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保存版【これからの窓口対応きほんのマニュアル】 新人スタッフでも安心! 保険証発行終了。どう対応すればいい?

保存版【これからの窓口対応きほんのマニュアル】 新人スタッフでも安心! 保険証発行終了。どう対応すればいい?

2024年12月2日、健康保険証の新規発行が終了しました。従来の健康保険証、資格確認書、マイナ保険証など…医療機関での「資格確認の方法」が多様化し、今後、窓口での混乱も懸念されます。

東京歯科保険医協会では、医療機関向けに「これからの窓口対応 きほんのマニュアル」を作成しました。協会に寄せられる質問や疑問についてイラストを用いてわかりやすく解説しています。プリントして診療所に貼ったり、窓口に置いたりして、ご活用ください。

また、資格確認の方法を簡易的に説明した「<ポケット版>これからの窓口対応 きほんのマニュアル」もあります。あわせてご覧ください。

 

マイナ保険証/ひも付け解除申請始まる

マイナ保険証/ひも付け解除申請始まる

10月28日からマイナ保険証の利用登録解除、つまり「ひも付け」の解除ができることとなった。

これまでマイナ保険証は、一度利用登録するとひも付け解除ができない仕組みであった。これに対して、登録が任意であるにもかかわらず解除ができないのは問題があるとの批判を受け、厚生労働省が解除できるように、システム改修を行ったもの。

解除申請は、各保険者で行う。国民健康保険の場合は区市町村、後期高齢者医療制度の場合は東京都後期高齢者医療広域連合、健康保険組合は各組合に連絡する。協会けんぽはマイナンバー専用ダイヤル(0570―015―369)に電話で問い合わせをする。

手続きは、窓口、インターネット、郵送で行えるが、保険者ごとに対応が異なるので確認が必要だ。また、申請から手続き完了までは「2カ月以上の期間を要する場合がある」(協会けんぽ)としている。解除申請には今のところ期限はなく、122日(月)以降も受け付けることとなっている。解除にあたり、申請者が有効な健康保険証、または資格確認書を持っていない場合は、資格確認書の交付を新たに受けることができる。

なお、登録解除を行うことで申請者はなんら不利益を被ることはない。ひも付けを行った時に付与されたマイナポイントも返還する必要はない。窓口で患者から相談を受けた時には、以上を参考に説明をしていただきたい。

マイナ保険証リーフレットをご覧になりたい方はここをクリック

なお、保団連は患者さん向けに上記リーフレット「マイナ保険証 つくらないとダ?メ」を作成した。ご入用の方は協会運動本部にご一報ください(☎ 03-3205-2999)。

【荻原博子さん連載】マイナ保険証の〝失態〟を追う~このまま見過すことはできません~ 第9回 期待したい「資格確認書」の全員配布

第9回 期待したい「資格確認書」の全員配布

いよいよ、「健康保険証」の新規発行が終了する122日が近づいてきました。

新規発行が終了しても、有効期限内であれば最長1年は保険証が使えることを知らない人は多い。中には、「保険証の新規発行が終了するから、急いで『マイナ保険証』を作らなければ」と思っている人もいるようです。

そういう人には、「保険証の新規発行が終了しても、有効期限までは手持ちの保険証が使えるし、有効期限が来ても、その前に資格確認書という保険証代わりになるものが自動的に送られてくるので、大丈夫ですよ」と教えてあげると、マイナ保険証を持っていない患者さんも安心するのではないでしょうか。

以前、元厚生労働大臣で立憲民主党の長妻昭代表代行と話していた時、保険証も資格確認書も同じ内容を記載しているのだから、保険証の上に「資格確認書」というシールを貼ればいいんじゃないか」とおっしゃっておられました。

その時は「まさか」と思ったのですが、先日、手違いで流出した神奈川・川崎市の「資格確認書」を見ると、名前だけは違いますが、保険証とそっくり。たぶん、これを送られた人は、「新しい保険証が来た」としか思わないことでしょう。

川崎市の「被保険者証」

川崎市の「資格確認書」

◆ 自治体を襲う「マイナ保険証の2025年問題」

国は、マイナ保険証を持たない人には資格確認書を、マイナ保険証を持っている人には資格情報のお知らせを送ることにしています。ただ、マイナ保険証を持っているか否かは、機械的には判断できません。

例えば、マイナ保険証を返納した人は、マイナカードはないけれど登録解除をしていないケースが多い。なぜなら、多くの人が登録解除できるようになったのは1028日からなので、マイナカードは返納したけれど登録はそのままになっているケースが多いからです。

また、これからはマイナカードの電子証明書の有効期限切れという問題も発生してきます。保団連(全国保険医団体連合会)の調べでは、マイナカードの電子証明書の更新は25年度には、なんと23年度の約12倍、約3,000万人が、更新手続きのために自治体窓口に押し寄せる。

ただ、役所が開いている時間帯に働いている人たちなども多く、実際には更新しないまま無保険状態になる人もかなり出てくるでしょう。

◆「資格確認書」を全員に送れば 多くのトラブルを防げる

介護施設の中には、「マイナ保険証は預からない。資格確認書にしてもらっています」というところもあります。なぜなら、マイナカードだけでなく暗証番号も預からねばならず、人手不足の中では、とてもそんなコストをかけてカードの管理はできないから。介護業界では余裕がある事業者が少ないだけに、今後、そうした施設は増えていくでしょう。

いま、「マイナ保険証 使われない理由はコレ」というYou tube動画がバズっています。先日、これを作って自らも出演している大阪府守口市の北原医院・井上美佐医師にお話を聞きました。井上医師いわく「なんで、こんなに不便なんやろ。医療現場はトラブルだらけ」とおっしゃっておられました。

保険証さえ廃止しなければ、こうしたトラブルの多くは解決します。百歩譲って保険証が廃止されたとしても、すべての人に資格確認書を送ることで多くのトラブルを防ぐことができます。

立憲民主党の野田佳彦代表が、1027日の衆院選の開票特番「Live 選挙サンデー 超速報SP」(フジテレビ)で、「まずは紙の保険証を使えるようにする」と政策目標を挙げました。その実現を願うとともに、もしダメでも、せめて資格確認書をすべての人に送ってほしいものです。

【全文を読む】第9回 期待したい「資格確認書」の全員配布

経済ジャーナリスト 荻原 博子

プロフィール:おぎわら・ひろこ/経済ジャーナリスト。家計に根ざした視点で経済を語る。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞・経済誌などに連載。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。近書に「マイナ保険証の罠」(文春新書)、「マイナンバーカードの大問題」(宝島社新書)など。

通知が届いてからでは手遅れ/新規個別指導から保険診療のルールまで網羅

通知が届いてからでは手遅れ/新規個別指導から保険診療のルールまで網羅

協会は1110日、協会は新規開業医講習会を開催し、これから新規個別指導を受ける開業医や新規開業を予定している勤務医、患者トラブルなどに備えるため、改めて保険請求やカルテ記載を確認したいという開業医、30名が参加した。

山本鐵雄副会長は挨拶の中で、「講習内容を活かしてカルテの記載を行い、指導では診療の根拠をしっかりと説明してほしい」と強調した。講師陣は、指導で指摘されやすい項目を中心に、保険と自費の混合診療の考え方、歯周治療の流れ、基本的なカルテ記載の要件を中心に説明した。さらに、日常の請求で覚えておきたい初・再診料、歯管などの医学管理料、抜歯の要件に関する手術などの保険点数のルールを解説した。参加者からは「見落としていたことが再確認できた」「明日から活かせる」などの声が寄せられた。

新規個別指導を控えている会員は、指導通知が届いてから慌てることがないように、来年3月開催の新規開業医講習会への参加を勧める。また、患者トラブルからカルテ開示を求められるケースもある。改めてカルテ記載や保険診療のルールを学べる講習会のため、キャリアの有無にかかわらず、不安を覚えたら、ぜひ本講習会を利用いただきたい。

12月から変更「医療情報取得加算」/マイナ保険証の有無にかかわらず1点に

12月から変更「医療情報取得加算」/マイナ保険証の有無にかかわらず1点に

12月1日から初診時、再診時ともに「医療情報取得加算1234」が変更され、マイナ保険証、現行の健康保険証のいずれかで情報を取得した場合でも医療情報取得加算として1点の加算となる。

11月末までは、「マイナ保険証や電子資格確認を使用、診療情報提供書を持参して医療情報を取得した場合」は医療情報取得加算24として初診時、再診時ともに1点、「現行の健康保険証で、初診時に標準的な問診票の項目を歯科医師が患者から聞き取るなど、直接情報を取得した場合」は医療情報取得加算13点)、32点)を算定する取り扱いだったが、今回の改定により点数が統一された。これにより、マイナ保険証を使用しないと患者負担が高くなるという状況は解消された。

 

 

 

 

◆施設基準は変更なし

なお、算定にあたり届出は不要だが、施設基準として、①オンライン請求を行っていること、②オンライン資格確認を行う体制があること、③受診歴、薬剤情報、特定健診情報等、必要な診療情報を取得・活用して診療を行うことを院内掲示していること、④院内掲示している事項を原則としてウェブサイトに掲載している(2025531日までは猶予)―を満たす必要がある。

マイナ保険証トラブル/半数の医療機関で保険証廃止後受付業務に懸念

マイナ保険証トラブル/半数の医療機関で保険証廃止後受付業務に懸念

協会は91724日に、5月以降に起きたマイナ保険証トラブルについての調査(第4弾)を会員に実施し、208件(回答率7.1%)の医療機関が回答した。オンライン資格確認でのトラブルや不具合の有無については、「あった」が140件(67.3%)で、第3弾調査と比較すると10%強増加している。

トラブルの具体的な内容( 図1) は、「名前の(黒丸)表示」が最も多く67.1%、次いで「カードリーダーの認証エラーなど」(55.7%)、「資格情報が無効である」(48.6%)と続いた。これらはマイナ保険証の利用率が上がると、より一層トラブルが増加することが懸念される。なお、トラブルがあった場合の対応としては、8割近い医療機関が「健康保険証による資格確認で対応した」と回答しており、依然として健康保険証が医療機関において、重要な役割を果たしているといえる。

また、受付業務(図2)は、「今も混乱しており、健康保険証廃止後は受付業務に忙殺されると思う」が51.0%、「診察の待ち時間が長くなると思う」が48.6%となった。

12月2日以降は現行の「健康保険証」「マイナ保険証」に加えて、「資格確認書」「資格情報のお知らせ」など、さまざまな方法での資格確認が医療機関の受付で求められ、資格確認ができない場合は患者に「被保険者資格申立書」を記載してもらう対応も必要となる。受付スタッフの人数が少ない歯科医療機関は業務負担が増え、患者を待たせることにもなる。「保険情報の反映のタイムラグに苦労している」という意見も散見され、既に「受付対応でマイナ保険証に関する説明で患者さんとトラブルになった」「板挟みになった」という相談が寄せられている。

本年10月現在、都内の歯科医療機関でのマイナ保険証の利用率は17.16%と全国で44番目の低水準。本調査に寄せられたトラブルは、まだ氷山の一角の可能性もある。

歯科技工所アンケートで窮状明らかに/歯科技工士 5年後に半数が「辞めている」「わからない」

歯科技工所アンケートで窮状明らかに/歯科技工士 5年後に半数が「辞めている」「わからない」

全国で歯科技工士養成学校の募集停止が相次いでおり、歯科技工を担う人材不足が懸念されている。将来、国内での歯科技工物の製作が危ぶまれる状況にあり、各マスメディアからも大きく注目されている。協会は独自に、2020年、23年と都内の歯科技工所にアンケート調査を実施し、技工士・技工所の就労環境や診療報酬の改善を求める要請やメディアへの発信資料として活用してきた。

このほど、取り組みをさらに強化するため、保団連(全国保険医団体連合会)が中心となり、全国で調査を実施。東京都内では、技工所1千531施設にアンケート用紙を送付し、138施設の回答が寄せられた(回収率9.0%)。

▼結果はこちら
2024年 歯科技工所アンケート結果(東京都)


まず、開設者の年齢は50代、開業年数は30年~39年が最多。開業形態は63.8%が個人開業で、うち1人技工士の技工所が60.9%、事務員も含め従業員数3名以下の事業所が79.7%と小規模な事業所が中心であった。30.4%の開設者が週の労働時間が71時間以上、65.2%が週休1日以下、38.4%が可処分所得300万円以内と回答しており、厳しい就労状況が明らかになった。
次に、24年度診療報酬改定で多くの補綴物の点数が引き上げられたが、技工物を値上げした割合は20%前後であり、多くの技工所が引き上げ分を価格に反映できていない現状がうかがえた。保険の補綴物の値上げ希望金額については、現行の約2倍を希望する回答が目立った。また、33.3%の技工所が「歯科医院からの再製作依頼が技工業務で最も負担と感じている」と回答した。
後継者については、84.8%が「いない」とし、自分自身の5年後については、21.7%が「歯科技工士を辞めている」、26.8%が「わからない」と回答。今後の技工士不足が非常に危ぶまれる結果となった。

技工士不足の解消のために改善が必要だと思うことについて、89.9%が「技工料金の全体的な値上げ」を挙げており、歯科界が一丸となって診療報酬の大幅引き上げを要求することの重要性が示唆された(図参照)。今回の調査結果は協会ホームページに掲載しているので、ぜひ、ご覧いただきたい。全国版の調査結果は、保団連から来年2月頃に公表される予定である。

【荻原博子さん連載】マイナ保険証の〝失態〟を追う~このまま見過すことはできません~ 第8回 誰も検証せずに突き進む「保険証廃止」

第8回 誰も検証せずに突き進む「保険証廃止」

先日、元厚生労働大臣で厚労省(厚生労働省)に人脈もある、立憲民主党代表代行の長妻昭氏にお会いしました。一番驚いたのが、「週刊新潮」2024620日号が報じた「マイナ保険証」での死亡事例について。

岐阜県内で具合が悪くなって病院を受診した人が、「マイナ保険証」の読み取りができず、受診もできずに帰ったら、心筋梗塞でお亡くなりになってしまったという事例です。

これについて、当時の河野太郎デジタル大臣は、「厚生労働省に聞け」の一点張り。武見敬三前厚労大臣も「そういった事実は、私は確認しておりません」と会見で話していたので、本当に厚労省が確認したのかを長妻氏に聞きました。

「普通は、“マイナ保険証”で診療を受けられなかった人が死亡するというような報道があったら、いの一番に事実関係を確認し、もし誤報だったら記者会見を開いて、その場できっぱり否定すべきです。また、それが事実無根だったら、報道した週刊新潮にも毅然とした態度で抗議すべきですが、厚労省がこの件を調べた形跡がない。もし、命に関わるような事故が起きたら、徹底的に原因を解明しなくては、国民の信頼は得られないというのに、こんな無責任な状況で〝保険証〟を廃止するというのは間違っています」と、怒っておられました。

おっしゃる通り、調べもしないまま、何もなかったように進めて良い話ではないでしょう。

◆「保険証廃止」は過去に前例のない決定

さらにひどい話は、保険証の廃止は厚生労働省が医療状況を見ながら決めたのではなく、ある日突然、医療とは関係ない当時の河野デジタル大臣が、現場を見ずに独断で決めたことです。

長妻氏は、「そういう決め方は、過去に前例がない。それまで、厚労省では現場のデータを集め、それを学者や有識者からなる審議会で議論してきた。ところが、“保険証の廃止”は下から積み上げたデータはなく、審議会での議論もないまま、当時の厚労大臣さえも寝耳に水といった状況で決まってしまった。普通は、ありえないですよ。国民の命に関わる医療の重要案件を、審議会も通さずに管轄外のデジタル庁主導で独断で決めるなど言語道断」。

長妻氏が最も危惧しているのは、来年から“マイナ保険証”に電子カルテ情報がひも付けられること。

「“カルテ情報”は、まさに患者のプライバシーそのもの。これをひも付けるとなれば、患者の医療の個人情報が丸裸にされる恐れがある。しかも、こうした情報は高く売れるので、ハッカーなどに狙われやすい。今の日本政府が、海千山千のハッカー攻撃を100%防げるのか不安です」。

◆残念な首相の「手のひら返し」!!

「マイナ保険証」の病院窓口での利用率は、今年8月で12.43%。なんと8人中7人は「保険証」を使っている。

総裁選への出馬前、石破茂総理は「期限が来て納得しない人がいっぱいいれば、(現行の保険証との)併用も選択肢として当然だ」と話していました。当時の林芳正内閣官房長官も健康保険証の廃止期限を見直す意向を示し、「(関係者からの)不安の声を直接耳にした」と語っていました。

ところが、発足した内閣では、総裁選前の発言はなかったかのように、総理も官房長官も「廃止の方針に変更はない」と発言。福岡資麿厚労大臣や平将明デジタル大臣が「廃止の方針を堅持する」と言ったので、これに歩調を合わせたのでしょう。

実は、前述の長妻氏は、「石破総理が見直すと言うのだから、総理に忠実な平大臣が廃止を主張するのは難しいか」とおっしゃっていたのですが、結果は、“廃止派”に石破総理が押し切られたということ。

一体、誰のための政治かと言いたくなります。

経済ジャーナリスト 荻原 博子

プロフィール:おぎわら・ひろこ/経済ジャーナリスト。家計に根ざした視点で経済を語る。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞・経済誌などに連載。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。近書に「マイナ保険証の罠」(文春新書)、「マイナンバーカードの大問題」(宝島社新書)など。

原告の訴え「棄却」/オン資訴訟控訴は今後検討

原告の訴え「棄却」/オン資訴訟控訴は今後検討

オンライン資格確認を療養担当規則で原則義務化するのは違憲だとし、全国の医師・歯科医師ら1,415人が国を訴えた裁判の判決が11月28日午後3時、東京地裁で言い渡された。岡田幸人裁判長は、原告の訴えを棄却した。

判決後、取材に応じた須田昭夫原告団長(東京保険医協会会長)は、控訴については今後、弁護団と検討するとした。詳報は本紙2025年1月号掲載予定。本訴訟は2023年2月22日に原告が第一次提訴。計8回の口頭弁論の末、今年9月19日に結審した。

なお、この日は当協会会長で原告団副団長の坪田有史氏、副会長の早坂美都氏、理事の橋本健一氏、会員の扇山隆氏も参加した。

年末年始休診案内ポスターのご案内

年末年始休診案内ポスターのご案内

東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)11月1日

東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)11月1日

こちらをクリック▶「東京歯科保険医新聞」2024年(令和6年)11月1日

【新聞11月号】

【1面】

1.衆院選2024 躍進の野党/保険証〝併用・残すべき〟
2.問い合わせ増える「薬剤長期収載品の選定療養」
3.「残そうよ健康保険証」改めて署名にご協力を 〝保険証発行終了は中止を〟国会議員から指摘相次ぐ
4.探針
5.ニュースビュー

【2面】

6.薬剤長期収載品の選定療養/処方箋の記載方法は?
7.生活保護の指導計画 2024年度は8件を実施予定/協会の開示請求により判明
8.保団連が第39回医療研究フォーラムを開催 協会会員が「介護施設の口腔衛生管理」で発表/山本鐵雄副会長と橋本健一理事も演題発表
9.全国調査・2024年度診療報酬改定 「歯科会員アンケート」ご協力のお願い
10.10月号訂正

【3面】

11.教えて!会長!! Vol.88「マイナ保険証トラブル調査結果について」
12.「会員の意識と実態調査」ご協力に感謝!!
13.会員寄稿「声」/随筆「DXの光と影」②完 小林顕(板橋区)

【4面】

14.連載「マイナ保険証の〝失態〟を追う~このまま見過すことはできません~」/第8回誰も検証せずに突き進む「保険証廃止」(荻原博子さん/経済ジャーナリスト)
15.オン資猶予でも資格確認限定型を導入可/マイナ保険証機能のスマホ搭載、見切り発車感否めず
16.共済部だより

【5面】

17.解説/健康保険証の発行終了後はどうなるのか?②/トラブルの類型と実際の対応方法
18.オン資猶予届出“不受理” 保険医辞退検討も/まずは協会にご相談を

【6面】

19.研究会・行事ご案内

【7面】

20.経営・税務相談Q&A No.422/最近目立つ相談内容より 求人トラブル、定額減税、賃上げ促進税制
21.理事会だより
22.10月会員無料相談のご案内
23.10月協会活動日誌

【8面】

24.退き際の思考 歯科医師をやめる(松井裕子さん・後編)「私たちの年代が役に立つとしたら…今なお歯科医療に熱意」
25.神田川界隈「自分を考察する随想録」(理事・相馬 基逸/品川区)
26.「今年の漢字 2024」「2025年新年号巻頭写真」募集中

【連載】退き際の思考/私たちの年代が役に立つとしたら…今なお歯科医療に熱意(松井裕子さん【後編】)

私たちの年代が役に立つとしたら…今なお歯科医療に熱意(松井裕子さん【後編】)

私たちの年代が役に立つとしたら…今なお歯科医療に熱意

松井裕子さん―後編
前編はこちら

松井裕子(まつい・ゆうこ)さん/1951年東京都生まれ。1976年東京医科歯科大学歯学部卒業。補綴学教室で1年間の副手・医員を経て、1981年同大大学院修了後同医局に助手として勤務。1990年4月より宮内庁病院へ出向。2017年3月、定年。非常勤歯科医師として同病院勤務。2024年、退職。

 歯科医師としての“引退”に着目した本企画。すでに歯科医療の第一線を退いた先生らにお話を伺い、引退を決意した理由や医院承継、閉院の苦労などを深堀りする。
 今回は、宮内庁病院で勤務医として34年にわたる歯科医師キャリアを過ごした松井裕子先生(73歳)の後編。今後も何らかの形で歯科医療に携わり続けたいという松井先生にお話を伺った。前編から読む

―退職してもなお歯科医師を続けたいとのことですが、勤務形態や時間など具体的にどのような形をイメージしていますか。

 模索中ですが、退職直前は週1回勤務のリズムできたので週に1~2回、あるいはもっとフレキシブルな働き方ができればと思います。先進技術は専門の先生に任せ、診断と治療の方針についての相談に応じ、歯周組織や義歯のメインテナンスを中心に関われたらと考えています。体力次第の部分もあるし、歯科医師としての収入はあまり期待できないでしょうが、これまで50年弱培ってきた歯科治療のスキルを無理のない自分のペースで還元していければと思います。

―歯科医療への熱意を持ち続けているのですね。

 そうですね。今や歯科で扱う範囲も拡がり、それぞれの歯科医師が何らかの特徴を打ち出さないといけない時代になってきているかもしれません。一方で、医科のように専門分化が進んだ末に総合診療の必要性が浮上してきている時代変化もあります。もし私たちの年代が役に立つとしたら、総合的な対応ができる点にあると考えています。それをどのような形で実現できるか、同じような意志を持っている方たちと協力して明確にしていければと思うこともあります。

―「今なおスキルを活かしたい」、その原動力はどこから。

 学生時代から歯科医療の世界で生きてきて、折角今まで培ってきたスキルを無駄にせず、人のために役立てたいと感じています。以前、中学生時代の友人に頼まれて口腔状態を診た時の経験がとても印象に残っています。咀嚼も十分にできないほど悪い状態だったので、すぐに治療を開始すると、口腔状態がみるみるうちに改善し、顔色も良くなり若々しく元気になりました。人の役に立っていることが実感でき、そうした姿を見られるのは歯科医師冥利に尽きます。

診療続ける同世代の先生へ

―プライベートはどのような過ごし方を?

 大学時代から硬式テニスを続けていて、年に一度しかラケットを握れない期間もかなりありましたが、今は週に1度、夕方2時間ほどプレーしています。定年近くなってから新しいことに挑戦したいと思ってゴルフを習い始め、月に1~2回、東京近県のコースを仲間たちとラウンドしています。外出しない日は、幅広い分野の本を読んだり、手抜きをしてきた家の修繕などもしたりしながら過ごしていますね。

―ところで、松井先生が協会に入会したきっかけは。

 病院勤務になってからは、常勤の歯科医師が1名だけだったので、歯科の情報が入ってきませんでした。そこで開業している同級生に相談すると、「保険医協会が良いから入りなさい。セミナーをしっかりやってくれるし、役立つ情報も届けてくれるから」と勧められました。入会後は学術研究会などに参加しましたが、内容が勉強になるし面白く、受講するのが楽しみでした。接遇講習会も良い内容だと思ったので受講して、電話対応や患者さんへの話し方などを学び、病院に戻って看護師たちにアドバイスすることもできました。また、機関紙の紙面を切り抜いて事務方に渡して情報共有していましたね。保険医年金など、歯科医療以外の面でもとても助けられました。

―最後に、同年代で診療に従事し続けている先生方にメッセージを。

 頭が下がるばかりです。同年代の友人たちは閉院を検討したり、引退してしまったりするケースが増えています。自ら閉院を決めるのは非常に決断力を必要としますが、診療を続ける判断もまた重いものです。材料や治療法も進化を続けている中、たゆまぬ精進が必要とされる歯科医師という気の張る仕事を続けておられることに敬意を払います。この年代になると思いもかけない不調が出てくることもあるかと思います。体調管理をしっかりとしながら歯科医療に携わっていただけることを願っています。

―本日はありがとうございました。(完)

過去の連載はこちら<退き際の思考 歯科医師をやめる>

#インタビュー #連載 #退き際の思考

「残そうよ健康保険証」改めて署名にご協力を/ ❝保険証発行終了は中止を❞ 国会議員から指摘相次ぐ

「残そうよ健康保険証」改めて署名にご協力を/ ❝保険証発行終了は中止を❞ 国会議員から指摘相次ぐ

医療、介護、福祉予算の増額を求める「いのちまもる総行動」が926日、千代田区日比谷公園の日比谷野外音楽堂で開催された。参加者は約2,400名を数えたほか、日本歯科医師会と日本医師会からも応援のメッセージが寄せられた。

集会には、立憲民主党の杉尾秀哉参議院議員、日本共産党の小池晃参議院議員、れいわ新選組の天畠大輔参議院議員らも参加。各議員とも、122日(月)の健康保険証の発行終了は中止すべきと発言した。

◆署名は来年1月末までに通常国会提出へ

10月1日から開かれた臨時国会の会期はわずか9日間しかなく、健康保険証の問題も含め、論戦は深まらなかった。その情勢から、協会は10月に関係各機関に要請書を送付するとともに、10月上旬に「月刊保団連」に同封し、会員に送付した「現行の健康保険証を残してください」請願署名の受付期間を、20251月まで延長することを決めた。

現場の声を行政に届けることこそ、協会の役割である。来年1月の通常国会に向け、会員の先生方には、引き続き署名にご協力をいただき、同131日までに協会へ送付いただくようお願いしたい。

なお、署名用紙や返信用封筒の追加、回収箱、PRポスターなどの注文は協会運動本部(電話03-3205-2999)へご連絡いただきたい。

 

オン資猶予でも資格確認限定型を導入可/マイナ保険証機能のスマホ搭載、見切り発車感否めず

オン資猶予でも資格確認限定型を導入可/マイナ保険証機能のスマホ搭載、見切り発車感否めず

9月30日の社会保障審議会医療保険部会(部長:田辺国昭/東京大学大学院法学政治学研究科教授)で、オンライン資格確認システム(以下、オン資)の猶予届出書を提出した医療機関への対応およびマイナ保険証のスマホ搭載が提起された。

◆オン資猶予中でも限定型が導入可能に

電子レセプト請求医療機関では、オン資導入が義務化されているが、光回線未整備などの事情がある場合は猶予されている。今回は、紙レセプト請求医療機関が導入できる資格確認限定型のオン資の対象を拡大し、①光回線が未整備(類型2)、②改築工事中や臨時施設の医療機関(類型4)、③特に困難な事情がある(類型6)―との猶予届出書を提出した医療機関も導入を可能にする(図参照)。11月より医療機関等向け総合ポータルサイトで利用申請を開始し、補助金(4.1万円を上限に34補助)も来年115日締切で受け付けている。

◆現場がついていけない無償配布求める意見も

注目のマイナ保険証のスマホへの搭載については、来年春に、スマホを読み取る「汎用カードリーダー」を顔認証付きカードリーダーに接続して運用する実証事業を行う。実証後に各医療機関で導入する。

ただ、導入に関する補助金は提起されなかった。検討会メンバーの大杉和司氏(日本歯科医師会常任理事)は、度重なるオン資の改修費用などが発生しており、汎用カードリーダーは無償配布すべきと意見を述べた。オン資には、資格確認限定型および訪問診療時を対象とする居宅同意取得型などもあるが、それらには一切触れていない。スマホ搭載の対象が拡大し、その都度改修費用がかかれば現場がついていけなくなる。少なくとも厚生労働省は、適切なシステム開発計画と十分な支援を提案すべきである。

解説/健康保険証の発行終了後はどうなるのか?②/トラブルの類型と実際の対応方法

解説/健康保険証の発行終了後はどうなるのか?②/トラブルの類型と実際の対応方法

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健康保険証の発行終了まで、約1カ月となった。本号では、10月号から引き続き協会に寄せられるマイナ保険証やオンライン資格確認システム(以下、オン資)のトラブルへの相談内容を踏まえ、その類型と対応方法を解説する(図1)。

本解説は10月中旬時点の資料を基にしており、今後変更となる可能性がある。その際は、機関紙や協会ホームページ、デンタルブック・メールニュースなどでお知らせする。

*「解説①」は「協会ニュース」本年10月7日投稿分をご覧ください。

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◆マイナ保険証が読取不可の場合

全国保険医団体連合会(以下、保団連)が公表した「20245月以降のマイナ保険証トラブル調査」によると、70.1%の医療機関が何らかのトラブルを経験している(教えて!会長!!No.88参照)。マイナ保険証の読取時に起きるトラブルは1・トラブル①である。相談の中には、「職員のマイナ保険証は読み取れるのに、患者のマイナ保険証は読み取れない」というものがある。

この場合は、マイナ保険証およびスマホなどでマイナポータルの資格情報の画面を確認する、または健康保険証で資格確認を行う。なお、通知で明記されていないが、マイナ保険証および「資格情報のお知らせ」の確認でも対応可能と思われる。

また、図1・トラブル②のように、それらで解決できずカードリーダーの故障、または通信障害が原因の場合は、オンライン資格確認等コールセンター( 0800―080―4583/営業時間:月〜金曜8時〜18時、土曜8時〜16時)に電話して「システム障害時モード」を使用可能にしてもらい、氏名等を用いて確認を行う。

ただ、「コールセンターは繋がりにくい時もあり、モードの使用開始まで時間もかかるため、利用しにくい」との声が協会に寄せられている。

◆顔や暗証番号で認証不可の場合

図1・トラブル③のように、「顔認証できず、暗証番号もわからないため、認証ができない」という場合もある。その際は、医療機関側で「目視確認モード」を立ち上げ、マイナンバーカードの写真を用いて本人確認を行う。

ただ、患者操作が主である顔認証や暗証番号認証に比べて、業務負担が大きい。

また、マイナンバーカードは、通常のカードおよび暗証番号認証が使用できない顔認証マイナンバーカードに加え、歯科で利用されることに疑問は残るが、今年122日からは1歳未満に発行される顔写真のないカードの3種類になる。新しいカードは顔写真がないため、顔認証および目視確認モードが使えない点に注意が必要である。

◆「無効」等が表示される場合

図1・トラブル④のように、「無効」等が表示される場合がある。その際はマイナポータルでも資格情報を確認できないため、健康保険証で確認する。

なお、過去の受診歴等から資格情報に変更がないことを口頭で確認できた場合、その保険者等番号および被保険者等記号・番号でレセプトを請求できる。また、有効な健康保険証はあるが「資格(無効)」と表示された場合は、表示された過去の資格情報で請求できる(正しい保険者へ自動振替)。いずれの場合もレセプトの摘要欄に「旧資格情報」である旨を記載する。

しかし、図1・トラブル⑤のように「患者が健康保険証を破棄した」等の理由で対応できない場合もある。その際は、システム障害時モードで対応できない場合も同様だが、「被保険者資格申立書」を患者に記載してもらい、該当する13割のいずれかの一部負担金を受領する。ただ、「記載内容は正しいのか、遅滞なく診療報酬が支払われるかという不安がぬぐえない」と消極的な医療機関が少なくない。

なお、5年ごとに更新が必要なマイナ保険証の電子証明書について、更新を忘れても有効期限終了後3カ月間は利用できる。3カ月を経過すると利用できなくなり、「資格確認書」が発行される。

また、資格が有効でも「有効期間終了」欄が空欄で表示される場合があるが、これはオン資の仕様であり、有効期間終了日を確認する必要はない。

◆「」が表示された場合

図1・トラブル⑥の「が出る」は、氏名・住所等に旧字等があると起きる。そのままでもレセプトは請求できるが、カルテや処方箋等の作成時は「」のままでは作成できず、確認が必要となる。その際、患者の同意を得て、マイナンバーカード表面の氏名等の確認、確認を目的とした一時的なカードの受取ならびに表面のコピーおよびコピーの保管は可能である。ただ、カードの受取は紛失等の恐れがあるため、「」を問診票等から確認する場合もあるようである。

◆「マイナ保険証あり」の患者が資格確認書を持つには

マイナ保険証ありの患者が登録解除した場合、または患者が保険者に要配慮者等に当たるとの申請をした場合などは、資格確認書を入手できる(図2)。

ただ、厚生労働省は要配慮者について、一律の基準を設けておらず、保険者により判断が異なる可能性がある。確実に入手したい場合は、マイナ保険証の登録解除をした方がよいと考えられる。

◆健康保険証を残した方が混乱は少ない

オン資は、健康保険証と比べてトラブルおよび対応方法が複雑である。トラブルが起きていない医療機関もあるが、利用率の低さ(9月時で13.87%)に起因している側面はある。前号で解説した通り、マイナ保険証の有無で「資格情報のお知らせ」や「資格確認書」が送られてくるが、それなら一律に健康保険証を送った方が現場の混乱は少ないのではないか。

協会は、今後も健康保険証の存続を求める要求を行っていく。

【教えて! 会長!!  Vol.88】 マイナ保険証トラブル調査結果について

【教えて! 会長!! Vol.88】 マイナ保険証トラブル調査結果について

Q 12月2日まであと1カ月ですね。

 周知の通り、122日から健康保険証の新規発行が終了します。協会は医療DXに反対していませんが、拙速に進められ1カ月弱に迫ったマイナ保険証への完全移行へのスタートは、患者・国民と医療機関にとって「時期尚早」と考え、当会は現行の保険証との併用を訴えています。

他方で、122日からのご自身の医院での対策などを考える上で、全国や東京都の歯科医療機関の現状を知っておくことが必要です。そこで、当会会員を含めた全国保険医団体連合会(以下、保団連)の調査結果をピックアップして紹介します。

Q どんな調査でしょうか。

 政府は今年4月に「マイナ保険証の登録データを住民基本台帳データと照合し、必要な確認が完了したことから、新規加入者のデータのチェックシステムを57日から稼働する」と説明しました。そして、5月から7月にかけてマイナ保険証の利用促進を進めました。そこで、本当に患者・国民や医療機関が安心してマイナ保険証を利用できる状況になったのか、その現状を知るため、当会も参加して、保団連が全国規模で5月以降のマイナ保険証トラブル調査を実施しました。調査は8月から9月にかけて行い、39都道府県(43保険医協会・医会)12,735医療機関から回答を得ました(歯科診療所2,574、医科診療所8,529、病院754、無回答・その他878)。そのうち、当会の回答数は208でした。

「今年5月以降のマイナ保険証、オンライン資格確認のトラブル・不具合」について示します。「トラブル・不具合があった」との回答は、当会67.3%、全体で70.1%と大きな差はなく約7割でした。なお、前回の調査(2023101日以降のマイナ保険証トラブル調査では59.8%にあたる5,188医療機関)よりも約10%増加していました。この結果、マイナ保険証の利用に多くの問題があり、トラブルが増加していることが分かりました。に「トラブルの類型/『あった』と回答した医療機関」を示します。当会、全国ともに、トラブル内容の上位3位は、「●が出る」「カードリーダーの接続不良・認証エラー」「資格確認が無効」でした。最も多い「●が出る」とは、「髙(はしごだか)」や「濱」など、氏名に常用漢字以外が含まれる場合に起こるエラーです。再診の方なら対応できますが、初診の方で「●」が出た場合、氏名が不明で別の対応が必要となります。

先生方の医院ではいかがでしょうか。今までまったく問題が生じていない医院もあるでしょう。しかし、東京都、さらに全国の医療機関で生じている問題を把握しておくことで、現在、さらに122日以降のマイナ保険証に対する心構えができると思います。

Q 「保険証が12月2日に廃止されること」についての設問の結果は。

 に結果を示します。右側が当会のみ、左側が全体の結果です。保険証の廃止を「延期すべき」「保険証は残すべき」、「延期」と「残す」の両方にチェックした回答を合わせると、当会で88.0%、全国で88.1%と、ほぼ同数であり、9割近くが122日からの健康保険証の新規発行が終了することに否定的といえます。

本稿の執筆時には、まだ衆議院選挙の結果は出ていませんが、選挙前に得た当会独自の調査「衆院選2024政党アンケート」の中で、健康保険証存続についての各党の意見に明確な違いがありました。122日は過ぎてしまいますが、年明けに召集される通常国会で、マイナ保険証関連の議論が活発に行われることに期待します。そのために当会では現在、請願署名「現行の健康保険証を残してください」を行っています。署名は1月の通常国会に提出しますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京歯科保険医協会

会長 坪田 有史

(「東京歯科保険医新聞」202410月号掲載)

生活保護の指導計画 2024年度は8件を実施予定/協会の開示請求により判明

生活保護の指導計画 2024年度は8件を実施予定/協会の開示請求により判明

協会が東京都に行った開示請求により、生活保護法による個別指導は、今年度は8件実施する計画であることが分かった。4月、5月、9月、2025年3月を除き、毎月1件ずつ実施される予定である。
対象となる医療機関には、指導日の1カ月前に指導通知、1週間前に患者通知(10名程度が指定される)が郵送される。また、健康保険法の個別指導と同様に、カルテ、歯科技工指示書や納品伝票、X線フィルムなどに加え、対象患者の医療要否意見書および医療券が持参物とされている。

◆昨年度個別指導は3件
昨年度の生活保護法による個別指導は3件実施され、歯周治療や歯内療法などの処置、歯科訪問診療料、歯冠修復および欠損補綴の算定などについて指導が行われた。
算定要件を満たさない場合や請求誤りがあった場合は、自主返還を求められる。また、昨年度は診療報酬の過誤調整額として、79万円を超える返還金があったことも分かった。
健康保険法の個別指導と同様に生活保護法の指導でも、保険診療のルールやカルテへの記載は重要となる。
◆11月の新規開業医講習会にご参加を
請求が不安な先生や再度確認したい先生は、11月10日開催の新規開業医講習会に、ぜひ参加されたい。

今年11月10日に開催された新規開業医講習会会場の模様。今後の開催については、機関紙、F-nexホームページ、デンタルブックのメール・ニュースでお知らせする

 

 

 

坪田会長ら 当選議員を表敬訪問 歯科医療への理解求める/健康保険証 発行終了「できる状況にない」

坪田会長ら 当選議員を表敬訪問 歯科医療への理解求める/健康保険証 発行終了「できる状況にない」

11月13日に坪田有史会長、早坂美都副会長が、10月27日に投開票が行われた衆議院議員選挙で当選した東京選出の議員10名と歯科医師の議員2名を表敬訪問した。面会に応じた各議員は「ご期待にそえるようまい進したい」と抱負を語った(左の写真は、今回当選を果たした国民民主党の円より子衆議院議員への要請時のひとコマ)。

 

◆健康保険証の発行終了問題国会での議論を求める

坪田会長は、まず祝辞を贈るとともに、歯科の現状を説明。保団連(全国保険医団体連合会)の調査において、70.1%がオンライン資格確認のトラブルがあったと回答した結果を紹介した。協会には、「『資格情報のお知らせ』『目視確認モード』とは何か」などの相談が多く寄せられていることや、マイナ保険証が使えない、または顔認証や暗証番号認証ができないトラブルへの対応方法が周知されていない問題も指摘。そのうえで、「122日に健康保険証の発行を終了できる状況ではない。立憲民主党は発行終了を延期する法案を衆議院に提出したが、国会で十分議論されることを期待する」と訴えた。

◆歯科問題で交流深める

歯科医師の佐原若子議員(比例・東北)、長谷川嘉一議員(比例・北関東)とは、歯科医療の問題で意見交換。直前まで院長として診療していた佐原議員は「口腔は全身の健康と関連があるが、歯科の点数は低い。医療機器の導入や文書を作成しないと算定できない縛りも多い」と実体験を交え、歯科の低診療報酬の問題などを指摘した。

長谷川議員は「以前は海外技工物の問題が取り沙汰された。歯科技工の現状が気になる」と語った。坪田会長は、協会が歯科技工所アンケートを実施し、保団連の呼びかけで全国調査も行われたことを踏まえ、「厚生労働省は補綴物の点数を引き上げるなどしたが、歯科技工所の状況は依然として厳しい」と伝え、議員も認識を深めた。

◆健康保険証の存続署名1月末までにご返送を

11月28日から1221日まで臨時国会があり、来年1月からは通常国会が開催される。「現行の健康保険証を残してください」請願署名は各国会で提出予定であり、来年131日までに協会へ送付いただきたい。

また、歯科医療の充実を求める署名も今後実施を予定している。協会は引き続き現場の声を国会議員や行政に伝えていく。

保団連が第39回医療研究フォーラムを開催/協会会員が 「介護施設の口腔衛生管理」で発表/山本鐵雄副会長と橋本健一理事も演題発表

保団連が第39回医療研究フォーラムを開催/協会会員が「介護施設の口腔衛生管理」で発表/山本鐵雄副会長と橋本健一理事も演題発表

9月2223日、愛媛県松山市内のANAクラウンプラザホテル松山で、第39回保団連医療研究フォーラムが開催され、全国から歯科医師・医師・スタッフ・一般市民ら300名超が参加した。

22日は、オープニング企画として、俳人の神野紗希氏による「病と生きる 子規と俳句の『生きる力』」と題した講演、募集俳句入選作の発表、さらに保団連の鵜飼伸理事から、全国共同調査「オンライン資格確認導入、オンライン請求義務化に伴う医療機関への影響調査」の結果報告、朝日新聞編集委員の原真人氏による記念講演「日本の衰退と未来」などが行われた。

 

 

 

 

 

23日の分科会では、当協会から3名がそれぞれ演題を発表した。第1分科会在宅医療・介護では、会員の尾崎哲也氏(写真左)が「介護職員とともにすすめる介護施設の口腔衛生管理強化」をテーマに、第3分科会歯科診療の研究と工夫では副会長の山本鐵雄氏(写真中央)が「歯科技工所アンケートの結果と取り組み」を、理事の橋本健一氏(写真右)が「学校歯科治療調査の結果と取組み」を、それぞれ発表した。

 

問い合わせ増える「薬剤長期収載品の選定療養」/方箋の記載方法は?

問い合わせ増える「薬剤長期収載品の選定療養」/方箋の記載方法は?

10月1日より、先発医薬品(後発品のある長期収載品)を患者の希望で処方した場合に、先発医薬品と後発医薬品の価格差の4分の1相当の料金を「特別の料金(選定療養)」として患者から別途受領する制度(下記図参照)が導入された。 協会には問い合わせが多数寄せられているため、前号の概要に続き、処方箋様式の記載方法と下記の疑義解釈を解説する。
協会としては、製薬会社による「限定出荷」「供給停止」などの出荷制限により、医薬品不足が続いている中、先発医薬品を患者が希望した場合に患者から特別の料金を徴収することは、混合診療解禁に等しく、問題のある取り扱いであると考えている。

1.選定療養の対象となる医薬品
対象医薬品リストは、厚生労働省のホームページ「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について」から検索できる。長期収載品のすべてが選定療養となるわけではなく、医療上の必要がある場合や後発医薬品の在庫状況等を踏まえ後発医薬品を提供することが難しい場合は、選定療養の対象にはならない。
【対象となる歯科の医薬品の例】
ボルタレン錠25㎎、ロキソニン細粒10%、ロルカム錠2㎎、ロルカム錠4㎎、ジスロマック錠250㎎、クラビット錠500㎎など。
2.特別の料金と患者負担
先発医薬品と後発医薬品の価格差の4分の1相当の料金を「特別の料金(選定療養)」として、患者から別途受領する。「特別の料金」は課税対象であるため、消費税相当分を加えて受領する。長期収載品を選定療養の対象とする場合の後発医薬品の価格との比較について、厚労省はリストを作成している。リストに示されている額はあくまでイメージであり、実際に窓口で負担する額とは異なる。
3.処方箋の記載方法
(1)選定療養の対象とならない場合(院内処方・院外処方)
医療上の必要があると認められる場合、および後発医薬品の在庫状況等を踏まえ、後発医薬品を提供することが困難で選定療養の対象とならない場合は、下記「(別表1)」のレセプト表示文言より理由に該当するコードを選ぶことで、レセプトの摘要欄に表示させる。

(別表1)

(2)処方箋の記載方法
①選定療養の対象とならない場合
処方箋の「変更不可(医療上必要)」欄に「✓」または「×」と記載し、「保険医署名」欄に署名または記名、押印する(記載例参照)。
記載がない場合、薬局での患者聴き取りにより患者が「患者希望」と回答すると、選定療養の対象となる可能性がある。
②選定療養の対象となる場合
処方箋の「患者希望」欄に医薬品ごとに「✓」または「×」と記載する。

記載例

4.長期収載品の処方等の取扱いに関する疑義解釈(一部抜粋・一部改編)
【後発医薬品を提供することが困難な場合について】
問1「当該保険医療機関または保険薬局において、後発医薬品の在庫状況等を踏まえ、後発医薬品を提供することが困難な場合」について、出荷停止、出荷調整等の安定供給に支障が生じている品目かどうかで判断するのではなく、あくまで、現に、当該保険医療機関または保険薬局において、後発医薬品を提供することが困難かどうかで判断するということでよいか。
 そのとおり。
【公費負担医療について】
問2 医療保険に加入している患者であって、かつ国の公費負担医療制度により一部負担金が助成等されている患者、子ども医療費助成等のいわゆる地方単独の公費負担医療の対象となっている患者が長期収載品を希望した場合について、長期収載品の選定療養の対象としているか。
 国の公費負担医療制度の対象となっている患者やこども医療費助成等のいわゆる地方単独の公費負担医療が対象となっている患者が長期収載品を希望した場合についても、他の患者と同様に、長期収載品の選定療養の対象となる。
なお、医療上必要があると認められる場合に該当する場合は、従来どおりの保険給付として差し支えない。
問3 生活保護受給者である患者が長期収載品を希望した場合は、どのように取り扱うことになるのか。
 生活保護受給者については、 長期入院選定療養以外の選定療養は医療扶助の支給対象とはならないとしている。このため、生活保護受給者である患者が、医療上必要があると認められないにもかかわらず、単にその嗜好から長期収載品の処方等または調剤を希望する場合は、当該長期収載品は医療扶助の支給対象とはならないため、生活保護法に基づき、後発医薬品処方等または調剤を行うこととなる。
なお、長期収載品の処方等を行うことに医療上必要があると認められる場合は、当該長期収載品は医療扶助の支給対象となる。

衆院選2024 /躍進の野党/保険証“併用・残すべき”

衆院選2024/躍進の野党/保険証“併用・残すべき”

◆歯科医師2氏が当選
10月27日、第50回衆議院議員総選挙の投開票が行われ、自民・公明が計215議席となり、過半数(233議席)を割り込んだ。一方で立民など、「紙の保険証を残す」とした野党が議席数を大幅に伸ばし、躍進。フジテレビの報道によれば立民代表の野田佳彦氏は、優先すべき政策として「紙の保険証も使えるようにすること」を挙げた。12月2日以降の健康保険証存続へ、大きく流れが変わる可能性が出てきた。今後、改めて署名活動の重要性が高まっている。
 なお、衆院選の結果、長谷川嘉一氏(立民/再選)、佐原若子氏(れいわ/初当選)の歯科医師2名が当選した。
◆協会は改めて健康保険証の存続を求める請願署名に取り組みます
協会は、10月上旬に主要各政党に対して健康保険証の発行終了に関するアンケートを実施。10月11日よりホームページ上で公開した。健康保険証の今後の取り扱いについて、自民は「資格確認書の活用も図りながら、国民の皆様が安心して保険診療を受けることができるよう取り組む」と従来通りの回答とし、これまでの主張にとどまった。マイナ保険証と健康保険証の併用を選び、衆院選では50議席増となった立民は、「一定の条件が整うまで現在の健康保険証を存続させるべき」としている。

新内閣・政府には、健康保険証廃止の問題に真正面から向き合い国民の不安を払拭し、納得と共感を得られる丁寧な対応をするよう求め、以降の国会で与野党による活発な議論が行われることを望む。また、国会への提出に向け、協会は改めて健康保険証の存続を求める請願署名に取り組む。

↓各党の回答はコチラ(クリックするとPDFをご覧になれます)
衆院選2024政党アンケート結果
◆「保険証の存続を」要請書提出
また、協会は石破茂内閣組閣に伴い、10月4日付で、石破総理大臣、福岡資麿厚生労働大臣、平将明デジタル大臣宛てに要請書を提出した。要請書は、総理就任前の石破氏のコメントに反し、福岡・平両大臣から保険証の新規発行終了の方針を堅持する旨の発言があったことを受け、提出したもの。全国保険医団体連合会の調査で、全国の7割強の医療機関でトラブルが発生していることや、会員から寄せられた現場の窮状を訴え、石破総理らに12月2日以降も健康保険証の発行を存続するよう求めた。
協会は、今後も会員の声を政府や行政に届けていく。

【荻原博子さん連載】マイナ保険証の〝失態〟を追う~このまま見過すことはできません~ 第7回 驚愕する日本の医療の“デジタル化” !!

驚愕する日本の医療の“デジタル化”

日本の医療には“デジタル化”が必要と言われています。

私も含めて、これに異議を唱える人はいないと思いますが、問題は「どんな“デジタル化”で、どれだけ世の中が便利になるか」ということです。

厚生労働省は、新型コロナ対応でさまざまなデジタルシステムを立ち上げました。感染症情報としては「ハーシス(HER―SYS)」「ネシッド(NESID)」「ココア(COCOA)」があります。ワクチン情報では「ブイシス(V―SYS)」、ワクチン摂取記録システムでは「VRS」。医療情報では「ジーミス(G―MIS)」「イーミス(EMIS)」。

ところが、役に立たないものが多かった。中でも新型コロナウイルス接触確認アプリの「ココア」は、ダウンロード数約4,000万件なのに、致命的な不具合が発生していたにもかかわらず4カ月も放置されていたというお粗末さ。税金をドブに捨てて終わりました。

◆なぜ「FFHS」でなく「ハーシス」だったのか

「ココア」よりもひどかったのは、医師が患者情報を入力する「ハーシス」。入力項目が120130もあり、入力だけで1人あたり30分もかかります。コロナ診察でヘトヘトになった医師が、診察後にこれを入力すると明け方近くになってしまい、「ハーシス地獄」と呼ばれました。

ところが、もっと驚いたのは、実は厚生労働省は10年もの歳月を費やしてコロナ前から「症例情報迅速集積システム(FFHS)」という、「ハーシス」同様のシステムを既に研究・開発していました。しかも「ハーシス」だと30分かかる入力が、「FFHS」ならわずか1分。

「FFHS」を開発した北見工業大の奥村貴史教授は、「自治体が使いやすいよう意見交換を重ねて設計していたのに、政府は過去の教訓を生かさず、ハーシスを導入した」と言っています。「ハーシス」開発の陣頭指揮をとった当時の橋本岳厚生労働副大臣も、「FFHSに必要な機能が備わっていると担当から説明を受けていれば、採用していたかもしれない」とのこと。

しかも、「ハーシス」では膨大なデータが集められたのに、それがどう活用されたのかもわからない。一方、「FFHS」は北海道が導入し、クラスター(感染者集団)が発生した地域への医師派遣などに役立てていて、道の感染症対策担当者は「ハーシスではなく、最初からFFHSが使われていれば、保健所や自治体の負担は少なくて済んだだろう」と話しています。

何のためにデータを集め、集めたデータをどう活用するのかという利用者の視点が抜け落ちた“デジタル化”など、百害あって一利なし。

◆東京の歯科医院に北海道から通う患者はほぼゼロ

同じようなことを、いま政府が進めている医療DXにも感じます。

マイナポータルで見られる医療情報は、ほとんどがレセプト情報。検査をしたことはわかっても、検査の結果はわからない。しかも、13カ月前の古い情報なので、これを見て診療されるのは怖いことです。

そもそも、歯科診療所にやってくる患者さんは近隣の人。東京の歯科診療所に、北海道や九州から歯の治療に通うというケースはほとんど考えられない。それよりも、全国的なネットワークにすることで、脆弱な接続箇所から悪質なコンピュータウイルスが入り込むことのほうが怖い。そうなったら、前回書きましたが、病院は治療もできずにお手上げです。

日本政府は“デジタル”を使いこなす能力が低く、2023年の「世界デジタル競争ランキング」では32位。韓国が6位、台湾が9位、香港が10位、中国も19位なので、メンツにかけても何とか一発逆転したいのでしょう。

ただ、それが「医療DX」で、しかも多くの企業もこれに接続するというのは、あまりにも危険と言わざるを得ません。

失敗続きの日本の“デジタル化”に、私たちはどこまで付き合わされるのでしょうか。

「東京歯科保険医新聞」2024年10月1日号7面掲載

【全文を読む】第7回驚愕する日本の医療の“デジタル化”

経済ジャーナリスト 荻原 博子

プロフィール:おぎわら・ひろこ/経済ジャーナリスト。家計に根ざした視点で経済を語る。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞・経済誌などに連載。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。近書に「マイナ保険証の罠」(文春新書)、「マイナンバーカードの大問題」(宝島社新書)など。

衆院選に向け、2名に推薦状をお渡ししました

衆院選に向け、2名に推薦状をお渡ししました

若宮健嗣衆議院議員(東京5区)、宮本徹衆議院議員(東京20区)へ、1027()の衆議院議員総選挙に係る推薦状をお渡ししました。

若宮健嗣 議員(東京5区)

宮本徹 議員(東京20区)

 

歯科医療分野には様々な課題がありますが、その改善のためには、業界だけに留まることなく様々な方々に応援していただけるよう、幅広く活動を広げることが必要です。

東京歯科保険医協会として、日頃お世話になっている若宮議員および宮本議員との連携を深めることによって、より良い歯科医療の未来づくりを進めていきます。

衆議院選当日まであと数日ですが、1人でも多く、歯科医療分野にご理解を頂ける先生方が当選されることを願っています。

指導対策の❝要❞は適切な保険請求とカルテ記載/社保研究会に110人が参加

指導対策の❝要❞は適切な保険請求とカルテ記載/社保研究会に110人が参加

協会は829日、「2024年度の個別指導、集団的個別指導を知る」をテーマとする社保研究会を開催した。これは、2024年度の集団的個別指導が95日および10日に実施されるにあたり、通知が届いた会員を中心に不安の声が寄せられ、これに対応するために開いたもので、会場とZoomを合わせ110人が参加した。

◆個別指導の特徴点などを中心に解説

加藤開副会長が講師を務め、2024年度の開示請求結果をもとに集団的個別指導の選定基準や仕組みを解説し、新規個別指導や個別指導の選定基準にも触れた。今年度は、「高点数」による個別指導が8件計画されているが、個別指導の中心は、スタッフや患者、審査支払機関からの「情報提供」や「再指導」によるものが多いことを示し、「高点数による指導を心配しない・萎縮診療をしないでほしい。適切な保険請求とカルテ記載こそが最善の指導対策」と説明した。

このほか、生活保護指定医療機関を対象にした指導計画とその特徴にも言及した。

▼定例報告やオンライン請求猶予届出の提出を忘れずに

最後に、8月末の提出が求められている歯科診療所の定例報告、光ディスクなどでレセプトを請求している医療機関に向けてオンライン請求の猶予届出についても解説し、必要な報告や申請を忘れずに行うよう呼びかけた。

「会員の意識と実態調査」 書面アンケート回答受付中

「会員の意識と実態調査」 書面アンケート回答受付中

2024年10月1日(火曜日)~10月31日(木曜日)まで「会員の意識と実態調査」(以下、実態調査)の実施をしています。実態調査は5年に一度、すべての会員に対して行っているものです。歯科医院の体制や経営状況、診療報酬に関する対応など、多岐にわたる質問で構成されるアンケートで、集約結果は国、行政、自治体などへの要請と、さまざまな協会活動に活用させていただています。

1 調査の目的

実態調査は5年に一度、全会員に対して行っています。調査結果は国、行政、自治体などへの要請や、協会活動に活用いたします。

2 調査の時期

2024年10月1日(火曜日)~10月31日(木曜日)

3 調査の対象

当協会会員で東京都内に就業場所を有する歯科保険医約6,004名

4 調査事項

全59問

5 調査の方法

10月1日以降、郵送にて(1)案内状、(2)調査票(紙)、(3)返信用封筒などを封筒に入れて配布。

 

 

1 集計結果

1,648件(回収率27.44%)

※上記件数及び回答率は11月20日時点のもので、今後変動する可能性があります。

2 集計結果の詳細公表

東京歯科保険医新聞、メディア、ホームページに公表予定。

3 調査項目

準備中

4 添付ファイル

準備中

 

東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)10月1日

東京歯科保険医新聞2024年(令和6年)10月1日

こちらをクリック▶「東京歯科保険医新聞」2024年(令和6年)101

【お詫びと訂正】
本紙10月号(第655号)にて以下の誤りがありました。お詫びとともに訂正させていただきます。
※ホームページ上で公開している紙面は、訂正済みのものです。
2面「厚労省に要請 診療報酬の改善を求める」の記事およびキャプション
(誤)歯科医療官⇒(正)歯科医療管理官
6面「薬剤長期収載品の選定療養」の記事内【対象となる歯科の医薬品の例】
(誤)セフゾン細粒小児用10%⇒(正)削除

【新聞10月号】

 【1面】

1.都保健医療局・福祉局に要望/東京都歯科保健推進計画など4項目
2.パブコメでも保険証発行終了に反対/マイナ保険証利用率は12.43%
3.オン資訴訟結審判決は11月28日/「我々の訴え真摯に検討」弁護団明かす
4.探針
5.ニュースビュー

 2面】

6.厚労省に要請/診療報酬の改善を求める
7.東京都議会会派に要請/都要請4項目に理解
8.10月からの変更に注意/医療DX推進体制整備加算
9.マイナ保険証を巡り東京弁護士会が市民集会開く/原則一本化の問題を整理
10.オンライン請求の返戻など/10月から〝紙媒体は廃止〟
11.都が3定議会で決定へ/医療機関等への物価高騰支援金/歯科医療機関15万円、歯科技工所7.5万円

 3面】

12.解説・健康保険証の発行終了後はどうなるのか?会員の相談から見た変更点の勘所と課題

 4面】

13.経営・税務相談Q&ANo.421
14.SASのOA治療のための講習会開催/医科とのこまめな連携などのポイントも説明
15.歯科衛生士へのアンケート協力のお願い
16.10月会員無料相談のご案内

 5面】

17.研究会・行事ご案内

 6面】

18.教えて!会長!!Vol.87「10月から始まる先発医薬品の負担増」
19.薬剤長期収載品の選定療養
20.理事会だより/2024年度第9回理事会
21.9月協会活動日誌

 7面】

22.連載「マイナ保険証の〝失態〟を追う~このまま見過すことはできません~」/第7回「驚愕する日本の医療の“デジタル化”!!(荻原博子さん/経済ジャーナリスト)
23.神田川界隈「米国徴兵制の現状と世界情勢―我が国、歯科医師そして協会の真の役割」(監事・藤野健正/渋谷区)
24.共済部だより/休業保障・保険医年金PR

 8面】

25.指導対策の〝要〞は/適切な保険請求とカルテ記載/社保研究会に110人が参加
26.11月2日開催!イイ歯デー/保険でより良い歯科医療のために街頭宣伝にご協力を
27.メディア懇談会/「小規模医院は手が回らない」ベア評価料届出が議題に
28.会員の意識と実態調査ご案内

【9・10面】

29.共済制度折込:秋の共済キャンペーン

メディア懇談会/「小規模医院には手が回らない」 ベア評価料届出が議題に

メディア懇談会/「小規模医院には手が回らない」 ベア評価料届出が議題に

協会は913日、第3回メディア懇談会(通算103回)を開催し、メディア23名が参加。馬場安彦副会長が説明し、早坂美都副会長が進行を務め、施行から3カ月が経過した診療報酬改定のほか、マイナ保険証問題や署名の取り組み、協会が行った来年度東京都予算に関する要請などについて懇談した。

今次改定で新設されたベースアップ評価料について、71日現在の都内の歯科診療所の届出率が12%台に留まっている(※歯外在ベⅠ)ことが話題に上がった。9月に入り、厚生労働省から届出方法の簡素化が公表されたが、馬場氏は「都内にある小規模な歯科医院では届出に手が回らないのではないかと推測する」と、依然として複雑さが残る届出について説明し、「協会としては基本診療料や技術料を引き上げてほしいと思っている」と続けた。参加者からは、ベースアップ評価料に関する医療機関のスタッフの声などが紹介された。

また、オンライン資格確認システム義務化の問題に関連して、〝オン資義務化撤回訴訟〞に触れた馬場氏は「個人の力で国を動かすことが難しい中、協会として取り組むことは良い機会である。一開業医の気持ちを代弁してくれるものだ」とし、参加者に積極的な取材を呼びかけた。

東京歯科保険医協会会員の歯科診療所に勤務されている歯科衛生士の皆様

東京歯科保険医協会会員の歯科診療所に勤務されている歯科衛生士の皆様

2024年8月1日
国立国際医療研究センター病院 歯科・口腔外科
歯科衛生士 近藤順子

「診療所に勤務する歯科衛生士の医療安全・感染対策に関する実態調査」
に関するアンケートのお願い

1.アンケートの目的
歯科診療所(クリニック)に勤務する歯科衛生士の医療安全・感染対策の現状を把握し、より安心・安全に働けるような体制を整えることを目的としています。本調査の趣旨を ご理解いただき、アンケートへのご協力をお願い申し上げます。

2.アンケート対象
東京歯科保険医協会会員の歯科診療所に勤務する歯科衛生士
歯科診療所で勤務する歯科衛生士の方を対象としております。歯科診療所で勤務をしていない方は対象外となります。病院等を含む複数の職場で勤務されている方でも、一週間あたりの労働時間が一番長い勤務先が歯科診療所の方は、歯科診療所に関しての回答をお願いいたします。

3.アンケートの方法
Microsoft Formsを使用した無記名式のWeb質問調査を行います。なお、回答にあたってはメールアドレスなどの個人情報は収集しません。調査の回答には5分程度の時間を要します。下記のQRもしくはURLよりアンケートフォームにアクセスしご回答ください。
URL https://forms.office.com/r/kiBficYTJZ

4.アンケート回答期間(延長しました)
2024年8月1日〜2024年10月31日までにご回答をお願いいたします。

5.倫理的配慮
本調査は国立国際医療研究センターの倫理審査委員会の承認を得て実施しています(承認番号 NCGM-S-004831-00)。本調査へのご協力は自由意志によります。また、回答の有無によって不利益が生じることはありません。アンケートの回答を送信していただいた時点で同意を得たものと判断させていただきます。
無記名式であり個人や所属する医療機関等が特定されることはありません。また、メールアドレス等の個人情報を収集しないため、回答送信後は同意の撤回ができません。本アンケートはMicrosoft社のアンケートツールを使用しています。個人情報に関するポリシーについてはMicrosoft社のホームページをご参照ください。収集した情報は本研究の目的以外には使用しません。また、厳重に管理をし、調査終了後は電子データを消去し確実に破棄いたします。本調査結果は、個人および医療機関が特定されないようにした上で、学会発表や論文等で公表します。
 
本調査では謝金はお渡ししていません。回答やホームページ観覧に関する通信料は自己負担でお願いいたします。本調査において開示すべき利益相反事項はありません。
複数の勤務先でご勤務されている方で、このアンケート依頼を重複して受け取った方は、回答は主な勤務先1回のみでお願いいたします。

[本調査に関するお問い合わせ] 国立国際医療研究センター病院 歯科・口腔外科
歯科衛生士 近藤順子

SASのOA治療のための講習会開催/医科とのこまめな連携などのポイントも説明

SASのOA治療のための講習会開催/医科とのこまめな連携などのポイントも説明

協会は91日、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の口腔内装置(OA)治療のための講習会をワイム貸会議室で開催し、37名が参加した。 当日は、「総論」を西田紘一氏(協会監事)、「OSA歯科治療の基礎」を田賀仁氏(JR東京総合病院非常勤歯科医師)、「睡眠時無呼吸診療における医科との連携と歯科医師に必要な知識」を古畑升氏(東京医科歯科大学歯学部附属病院快眠歯科 いびき・無呼吸外来 非常勤講師)、「東京での睡眠時無呼吸症(SAS)のOA治療での医療連携について」を山本鐵雄氏(協会副会長)がそれぞれ解説した。

会場開催のみの開催方式で37名が参加した

西田氏は、歯科医師の視点から視診の進め方の概要に加え、医科とのこまめな連携が重要であることを指摘。田賀氏は、医科との連携で重要となる診療情報提供書の読み方や返書作成時の要点、治療方法の種類と選択方法、および医科との良い連携方法などを説明。古畑氏は、自身の患者の症例などをベースにした豊富な論文などを基に、特徴的な所見や治療効果、治療時の注意点を紹介した。山本氏は、口腔内装置の製作方法について症例写真をもとに説明。歯科開業医が取り組む際のポイントをそれぞれ解説した。

受講者からは「具体的な症例をもとにした解説だったので理解しやすかった」などの声が寄せられた。

東京都議会会派に要請/都要請4 項目に理解

東京都議会会派に要請/都要請4 項目に理解

協会は、東京都の2025年度予算をテーマに、都議会のミライ会議、日本共産党都議団に対し、要請を行った。

協会からは、東京都への次年度予算要請4項目について説明した。また都民ファーストの会には、書面による要望書を提出した。

協会から要望した「指導」については、「生活保護の個別指導が始まった時期はいつ頃なのか。また、どのような問題が懸念されるのか、具体的に訴えていった方がよい」(日本共産党)、歯科衛生士の復職支援については「募集をかけても雇用ができない実情は、他業種でも起こっている。具体的にどのような支援が必要なのか、いろいろとアイデアを寄せてほしい」(ミライ会議)などの回答を得た。

日本共産党/左から泉なおみ、藤田りょうこ各都議

ミライ会議/左から桐山ひとみ、もり愛、米川大二郎、田の上いくこ各都議