課長補佐の田上真理子氏と直接意見交換を行った。
口腔機能管理における口腔機能低下症の評価項目と検査などについては、口腔機能管理料の算定要件が厳しく、検査機器の使用が必須要件であるため、算定が一向に進まない実態を指摘。また、口腔機能指導加算については、現行の歯科衛生実地指導料の加算から本体化し、時間要件を外すことを要望した。

要望書を手渡す加藤開副会長(写真右)と厚労省の田上真理子課長補佐

そのほか、SPTとP重防の運用改善、TecとCAD/CAM冠修復の適応拡大、不採算材料の調査と評価是正、歯科衛生実地指導料の対象病名の追加と歯科技工士連携加算の算定要件緩和、抗血栓療法患者の局所止血処置の評価など、多岐にわたる要望を伝えた。
協会は今後も会員の声を基に、診療報酬をはじめ必要な制度改善を関係機関に求めていく。

連載/協会探訪 その⑤ 「会員に寄り添い 協会組織をより強固に」<共済部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

連載/協会探訪 その⑤ 「会員に寄り添い 協会組織をより強固に」<共済部>/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

この新聞を手に取っている先生の中には「東京歯科保険医協会というのは、どんな組織だろう?」と思っている方もいらっしゃるでしょう。

今号では、会員の先生方の入退会を管理し、会員を増やすための入会勧奨などとともに、協会組織をより強固なものにするために活動している組織部を紹介します。

組織部ではさまざまな活動を行っていますが、その中から「新規開業医講習会」と「会員地区懇談会」についてご説明します。

新規開業医講習会の様子

◆約40年の歴史ある新規開業医講習会

新規開業医講習会は、1987年に初めて開催して以来、これまでに延べ4,000人以上の先生が参加した協会を代表する講習会の一つです。新規に開業する先生のために、保険医として知っておきたい保険のルールなどを、詳しくかつ丁寧に解説しています。最近では、直近1年以内に新規開業した方やこれから開業予定の方のほか、遡及開業により新規個別指導を受ける方や保険診療の流れやルール、カルテ記載などを改めて確認したいという方など、幅広い方々が参加しています。

組織部は、社保・学術部と協力してこの講習会の運営を行っています。次回は118日に開催しますので、ぜひ参加をご検討ください。

◆アットホームな雰囲気で情報交換もできる会員地区懇談会

会員地区懇談会では、指導や返戻・減点、歯科訪問診療、各種の補助金、医療連携などさまざまなテーマを題材に、協会役員と会員の先生方で懇談をしています。毎回、概ね2030人程度の参加者で、主に都内の城南地区、城東地区、多摩地区に分けて開催しています。私も以前、城南地区(品川を中心とした地域)の懇談会に参加したことがありますが、少人数でアットホームな勉強会といった雰囲気の中で、役員と会員の先生が和気あいあいと話していました。また、会員同士の情報交換の場ともなっており、大きな会場で講義を聴くのとは違う、あたたかい時間を過ごすことができます。これも、協会ならではの取り組みといえるでしょう。

毎日診療をしていると、悩みごとなどが出てくることもあることでしょう。都心で開催する研究会は会場が遠いのでなかなか参加しにくい、自分の診療所の周りにはどのような先生がいて、どのような診療をしているのかな…と、感じたことはありませんか。会員地区懇談会はそういった先生方の交流の場にもなっています。

また、コロナ禍前には「女性歯科医師交流会」も開催していました。おいしい食事を楽しみながら、仕事や趣味の話など、とても充実した時間を持つことができ、私もその時に知り合った先生方とは、長らく交流が続いています。

◆入会ご希望の方は電話かWEBBで

協会への入会動機は、新規開業や遡及開業に伴うもの、個別指導や医院経営の相談のため、共済制度利用のためなど、会員の先生によりさまざまです。協会ではニーズに合わせた会員サポートを充実させており、これらのサポートはご入会いただければ、その日からご利用いただけます。

入会ご希望の場合には電話(03-3205-2999)やWEBからお問い合わせいただければ、事務局からご連絡差し上げます。しっかりと対面で協会のことを聞きたい先生には、事務局員の訪問による説明・手続きも行っています。

保険医協会は、保険医の経営・生活と権利を守り、国民医療の向上を目的にする任意団体です。歯科保険医の要求実現と国民医療向上を目指しています。実現のためには一人でも多くの会員の力が必要です。

組織部では、未入会の先生のご入会を心よりお待ちしています。ご子息やお知り合いで、まだご入会いただいていらっしゃらない方がおられましたら、ぜひご紹介ください。

【新春対談】“声をひろう”2人の女性リーダーが見据える組織作り(法政大学 ダイアナ・コー総長×東京歯科保険医協会 早坂美都会長)

【新春対談】“声をひろう”2人の女性リーダーが見据える組織作り(法政大学 ダイアナ・コー総長×東京歯科保険医協会 早坂美都会長)

 日本で初めての女性総理が就任した2025年。時を同じくして2人の女性リーダーが一足先にその任に就いた。1人は創立142年の伝統を誇り、優れた人材を輩出し続ける法政大学のダイアナ・コー総長。もう1人は設立約半世紀の歴史で初の女性会長となった当協会の早坂美都会長。
 十数年来の関係がある2人は昨年、就任初年度の慌ただしさの中、それぞれの組織の進化、発展に向け奔走した。そして、就任2年目となる2026年、2人はその視線の先に何を見据えるのか。今回はコー総長、早坂会長による新春特別対談の模様をお届けする。

■互いに尊敬し合う間柄

―2人の出会い

早坂:16年前、知り合いのつながりで初めてコー先生にお会いした時に、「笑顔が明るい素敵な方」というのが第一印象でした。

コー:共通の知人から「信頼できる方」と聞かされて、早坂先生にお会いしました。それ以来、歯科医師と学者という関係以上の学び合う関係が築けていると思います。

早坂:2025年3月頃に、総長になったことを聞き、とても驚きました。私自身もその時期は、会長に立候補すべきかどうか思いを巡らせていた時期でした。総長就任の知らせとコー先生が「風景が変わりますよ」と言ってくれたことが、私の背中を後押ししてくれました。

コー:それは嬉しいですね。私自身も早坂先生のように働く女性の頑張っている姿に共感しています。学部長やグローバル教育センター長としてグローバル化やDEI*の推進に取り組んできましたが、それが与える影響には組織的な限界を感じていました。大学全体でこれらの取り組みを進めたいとの思いから、総長より指名を受けて常務理事・副学長をお引き受けしましたが、その後もなお、大学全体を動かす力の限界を実感し、これまで大学から受けてきたご恩に報いたいという思いも重なり、総長として取り組みを発展させたいと考え立候補を決意しましたが、立候補する前は、重圧から3週間ほど寝られない日々が続きました。その中では、本学で初の女性総長だった田中優子先生にも相談しました。私は大変な部分にばかり目を向けていましたが、繋がりが増えたり、学びが多くなったり、得るものもたくさんあることがよく分かり、大きな一歩を踏み出す決意をしました。
*=Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の頭文字を取ったもの。

■キャリアで直面した壁

―これまでのキャリアの苦労

コー:日本の大学組織で女性、しかも外国出身という立場でリーダーシップを取っていくことは簡単ではありません。常務理事になった際にも男性中心の組織でどのように物事を進めていくかが全く分かりませんでした。また、私にとって日本語は第三言語なので、自由に使えない部分もあり、当初は総長としてやっていけるかどうか不安を感じていました。実際に何か発言しても、理解してもらえていないか無視されていると感じる場面もありましたし、制度や文化の壁に直面して、会議が終わった後に涙が出てくることがありました。ただ、ある時、本学の卒業生から「法政大学を通じて社会を良くしてください」と言われ、これが大きな気付きとなり、今でもモチベーションになっています。

早坂:トップに立つ“孤独感”はよく分かりますね。また、私も女性として妊娠、出産、育児と、キャリアを歩む上では苦しい場面もあり、悔しい思いをすることも多々ありました。それでも「必ず時代は変わる。新しい命を宿した人間が悲しい思いをしないでキャリアをつなぐことができる時代が必ず来る」という思いが原動力となり、ここまで歩んできました。

コー:早坂先生の経験は、今の若い世代の女性たちにも必ず伝わりますし、共感されるものだと思います。早坂先生のような方がいることで、今、多くの女性歯科医師が働きやすくなる社会に少しずつ変化していることでしょう。日本のジェンダーギャップ指数は世界的に見ても低い数値です。この問題は、私の専門領域でもあるので、本来であれば系統的に考えて政策を提言していくのですが、なかなか改善が見込まれない現状ですので、とにかくできることからやっていかなければと感じています。それは、女性教員が24%に留まる本学でも同じことが言えます。さまざまな課題を解決するには、教職員の力を合わせてチームとして対応しなければなりませんが、根本的には現状に対する危機感を共有し、教職員一人ひとりが当事者として関わっていただくことが重要だと考えています。また、組織の中の部局間の壁を越えて連携していくことも鍵だと考えます。

早坂:ジェンダーギャップについて、より具体的にどのような課題から解消していけば良いのでしょうか。

コー:まずは、どの分野でも管理職をはじめとする女性の人数を増やすことが重要でしょう。男性中心の社会では、「働く人のモデル」がどうしても、家事や子育てをしない、仕事中心の男性像になってしまいます。そこでは女性に限らず、現代の若い男性までもが、「働く人のモデル」に合わせることができず、組織に居続けることができないのです。生き方の多様性を追求していくことが大切だと思います。

■多様性と「声を聞く」文化

―組織のトップとして

早坂:会長として意識しているのは、会員の“生の声”を拾うことです。声なき声、サイレントマジョリティの意見をどのように汲み取るのかも大切なことです。あらゆる課題について、1つの答えでまとめないことが大切だと考えています。

コー:大学でも同じような課題があります。教職員や学生のニーズは多様で、時には相反する意見もあります。一人ひとりの声を丁寧に拾い、決して置き去りにしない文化を作ることが、結果的には組織の強さにつながると実感しています。

■制度改革は「できるところから」

―“一人ひとりの声を大切にする”組織づくりで大事なこと

コー:最初から完璧を目指すのではなく、まずはできるところから積み上げることが大切だと考えています。制度だけ作っても、人の意識が変わらなければ機能することはありません。だから「制度」と「人」を同時にアップデートしていくことが重要です。これはどのような組織にも共通することではないでしょうか。

早坂:歯科医院は特に小規模な組織が多いので、従業員が1人休むとたちまち業務が回らなくなるという状況は珍しくありません。それでも産休、育休などを取得できる環境を整えて、周囲もそれを支えなければいけません。

コー:結局は「周囲が支える文化」を創り出せるかどうかが重要だと思います。“女性だから”“男性だから”ではなく、誰かの人生の重要なタイミングを支え合える職場。それを作るには、小さな改善の積み重ねが不可欠です。

■若き女性研究者・歯科医師を目指す人へ

コー:自分に制限をかけずに、挑戦し続けることを大切にしてほしいと思います。すぐに成果が出なくても、そのプロセスは必ず自分の糧になります。恐れず一歩を踏み出せば、必ず新しい世界が見えてきます。

早坂:今は歯科大学で女子学生が半数を超える時代です。“女性だから”という理由で遠慮したり諦めたりする必要はありません。皆さんの力で歯科医療界の未来を作ってほしいと思います。私たちの世代は、そのための環境作りを進めていく責任があります。

―2026年の目標を

コー:本学がグローバルに開かれて、「多様性・包摂性・公平性」を実践する大学として、さらに社会から認められるようにしたいと思っています。その姿勢が社会にも良い影響を与えられればと願っています。

早坂:今、歯科医療の世界は転換期にあります。女性の割合が増え、価値観も働き方も多様化しています。誰もが公平に、そして誇りを持って働ける歯科医療界にしたい。そのために協会としてできることを一つずつ実行していく、そんな1年にしたいと思っています。

■おわりに―
 対談から見えてきた、2人の女性リーダーが語る“人”を中心に据えた組織作り。現場の声を汲み取り、相互に支え合うことができる組織風土をどのように育てることができるか。2026年、教育と歯科医療の両分野で、2人がどのような変革をもたらすのか、大きな期待が寄せられている。

▼紙面で見る(「東京歯科保険医新聞」2026年1月号6-7面)

▼過去のインタビューを見る

Profile

Diana Khor(ダイアナ・コー)/1983年香港大学社会学科卒業、1985年同大学院社会学研究科修士課程修了、1987年スタンフォード大学大学院社会学研究科修士課程修了、1994年同大学院社会学研究科博士課程修了。1999年より法政大学第一教養部専任講師に着任し、2005年に法学部教授。副学長・常務理事を歴任し、2025年3月より法政大学総長に就任。

【2026・年頭所感】歯科の重要性が深く認識されている今こそ(会長/早坂美都)

【2026・年頭所感】歯科の重要性が深く認識されている今こそ(会長/早坂美都)

明けましておめでとうございます。

会員の先生方におかれましては、2026年の新春を新たな気持ちでお迎えのこととお慶び申し上げます。また、日頃より東京歯科保険医協会の活動に対してご理解、ご協力を賜り、心より御礼申し上げます。

 保険で安心して、きちんとした診療ができるようにしよう

1973年4月に協会が設立されて以来、長く受け継がれてきた言葉です。以後、協会は歯科医療を通して都民、そして国民の皆さまの歯と口腔の健康のため、さらに何よりもその担い手であります歯科保険医の先生方の生活を守るために活動して参りました。

歯科医療は、人生の最期の日まで「自分の口でおいしく食べることができるようにすること」を目指しています。そのことは、年齢を重ねても健康で過ごせること、すなわち「健康長寿社会の実現」に貢献することでもあります。最近では、「口腔内の環境が全身疾患に大きく影響すること」が広く知られ、歯科の重要性に対する理解が深まりつつあります。歯科医療を正しく理解していただける時代に差しかかっていると言えるのではないでしょうか。

しかしながら、その歯科医療界にも数年来続く物価高騰、人手不足の波が押し寄せ、歯科医院経営に大きな影を落としており、このままでは国民の口腔内を守り続けることができません。

こうした状況を受け、昨年は「基本診療料を中心に、診療報酬の期中改定や、国の責任による国の補助金等での緊急財政措置を早急に行うこと」「2026年度診療報酬改定で、基本診療料を中心に少なくとも10%以上の大幅な引き上げを行うこと」「患者窓口負担を軽減すること」などを掲げ、会員の先生方の貴重な声が記された請願署名、要請署名を厚生労働委員会の国会議員一人ひとりに手渡しました。保険診療は国会での審議、承認が必要な国の予算、つまり国政に直結していますので、国会議員の歯科への理解を深めるため、また、今年施行となる診療報酬の改善につなげるためにも地道な活動が大切です。2026年度診療報酬改定にあたっては、今回も協会は『新点数説明会』を45月にかけて計3回開催いたします。新たな診療報酬を理解すべく、ぜひ、会場に足をお運びください。

また、健康保険証廃止によるトラブルが後を絶ちません。さらに、少子高齢化が急速に進み、医療技術の進展に伴う医療コストの急増なども重なり、1961年から60年以上続く国民皆保険制度を揺るがしかねない事態が続いています。国民皆保険制度は、国民の誰もがいつでも、全国どこでも公的保険によって一定の負担でカバーされた医療を受けることができるという、諸外国に類を見ない素晴らしいものです。質が保たれた医療を安心して受けられる環境維持のためにも、この制度を守らなければいけません。

協会は、患者、国民が安心して医療を受けられるよう、そして歯科医療機関が混乱なく患者を受け入れられるように、まずは資格確認書の全員交付を求めて、東京都知事と都内51自治体の首長に要望書を持参・送付しました。私も保団連関東ブロックの会長・理事長と共に新宿駅前で街頭宣伝を行い、多くの方々から署名をいただきました。今後も都民の方々に向けて、歯科治療と健康の重要性を理解していただくために幅広く活動していきます。

「食べることは生きること」です。協会は、6,043名(202512月時点)の会員の先生方に支えられながら、都民、そして国民の皆さまがより一層安心して歯科医療を受けることができるよう、さらなる努力を続けて参ります。今後ともご理解とご協力、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

東京歯科保険医協会会長 早坂 美都(2026年 年頭所感)

新春寄稿「私の一枚」

新春寄稿「私の一枚」

「東京歯科保険医新聞」2026年1月号に掲載した会員からの写真投稿を以下の通り、ご紹介させていただきます。ご応募いただき、誠にありがとうございました。

厳冬のモルゲンロート(早坂 美都 先生/世田谷区)

昨年の年始、マイナス15度ほどの時に撮影した八ヶ岳のモルゲンロートです。初日の出が山肌に映えるシーンを捉えた1枚。「モルゲンロート」とは、早朝に昇り始めた太陽の光に照らされて山肌が赤く染まる現象を指す登山用語です。語源はドイツ語で、「モルゲン(Morgen)」は「朝」、「ロート(rot)」は「赤い」という意味になります。

水平線から昇る日の出(坪田 有史 先生/文京区)

五島列島の小値賀島を4時50分に出航して福江島までの移動で乗船した太古定期フェリーからみた日の出。

 

ハワイ島 マウナケア山頂から(伊藤 愛子 先生/世田谷区)

夏休みに標高4,205mの山頂までレンタカーで登って撮影。一番左がすばる望遠鏡。

 

中央アルプスの雪解け(吉田 真理 先生/武蔵野市)

機窓から撮った中央アルプスです。まもなく雪が解け動植物が生命を謳歌するようになります。

 

そうふ岩(下田 祐里江 先生/大田区)

東京から約600km南に位置するアホウドリの生息地の鳥島の先にある、高さ100mの突岩。

魔女の瞳(川本 弘 先生/足立区)


場所は福島県の五色沼。一切経山から見下ろした絵です。通称”魔女の瞳”と呼ばれています。

【政策委員長 談話】地域医療を守るため、プラス改定の実感を得られる改定内容を求める

【政策委員長 談話】地域医療を守るため、プラス改定の実感を得られる改定内容を求める

 次期診療報酬の改定率が発表され、プラス3・09%と、1996年度以来の3%超の改定となった。物価高騰や人件費上昇が続く中での3%を超えるプラス改定には一定の評価を示したい。
しかし、消費者物価指数(CPI)が2022年度以降、毎年約3%上昇し、他業種の賃上げが3~5%台に達している状況であり、診療報酬改定が2年に1度であることを考えれば、疲弊する歯科医院の経営を抜本的に改善するには程遠い。
 歯科では、歯科材料費などの物価上昇、水道光熱費の高騰、委託技工料や外注費の増加などの影響を受けやすい。また、テナント料も増加しており、特に東京23区は医療経済実態調査で示されているように、より一層厳しい状況である。さらに、医療DXが急速に進み、機材導入費用やランニングコスト増が経営を圧迫している。このような厳しい経営環境の中でも、歯科医療水準を保つため、スタッフの雇用・定着のため、賃上げに取り組んでいる。医療経済実態調査を見ると、歯科衛生士は金額の伸び率が前年度比3・3%、歯科業務補助者は前年度比3・5%増となっている。一方、院長、歯科医師は1・2%~5・1%減となっており、自らの給与を削って人件費に充てている状況が示されている。
 事実、閉院・廃業を理由とした当会の退会も、これまでは30件前後で推移していたが、2024年は54件、2025年は56件と増加している。このままでは、安心して受診できる歯科医療の継続が難しくなり、地域の歯科医療が成り立たなくなる可能性がある。
 今回の改定率の水準は、歯科医療現場の実態よりも、財政抑制を優先した財務省の姿勢を汲んだものだと思われる。財務省は「経営努力」「効率化」を繰り返し求めるのみで、地域医療を守る姿勢が全く見られない。今後予測される金利変動や国際的な物価急騰などの「外部リスク」を経営努力だけで吸収させることには限界がある。一時しのぎの補正予算による手当ではなく、しっかりと診療報酬本体の改定で評価すべきである。
 歯科医療の役割は、次期改定の議論でも示されているように、リハビリテーションや栄養、生活習慣病対策など全身疾患やQOL(生活の質)にも影響を及ぼす、国民の健康と生活の質を支える医療である。今後、具体的な改定内容が決定されていくが、将来にわたって歯科医療の役割を果たすためにも、より一層の評価と、現場の歯科医師がプラス改定の実感を得られる改定内容を求める。

2025年12月19日
東京歯科保険医協会
政策委員長 松島 良次

協会事務局休務のお知らせ

協会事務局休務のお知らせ

年末年始につき、以下の期間、東京歯科保険医協会事務局を休務とさせていただきます。あらかじめ、ご了承ください。

2025年12月27日(土)~2026年1月5日(月)

なお、年内の最終業務は20251226日(金)、新年の業務は202616日(火)から開始となります。

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)12月1日号

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)12月1日号

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【1面】
  1. 実現必須/「大幅な診療報酬引き上げ」早坂会長会員の声を国会議員へ
  2.「オン資訴訟」控訴審始まる/原告棄却から1年
  3. 健康保険証/有効期限終了も来年3月末まで使用可能 12月2日以降原則 マイナ保険証か資格確認書で資格確認
  4. 協会事務局 休務のお知らせ
  5. 探針
  6. ニュースビュー


【2面】
  7. 中医協 歯科医療(その2)議論 口腔機能管理・歯周病治療・デジタル化/次期改定へ歯科保険制度の見直し本格化
  8. 3次元プリント有床義歯(3DFD)期中改定/12月1日から保険収載
  9. 中医協 在宅医療その4/訪問歯科の短時間化・制度の複雑化が深刻化 公平な評価体系へ見直し議論進む
10. 歯科領域の新規医療技術提案が確認/暫間的ダイレクトボンディングブリッジなど提出 来年1月開催の医療技術評価分科会で最終検討へ

【3面】
11. 3地区で会員地区懇談会を開催/保険請求の「迷い」解決 増点のコツで意見交換も
12. 2025年12月 歯科用貴金属の随時改定情報
13. 第40回医療研究フォーラム/会員の意識と実態調査 子ども医療費助成を発表
14. 来年は診療報酬改定/会員の皆様に「テキスト」をお届けします

【4面】
15. 経営・税務相談Q&A No.435 2025年の年末調整における注意点②完
16. 12月会員無料相談のご案内
17. 東京都支援金情報
18. お詫びと訂正
19. 3年ぶりに改訂版完成/冊子「医院経営と雇用管理」

【5面】
20. 研究会・行事ご案内
21. 2025年度第2回東京都歯科医師認知症対応力向上研修

【6面】
22. 連載/協会探訪その④ 会員同士の助け合いで備え、支える共済制度を守る—共済部とは—
23. 都内/「歯科」受診は医科より多い 「都民の健康と医療に関する実態と意識」で報告
24. IT相談室/再考歯科医院の情報発信③-ホームページが不要になる日-

【7面】
25.「保険でよい歯を」東京連絡会/とげぬき地蔵尊髙岩寺でアピール
26. 理事会だより
27. 協会活動日誌
28. 年末年始休診ポスターのご案内
29. 共済部だより

【8面】
30. 12月2日からの資格確認方法
31. 神田川界隈「どうしてもやりたいこと」(理事・阿部菜穂/江東区)
32. 第4回メディア懇談会を開催/健康保険証廃止と医療DXなどテーマ
33. 特別企画「今年の漢字 2025」応募結果発表

地域医療部長談話 「生活を脅かす介護保険利用者の負担割合引き上げに反対する」

地域医療部長談話「生活を脅かす介護保険利用者の負担割合引き上げに反対する」

介護保険制度は、介護が必要な高齢者とその家族を社会全体で支え合い、利用者の生活や尊厳を守るために作られた制度であり、安定的に支援を受けられることが重要である。20251111日の財政制度分科会で議論された介護保険利用者の負担割合の見直し(2割・3割となる対象者の拡大)は、利用者に経済的負担を強いるものとなり、必要な介護サービスの利用控えを招くのは明らかだ。特に歯科受診は所得や自己負担額の影響を受けやすい。受診が減ることで口腔機能の低下を招き、食事量の減少による低栄養やフレイル、感染症の増加につながる恐れがあり、全身疾患に悪影響を及ぼす可能性がある。

介護サービスは入浴や食事など、生活に溶け込んでいるものが多く、経済的な理由で妨げることは結果として介護度の進行、生活の質(QOL)の低下、さらには医療・介護費全体の増大につながり、むしろ社会的なコストを押し上げる恐れが極めて強い。

介護は社会全体で支えあう必要があり、負担割合の引き上げという利用者へのしわ寄せではなく、予防の取り組みへの支援や継続的に介護サービスが受けられる仕組みの強化が必要である。誰もが安心して介護サービスを受けられる体制を守るため、生活を脅かす介護保険利用者の負担割合引き上げに反対する。

2025年12月12日

東京歯科保険医協会

地域医療部長  池川 裕子

【IT相談室】再考 歯科医院の情報発信③-ホームページが不要になる日-

【IT相談室】再考 歯科医院の情報発信③-ホームページが不要になる日-

◆ホームページを持たない選択
インターネットを利用した情報発信の媒体として、すでにホームページがメインと言えなくなっている業界があります。代表的なものは飲食業で、新たに開業する店舗ではホームページがないことが珍しくありません。検索に対する受け皿は「食べログ」「ぐるなび」などの情報サイトに任せ、メインの媒体はInstagram、日々の情報発信はXを利用しています。特に個人経営の飲食店では、そのような傾向があります。
◆機動力と即応性に勝る情報媒体
その理由として考えられるのは、「ホームページはコストをかけて、きちんと作れば作るほど更新するのは困難になる」「文章や写真を用意してブログを更新するよりも、InstagramやXの方が手軽である」などです。若年層へのアピールには、機動力と即応性に優るTikTokなどを含めたSNSやYou Tubeなどが有効であることを、経営者自身が感じていることもあるでしょう。
一方、情報サイトについては、選ぶ側から見れば、簡素ではありますが統一されたレイアウトで、求める情報がどこにあるのかがすぐにわかり、選択から予約までスムーズに進めるというメリットがあります。
◆すべてを1つのレイアウトで
飲食店のほか、美容室や整体院などでも同様の傾向があり、それぞれ特定の情報サイトが勢力を持っています。過去数回解説してきたGoogleビジネスプロフィールやYahoo!プレイス、Microsoft社のBing Places for Businessなどは、特定の業界に限定せず、総てを統一したレイアウトで閲覧できるようにしようという、壮大な展望を持っていると言えるのではないでしょうか。
今後は、歯科医院の情報発信も同様に変化していくのでしょうか。次回はその点について説明します。

クレセル株式会社 (東京歯科保険医新聞2025年12月号6面掲載)

連載/協会探訪 その④ 「会員同士の助け合いで備え、支える共済制度を守る<共済部>」

連載/協会探訪 その④ 「会員同士の助け合いで備え、支える共済制度を守る<共済部>」/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

先生方は、開業時や家族を持った時に、漠然とした不安を感じたことはありませんか。ご自身が病気やケガをして診療ができなくなった時のことを想像し、ご自身のクリニックのことが心配になったことはありませんか。

東京歯科保険医協会ではこうした先生方の不安に寄り添う共済制度をご用意しています。

今回は、その共済制度を担当している「共済部」をご紹介します。

◆協会の三大共済制度

共済制度詳解の各種パンフレット

共済部では、開業医の経営と保険医の生活を守る重要な活動として、主に3種類の「共済制度」を取り扱っています。

私たち歯科医師は、歯科医院における経営者であると同時に、歯科医療の中心的な担い手でもあります。そのため、病気やケガなどで診療に従事できなくなった場合には、すぐに収入が断たれてしまい、医業の継続のみならず生活にも支障が生じてしまいます。また、歯科医師にふさわしい公的年金制度がないため、リタイヤ後の生活設計がしづらいという困難さがあります。

そのような状況に対し、全国組織である全国保険医団体連合会(以下、保団連)が1968年に保険医年金を、1970年に保険医休業保障共済制度(後に、保険医休業保障共済保険に改変/以下、休業保障)を設立しました。さらに東京歯科保険医協会では1982年に独自のグループ生命保険を立ち上げて以降、これらを三大共済制度として取り扱っています。

◆協会・保団連が進める共済活動

保険会社任せにせず、団体の主体性・自主性をもって、共済制度を取り扱っていることが大きな特徴です。このことにより、保険医にふさわしい保障額と割安な掛け金、および利用しやすい制度内容を実現してきました。

特に、休業保障は自主共済として発足し、保険業法の改定後も、保険制度に関する法令に準拠した「一般社団法人 全国保険医休業保障共済会」(以下、共済会)を設立し、運営を行ってきました。

共済部では、保団連や共済会と連携し、制度の管理を行うとともに、健全な運営および会員加入者の要望に沿った改善を進めています。各制度の募集に当たっては、委託生命保険会社へ協力を依頼するとともに、診療報酬改定直後に開催する新点数説明会、および各種研究会・講習会などで共済部役員自らが先頭に立ち、募集活動を行うなどしています。

そのほか、「共済研究会」として、スペシャルゲストをお招きして、健康や保険商品に関する内容をメインに開催してきました。

新点数説明会や講習会などの際には担当役員、事務局や生命保険会社職員が協力し、会員の先生方に共済制度をご案内しています。ぜひお耳を傾けていただければ幸いです。

◆会員同士の〝助け合い〟

共済部では、毎日の当たり前を支えるご提案をしています。保険医の生活を守るためにできたのが、三大共済制度です。これらの特徴や良さをここで全てご紹介するには、とても紙面が足りません。各先生の生活事情、家庭環境、クリニックの経営体系なども違います。少しでも気になった方は、協会共済部あてに連絡をくだされば、いつでも先生方に寄り添ったご提案をさせていただきます。

自分ひとりでは守り切れない人生のリスクを、「会員同士の助け合いで備え、支える」。そして、それを繋ぐのが、東京歯科保険医協会共済部の大切な役目です。

 

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)11月1日号

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)11月1日号

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)11月1日号

【お詫びと訂正】4面「経営・税務相談Q&A No.434 2025年の年末調整における注意点①」に掲載した表に誤りがありましたので、以下の通り訂正しお詫び申し上げます。

【1面】
  1.関東ブロックが緊急決起集会を開催 診療報酬の大幅引き上げで物価高騰・賃上げに対応を
  2.自維連立合意文書 物価高騰対策の対象に「診療所」の記載がない!診療所の厳しさを署名で国会に届けよう
  3.16年ぶりに改訂!「医科歯科連携ナビゲーション2025」発行
  4.探針
  5.ニュースビュー


【2面】
  6.中医協総会 消費税の公表データに重大ミス/歯科の補填率97.6%へ
  7.新規開業医講習会を開催 新規個別指導の指摘項目を詳解
  8.新規個別指導の指摘項目を詳解 前回受講から4年近い方は12月に受講を
  9.2025年12月歯科用貴金属の随時改定情報
10.会員優待サービス

【3面】
11.政策委員長談話「患者の安心を守るためにOTC類似薬の保険適用除外に慎重な議論を求める」
12.スマホ保険証の読み取り機能 導入の歯科医療機関は約15%
13.「保険でよい歯を」東京連絡会第32回定期総会記念講演会

【4面】
14.経営・税務相談Q&A No.434 2025年の年末調整における注意点①
15.第1回経営管理研究会を開催 補助金・助成金の最新情報 専門家が解説
16.10月会員無料相談のご案内
17.東京都支援金情報

【5面】
18.研究会・行事ご案内

【6面】
19.連載/協会探訪その③保険請求と学術 強い味方の 「社保・学術部」

【7面】
20.「保険でよい歯を」東京連絡会 イイ歯デー&歯の供養祭開催/巣鴨のとげぬき地蔵尊「高岩寺」で
21.再考 歯科医院の情報発信②-AIモードを活かしたHP広報-
22.要望提出 国の交付金で医療機関支援を/自治体から支援金情報提供も
23.理事会だより
24.協会活動日誌
25.通信員便りNo.155
26.共済部だより

【8面】
27.ウクライナ・パレスチナ情勢が示す 核抑止論の破綻
28.神田川界隈「おいしくないメーラード反応」(理事・岡田尚彦/世田谷区)
29.患者さんへの情報提供文書用紙 ご案内
30.「今年の漢字 2025」募集中
31.「2026年新年号巻頭写真」募集中
32.年末年始休診ポスターのご案内

中医協総会/消費税の公表データに重大ミス 歯科の補填率97.6%へ

中医協総会/消費税の公表データに重大ミス 歯科の補填率97.6%へ

1、複数の重大ミスを確認

厚生労働省は10月8日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、2020~22年度分の「消費税負担の補てん状況」について、過去の公表データに誤りがあったとして、正しいデータが公表された。支出計算で水道光熱費を除外していたほか、公費単独レセプト(生活保護法など)を収入計算分に計上していなかったなど、複数の重大なミスが確認された。 

◆過去データを修正

修正後のデータによると、歯科診療所の補填率は20年度105.9%、21年度97.6%、22年度99.5%とし、21年度に大きく低下し、100%を下回る年が続いた。

全体の補填率は同期間に108.3→102.2→98.9%と推移しており、歯科の補填率は、相対的に低い水準にあることが分かる()。

厚労省は「複層的なチェック体制を構築し、ヒューマンエラーの出にくい集計方法を検討する」とし、再発防止策を進める方針だ。

その一方で、補填不足が明らかになった歯科は、以前から治療材料や技工委託費など課税経費の比率が高く、消費税負担の影響を受けやすい。保険診療は、保険利用者側の消費税は非課税だが、医療機関側は医薬品や医療機器などを仕入れる際に消費税を支払っている。このため、消費税負担への補填分を診療報酬の一部に上乗せする方式をとってきた。

こうした経費構造が診療報酬への上乗せ方式(補填方式)に十分反映されておらず、実態との乖離を生じさせているとみられる。

◆ゼロ税率導入議論も

医療への消費税課税をめぐっては、従来から「控除対象外消費税問題」が指摘されてきた。医療機関が仕入れ時に負担する消費税を控除できないため、診療報酬で補填する仕組みが続いている。

しかし、今回の修正で補填率の乖離が明確になり、「診療報酬で補填する従来の方法は限界にきている」と指摘する声も出ている。

2007年に神奈川県保険医協会(田辺由紀夫会長)の呼びかけで発足した市民団体「医療費の窓口負担『ゼロの会』」(ゼロの会)などは、医療を非課税ではなく「ゼロ税率」扱いとし、仕入れ税額控除を認める制度改正を求めており、ゼロ税率が実現すれば、医療機関は仕入れ時の消費税分の還付を受けられ、補填問題は解消されるとしている。

一方、福岡資麿厚生労働大臣(当時)は1017日の記者会見で、ゼロ税率について「社会政策的な配慮に基づき非課税とされているその他のサービスへの影響や、消費税還付による国の財政状況への影響といった課題があると考えている」と述べるにとどめた。

厚労省は2026年度診療報酬改定に向け、物価や賃金の上昇への対応、医療機関経営の安定を基本方針に掲げている。

中医協では今後、補填率の実態とあわせ、歯科を含む診療報酬上乗せ方式の妥当性を検証していく見通しである。補填不足については、早急な改善が必要だ。

2、在宅医療 歯科の役割明記

10月1日に開催された中医協総会では、「在宅医療その2」として、訪問診療・往診や訪問看護の提供体制、評価のあり方などを議論した。

厚労省が行った2024年度診療報酬改定結果の検証調査では、在宅医療に加え「在宅歯科医療」も対象とし、歯科訪問診療の頻度、体制、連携状況などを調査対象としている。

資料では、歯科に特化した記載は限定的ではあるものの、在宅医療の担い手として歯科を含め、「在宅歯科医療」を独立調査対象とした点が重要だと考えられ、今後、嚥下・栄養・看取りを中心に歯科の参画拡大と評価見直しが焦点となるものと推察される。

なお、厚労省は、在宅医療を支える人材の確保、地域格差の是正、24時間体制維持の負担軽減といった課題も残っているとし、次期診療報酬改定に向け、在宅医療の質向上と持続可能な体制づくりを議論していく方針を示した。

要望提出/国の交付金で医療機関支援を 自治体から支援金情報提供も

要望提出/国の交付金で医療機関支援を 自治体から支援金情報提供も

協会では、物価高騰や人件費上昇が医療機関の経営に深刻な影響を及ぼしている現状を踏まえ、「重点支援地方交付金」を活用した医療機関への財政措置の実施・拡充を求める要望を東京都および都内区市町村(島しょ部除く)に提出した。

政府は2025年度予備費を活用し、「重点支援地方交付金」を1,000億円増額し、「医療・介護施設等に対する物価高騰対策支援」の実施を推奨事業として明示している。

診療報酬は公定価格であるため、物価や人件費の上昇を価格に転嫁することができない。光熱費・材料費の高騰、スタッフ確保のための人件費増などが続く中、地域医療を支える診療所の経営基盤はきわめて脆弱になっている。協会では都民の医療を守る立場から、東京都および各自治体に対し、病院・診療所、医科・歯科を問わず、医療機関への支援金や助成金の実施、規模の拡充を要望した。

要望に対し、いくつかの自治体から回答が寄せられており、すでに「重点支援地方交付金」を活用した支援策を実施している自治体もある。地域の実情に応じた支援の広がりを今後も期待したい。

協会では今後も、医療現場の実態を踏まえ、地域医療を守るための実効ある財政支援が実現するよう、引き続き働きかけを行っていく。

なお、支援策を実施している自治体は以下のとおり。対象の区市内の診療所の先生方は活用いただきたい。

 

2025年12月 歯科用貴金属の随時改定情報/12月から金パラ引き上げ3,802円へ

2025年12月 歯科用貴金属の随時改定情報/12月から金パラ引き上げ3,802円へ

10月17日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、歯科用貴金属価格の12月随時改定が決定された。

12月1日からの歯科鋳造用12%金銀パラジウム合金(金パラ)の告示価格は1g当たり3,802円(3,445円から357円の引き上げ)、30g当たりでは114,060円(103,350円から1710円の引き上げ)となる。

また、歯科用貴金属の随時改定では、金パラのほか銀合金、14カラット金合金も全て引き上げとなる。

第1回経営管理研究会を開催/補助金・助成金の最新情報 専門家が解説/

第1回経営管理研究会を開催/補助金・助成金の最新情報 専門家が解説

10月22日、第1回経営管理研究会として、「補助金・助成金セミナー~歯科診療所が活用できる補助金・助成金・支援金その最新情報と申請のポイント~」を開催した。

講師は、行政書士の西岡敦氏と、協会理事で歯科医師の岡田尚彦氏。参加者は20名であった。西岡氏は、補助金申請業務に多数の実績を持ち、今回は歯科の保険診療・自由診療のいずれにも活用できる3制度、および自由診療のみ対象となる3制度について、それぞれの内容と申請のポイントを詳しく解説した。

左から岡田尚彦理事、講師の西岡敦氏

 

続いて岡田氏からは、①医療DX関連の助成金6種類、②東京都が実施している補助事業3種類、③厚生労働省による助成金2種類―について、具体的な申請要件や活用の留意点が紹介された。

質疑応答では、参加者自身の申請事例に関する質問をはじめ、多岐にわたる質問が寄せられた。

アンケート結果からは、「大変有意義で参考になった」との評価が多く寄せられる一方、「実際の申請は難しそうだ」と感じた参加者も少なくなかった。講師からは、採択率の低下傾向も踏まえ、「補助金申請は行政書士など専門家への代行依頼も検討すべき」との助言があった。また、「スタッフの育児休業に関する補助金など、他にも多くの制度があるため、日頃から情報収集を心がけることが大切」とのアドバイスも寄せられた。

本研究会は、オンデマンド配信を予定している。配信開始時にはデンタルブックメールニュースにてお知らせする。

経営管理部担当理事

小林 顕

自維連立合意文書/物価高騰対策の対象に「診療所」の記載がない!  診療所の厳しさを署名で国会に届けよう

自維連立合意文書/物価高騰対策の対象に「診療所」の記載がない! ―診療所の厳しさを署名で国会に届けよう

◆10%以上の引き上げ必須

物価と人件費の高騰により、多くの医療機関の経営が圧迫されている。いま協会が集めている署名には、続々と現場の窮状を訴える意見が記述されている()。

多くの歯科診療所で以前にも増して医業収益が厳しくなっており、職員の給与の引き上げはおろか、新しい医療機器、備品などの交換が滞り、提供する歯科治療への悪影響が生じかねない状況に懸念を呈する声が多数寄せられている。

その改善に向け、署名の要請項目に10%以上の診療報酬引き上げを掲げておりその実現は必須だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自維合意文書で歯科診療 所は物価対策の対象外に

診療報酬を大幅に引き上げるためには、現状を多くの国会議員に伝える必要がある。自由民主党・日本維新の会の連立政権合意書の社会保障政策では「昨今の物価高騰に伴う病院及び介護施設の厳しい経営状況に鑑み、病院及び介護施設の経営状況を好転させるための施策を実行する」と明記されている。

物価高対策は病院と介護保険施設に限定され、診療所は対象外とするような書きぶりである。現場の声は国会議員に届いているのだろうか。

◆QRから署名を!

この状況を受け、早坂美都会長が、11月に署名を携え国会議員へ要請を行う予定である。ぜひとも、署名と現場の声を1117()までにWEBでお寄せいただきたい。

新規開業医講習会を開催/新規個別指導の指摘項目を詳解

新規開業医講習会を開催/新規個別指導の指摘項目を詳解

◆9月からの変更点も

協会は9月28日、ワイム貸会議室高田馬場で新規開業医講習会を開催。31名が参加し、9月以降に新規個別指導を受ける開業医や勤務医、今後新規や遡及による開業を予定している勤務医、集団的個別指導後に改めて保険請求やカルテ記載を学ぶことを目的にベテラン開業医などが集まった。講師は、協会の加藤開副会長、濱崎啓吾理事、重松健吾社保・学術部員が務めた。

加藤開副会長



濱崎啓吾理事


重松健吾社保・学術部員

 

 

 

講習会は、新規個別指導計画(年6回、264件)を示し、指導通知が届いてから指導日までに準備すべきことを説明。特に、持参物の確認、指導時の指摘項目などを具体的に解説した。また、2024年度の新規個別指導では1割以上が「再指導」となったこともあり、開業時からの適切なカルテ記載と保険請求の重要性を強調した。

そのほか、保険と自費の混合診療の考え方、歯周治療と補綴までの流れ、協会に多く寄せられる質問のうち、CAD/CAM冠の適用なども説明した。

これまで新規個別指導では、指導通知同封の「保険医療機関の概要」を指導日当日に提出する形式であったが、本年9月実施分の新規個別指導から、指導日の2週間前までに「保険医療機関の現況」を提出する形に変更された。

この現況については、①医療機関の休診日・診療時間、施設基準の状況などを記載する「保険医療機関の概要」、②採用・退職などを記載する「保険医、歯科衛生士等の概要」、③患者受付から会計までの診療業務などの流れ図と診療報酬明細書などの作成から審査支払機関に請求するまでの診療報酬請求業務の流れ図―があり、事前に関東信越厚生局東京事務所(以下、厚生局)または東京都保健医療局に郵送あるいはメールで提出する。

このほか、④訪問診療を行っている場合は「歯科訪問診療の状況」、⑤電子カルテを使用している場合は「医療情報システムの概況等」―も併せて提出する。この④⑤に該当する医療機関は注意が必要である。

なお、個別指導でも同様の運用が行われているので、提出書類の様式は厚生局のホームページまでご確認いただきたい。

以前は、指導通知や対象患者の通知は簡易書留で送付されていたが、現在は特定記録郵便で送付されている。

特定記録郵便は、受取人の配達記録(受領印の押印または署名)が不要であり、郵便受箱に投函されるため、新規個別指導や個別指導の指導通知、事前に指定される対象患者の通知を見逃す恐れがある。これから新規個別指導が予定されている会員は、特に注意が必要である。

◆講師が不安を解消

次回の新規開業医講習会は2026118日㈰に開催を予定し、指導に関する運用上の変更点や最新の情報を解説する。

新規個別指導を控えている会員は、ぜひ参加いただきたい。

関東ブロックが緊急決起集会を開催/診療報酬の大幅引き上げで物価高騰・賃上げに対応を

関東ブロックが緊急決起集会を開催/診療報酬の大幅引き上げで物価高騰・賃上げに対応を

10月12日、保団連関東ブロック協議会の主催による「地域医療をなくすな!緊急決起集会」が開催され、関東9協会の医師・歯科医師・事務局をはじめ、関連団体、WEB参加を含む194名が参加した。

集会には、小池晃参議院議員(共産)、谷田川はじめ衆議院議員(立憲)が会場に駆け付け、「地域医療を守るために診療報酬の引き上げを」「物価高騰・賃上げに対応できる報酬改定が必要」「OTC類似薬の保険外しは、絶対に許してはならない」など、力強い挨拶を行った。

続いて、関東ブロック9協会の代表役員から小池議員、谷田川議員に対し、3,425筆にのぼる「すべての医療機関を守るため診療報酬の大幅引き上げを求める医師・歯科医師要請署名」を手渡した。

また、栃木県医師会、横浜市医師会、川崎市医師会などからのメッセージ紹介のほか、国光あやの衆議院議員(自民)、阿部知子衆議院議員(立憲)、梅村聡衆議院議員(維新)、上月良祐参議院議員(自民)、小西洋之参議院議員(立憲)のビデオメッセージを披露した。

協会の加藤開副会長

各協会からは、地域医療を取り巻く厳しい実情と今後の運動方針が報告された。当協会からは加藤開副会長が発言し、「東京の歯科医療機関では、物価高騰と人手不足が深刻化している。根底にあるのは低い診療報酬水準であり、2年に一度の改定では追いつかない。患者や国民の歯科口腔保健を守るため、歯科保険医療機関の経営を守るためにも、診療報酬の緊急引き上げと患者窓口負担割合の引き下げが必要である」などを強く訴えた。

その後、栃木県保険医協会の天谷静雄副会長から緊急決議案が提案され、満場の拍手で採択された。最後に司会の呼びかけで「頑張ろうコール」が行われ、参加者全員が拳を高く掲げ、「次期診療報酬の大幅引き上げを目指し、頑張ろう!」と力強く唱和した。茨城県保険医協会の高橋秀夫会長の閉会挨拶後、集会は盛況のうちに終了した。

緊急決起集会の会場内の様子

今後も、「診療報酬の大幅引き上げを求める医師・歯科医師要請署名」への取り組みを継続していく。署名はWEBでも可能なので、ぜひ一人でも多くの会員の先生にご協力いただきたい。FAXでの署名を希望する場合は、協会運動本部(TEL 03-3205-2999)までご連絡を。

【IT相談室】再考 歯科医院の情報発信②-AIモードを活かしたHP広報-

【IT相談室】再考 歯科医院の情報発信②-AIモードを活かしたHP広報-

2025年9月からGoogleの検索エンジンで「AIモード」が提供されています。Googleのトップページの検索語を入力する部分の右側にある、音声検索のマイクのマーク、画像検索のマークの右に「AIモード」とあるのに気付いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

◆検索とAIが統合される
すでにAIを使っていただいている方はお分かりのこととは思いますが、GoogleのAIモード操作方法や回答の内容などは、Googleが提供している対話型AIの「Gemini」に似ています。違いは、表示がリッチで親切なことです。
そして、回答画面のリンクをクリックすると分かりますが、なかなか元となるホームページにはたどり着きません。

◆まとめ情報に
 自院のコンテンツを追加 前回もお伝えしましたがAIを含む現在の検索エンジンは、検索エンジンが提供するまとめ情報へのアクセスを重視しており、結果として診療所などが運営しているホームページへのアクセスは、大きく減っています。
この状況への対応策の第一歩は、検索エンジンが提供するまとめ情報、GoogleですとGoogleビジネスプロフィールにコンテンツを追加することです。Googleビジネスプロフィールは、アカウントを登録すると自院の登録内容を変更でき、自院の診療内容やブログの更新などを登録できます。
ホームページへのアクセスが減る方向に対抗するのではなく、検索エンジンが提供するまとめ情報を豊富にすることで、時代の流れに乗りながら自院の診療内容をアピールするようにしてはいかがでしょうか。
今回はGoogle検索を例に取りましたが、MicrosoftやYahooでも同様です。
次回以降も、AI時代の情報発信についてお伝えします。

クレセル株式会社 (東京歯科保険医新聞2025年11月号6面掲載

連載/協会探訪 その③ 「保険請求と学術/強い味方の<社保・学術部>」/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

連載/協会探訪 その③ 「保険請求と学術/強い味方の<社保・学術部>」/東京歯科保険医協会会長 早坂 美都

協会の「社保・学術部」は、理事会の執行機能を補佐する専門部のうちの一つで、おそらく、会員の先生方にとっては、一番なじみのある部署ではないでしょうか。

社保・学術部は、診療報酬の正しい解釈や算定・請求方法の解説をはじめとした医療保険制度全般に関する事項の全て、および学術関連情報の提供なども担当しています。役員・部員21名を中心に、会員サポートを行っています。同じ臨床医だからこそ共感できる懇切・丁寧な相談体制の構築を常に心がけています。保険請求や返戻・査定の電話相談は年間1万件以上あり、事務局が主体となって対応しています。

たくさんの相談を受ける中で、納得できない審査については、審査支払機関への改善要求につなげています。

◆社保と学術を統一した部署は協会ならでは

①多数の会員が参加した2018年4:月の「新点数説明会」の様子です。来たる2026年度診療報酬改定でもこの説明会を開催しますが、改定内容の趨勢は本年末の2026年度政府予算案の決定にあわせて明らかになります。大事な情報は協会機関紙、ホームページデンタルブックメールニュース、F-nexで適時お知らせします

2年に一度の診療報酬改定の際には、テキストを作成し、「新点数説明会」を開催しています(写真①②)。参加経験をお持ちの先生は、かなり多いことでしょう。私も会員になってからは、欠かさず参加しております。

②新点数説明会の質疑応答で受けた質問は、会場内の控室で役員と部員、事務局の担当者が共同で対応。回答が準備できると、会場へ戻り即答します。表には出ない、舞台裏の地道な作業です

コロナ禍以降は、密集を避けるため事前申込制を基本としましたので、会場から参加者があふれるようなことはなくなりましたが、やや以前の2006年度改定時の新点数説明会では、座席が足りなくなり、会場内の通路や階段、さらには場外の廊下に座って受講するほどでした(写真③④)。新点数説明会の会場では、レセプトコンピュータや医療機器などの展示説明のほか、共済制度の案内も行っています。

最近の返戻・査定の傾向や個別指導と新規個別指導の現状などを解説するための社保研究会が今年の8月末に開催されましたが、社保・学術部が担当です。

学術関連では、翌日からの診療に活かせる歯内療法や歯周治療などベーシックなものから最先端治療まで、各分野を代表する講師を選定し、定期的に学術研究会を開催しています。

社保と学術を統一した部署は、協会ならではの存在です。歯科では保険請求と学術は関連があります。歯科では自費治療もありますので、複合的関係性を統一的に捉えた活動を行っています。

③この写真は2006年度改定時の新点数説明会会場です。席を取れなかった先生方が、座席最後部の通路にぎっしりと座り込んでいます。それでもあふれた先生方には、廊下で聞いていただく事態となってしまいました。ご迷惑をおかけしました

 

 

 

 

 

 

◆健康保険証は国民皆保険制度の象徴

さて、保険請求の基となっている健康保険法は1927年に施行されましたが、当時はまだ歯科医療は大変贅沢な医療でした。歯科医師数も少なく受診率も低かったのです。その後、61年に国民皆保険制度が実現し、誰もが医療サービスを受けるための手段として健康保険証が発行されました。2512月には、その国民皆保険制度の象徴ともいえる健康保険証が廃止(制度は存続)されようとしています。

健康保険制度の成り立ちについて、要となる事柄を振り返り、大きな流れを把握することは決して無駄なことではありません。そのことは、また別の機会に解説させていただこうと思います。

談話「患者の安心を守るためにOTC類似薬の保険適用除外に慎重な議論を求める」

談話「患者の安心を守るためにOTC類似薬の保険適用除外に慎重な議論を求める」

談話「患者の安心を守るためにOTC類似薬の保険適用除外に慎重な議論を求める」

日々、患者と向き合う私たち歯科医師にとって、患者が安心して受診できる環境を守ることは極めて重要である。

政府が骨太の方針2025で示した「OTC類似薬の保険給付の見直し」、すなわちOTC類似薬を保険適用から除外する政策は、患者の安心と医療制度への信頼を揺るがすおそれがある。政府・与党は、この施策により軽微な症状での受診を減らし、医療現場の負担軽減や社会保障費の抑制につながると説明しているが、実際には以下のような懸念がある。

 重症化リスクと医療費の増加

OTC類似薬が保険適用外となると、経済的負担を理由に受診を控える患者が増える可能性がある。その結果、初期段階で治療を受けられず、病気が重症化してから受診するケースが増加し、かえって医療費や医療現場の負担が増える恐れがある。

また、国の負担は削減されたとしても、自己負担分は大幅に増え、国民全体の医療費はむしろ増加する。実際に、難病を抱えており、塗り薬や飲み薬が欠かせない方のケースでは、月の自己負担が3千円から約20万円に増えるとの試算もある。子どもの場合は、保険診療の窓口負担分の多くが自治体で助成され医療費は抑えられているが、OTC類似薬が保険適用外となれば、助成の対象からも外れるため、子育て世帯には大きな負担となる。

患者の安全確保と服薬管理の問題

現在、処方薬は医師・歯科医師による診断と服薬指導を受けた上で使用するが、OTC類似薬を自己判断で購入・使用する場合は、服薬管理が不十分となり、飲み合わせによる副作用や誤飲事故が発生するリスクがある。さらに、適切な薬剤選択や用量調整ができず、治療効果が不十分になることや、不適切な抗菌薬使用による薬剤耐性菌の増加などにつながりかねない。

特に高齢者や複数の疾患を抱える患者では、服薬内容が複雑になるため、医療者による確認が不可欠である。

マイナ保険証との整合性

国は、マイナ保険証を通じて過去の診療情報や薬剤情報を共有し、質の高い医療を実現することを目指している。しかし、OTC類似薬が保険適用外となると、それらの使用情報が診療記録に反映されないため、患者の服薬状況を正確に把握できなくなり、国が推進する「データを活用した安全な医療」の理念と整合しない結果を招く恐れがある。

歯科診療における影響

歯科診療においても、術後の消炎薬や口腔内の殺菌を目的としたうがい薬など、OTC類似薬とされる薬剤が用いられている。れらが保険適用外となると、患者が自己判断で薬剤を購入することで、適切な服用や衛生管理が行われにくくなり、術後感染症や副作用のリスクが増加するなど、安全性の低下につながる可能性がある。

さらに、患者負担の増加は、経済的理由による受診抑制が増加する可能性がある。特に歯科は所得が減ると受診控えが起こりやすいと言われているため影響が大きく、口腔健康の悪化が全身の健康に影響を及ぼす可能性も高い。

医療現場への影響

冒頭でも触れたが、政府・与党は、OTC類似薬を保険適用から除外することで、軽微な症状の患者受診を減らすことができ、医療現場の負担軽減や医療費の抑制が図れると説明しているが、OTC類似薬が保険適応外になったからといって、必ずしも軽症患者が受診を控えるとは限らない。むしろ、患者に市販薬の選び方や使用方法を説明する必要が生じるため、医療現場の業務が複雑化する可能性がある。

また、市販薬は一度に複数錠単位で購入する必要がある場合が多く、必要量以上の薬剤が手元に残り、無駄な医薬品が増えることも懸念される。

結びに

社会保障費の抑制や医療現場の負担軽減は重要な課題だが、社会保障費の抑制を名目に患者負担を増やすのではなく、医師・歯科医師による適切な診断と処方を通じて重症化を防ぎ、医療費全体を抑えることこそ重要である。

私たち歯科保険医は、国民皆保険制度を守り、患者が安心して治療を受けられる環境を維持するため、慎重な議論を求める。

2025年10月9日

東京歯科保険医協会

政策委員長  松島 良次

退き際の思考/「どうすれば良いのか」窮地で頼った協会(宮 優子さん【後編】)

退き際の思考/「どうすれば良いのか」窮地で頼った協会(宮 優子さん【後編】)

「どうすれば良いのか」窮地で頼った協会

                             宮 優子さん―【後編】

歯科医師としての“引退”に着目した本企画。すでに歯科医療の第一線を退いた先生らにお話を伺い、引退を決意した理由や医院承継、閉院の苦労などを深堀りする。ここでは、今年4月をもって歯科医師を引退した宮優子先生(68歳)の後編。医院の譲渡や、協会との関わりについて伺った。

―前編では医院をM&Aで譲渡したことについて触れました。実際のM&Aの手続きについて教えてください。

M&A業者2社に登録して、譲渡先1件と面談、もう1件からもオファーをいただきましたが、これは残念ながらお断りしました。その後に最終的な譲渡先からのオファーがありましたので、計34件ほどの中から決めていった形です。譲渡に当たっては、「承継ノート」を作り、必要な情報をまとめました。また、従業員に対しては、従来の雇用条件を維持する方向性を伝えていたので、その点は問題なく進めることができました。

 

―譲渡先とはどのようなやり取りを。

これまでは個人の歯科医院ということもあり、慣習的にやってきたルールなどを改めて明文化する作業が必要で、ここが譲渡先との調整に時間を要した部分でした。過去に出した施設基準の届出書類などを揃えたり、譲渡先の医院に共有したりすることや、従業員の雇用契約書について合意形成を図る作業も大変でした。分からない点は、関係機関や業者などに問い合わせ、確認しながら解決しました。

― 歯科医院には取引業者も多いと思いますが、そのあたりの連絡は。

3年くらい前から「いつになるかわからないけど、引退する方向です」と雑談の中でなんとなく業者さんに伝えていました。また、引き継いでくださった院長先生が、私が引退することを改めて業者さんに周知してくれていて、担当者などからお礼のメッセージなどをいただきました。

◆「どうすれば良いのか」窮地で頼った協会

―会員として23年、協会に入会した理由は?

手頃な会費で相談に応じてくれるので、開業当初に入会を決めました。返戻や医院経営の相談ですごく重宝していました。助成金申請でも手続きが分かりづらく、「どこから手を付ければいいの?」という状態の時にサポートしていただいたので良かったと思っています。そして、特にお世話になったのは自院に税務調査が入った時でした。当時は、診療をしながら、毎日のように税務署への対応もするため、どうすれば良いのか分からず困っていました。そこで協会に相談したところ、税理士さんを紹介してくださいました。それまでは自分だけで税務処理をやっていて不足していた部分があったので、すごく助かりました。それ以降、その税理士さんと顧問契約をして支えてもらいました。

―講習会にもよく参加されたとか。

協会の講習会は夜に行われることが多いので、土日に診療していたりトライアスロンのトレーニングをしている私からすると、とても参加しやすく利用していました。医院の譲渡にあたっても協会主催の経営管理研究会「歯科医院の事業承継・継承の実態とポイント」(202312月開催)を受講して、参考にさせてもらいました。

― 三大共済制度(グループ生命保険、休業保障、保険医年金)も活用していただきました。

かつて主人が亡くなった際に、保険に何も入っていなかったんです。最初は風邪のような症状でしたが、なかなか治らずに「今年の風邪は長引くね」と話していた矢先に脳炎で倒れ、その半年後に亡くなりました。その時に強く感じたのが、自分に何かあった時に子どもたちや周囲に迷惑はかけられないということでした。それからは、とにかく万が一に備えようと、グループ生命保険や休業保障にも加入しました。保険医年金は、貯金をする感覚で加入していてその面ですごく良かったと感じています。

―現在も歯科医師として従事する同世代の先生にメッセージを。

診療所でのサプライズ誕生会で

歯科界はますますDX化が進み、この数年でも大きな変化がありました。私はその波についていけなかった一人だと思っています。デジタル機器を扱えずにイライラしたり、「やらなきゃいけないけど、どうすればいいの」というのが当たり前でした。でも娘に聞くと、私が半日かけて悩んでいたことを10分で解決してしまう。なんだかガックリしちゃうことも多くありました。そうした世の中の流れの中で現在も診療にあたる先生方は、本当に尊敬しています。今は心が壊れてしまうことも多い時代です。私も長年の診療姿勢が悪く腰椎が変形しましたが、歯科医師は身体に不具合が生じやすいと思うんです。だからこそ、もし経済的に許すのであれば、無理はしないでいてほしいと願っています。また、“仕事が趣味”という先生も多い業界ですが、気持ちを切り替えられる趣味などがあれば良いのかなと思っています。

 

 

 

―ありがとうございました。