協会ニュース

ドクターズデモンストレーションが国会内集会を開催/「医療崩壊はなぜ起きたか」をテーマに

 

ドクターズデモンストレーションが国会内集会を開催/「医療崩壊はなぜ起きたか」をテーマに

ドクターズ・デモンストレーションは2月25日、衆議院第一議員会館多目的会議室で国会内集会を開催した。テーマは「医療崩壊はなぜ起きたか」で、副題は「求められる日本の医療体制について考える」。各医療関係者が現状認識と課題を報告した。本田宏氏(外科医・医療制度研究会)が司会進行役を行い、現場からの発言者は、植山直人氏(勤務医師)、山崎利彦氏(開業医師・オンライン)、佐々木悦子氏(看護師)、大島民旗氏(病院管理医師)ほかが登壇した。

事務局職員を新規募集中!!/東京歯科保険医協会

事務局職員を新規募集中!!/東京歯科保険医協会

当協会では、2021年2月9日より、事務局員の新規募集をスタートしました。今回の採用数は、は「1名ないし2名」となっています。募集要項は下記の通りです。PDFのダウンロードもできます。

※事務局職員の新規採用の「募集要項」のダウンロードはこちらをクリック

 

 

 

25万円の追加支援の詳細判明!!/【第3次補正予算】感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金

 

25万円の追加支援の詳細判明!!/【第3次補正予算】感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金

 

 

 

 

第3次補正予算による感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金の申請方法が公表されました。

詳細は以下の通りです。

 

1.申請期限

2021年2月28日(日)当日消印有効
※申請期限までに間に合わない場合の対応は今後示される予定(今回の支援金に申請をした場合は、次回実施分は対象外となります)。
※ただし、対象期間に係る申請は1回のみ。

 

2.対象期間

2020年12月15日~2021年3月31日までにかかる経費

 

3.対象経費

感染拡大防止対策、診療体制確保などに要する費用
※今回は厚労省が直接執行するため、2020年12月22日に出された厚労省の事務連絡での以下の経費例が対象経費となり得ます。


経費例
・日常業務に要する消耗品費(固定資産に計上しないもの)
・日常診療に要する材料費(衛生材料、消毒薬など)
  ※ 直接診療報酬等を請求できるもの以外
・換気のための軽微な改修(修繕費となるもの)
・水道光熱費、燃料費
・電話料、インターネット接続等の通信費
・休業補償保険等の保険料
・受付事務や清掃の人材派遣料で従前からの契約に係るもの
・受付事務や清掃の外部委託費で従前からの契約に係るもの
・日常診療に要する材料費(衛生材料、消毒薬など)
  ※ 直接診療報酬等を請求できるもの以外
・既存の施設・設備に係る保守・メンテナンス料
・既存の診療スペースに係る家賃
・既存の医療機器・事務機器のリース料

令和2年度新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金に関するQ&A
2021年2月3日 第1版Q&A

 

4.申請方法(郵送により行います)

1)申請書類(精算申請概算申請により提出する書類が異なります)

(1)[精算申請:申請する経費の支出が全て終わっている場合]
提出書類
1.交付申請書(第5号様式)
2.申請書の別紙
3.厚生労働省への請求書
4.申請する経費に係る領収書等の支出額が分かるもの(写し)

 

(2)[概算申請:申請する経費の支出が終わっていない場合]
提出書類
1.交付申請書(第3号様式)
2.申請書の別紙
3.厚生労働省への請求書
事後に事業実績報告が必要となりますので、領収書等の証拠書類は保管しておいてください。

 

申請書(交付申請書(3号、5号) ・申請書の別紙・厚労省への請求書・記載例 Excelファイル)

こちらからダウンロードしてください

(リンク切れしている場合は厚労省HPからダウンロードしてください)

 

※書類の印刷等がうまくいかないなど、手書きの書類が必要な場合は、厚生労働省コールセンター(0120-336-933)もしくは協会(03-3205‐2999)までお問い合わせください。

また、東京歯科保険医協会の会員以外の先生は所属の保険医協会までお問い合わせください。

 

〇 提出先:以下へ郵送

〒119-0397 銀座郵便局留 厚生労働省 新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金担当 宛

 

2)事業実績報告の提出

※申請時に「申請する経費の支出が終わっていない場合」は、事業(支出)が終わった日から1か月以内又は2021年4月10日のいずれか早い日までに事業実績報告書を提出してください。

提出書類
1.事業実績報告書(第4号様式)
2.実績報告書の別紙
3.領収書等の支出額が分かるもの(写し)
4.交付決定通知書(写し)

 

実績報告書(事業実績報告書・実績報告書の別紙・記載例 Excelファイル)

こちらからダウンロードしてください

(リンク切れしている場合は厚労省HPからダウンロードしてください)

 

〇 提出先:以下へ郵送
〒119-0397 銀座郵便局留 厚生労働省 新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金担当 宛

 

3)その他

※令和2年度の消費税及び地方消費税の確定申告により、補助金に係る消費税及び地方消費税にかかる仕入れ控除税額が確定した場合(仕入れ税額控除が0円の場合も含む)は、令和4年6月30日までに【消費税及び地方消費税に係る仕入控除税額報告書(第2号様式)】により厚生労働省まで提出してください。

提出書類:消費税及び地方消費税に係る仕入控除税額報告書(第2号様式 Excelファイル)

提出先:以下へ郵送

〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2厚生労働省医政局医療経理室 宛

 

5.問い合わせ先

厚生労働省医療提供体制支援補助金コールセンター
電話:0120-336-933(平日9:30~18:00)

厚生労働省HP

 

 

協会へのお問い合わせ

Mail:info@tokyo-sk.com
電話:03(3205)2999 経営管理部

 

動画配信開始!花田信弘先生による「新型コロナウイルス感染症と口腔内の関係」

動画配信(会員限定)開始!!

先日、残念ながら中止となってしまった第4回学術研究会の動画を本日から会員限定・期間限定で配信しています。

是非、ご視聴ください。なお、本講演の内容の録画、録音、その他の方法により有形的に再製すること。また、二次的利用、SNS等への投稿や拡散等は、目的の如何を問わず、固くお断りさせていただきます。これらの行為がなされたときは、著作権侵害・肖像権侵害等として対処させていただく場合がございます。

テーマ:

新型コロナウイルス感染症と口腔内の関係

講 師:

花田信弘先生(鶴見大学歯学部探索歯学講座 教授)

配信期間:

2月1日(月)~2月28日(日)
※配信期間を過ぎての視聴・資料のダウンロードはできません。

視聴方法:

こちらをクリック↓

https://dentalbook.tokyo-sk.com/member/private/Member_index

※ご視聴には、デンタルブックの登録が必要です。

日々の確定申告からコロナ関連の税務処理のポイントを分かりやすく解説!「保険医の経営と税務-2021年版-」発刊!

コロナ関連を含めた税務の最新情報を盛り込んだ『保険医の経営と税務-2021年版-』が発刊されました!

「税制改正の主要点」として、2020年分確定申告のポイントや医業所得の計算、措置法、診療所の開業から継承、閉院における各種手続きもわかりやすく解説しています。今年はコロナ関連の助成金の税務処理のポイントも収載されており、加えて、日常の医療機関の収入に関する課税関係、控除額等計算一覧表、確定申告書の記載例など、確定申告に役立つ情報が満載です。ぜひご活用ください。

【会員の先生方へ】
ご希望の先生に、1冊まで無料でお送りします(2冊目以降は1冊1,500円での有料販売となります)。新規にご入会いただいた先生にも、入会特典として1冊贈呈いたします。書籍をご希望の方はWEBフォームを入力し注文をお願いします。注文はこちら→注文フォーム[box]

〔目次〕

第1章 医業所得計算と日常業務

第2章 共済制度と税金

第3章 消費税

第4章 開業・承継・閉院

第5章 相続税・贈与税

第6章 スタッフの税務と給与実務の留意点

第7章 勤務医師の税務

第8章 地方税の計算

巻末資料(確定申告書の作成(新型コロナウイルス関連含む)、税務調査関連)

☆付録:確定申告書の記載例、財産債務調書、控除額等計算一覧表、税務調査対応の心得10のポイント[/box]  

歯科診療所に25万円の追加支援決定!!/第3次補正予算成立

歯科診療所に25万円の追加支援決定!!/第3次補正予算成立

1月28日(木)国会で第3次補正予算が成立し、歯科診療所に感染防止等対策支援として25万円の追加支援が本会議で決定しました。

厚生労働省は第3次補正予算の感染拡大防止等支援金の対象を、

◆2020年12月15日から2021年3月31日までにかかる感染拡大防止対策や診療体制確保等に要する費用

◆感染拡大防止対策に要する費用に限られず、院内等での感染拡大を防ぎながら地域で求められる医療を提供するための診療体制確保等に要する費用について、幅広く対象となる

としています。

今回は、厚生労働省が主体となって申請・手続きを行うため、第2次補正予算の東京都主体で行った緊急包括支援事業(医療分)の支援金100万円とは異なる申請・手続きとなります。

ただし、申請・手続き方法についての詳細は、まだ明らかになっておりません。詳細が判明し次第、HP、デンタルブックのメールニュースで配信予定です。

支援金の資料ダウンロードはここをクリック!!

新型コロナに関する「患者・従業員への対応」「院内労働環境整備」マニュアル

東京歯科保険医協会 院内感染防止対策委員会作成

新型コロナウイルス感染症に関するマニュアル(2021年1月22日作成)

「新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる患者・従業員への対応」

「新型コロナウイルス感染症を防止するための院内労働環境整備

 

「新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる患者・従業員への対応」

(東京歯科保険医協会 院内感染防止対策委員会作成 2021年1月22日作成)

下記事項について、当協会の院内感染防止対策委員会でまとめました。ご参考にしてください。

・患者・従業員に発熱等の症状があったら

・従業員が濃厚接触者になったら

・従業員がPCR検査で「陽性」と確認されたら

・患者が通院後にPCR検査で「陽性」であったことが判明したら

など

 

下記ファイルを開いてください。

「新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる患者・従業員への対応」pdf

 

 

「新型コロナウイルス感染症を防止するための院内労働環境整備」

(東京歯科保険医協会 院内感染防止対策委員会作成 2021年1月22日作成)

 

 

新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するための院内労働環境整備にお役立てください。

・ 感染予防のための体制

・感染防止のための基本的な対策と具体的な対策

・配慮が必要な労働者への対応等

・新型コロナウイルスの陽性者や濃厚接触者等が出た場合等の対応

 

 

 

下記ファイルを開いでください。

「新型コロナウイルス感染症を防止するための院内労働環境整備」pdf

 

 

良い歯全国連絡会が保団連と連名で「歯科医療費総枠拡大アクションプラン」実施

良い歯全国連絡会が保団連と連名で「歯科医療費総枠拡大アクションプラン」実施

―請願署名のほか夏と秋に「歯科総行動」実施へ 

「保険で良い歯科医療を」全国連絡会が2021年度の取り組みとして計画されている「歯科医療費総枠拡大アクションプラン」が注目されている。

取り組み期間は2021年度の4~11月。歯科医療費の総枠拡大を目指し、①保険でより良い歯科医療の実現を求める請願署名、②2回にわたる「歯科総行動」、③自治体議会陳情・請願署名―の3つの活動を展開することが大きな柱となっており、患者さんはもとより国民の世論を形成するのが狙い。

特に②の歯科総行動では、422日(木)歯科技工問題を考える国会内集会と 厚労省要請

を行う。さらに、6 3 日(木)初夏の歯科総行動(総決起集会十国会議員要請)、11 11日(木)秋の歯科総行動(署名提出集会十国会議員要請)の実施を予定しており、これらはコロナ禍にあっても実施可能な方策を検討した上で立案されたもの。これまでは、診療報酬改定の前年の6月に「歯科決起集会」が開催されていた下、2021年度はこの総決起集会の発展的解消を図り、新たに初夏と秋の2回、「歯科総行動」として実施する。

ちなみに、国民医療費に占める歯科医療費の割合は2017年6.9%、2018年7.0%、2019年6.9%と、「7%以内」に抑えられたままだ。

 

歯科技工所アンケート 報告書が完成しました!

 歯科技工所が大変な状況にあることがマスコミなどで度々取り上げられています。低収入・経営難が恒常化し、若手技工士の離職率も高い状態が続いており、歯科技工士養成学校の閉鎖も相次ぐなど、10年後には歯科技工の担い手がいなくなるとの指摘もあります。

 その中で、問題解決のためにはまず我々歯科医師が、歯科技工所の現状を正確に理解・共有することが必要であると考え、2020年9月、東京23区に所在する歯科技工所にアンケートを実施し211件(回収率18.7%)から回答が寄せられました。

 今回のアンケートでも、歯科技工所での長時間労働、低収入となっている厳しい状況や問題点が明らかとなりました。また、率直な意見も多数寄せられています。

 協会では、今後このアンケート結果をもとに、歯科技工所の厳しい状況の解決に向けた議論を深め、国会議員や行政への要請活動などに活かしていく予定です。

ダウンロードはこちらから

<主な特徴点(抜粋)>

 開設者の年齢は60代が最も多く、次いで50代、40代となった。開業形態は、個人が63%、法人が37%となり、前回実施したアンケートから大きな変化はみられなかったが、開設者の年齢が高くなると個人開業が多い傾向がみられた。

 歯科技工所の規模は、歯科技工士1人のみが37%、歯科技工士1名と事務職員1名が17%と、合わせて54%の技工所が歯科技工士1名であった。

 1日のうちの歯科技工にかかる時間と営業や納品などの外交にかかる時間では、10時間が19%と最も多く、次いで8時間(17%)、12時間(10%)となった。1週間の労働時間を見ると、48%が60時間を超えている。1週間の休日についても週1日以下の技工所が60%となっており、過酷な環境での労働となっていることが示された。

 昨年度の総売り上げについては、500万円以内が27%と最も多かった。個人では500万円以内が39%、501~750万円が23%の順で多かったが、法人では5001万円以上が35%と最も多かった。売り上げに占める保険と自費の割合は、保険を80%以上行っている技工所が52%と半数を超えた。自費が100%の技工所は8%であった。個人では保険が総売り上げに対して大きな割合を占める技工所が多く、法人では自費が大きな割合を占める技工所が多かった。可処分所得を見ると200万円以内が22%と最も多く、次いで201~300万円が24%となり、41%が300万円を下回る所得と回答した。特に個人開業では54%が300万円以内の所得と回答しており、長時間労働、低賃金の状況が窺えた。

 「歯科技工物の価格が安くなる原因と思われるもの」の設問では、4項目全てで半数以上が「そう思う」と回答した。中でも歯科技工所間のダンピング競争は84%が「そう思う」と回答した。また、ダンピング競争を「そう思う」と回答した方のうち、歯科医院の値下げ圧力を「そう思う」と回答した割合が77%、歯科医院の値下げ圧力を「そう思う」と回答した方のうち、ダンピングを「そう思う」と回答した割合が94%いることから、歯科技工所間のダンピング競争の原因の一つに、歯科医院の値下げ圧力が一定あると考えられる。

 技工物の現行料金と希望する料金の設問では、現行料金と希望料金が相違しているケースが多く、インレー、FMCでは、保険点数の7割を求める意見が多かった。一方CAD/CAM冠やチタン冠、鋳造二腕鉤では、保険点数の7割以上の報酬を求める回答が多く、保険点数の設定が低すぎるとの意見が多いことが示された。また、保険技工物で不採算と思うものでも、インレー、FMC、有床義歯、硬質レジン前装冠という回答が多く、現行料金と希望料金が一致していないことが分かった。さらに、40年間技工料、技術料が変わらず、報酬が低く抑えられていることも不採算との回答が多くみられた。

 自由記載欄には、現在の歯科技工所の状況や問題点、今後の展望や希望など多くの意見が寄せられた。

コロナ禍の影響めぐり施設への訪問診療の実態を調査地域医療部が部内関係者向けにアンケートを実施

コロナ禍の影響めぐり施設への訪問診療の実態を調査地域医療部が部内関係者向けにアンケートを実施 

◆対象施設は110カ所 

地域医療部では、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、外来における受診抑制が広がる中、特に、訪問診療の抑制による施設入所者の口腔内への影響を把握すべく、「新型コロナウイルス感染症が与えた訪問診療への影響」と題する部内関係者向けのアンケートを行った。 対象は、部内関係者が訪問診療を行っている東京近郊の有料老人ホームや特別養護老人ホーム等、百十施設にご協力をいただき、回答を得た。

◆訪問診療の中止・一部中止を含むが約60

今回のアンケートでは、①訪問診療を「中止」、「一部中止した」と回答した施設が約60%、②口腔内のことで困った利用者が「少しいた」が約90%、③緊急事態宣言等が発令され、訪問診療の中止を余儀なくされたが、訪問診療の必要性を訴えた施設が約90%に及んでいることが明らかになった。

今回の結果から、全体的に訪問診療を中止したことによる口腔内等の著しい(大きな)変化はみられなかったが、「訪問診療の中止」が少なからず患者の口腔内に悪影響を与えていた。 さらに、施設側のスタッフの記載から「患者の口腔内に変化があった時に即座に対応でいないことへの不安の声」や「継続的な訪問診療を必要とする声」が多いことが特徴的であった。

 

★アンケートの全文をご覧になりたい方はここをクリック!!

地域医療部長談話「新型コロナウイルス感染症蔓延下でもニーズに応える歯科訪問診療体制の整備を」(機関紙2021年1月号<610号>2面掲載)

新型コロナウイルス感染症蔓延下でもニーズに応える歯科訪問診療体制の整備を

2020年4月、新型コロナウイルス感染症に対する「緊急事態宣言」発出に合わせ、厚生労働省の「歯科訪問診療を含む歯科に対する診療の自粛(延期)を促す」通達が出され、メディアからも「歯科の受診は新型コロナウイルスへの感染リスクを高める」と報じられた。その影響により、外来診療をはじめ、歯科訪問診療でも受診控えが広がり、患家や施設への外部からの立ち入りを禁止されるケースもあった。

そこで、東京歯科保険医協会地域医療部では、歯科訪問診療の抑制による在宅患者または施設入所患者の口腔内への影響を把握すべく、部内関係者が歯科訪問診療を行っている東京近郊の在宅または施設(有料老人ホームや特別養護老人ホーム等)を対象にアンケート調査を行った。

アンケート結果では、口腔内のことで困った利用者が「いた」、「少しいた」との回答が約90%、「緊急事態宣言」の発令とともに歯科訪問診療の中止を余儀なくされたものの、「歯科訪問診療の必要性を感じた」との回答が約90%に及んだ。また、施設のスタッフから「患者の口腔内に変化があった時に即座に対応できないことへの不安」の声や「継続的な歯科訪問診療を必要」、「食形態の判断が難しかった」との声が多いことが特徴的であった。

さらに、個々の患者の口腔内に目を向けると、歯周病の悪化や嚥下機能の低下、歯の動揺の増加や歯根破折により抜歯になるケースがあった。これまで継続的に行っていた歯科訪問診療を自粛(延期)したことが少なからず患者の口腔内に悪影響を与えたことが窺えた。

歯科医師・歯科衛生士の行う専門的口腔ケアは、QOLの維持・向上をもたらすことや、誤嚥性肺炎やインフルエンザの予防に効果があるとのエビデンスがある。歯科訪問診療の中断は、歯科疾患の重篤化や誤嚥性肺炎をはじめ、新型コロナウイルス感染への悪影響が懸念される。今回のアンケート結果からも継続的な歯科訪問診療の必要性が示された。

地域医療を担う歯科医師として、第3波に屈することなく、ニーズに応える歯科訪問診療体制の整備が必要である。

2021年1月1日

東京歯科保険医協会

地域医療部長 横山靖弘

会長「年頭所感 」

会長「年頭所感 」

3年半前の20176月の総会の日に会長を拝命し、4回目の年頭所感として新年のご挨拶をさせていただきます。日頃、会員の先生方には本会会務に対してご理解とご協力をいただき、心から感謝申し上げます。3年前の年頭所感での当会会員数は5277名。その後、2018年診療報酬改定での施設基準の要件などを背景として、一昨年は429名増の5708名、昨年は5815名、そして2020121日現在では5900名と、順調に会員数が増加しております。この会員増の一因には、既会員の先生方からの多くのご紹介があり、この場を借りて先生方のご協力に対し、厚く御礼申し上げます。2020年は、新型コロナウイルス感染症への対応に日々追われた1年でした。20191231日、中国湖北省武漢市で原因不明の肺炎が集団発生したとの報道に接し、他国の不幸なニュースと思っていました。しかし、2月にダイヤモンドプリンセス号での新型コロナウイルスによる感染が連日報道され、3月中旬から国内で徐々に感染者数が増加し、全国で感染が拡がり、2年ごとの最重要ともいえる「新点数説明会」の開催を中止するという苦渋の選択を余儀なくされました。そこで急遽、2020年度診療報酬改定についての動画を撮影し、You Tubeにアップして周知に努めました。その後、47日には「緊急事態宣言」が発出され、本会理事会などでもWeb参加を認め、遅滞なく活動を行ってきました。「緊急事態宣言」は525日に解除され、新規感染者数は一定減少しましたが、その後、第2、第3の波が起こり、本稿執筆時の1215日時点で第3波のピークは認められず、感染者数、重症者数、そして死亡者数が全国で増加し続け、医療崩壊が始まっているとまで言われています。ワクチン接種は、12月上旬にアメリカ、イギリス、ロシアなど各国で始まり、日本政府も2021年前半にワクチン接種を開始する準備を進めています。今後を予測することは困難ですが、早期にコロナ禍が収束することを心から願っています。東京歯科保険医協会の目的は、「歯科保険医の経営・生活ならびに権利を守り、国民の歯科医療と健康の充実および向上を図ること」です。その目的を達成するために会員の先生方とともに役員、部員、事務局員は会務を行なっていますが、コロナ禍においても歯科医療、そして歯科医業経営が問題なく行われなければなりません。一次・二次補正予算で歯科への様々な支援策などが提示され、さらに今般、三次補正予算の内容が分かってきています。それらの情報は適時、本会からホームページ、デンタルブックメールニュース、FAX配信、機関紙などで詳細を配信してきました。実際には、政府、行政などから発出される情報、また唐突に内容が変更されなるなど、混乱も経験しました。その都度、様々な情報をスピードを持って発信する重要性を再認識し、特に約3100名のデンタルブック登録者へのメール発信は、大変有効なツールであったと自負しております。今後、さらに多くの会員がデンタルブックの登録を済ませていただき、様々な情報を入手されることを望んでいます。さらにポストコロナに向けて、歯科医療を取り巻く様々な問題に対して、国会議員、都議会議員、あるいは行政側などへ要請を行っていきます。今年も会員の訴えや要望を各方面に届け、改善を図ることを協会活動の大きな柱と考え、積極的に行っていきます。本年も会員の皆様のご支援、ご協力を賜りますよう何卒、よろしくお願い申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただききます。

2021年1月1日

東京歯科保険医協会

会長 坪田有史

 

 

2020年度診療報酬改定に 関 する アンケート

P重防を算定できたのは35%

 協会は、2020年10月に、会員に対して、歯周病重症化予防治療(P重防)、口腔機能管理料および周術期に関する点数などの算定状況を尋ねるアンケートを実施しました。それによると、2020年4月から9月に「算定をした」と回答した会員の割合は、P重防は35%、口腔機能管理料や周術期に関する点数についてはいずれも10%未満となっており、算定は進んでいない状況であることがわかりました。

 2020年度診療報酬改定の評価について尋ねたところ、「不満である」「大いに不満である」との割合が合計で71%になりました。改定で新設された点数を算定されていないことが、改定に対する会員の低い評価に繋がっていると考えられます。算定要件を緩和させ、現場で算定しやすくすることが重要です。

 協会は、患者さんに必要な医療を提供できるよう、実態にそぐわない算定要件の改善など問題解決を行政に訴えています。当該アンケートは厚生労働省への要請にも活用しました。

 また、今回のアンケートに関しては617件の会員から回答を頂きました。改めて、ご協力を頂いた先生方には御礼するとともに、協会の諸活動へのご理解・ご協力をお願いいたします。

〇アンケート結果はコチラをクリック(閲覧にはパスワード等が必要です)

新型コロナ関連 辻野栄作都議(都民ファースト)と緊急懇談

 協会は12月14日、医師で東京都議会議員(都民ファーストの会)の辻野栄作氏と懇談を行った。

 当日は、①罰則付き条例案、②医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業―の2点について伺った。

 

▼都民の生命と健康を守ることを最優先

 このうち、①について議員からは、令和2年都議会第4回定例会では、会派より、提案があったものの取り下げとなったとの説明があり、条例案の背景には、基本的に要請ベースの感染症法や新型コロナ特措法への問題意識があることを指摘。他県で感染者がウイルスを他者へ感染させようとした事例を挙げ、東京都としても感染症拡大防止のための対策を強化する必要があることを説明。

 その上で、条例案は、都民の生命と健康を守ることを最優先に考えるもので、「罰則により罰金を取ることや、個人の行動を抑制することが目的ではない」と理解を求め、世界的に感染拡大が進む現状に、医師の視点から、都議会議員の立場で強い危機感を示した。

 また、②については、医療機関への支援策として「感染拡大防止支援事業」が実施されており、東京都の対応にお礼を述べるとともに、引き続き、感染拡大防止と地域医療を守るためにも協力をお願いした。

 そのほか、辻野議員自身が先日、患者の立場として、都内で歯科受診した際、受診した歯科診療所での感染防止対策が徹底されていたことに触れるとともに、「歯科診療所の先生方には地域医療を守るため、新型コロナウイルス感染症拡大防止策を講じながら、引き続き都民の皆様の生命と健康のために、貢献していただきたい」、とエールが送られた。

 最後に臨床現場の立つ現役の医師(精神科医)であり、議員の立場であることで、「医療従事者の皆様、都民の皆様のお役に立ちたい」と、新型コロナウイルス対策に継続して取り組むことを力強く約束した。

 

東京都議会では、新型コロナウイルス感染拡大の終息と都民の生活を守るため、継続的に議論が重ねられている

小児の外来診療 初診・再診時に55点の算定が可能に!

新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱い

 

6歳未満の乳幼児 初診・再診時に

乳幼児感染予防策加算55点が算定可能に(12/15)

 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、小児の外来診療においては、特に手厚い感染症対策が必要であること等を踏まえ、臨時的な診療報酬の取扱いが示された。

事務連絡:「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その31)」令和2年 12 月 15 日付

 

【対象期間】

臨時的な取扱いは、令和2年度中(令和3年2月診療分)までだったが、令和3年度予算編成過程において検討され、9月まで延長、10月以降は28点で算定することになった。

【取扱い】

新型コロナウイルスの感染が拡大している間、小児の外来における診療等については、特に手厚い感染症対策を要することを勘案し、小児の外来診療等において特に必要な感染予防策を講じた上で診療等を実施した場合、以下の取扱いとする。

 

◆診療等に当たっては、患者又はその家族等に対して、院内感染防止等に留意した対応を行っている旨を十分に説明し、同意を得ること。

 

◆6歳未満の乳幼児に対して、小児の外来診療等において特に必要な感染予防策を講じた上で診療を行い、初診料または再診料を算定する場合、要件を満たせば算定できる加算に加えて、「乳幼児感染予防策加算」(55 点)をさらに算定できる

 

◆(問)小児の外来診療等において「特に必要な感染予防策」とは…

(答)「小児の外来診療におけるコロナウイルス感染症 2019(COVID-19)診療指針・第1版(小児 COVID-19 合同学会ワーキンググループ)」を参考に、小児の外来における院内感染防止等に留意した対応を行う。

(院内感染防止等に留意した対応の例)

・COVID-19 に特徴的な症状はなく、小児では出現しても訴えとして現れることが期待できないことから、一人の患者ごとに手指消毒を実施すること。

・流行状況を踏まえ、家庭内・保育所内等に感染徴候のある人がいたか、いなかったのかを確実に把握すること。

・環境消毒については、手指の高頻度接触面と言われるドアノブ・手すり・椅子・スイッチ・タッチパネル・マウス・キーボードなどは定期的に 70~95%アルコールか 0.05%次亜塩素酸ナトリウムを用いて清拭消毒し、特に小児が触れる可能性が高い場所は重点的に行うこと。

 

【レセプトの記載】

 当該加算に関する記載要領は厚生労働省から12月25日の時点で発出されていませんが、協会が社会保険診療報酬支払基金・東京支部(支払基金)に問い合わせをしたところ、支払基金においては、手書きレセプトの場合は下記方法による請求を認めるとの回答を得ています。

 なお、今後厚生労働省より記載要領が発出された場合は、随時お知らせします。

(手書きレセプトの場合の記載方法)

・全体の「その他」欄に「新型コロナ特例55点×(回数)」と記載する。

(なお、「初診」「再診」欄の乳幼児加算の項目に55点を足し、「摘要」欄に「新型コロナ特例」と記載する方法でも差し支えありません)

 

運動本部長談話「後期高齢者の窓口負担は原則1割とし応能負担は保険料や税に求めるべき」(機関紙2020年12月号<609号>2面掲載)

後期高齢者の窓口負担は原則1割とし応能負担は保険料や税に求めるべき

75歳以上の患者が医療機関で支払う窓口負担について、現在の原則1割を2割に引き上げる「後期高齢者の窓口負担案」が、内閣府、財務省、厚生労働省(以下「厚労省」)で具体案が示された。

厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会医療保険部会(以下「社保審」)において、複数案が提示されており、早ければ年内に議論をまとめ、後期高齢者の負担割合を引き上げる法案が、来年の国会に提出される見通しとなっている。

◆財政審は「2割」、社保審は「原則2割」を主張

75歳以上の後期高齢者の医療費の窓口負担をめぐって、10月8日の財政制度等審議会財政制度分科会(以下「財政審」)では、①75歳以上になると他の世代に比べ、1人当たり医療費や要支援・要介護認定率は大幅に上昇すること、②2025年、2040年にかけて、医療・介護費用は大きく増加していくこと、③現役世代の保険料負担がますます重くなること―などの理由を挙げ、財務省は現在1割負担となっている後期高齢者の医療費の窓口負担を、2割負担に引き上げることを主張した。

また、11月12日の社保審では、保険者の委員から現役世代の保険料負担軽減を図る観点から、年収383万円未満の人のうち、一定所得の人を2割に見直すことを改めて主張した。

◆医療費負担が多い高齢者

現在、75歳以上の窓口負担は、年収383万円以上の人は「現役並み」として窓口負担は3割となっているが、年収383万円未満の人の負担割合を1割から2割に引き上げれば、高齢者の受診抑制に繋がりかねない。

厚労省の「医療保険に関する基礎資料(平成29年度実績に基づく推計値)」によれば、すでに後期高齢者は一人当たりの医療費が高く、75歳以上の1人当たりの年間一部負担額の平均は6.4万円(75~79歳)で、年収に対する患者一部負担の割合は約3.6%(9月16日 社会保障審議会医療保険部会資料「年齢階級別の平均年収」と「年齢階級別1人当たり医療費、自己負担額及び保険料の較(年額)」より試算) となっている。この割合は50歳~54歳の約1.3%と比べて高くなっており、高齢者の生活を圧迫していることを示している。

また、11月19日の社保審で厚労省から示された資料によれば、窓口負担が1割の後期高齢者について、窓口負担を2割に引き上げた場合、医療機関の窓口で支払う額は年間11.5万円で3.4万円増える見込みとなっている。

社保審の保険者の委員からは、高額療養費制度等があるため、単純に自己負担額が倍になるとは言えないとしているが、高額療養費制度の上限に達しない場合は、自己

負担額が2倍になる。

◆新型コロナ禍で窓口負担増は国民の理解を得られない

現在、新型コロナウイルスの影響で、高齢者は受診を控えている状況にある。窓口負担を二割に引き上げれば、窓口負担が重荷となり、新型コロナウイルスによる受診控えに加え、負担増によっても受診控えを起こすことになる。ひいては持病の重症化など健康への影響が心配され、国民の理解を得られない。

◆国は安心して医療を受けられる体制を

収入や所得に応じた応能負担は、保険料および税で求めるべきであり、国民の窓口負担から応能負担を求めるべきではない。

とくに後期高齢者の負担割合については、高齢者の生活や心身の状態なども十分配慮し、国は国民が安心して医療を受けられる体制を維持することが重要だ。

そのため、当会は後期高齢者の負担割合は、現在の原則1割を堅持することを要求する。

2020年11月27日

東京歯科保険医協会

運動本部長 坪田有史

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◇関連資料


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年度の「歯科医療費総枠拡大アクションプラン」を採択/良い歯全国連絡会が第6回世話人会開催

2021年度の「歯科医療費総枠拡大アクションプラン」を採択/良い歯全国連絡会が第6回世話人会開催

「保険で良い歯科医療を」全国連絡会は11月12日、2020年度第6回世話人会を開催した。その中では、①「歯科医療費総枠拡大アクションプラン」の提案、②次回署名「保険でより良い歯科医療を求める請願書名」の第1次案の検討、③受動喫煙動画の撮影、④2021年度の会議日程の確認―などが提案され、すべて採択された。

これらのうち、アクションプランは、複数の活動を積み上げ、重ね合わせて行う計画で、年内から来年3月頃までに「保険でより良い歯科医療を求める請願書名」及びこれと抱き合わせる宣伝物などに関する検討を行う。そして、4月~11月末までを計画期間とし、同請願書名を実施する。また、診療報酬改定の前年に行われていた「歯科総決起集会」を「歯科総行動」と改組して6月頃(初夏)と11月中旬(秋)を目途にトータルで2回開催する計画だ。さらに、3月をめどに国会内で第6回歯科技工問題を考える国会内集会を開催し、併せて省庁や自治体に対する要請などを行う。これらに加え、10月8日の「イレバデー」~11月8日の「イイハデー」にかけて、各連絡会で独自の行事に取り組むこととしている。

第3回メディア懇談会を開催

第3回メディア懇談会を開催

協会は11月13日、今年度第3回メディア懇談会を開催した。協会からは説明には山本鐵雄副会長が当たり、司会は広報部長の早坂美都理事が務めた。2008年の初回以来、今回で通算81回目を迎えたメディア懇談会では、今年度診療報酬改定に関するアンケートを実施していること、新型コロナ感染症拡大が訪問歯科診療に与えているかについてのアンケートを集計中で近く公表する予定であること、金銀パラジウムに関する保団連の逆ザヤシミュレーターなどについて、話題を提供した。

 

 

新型コロナ感染の中でも「安心の歯科医療」を/保団連が11.12「歯科提言」に基づく厚生労働省要請を実施

新型コロナ感染の中でも「安心の歯科医療」を/保団連が11.12「歯科提言」に基づく厚生労働省要請を実施

保団連は11月12日、「新型コロナウイルス感染症拡大の下で国民の健康と歯科医療提供を守るための提言」に基づく厚生労働省要請を行った。厚労省側は、医政局歯科保健課の田上真理子課長補佐を筆頭に6名が参加。保団連側は、当協会理事で保団連副会長を務める森元主税氏と事務局が参加した。

その中では、提言に基づき、①深刻な歯科受診抑制を招いた4月6日付事務連絡の撤回と受診勧奨の推進、②医療機関への減収補てん策の実施、③感染防止対策コストの増大を踏まえた諸・再診料の引き上げ―の3点などを要請した。

このうち、特に①に関しては、「普及の歯科治療は延期考慮を」などを明記した厚労省の事務連絡が鶴首マスコミに取り上げられるところとなり、歯科医療機関と患者・国民に混乱をきたし、深刻な受診翌医政を招いたことを深刻に受け止めるべきであると指摘している。そのほか、公費による歯科医療従事者へのPCR検査実施など多肢にわたる要請を行った。

自己責任原理と効率主義がコロナ化を助長している/第16回「保険で良い歯科医療を」全国連絡会で宇佐美氏が指摘

自己責任原理と効率主義がコロナ化を助長している/第16回「保険で良い歯科医療を」全国連絡会で宇佐美氏が指摘

「保険で良い歯科医療を」全国連絡会は10月31日、新型コロナウイルス感染防止対策の観点から、保団連会議室と各地の事務局をWebで結ぶ形で第16回定期総会を開催し、全国から55名が参加した。

第1部では、全国連絡会副会長で保団連歯科代表の宇佐美宏氏(左写真)が基調報告として「『新型コロナ感染拡大と保険で良い歯科医療』運動のこれから」を行った。その中では、政府による歯科医療費抑制策と診療報酬改定率、診療報酬点数表から見て取れる医科と歯科の格差問題など、歴史的な背景をも踏まえた形で、豊富な独自作成の図表を示しながら報告。また、「新型コロナウイルス感染拡大により、新自由主義による〝小さな政府〟が破綻し、自己責任原理と効率主義がコロナ化を助長していることが明らかになっている」ことを訴えた。さらに、これまで国が実施してきた社会保障制度の改悪、削減の付けが回ってきており、このままでは医療崩壊に陥る危険性とを指摘した。

続く第2部では、過去2年間の活動のまとめを報告し、今後の活動方針の提案が行われ採択された。さらに、今期の決算と次期予算、新役員体制の提案も行われ、すべて承認された。

なお、今回の総会には、与野党の衆参両院国会議員62名からメッセージが寄せられた。

11月8日に「《保険でよい歯》を東京連絡会」が街頭宣伝実施

11月8日に「《保険でよい歯》を東京連絡会」が街頭宣伝実施

―用意した「クイズハガキ」などの150セットを1時間で配布終了

11月8日(日)、当協会が事務局を務める「保険でよい歯を」東京連絡会は文京区巣鴨の巣鴨駅至近で地蔵通り商店街へと抜けるアーケード街で街頭宣伝を行った。

今回は、新型コロナウイルス感染防止対策の視点から3密を避ける様式を守り、参加者数を大幅に絞り込んで11名とし、また、例年のように署名の呼びかけを行うことは避け、あらかじめ透明な袋に連絡会の紹介文、「クイズハガキ」、クイズハガキ折込ポケットティッシュ、「子どもの歯列矯正に保険適用の拡充を求める請願書名用紙」などをセットしたものを150部用意し、道行く人たちに静かに配布した。

当協会理事で連絡会の代表世話人の矢野正明氏や連絡会メンバーが交代で呼びかけを行い、4班がクイズハガキなどの入ったセットを配布した。興味を持たれた方には簡潔に説明し、歯科医療の実情や小児歯列矯正への保険適用について説明し、理解を深めていただいた。中には、「孫のために、是非とも歯列矯正署名は提出したい」という方や、「サッカーの試合帰りに寄ってみました」という高校生15人には、快く袋を受け取っていただいた。サッカー少年の中に歯列矯正をしている生徒さんがおり、話を聞くと「学校で歯科検診した際に、歯列矯正してはどうかと勧められた。両親と一緒に歯科へ行ったけど、すごい金額だったのでびっくりし、申し訳ない感じがした」と、リアルな感想をいただいた。

ならばと、気持ちを新たに一同は呼びかけとともに配布を始めると、150セットは1時間で配布完了した。

新型コロナウイルス感染症は、安全確実なワクチンや治療薬が完成するまでは、感染防止対策実施は必須事項であるが、そこをクリアする形で新たな活動方式を工夫して考案、そして実施とフィードバックすることが今後の課題だ。

第2回メディア懇談会/新内閣発足後の国会議員対策などに期待の声

第2回メディア懇談会/新内閣発足後の国会議員対策などに期待の声

協会は9月11日、今年度第2回目のメディア懇談会を開催した。メディア懇談会は、2008年3月の初回から通算で80回目を迎えた。メディア側参加者5名であったが、その中には経済専門誌の部長クラス2氏も含まれている。今回の説明には加藤開副会長が当たり、司会は広報部長の早坂美都理事が務めた。話題は、①7/28厚生労働省要望の概要、②7.11理事会声明「東京都の感染拡大防止に向けてPCR検査の一層の拡充を」、③8.7社保・学術部長談話「逆ザヤとならない、歯科用貴金属の安定供給を求める」、④経営管理部担当の電話相談兼状況、⑤7~9月にかけての国会議員、都議会議員への要請状況―など8本に及んだ。

これらのうち、特に⑤に関しては、次期総裁選挙との関連から、「新内閣発足後の協会の議員対応は」、「歯科系議員とのつながりを日頃から保ってほしい」などの発言があった。

 

理事会声明「準強制わいせつ罪に問われている乳腺外科医の裁判において最高裁には慎重な判断を求める!」(機関紙2020年10月号<607号>3面掲載)

理事会声明

「準強制わいせつ罪に問われている乳腺外科医の裁判において最高裁には慎重な判断を求める!」

7月13日、東京高等裁判所は、準強制わいせつ罪に問われた乳腺外科医の控訴審の判決で、一審の無罪判決を破棄し、逆転有罪判決を言い渡した。

この裁判では、①わいせつ行為が行われたとされる時点で患者がせん妄状態であったのか、②事件後に採取したとされる唾液からのDNA鑑定結果には証拠能力があるのか―などが問われ、それらの総合的判断から有罪とされた。

しかし、せん妄状態であったかについては専門医の判断も分かれており、DNA鑑定試料が保存されていないことなどを鑑みれば、疑問が生じる判決である。また、術前、術中、術後に投与された薬剤の副作用によるせん妄発生のリスクが検討されていない。さらには術後患者の状態を看ていた看護師の証言を取り上げていないなど、高裁の判断には疑問な点が多い。

医療行為にかかる裁判での、検証可能かつ決定的な証拠もない中での有罪判決は、今後の医療行為への影響が大きいと危惧せざるを得ない。

最高裁判所は改めて全ての証拠を再検討し、有罪に問うべき行為が本当に存在したのかを慎重な判断をするよう求める。

2020年8月28日

東京歯科保険医協会

第8回理事会

理事会声明「東京都の感染拡大防止に向けてPCR検査の一層の拡充を」(機関紙2020年9月号<606号>2面掲載)

理事会声明「東京都の感染拡大防止に向けてPCR検査の一層の拡充を」

新型コロナウイルスは、2020年1月に国内1例目が報告されて以降、日本全国に感染が拡大した。多くは軽症のうちに快癒するが、重症化する患者もいる。
特効薬や、ワクチンの開発が出来ていない現在、何よりも感染を拡大させないことが重要であり、マスクの着用や手洗いの推奨、外出自粛など様々な予防対策が取られてきた。
しかし、6月以降新型コロナウイルスの東京都における感染者は日々増加し、第2の波が広がりつつある。
感染防止対策には「検査・追跡・隔離」の徹底が有効であることはすでに知られている。広く検査を行い、感染者を特定、感染ルートを明らかにし、陽性者が陰性になるまで外部との接触を制限することが重要で、早くから検査の拡充が求められてきた。
しかし、PCR検査の実施件数は、東京都では7月30日付の7日間平均値は抗原検査と合わせても3,182.4件でしかない。米国ニューヨーク州では、居住者に対し1日70,000件の検査を実施している。無症状であっても無料で何度でも検査を受けられるようにしたことで、感染者数、死亡者数の激減を実現した。
秋冬にはインフルエンザの流行期を迎える。その前に新しい検査の導入・拡充が必要である。
東京歯科保険医協会は、東京の歯科医療を担う歯科保険医の団体として、新型コロナウイルス感染防止のために、国、東京都に対し、PCR検査の拡充をはじめとした諸対策の早急な実施を求める。

・希望者に対しPCR検査を、国や都の責任のもと無料で実施すること
・早急に新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)を都内のすべての区市町村で実施すること
・歯科を含む医療従事者に対して優先的で定期的なPCR検査の実施を認めること
・新型コロナウイルス感染症対応の専門病院を構築して医療施設をすみ分けること
・重症患者数の増加に備え,病床数ならびに人工呼吸器など機材を拡充すること
・中等症患者数の増加に備え,病床数を拡充すること
・軽症患者対象の隔離用宿泊療養施設(ホテルなど)を拡充すること
・新型コロナウイルス感染症の治療を担っている医療機関と医療従事者への経済的支援を行うこと
・各保健所への人的支援を行うこと

2020年7月31日
2020年度第7回理事会