協会ニュース

協会の橋本理事が保団連の全国「学校歯科治療調査」めぐりTV取材受ける/日本テレビが6月7日(木)午後4時以降に放送予定

 

協会の橋本理事が保団連の全国「学校歯科治療調査」めぐりTV取材受ける/日本テレビが6月7日(木)午後4時以降に放送予定

保団連が昨年実施した「学校歯科治療調査」の中間報告とりまとめ作業が進む中、その関連取材の位置づけで、日本テレビの取材班が東京都内の学校歯科検診の実際、そこに携わる歯科医師の現場の声などを取材する中で、協会の橋本健一理事が6月5日午後、取材を受けた。取材は、日本テレビの女性記者1名のほか、カメラやライトの担当4名の合わせて5名により橋本理事の診療所内で行われた。

この調査には当協会も参加しており、すでに協会が行った東京都における調査結果を取りまとめ、広くマスコミにも発表している。

ライトに照らされ、目前に迫るカメラレンズを前に、橋本理事に記者から①最近の学校歯科健診ではどのくらいの虫歯を見出すのか。以前と比較してどうか、②いわゆる「放置状態」の児童はどのくらいいるものか。また、実際に検診で見た経験はあるか、③ブラッシング指導が行き渡らない児童がいると聞いたが、どういうことか、④歯科健診後、虫歯と分かっているのに歯科を受診しない児童がいるのはなぜか、⑤学校歯科健診の意義について、⑥口腔崩壊ということを聞いたが、どういうことか、⑦受診を促すにはどうすればよいと考えるか…。などの難しい内容の質問が矢継ぎ早に出されたが、橋本理事は終始冷静に1問ずつ応答した。

その中で、「虫歯がある生徒が減ってきたことは統計上、明らかになっている。しかし、中には小中学校で虫歯を多く抱えた生徒が、少数ながらまだいるのも事実。学年に1人か2人はいる。これでどうやって噛むのかなと心配になるほど」、「乳歯は生え変わるから、と言って放置する保護者もいるということだが、乳歯のうちにブラッシングや治療の習慣をつけないと、大人の歯に生え変わった後も虫歯になってしまう」などをコメントし、懸念を示唆するとともに、「受診を誘導する環境整備・対策を行うことが必要ではないか」と対応策の必要性を指摘した。

さらに、「単にむし歯だけを見るのだけでなくその人の生き方を育んでいくのが歯科検診する時の歯科医の努め」とコメントした際には、記者も思わず納得し、メモを走らせる場面も窺えた。撮影は40分ほどで終了し、ライトが落とされた。

撮影終了後も、記者から東京都内の児童・生徒の医療費補助制度とその問題点、学校歯科医が受け持つ学校数や生徒数、学校歯科検診やその後の受診促進のために行政が改善・実施すべき点など、現場の歯科医師ならではの知識や技能、経験がなければ対応できない質問が続き、橋本理事が的確な回答や指摘を行った。

取材に当たった記者が思わず、「私は、虫歯の痛みは絶対に我慢できないと思います。なのに、子どもがどうしてひどい虫歯なのに歯科診療所を受診できないのかは、大きな問題だと思います。私も一昨日の日曜日、急に歯が痛くなり休日でも見ていただける歯科診療所を必死に探し、直していただき、大変助かりました」とのエピソードを語る一幕もあった。

日本テレビでの放送は、明後日6月7日(木)午後4時以降のニュース番組となっている。

口腔内の状況に地区間格差が…/学校歯科治療調査報告書まとまる

 

学校歯科治療調査報告書/6月3日再掲

協会は3月4日、「学校歯科治療調査報告書」を取りまとめ公表しました。

昨年10月、協会は東京都の子どもの口腔内の実態を把握し、都内の子どもが安心して歯科医療を受けられる体制を広げることを目的に「学校歯科治療調査」を実施しました。都内の全小・中学校に協力を依頼し、489校(回収率23.0%)から回答が寄せられ、このたび「学校歯科治療調査報告書」を作成しました。

今回の調査では、歯科検診で要受診となる子どもは約3割で、そのうち受診に行った子どもは小学校で約6割、中学校で約3割でした。

また、東京都では、区市町村により、中学生までの窓口負担の有無が異なりますが、窓口負担のある地区はない地区に比べ、「口腔崩壊と考えられるこどもがいる」と回答した学校が多く、検診後の歯科受診率も低くなっていました。公立校、私立校でも分類しており、公立校に通う子どもは私立校に通う子どもに比べ、要受診となる子どもが多く、検診後受診率も低いことがわかりました。

意見欄には多くの事例が寄せられ、貧困を背景とした理由の他、子どもの口腔の健康に対する保護者の意識の低さや、ネグレクト、家庭不安、精神疾患、外国籍の保護者など、多様な問題点が指摘されています。

ぜひ調査報告書をご覧ください。

学校歯科治療調査報告書のダウンロードはここをクリック!!

 

 

 

厚労省に18項目の要請を実施

 5月31日、協会は、会員の要望をもとに、

2018年診療報酬改定に関する要請を厚労省に行った。

 

院内感染防止対策の評価 更なる引上げを

 2018年診療報酬改定で院内感染防止対策を評価した歯初診の施設基準が新設され、

協会では「協会の会員は全員が届出を」との方針の下、院内感染防止対策の研修を

繰り返し行ってきた。一方、参加者のアンケートでは、診療報酬の引き上げを求める意見が

多数寄せられたため、緊急に厚労省へ要請した。

 

P画像などの問題点 改善を求める

 寄せられた相談から、初診日ではなく次回に1回目の歯管の算定を行うと、

初診日に写真を撮影と説明をしてもP画像が算定できない」などの問題が

生じていることが分かり、改善するように要望した。

 

問題点があれば、ぜひご意見を

 協会は、今後も会員の声を行政へ届けていく。改定内容で改善が必要なことが

ありましたら、ぜひ協会にお寄せ頂きたい。

 

<要請項目>

1.診療情報連携共有料(情共)の依頼先に施設に配置された医師も加えて頂きたい。

 また、文書に加えてメールでの情報提供も可能として頂きたい。

2.かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の施設基準の「過去1年間にフッ化物

  歯面塗布処置又は歯科疾患管理料のエナメル質初期う蝕管理加算をあわせて10回以上算定

  していること」について、フッ化物歯面塗布処置(F局)の実績には根面う蝕のF局も含まれる

  ことを疑義解釈で示して頂きたい。

3.かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の施設基準の「(8)(5)に掲げる

  歯科医師が、以下の項目のうち、3つ以上に該当すること」の項目に、「生活保護指定医療機関、

  労災保険指定医療機関、被爆者一般疾病医療機関又は難病医療費助成制度における指定医療機関

  のいずれかの届出を行っていること」を追加して頂きたい。

4.訪問歯科衛生指導料を単一診療患者の数で評価することは止め、改定前の評価に戻して頂きたい。

5.在宅療養支援歯科診療所(歯援診)の施設基準のクの(ロ)の実績は、どちらか一方の点数の

 算定実績があればよいようにして頂きたい。

6.別建ての評価にした上で、コストに見合うよう歯初診を届出した場合の初・再診料は更に

 引上げて頂きたい。

7.これまで来院していた患者にも口腔機能低下症に関する管理の費用が算定できるように、

 歯科疾患管理料(歯管)の1回目の算定期限を撤廃して頂きたい。

8.口腔機能に関する管理を推進するために、小児口腔機能管理加算(小機能)、口腔機能管理加算

 (口機能)及び口機能に関する検査の費用を引上げて頂きたい。

9.口腔機能低下症の評価について、複雑すぎるので分かりやすい要件にして頂きたい

10.総合医療管理加算の対象疾病の中に、歯科治療時医療管理料の対象疾病も加えて頂きたい。

11.改定前の床副子についても口腔内装置1又は2に該当する場合は口腔内装置調整の点数を

  算定できるなど、改定前後で区分や名称変更が行われた点数について移行に関する疑義解釈を

  発出して頂きたい。

12.口腔内装置調整の点数は、装着時も算定ができるようにして頂きたい。

13.口腔内装置の咬合採得は、口腔内装置2であっても算定ができるようにして頂きたい。

14.歯周病患者画像活用指導料は、口腔内写真検査と同様に、歯管などを算定していない場合でも

 算定できるように改めて頂きたい。

15.口腔粘膜処置は月に複数回を行った場合でも、その都度算定できるようにして頂きたい。

16.再度の感染根管処置におけるEMR、根充及び加圧根管充填処置も算定できるように、

  疑義解釈を発出して頂きたい。

17.歯科衛生実地指導料(実地指)などの対象疾病である歯科疾患についてお聞きしたい。

18.レセプトの摘要欄記載を増やさないようにして頂きたい。

2018年度東京歯科保険医協会第46回定期総会のご案内

2018年度東京歯科保険医協会第46回定期総会のご案内

◆と き 2018年6月10日(日)  午後2時~7時45分

◆ところ 中野サンプラザ/中野区中野4-1-1

交 通:JR中央・総武線、東京メトロ東西線「中野駅」北口正面

☆第46回定期総会を下記日程で開催します。2017年度の活動を振り返るとともに、今後1年間の協会活動の方針を論議・決定します。ぜひ、ご出席ください。

第1部

【総 会】

・時  間:午後2時00分~4時15分

・場    所:11階「アネモ」ルーム           

・総会議事

第1号議案/2017年度活動報告の承認を求める件   

第2号議案/2017年度決算報告の承認を求める件  

     付・会計監査報告

第3号議案/2018年度活動計画案の件

第4号議案/2018年度予算案の件

第5号議案/選挙管理委員の承認を求める件

第6号議案/決議採択の件

※総会は会員の方々が協会活動に対し自由に発言できる場です。今回の改定に関するお考えや協会への要望、期待することなどをご発言ください。

第2部

【記念講演】

・時   間:午後4時30分~6時00分

・場   所:11階「アネモ」ルーム

・テ ー マ:「2018年歯科診療報酬改定の考察と今後の展望」

・講      師:坪田有史氏(東京歯科保険医協会会長)

第3部

【懇 親 会】

・時     間:午後6時15分~7時45分

・場    所:11階「ブロッサム」ルーム

坪田有史会長

好評価受けた「歯科の院内感染防止対策」/第68回メディア懇談会で参加取材陣から指摘

好評価受けた「歯科の院内感染防止対策」/第68回メディア懇談会で参加取材陣から指摘

5月11日、協会会議室で第68回メディア懇談会を開催。メディア側の参加は4社・4名で、協会からは坪田有史会長が説明を行い、司会進行は広報・ホームページ部長の早坂美都理事が行った。

今回の話題は、①2018年歯科診療報酬改定に関する新点数説明会や院内感染防止対策講習会、地区懇談会開催などの協会側の対応、②協会独自作成の改訂版の冊子「絵で見る色でわかる歯科の院内感染防止対策」の紹介、③マイナンバー関連、④6月10日開催の第46回定期総会の取材案内―などを説明、報告した。

これらのうち①に関し、メディア側から「初・再診料の減産につながる感染防止対策講習受講樹交渉の届出をめぐり、現場が混乱していると聞いているが、実際はどうか」との質問があり、坪田会長が「診療所の歯科医師、それも外来だけの歯科医師は、日常の診療業務などの中で厚生局や保健所への届出を行う機会が非常に少ない。しかも、今回の改定に伴う届出は、提出期限が込み入っている。また、摘要欄記載が非常に増えており、それへの対応も手間がかかる」などの状況を説明した。

また、改訂版冊子については、他団体でも類似内容の冊子を作成しているものの、文字ばかりで内容が非常難しいことなどを指摘する声があがったほか、「感染防止対策の講習会を受講するのは歯科医療機関の長である歯科医師。しかし、日常業務の中で実際に感染防止対策を実施するのはスタッフ。つまりテキストは、実施する機会の多いスタッフが理解し、実践できる内容でなければ意味がない。協会の冊子はその点で非常に分かりやすく、イラストも良いのではないか」「日本の歯科診療所の実情に沿った内容」「昨年のハンドピース関連報道にも配慮した内容」などの好評価を受けた。

歯科診療報酬改定の関連通知など踏まえ解説/2018年診療報酬改定新点数説明会

 

歯科診療報酬改定の関連通知など踏まえ解説/2018年診療報酬改定新点数説明会 

◆届出書類の記載例も紹介

4月26日、なかのZERO大ホールで第4回新点数説明会を開催。734名が参加した。

2018年診療報酬改定では、施設基準の新設や見直しが多く、会員の中からも「理解し切れない」との声が多く聞かれていた。

そのため、相談が多い内容を中心に協会社保・学術部担当の加藤開副会長、本橋昌宏理事が解説を行った。

解説では、診療情報連携共有料(情共)は、医科で行われた検査結果や服薬状況などの診療情報の提供を依頼する場合に算定できること、咀嚼能力検査や咬合圧検査を算定する場合は施設基準を届出する必要があることなどを解説した。

また、「初診料注1」の施設基準、新設された情共、口腔機能低下症における口腔機能管理加算および口腔機能発達不全症における小児口腔機能管理加算については、実際の届出書や提供文書の記載例を示しながら、実際の届出や算定を行う際の注意点を解説した。

参加者に行ったアンケートでは、ナイトガードの調整料や診療情報連携共有料の算定または算定予定であるとの回答が多く寄せられた。

◆分りにくい内容は厚労省に直ちに改善求める

一方、改善を求める点については、「細かすぎる」「なかなか難しくて理解ができません」「もう少しシンプルにならないものか」などの声が多く寄せられた。

また、分りにくいとする内容については、「施設基準が複雑すぎて分かりづらい」、「か強診、小児口腔機能管理加算、口腔機能管理加算」、「咬合調整のイロハニの摘要欄記入」などあり、施設基準、算定要件、レセプトの摘要欄記載などが分からないとする意見が多かった。

協会では、会員の声をいち早く厚労省に伝え、改善を求めて行く。

歯科医療機関向け「院内感染防止対策講習会」を開催/2018年診療報酬改定施行に合わせて協会が独自企画で開催

 

歯科医療機関向け「院内感染防止対策講習会」を開催/2018年診療報酬改定施行に合わせて協会が独自企画で開催

平易な表現ながら熱弁をふるった濱﨑啓吾理事

協会は本日4月26日、歯科医療機関の「院内感染防止対策講習会」をなかのZERO大ホールで開催。約750名が参加した。講師は協会の院内感染防止対策委員会委員長の濱﨑啓吾理事が務め、①院内感染防止対策の基本、②歯科器材処理、③日常的な対策、④針刺し事故への対応とワクチン接種、などを解説した。

この講習会は、2018年診療報酬改定で導入された「歯科点数表の初診料の注1に規定する施設基準」の届出に必要な研修として企画、開催したもので、本日午後6時30分から開催する第4回新点数説明会に先立ち、同日の午後3時30分から1時間にわたり開催したもの。

冒頭の挨拶で協会の坪田有史会長は、会員すべてがこの施設基準に対応できる機会を設けるため、5月以降の同様の講習会を開催して行くとし、さらに「今日の講習会で、会員各位とそのスタッフはもとより、患者さんと国民のための院内感染防止対策を学んでほしい。きちんとした感染防止対策を行うことは、会員歯科医師自身の身を守ることにもつながる」と述べた。

坪田有史会長

◆テキストには改訂版「歯科の院内感染防止対策」を使用

講習会のテキストには、協会で発行した改訂版の冊子「絵で見る 色でわかる 歯科の院内感染防止対策」を使用。参加者に無料で配布した(参加できなかった会員には、5月の連休明けに「歯科保険診療の研究2018年版」と合送する)。

◆濱﨑理事講演のポイント

講師の濱﨑理事は、 ①院内感染防止対策の基本、②歯科 器材の処理、③日常的な院内感染防止対策、④針刺し事故への対応とワクチン接種―の4本を柱に解説し、感染成立の3要素 として①病原体(感染源)、②伝播経路(感染経路)、③宿主(感受性)―があり、院内感染防止の基本はこの3要素への対応であると、重ねて解説を加えた。また、感染防止における機材の処理では「滅菌よりもまず洗浄が大事」とし、細菌数を減らし、細菌の毒素を除去するための洗浄が重要であることを指摘した。

◆施設基準の届出について

届出にあたっては、院内感染防止対策として滅菌装置(オートクレーブ)を備え、患者ごとに必要な滅菌体制を整えていることが必要。歯科の院内感染防止対策が診療報酬で評価されてはいるが、施設基準としての届出が必要となり、届出をしない場合には初・再診料が減算される。このペナルティーに関しては、協会は「問題あり」として、去る3月27日に開催した第1回新点数説明会の「決議」でも1項目として掲げている。

 

 

歯科訪問診療などの重要ポイントを説明/在宅医療中心の第3回新点数説明会を開催

 

歯科訪問診療などの重要ポイントを説明/在宅医療中心の第3回新点数説明会を開催

協会は本日4月23日、なかのゼロ大ホールで在宅医療の内容に限定しての第3回新点数説明会を開催した。会員とそのスタッフの参加者は719名であった。前回および前々回改定時のこの説明会の参加者は2016年改定時は約700名、14年改定時は約600名であり、改定の度に参加者数は増加をたどっており、歯科訪問診療や介護報酬に対する会員の関心の高まりがうかがえる。

坪田有史会長

 

 

 

 

 

 

 

 

冒頭で挨拶に立った協会の坪田有史会長は、今次改定の中で地域包括ケアシステムが大きな位置を占め、その柱となっているのが在宅医療であり、歯科訪問診療料の見直しに関して留意すべき8項目として、①20分未満が厚くなった、②訪補助の拡大、③歯援診はハードルが高くなった、④訪衛指も同一建物と単一建物の概念が入るなど大きく変わった、⑤歯在管、⑥在宅等療養患者専門的口腔衛生処置、⑦訪問口腔リハビリテーション指導管理料、⑧小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料―を指摘した。

◆馬場副会長講演内容

続く講演では、馬場安彦副会長が今次診療報酬改定は2025年問題、さらに2035年問題を見据えた改定であり、歯科訪問診療が大きく重視されていることを強調。その改定内容は多岐に渡っているため注意が必要と指摘した。その上で、歯科訪問診療料、訪問歯科衛生指導料、歯科疾患在宅療養管理料、口腔機能発達不全症や口腔機能低下症、それに関わる検査など丁寧に解説、「各先生、各診療所にあった形を作っていくことが大事」とした。また、歯科訪問診療料は、これまでエンジンなどの切削器具を携行していた場合に算定していた急性対応加算が歯科訪問診療料に包括され、切削器具の携行が必須になったことを説明。さらに、歯在管と居宅療養管理指導費についても重要ポイントを解説した。

◆橋本理事講演内容

続いて橋本健一理事が、施設基準の届出と介護保険の改定の要点を解説した。施設基準の届出では、歯援診、か強診は要件が変更されたが、2018年3月31日までに届出を行った医療機関では、2020年3月31日まではそれぞれ歯援診Ⅱ、か強診の要件を満たしていると見なされるため、慌てて届出をする必要はないことを強調した。介護保険については、地域包括ケアシステムの構築を推進する観点から、医療と介護の情報連携が強化された点に触れた。また口腔衛生管理の充実が図られた点に着目し、歯科の役割が重視されていると述べた。居宅療養管理指導費では、訪問歯科衛生指導料と同じように、人数の考え方が、同一日の同一建物人数から同一月の同一建物人数へと、日単位から月単位の考え方に変わった点に言及。これは従来とはまったく異なる考え方であり、混乱しやすい部分であると注意を呼びかけた。

◆横山理事は2症例を解説

山靖弘理事は、訪問診療の二症例を解説した。今次改定で変更されたポイントを中心に、カルテ記載の注意点なども説明した。

馬場安彦副会長

横山靖弘理事

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初鹿衆院議員が『子どもの生活底上げ法案』で講演会/保団連が4.19国会要請行動と同日に開催

 

初鹿衆院議員が『子どもの生活底上げ法案』で講演会/保団連が4.19国会要請行動と同日に開催

保団連は本日4月19日、国会要請行動の開始前に、初鹿明博衆議院議員(立憲・比例東京)による講演会「『子ども の生活底上げ法案』提出者として法案提出の意義と国会での議論について」を開催した。

 

初鹿氏は、法案を提案した動機とその背景について「今、日本は子どもの6人に1人が貧困状態にある。このような深刻な状況を放ってはおけない」とし、さらに今国会で子どもの貧困の解決を目指す「子どもの生活底上げ法案」を自身の立憲民主党のほか、希望、民主、共産、自由、社民の5野党とともに共同提案していることを報告した。6野党とも、今年10 月から生活保護費が減額されるジョ右京の下で、貧困の連鎖を断ち切り貧困世帯の子どもの生活の安定が必要と考えている点で意見が一致しているとした。

◆生活保護の改善提案

さらに、日本の生活保護の問題点に言及し、日本の生活保護の捕捉率は非常に低いため、低所得の最下層の人々は憲法で定める「健康で文化的な最低限度の生活」以下の生活をしていると言ってもよい状況にあると指摘。このままその比較で基準引き下げを続けると、生活保護基準も憲法で定める「最低限度の生活」以下になってしまいかねないと、危機感を表明した。また、現行制度では生活保護世帯で子どもが高校を卒業すると、世帯分離しなければな らない現実にある点に触れ、「生活の実態は変わらないのに、世帯人数が変わったとみなされる。そのため、支給される生活保護費が減ってしまう」とし、これが原因で「生活保護世帯の子どもたちは大学進学をあきらめることが多い」と報告した。そして、6野党共同提案となっている底上げ法案の特徴として、①高校卒業後も世帯分離を不要とし、世帯を単位とする保護を受けながら大学・専門学校等に通えるようにする、②現在、高校卒業までとされている児童扶養手当の支給対象を20歳までに拡大する、③支給額を月1万円増額する、④家計管理支援のため、現行の年3回の支給を改め、毎月行うようにする―などを紹介した。

2018年新点数説明会「決議」

2018年新点数説明会「決議」

2018年度歯科診療報酬の改定率は、わずか0.69%のプラスとなった。身を削る思いで経営を維持している歯科医療機関の状況を改善するには、程遠い改定率である。

改定では初診料・再診料に院内感染防止対策の施設基準が設けられた。歯科ではこれまでもできうる限りの対応を取ってきている。にもかかわらず届出しないと減算される仕組みの導入は問題だ。本来、初診料・再診料は縛りが無く算定されるべきで、懲罰的な減算を行うべきではない。そもそも院内感染防止対策の費用は別立てで行うべきであると協会は以前から厚労省に要請してきた。

歯科衛生士の雇用や委託技工料問題も深刻な状況が続いている。十分な費用を保障せず、歯科医院の経営努力のみに責任を押しつけるやり方には問題があり、改善を求める。

財務省は「75歳以上の患者窓口負担の原則2割化」を推し進めるなど、更なる改悪を進めようとしている。貧困層の拡大が問題視されている中での負担増は、受診抑制に繋がり、更なる疾病の重症化を招く。

私たちは、診療報酬の引き上げとともに、患者さんが安心して受診できるよう、新たな患者負担増は行わず、患者窓口負担軽減を求めるものである。

 

 

                           記

 

 

一、初診料・再診料に包括した院内感染防止対策費用は実施するのに必要な額とし、別途評価すること。

 

一、医療機関の格差拡大・選別に繋がる施設基準は見直すこと。

 

一、歯科技工士、歯科衛生士の評価を抜本的に高め、診療報酬として評価すること

 

一、75歳以上の窓口負担2割化を始めとする新たな患者負担増の計画は中止し、

患者窓口負担を軽減すること

 

一、社会保障費の削減は止め、医療・介護・福祉等を重視した政策に転換すること。

 

 

2018年3月 

東京歯科保険医協会 新点数説明会

参加者一同

会場壇上から参加者を外観

 

歯科診療所の選別と患者の選別が同時に遂行されていく/保団連の宇佐美副会長が問題点浮き彫りにする

 

 

歯科診療所の選別と患者の選別が同時に遂行されていく/保団連の宇佐美副会長が問題点浮き彫りにする

保団連は4月19日、衆議院第2議員会館内で「改めて診療報酬改定の改善を求める国会内集会」を開催した。全国から150名余の会員が参加し、協会からは坪田有史会長と橋本健一理事,

事務局が参加した。

まず、保団連の武村義人副会長が以下の立場から今次改定の問題点として、かかりつけ医機能強化、入院から在宅への診療シフト、オンライン診療保険導入などをあげ、その改善を強く求めた。次に、歯科について宇佐美宏副会長(歯科代表)が説明し、初・再診料への院内感染防止対策の施設基準の導入、かかりつけ歯科医機能型歯科診療所要件などが大きな変更点だが、今後に向けさらに懸念される問題点を内包しているおり、改善が必要と強調した。

保団連の宇佐美宏副会長(歯科代表)

さらに宇佐美副会長は、現状について」歯科の公的医療費に占めるシェアは、1980年代以降は約40年間右肩下がりで減少し続け、直近では7%程度長年、低医療費政策で歯科診療をしてきたことは事実。当然ながら、歯科医院の経営は厳しい状況」と指摘した。そして、今次改定のポイントとして、①院内感染防止対策を理由に歯科外来にのみ、基本診療料の減算制度が持ち込まれ、新たな施設基準が設定、②かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)などの新たな算定要件を追加見直し―の2点を挙げ、算定のために揃える機器購入・費用を自院に支出させる方法をするのでなく、その対応が可能になる基本的な診療報酬アップがあって、次の対応に進むのが合理的な判断ではないかと訴えた。か強診については、地域包括ケアへの対応として在宅医療の推進を掲げることへは理解を示しつつ、「か強診 、非か強診と、明確に診療行為が同じでも点数に相違をもたらし、一物二価を持ち込んだ。これは、診療所間での格差をつけたことで、結果からすれば、これは、歯科診療所の選別と患者の選別が同時に遂行されていくことになりる」とし、大きな問題点を浮き彫りにした。

2018年 春の共済募集キャンペーン 始まりました!

2018年 春の共済募集キャンペーン

募集期間:4月1日(日)~5月25日(金)

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*共済制度への加入や説明を希望される場合は、協会にご連絡いただくか、下記リンクからメールで送信して下さい。メールをいただいた場合は、担当者よりご連絡させていただきます。この機会に会員だけが加入できる共済制度をご検討ください。

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チラシのダウンロードはこちらからどうぞ

 

歯科診療報酬改定内容確認のため1600名が参加/第2回新点数説明会

 

歯科診療報酬改定内容確認のため1600名が参加/第2回新点数説明会

協会は3月29日、文京シビック大ホールで第2回新点数説明会を開催した。27日の第1回説明会後ではあったが、今回の歯科診療報酬の内容を確かめるため詰めかけ、参加者数は第1回の約1200名を上回る約1600名に及んだ。

今回の進行は、社保・学術部の岡田部員の司会で進められ、冒頭で坪田有史会長があいさつの中で、施設基準と届出が多数に及んでいること、届出のタイミングが難しいものが多数存在していること、院内感染防止対策の施設基準は協会では全会員に届出をしてほしいと考えており関連講習会を4~6月にかけて開催することなどを指摘。さらに、少子高齢化やそれに伴う口腔疾病構造の変化など、社会変容の中で会員それぞれが置かれた環境によって、必要な選択をすることが重要だとした。また、日頃会員が考えていることを要望として取りまとめ、行政側に提示することが協会の役目であるとした。

引き続き、社保・学術部長の加藤開副会長が、今回の改定のポイント、注意点などを説明、解説した。本橋昌彦理事が症例をもとに歯管の口腔管理加算や診療情報連携共有料、高強度硬質レジンブリッジ、訪問診療の算定などについて説明を加えた。質疑応答には、島倉洋造・川本弘各社保・学術部員があたった。

なお、今回は、歯科関連専門誌3社の取材を受けている。

会場壇上から参加者を外観

会場後方からステージを臨む

2階席からの遠望

 

 

 

 

 

歯科診療報酬改定で第1回新点数説明会/1200名が参加

 

歯科診療報酬改定で第1回新点数説明会/1200名が参加

協会は、本日3月27日、なかのZERO大ホールで、2018年度歯科診療報酬改定新点数説明会を開催した。参加者は1198名に及んだ。

冒頭、まず挨拶に立った坪田有史会長は、今次改定で、厚生労働省は臨床への評価を行っており、その点は評価できるとした上で、施設基準と届出の多さは並大抵ではないが、院内感染防止対策の施設基準は、協会のすべての会員の先生方に届出をしてほしいと考えていることを強調。協会として「対応した研修会も企画、準備している。ぜひ参加して届出してほしい」と強調した。さらに、「各歯科診療所にこれからどのような方向性をもって進んでいくのかが、いま、問われている」と述べた。また、「会員歯科医師各員の意見を吸い上げ、行政側に伝える。それが協会の役目」とし、今後の協会活動への協力を求めた。

 

 

 

 

 

◆今次改定の特徴点

続いて、社保・学術部長の加藤開副会長が今次改定の解説を行い、その特徴・として、①院内感染予防対策が導入された、②医科歯科連携が進んだ、③子どもからお年寄りまでの管理が進んだ、④新規技術の導入が図られた、⑤施設基準がさらに広がった―などを挙げ、協会の分析に基づく解説を加えた。

◆感染対策施設基準は9月までに届出を

さらに、初・再診料等に新たに導入された院内感染予防対策の施設基準は、「本年9月末までに届出を行う」ものである点に注意を喚起。ただし、「講習については来年3月末までに受講すればよいため、あわてる必要はない」とし慌てず、忘れずに届出を行うよう求めた。

◆新たな病名により口腔管理の評価広がる

また、新たな病名が入ったことにより、15歳未満を対象とした小児口腔機能管理加算と65歳以上を対象とした口腔機能管理加算が導入された点を指摘し、「子どもやお年寄りへの口腔管理に活用してほしい」と説明した。

◆その他の留意点

加藤副会長に続き、本橋昌宏理事から症例をもとに歯管の口腔管理加算や診療情報連携共有料、高強度硬質レジンブリッジ、訪問診療などの算定について、具体的に説明を行った。

会場からは院内感染防止対策の届出に必要な機器や届出を行う時期について、再届出が必要な施設基準などについての質問が多く寄せられ、濱﨑啓吾理事と岡田尚彦社保・学術部員から回答を行った。

理事会声明「歯科医療機関の機能分化が進む2018年改定/患者の受ける医療にも格差が広がる」/機関紙2018年3月1日号(№577)3面掲載

理事会声明「歯科医療機関の機能分化が進む2018年改定/患者の受ける医療にも格差が広がる」/機関紙2018年3月1日号(№577)3面掲載

厚生労働省は3月5日、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」等関連通知を発表した。その内容は、地域包括ケアシステムへの対応が中心となり、日常的な診療行為への評価は、組み替えや変更などが目立ち、引き上げも僅かな点数に止まった。長年、不採算と言われてきた処置や補綴などは改善には程遠い改定となった。

協会は改定に向け現場からの要望をまとめ、数次にわたり厚労省に要請を行ってきた。その結果、日常診療で診療内容の情報共有が進むよう診療情報連携共有料が新設されたことなど、現場の声が反映された項目も複数見られる。また、小児や高齢者に対する口腔機能管理が新設されたこと、歯科衛生実地指導料の対象患者の拡大など今後の診療の広がりが期待される。

一方で、歯科医療機関の機能分化、格差拡大が進行した。

在宅療養支援歯科診療所(歯援診)やかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の施設基準が強化され、機能分化が図られた。

施設基準には訪問診療や紹介の実績が盛り込まれ、外来診療中心の医療機関ではとても届出を行うことはできない。成果・ノルマを課すようなやり方は問題である。

また、施設基準の届出を行うためには、機材や人員確保が必要となる。元々小規模な歯科にとって、新たな投資は重荷だ。昨年発表された医療経済実態調査にも表れているように、多くの歯科医療機関の経営は厳しい。体力の有る無しで患者に提供できる医療内容に差があってはいけない。医療機関間の格差は、通院している患者の格差にも通じる。

今次改定では、新たに初・再診料に院内感染防止対策が包括され、施設基準が設けられた。

通常の施設基準は、届出を行えばプラスの評価がされ点数が加算される。しかし今回、届出を行わない場合は、初・再診料が減算となる施設基準が導入された。施設基準を懲罰的に使うことには反対である。

また、設定された点数はコストに対してまったく足りていない。必要な金額よりもはるかに低い金額で導入し、実施責任のみ医療機関に押しつけるやり方は問題である。医療保険制度で行われる感染防止対策は、保険財源で必要なコストを賄うべきであり、改めて別立てによる評価を求めたい。

さらに、歯科の地域包括ケアシステムへの組み込みが進んだ。地域包括ケアシステムは、概ね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域(具体的には中学校区)を一単位として想定されている。今後、地域に増加する高齢者を支えるうえでも、地域包括ケアシステムへの歯科医療機関の参画は必要だ。

しかし、ハードルが上げられた歯援診やか強診が中心となるため、多くの医療機関ではシステムに参画することが困難となっている。

歯援診の強化とともに、歯科訪問診療料等が変わった。訪問歯科衛生指導料の算定単位を「単一建物」にしたことで、月末を迎えるまでは患者への請求金額が定まらないこととなった。「単一建物」で1名のみ診る予定だったが、月末に複数名になった場合など、患者に説明していた金額が変わる。現場が混乱するだけである。

また、20分未満の算定が不可となることで、訪問診療を支えていた歯科衛生士の雇用を支えきれなくなることも心配である。

歯科訪問診療に関する点数は1988年の導入以来、考え方や点数が何度も変わり今日に至っている。さらに、高齢者が増加する中で安定して歯科訪問診療を推進する方針であるならば、改定の度に算定方法や考え方が変わらないようにすべきだ。

今年、政府はさらなる患者負担増を行おうとしており、患者が必要な歯科医療を受けられなくなることが懸念される。経済的な理由で医療機関に行けない患者があってはならない。歯科医院の経営改善と患者負担増を止めることは、歯科においての喫緊の課題である。 協会は、患者が安心して歯科医院に通えるように、引き続き歯科医療費の総枠拡大とともに、患者負担増反対に向けた運動を推進していく。

2018年3月8日

東京歯科保険医協会

第22回理事会

歯科診療報酬改定や学校歯科治療調査結果報告めぐり意見交換/第67回メディア懇談会を開催

 

歯科診療報酬改定や学校歯科治療調査結果報告めぐり意見交換/第67回メディア懇談会を開催

協会は本日3月9日、協会会議室で第67回メディア懇談会を開催した。参加者は5社5名。話題提供と説明は、社保・学術部長の加藤開副会長、司会は早坂美都広報部長が務めた。

話題は、今次歯科診療報酬改定をめぐる内容で、特に院内感染防止対策と施設基準、およびそれに伴う初診・再診料について。また、診療不報酬改定に関する中医協の「答申」内容と、これを受けての協会の政策委員長「談話」についてを中心に、3月4日に発表し、日本歯科新聞3月6日号1面に掲載された協会地域医療部の「学校歯科治療調査報告書」も取り上げ、加藤副会長が説明を加えるとともに、参加者からの意見を伺った。

社会的にも問題になった、経済格差による受診との関係については、「ほとんど子どもの受診には、窓口負担で受診率の相違が出ており、子ども口腔環境に影響が関係があると想定でき、改めて“窓口負担”の問題を考える、子どもに対する窓口負担の全額助成を行い、懸念することなく子どもが歯科受診できるようにすることが必要」と説明した。

出席したマスコミ側からは、「自分の小学校時代は、学校で歯科の健康については『歯磨きが大事』程度の指導しかなかった。学校歯科の問題もあるのではないか」「成人になってからは健康意識を培うのは難しく、幼少時代に適正な歯科口腔保健の指導・教育が必要」「歯科と健康、医療保険制度、年金保険制度などについて、中学校や高校の『保健』の授業では、ほとんど教えていないのではないか。そこをきちんと教える時間を設けるよう、行政に要請してはどうか」などの意見が出された。

加藤開副会長

 

 

 

 

 

 

 

医科系メディアから見た歯科医療界⑫完 日本医師会を軸に医療界「連携」の時代を/医科歯科連携を推進する環境に

日本医師会を軸に医療界「連携」の時代を/医科歯科連携を推進する環境に

本年2月7日、中央社会保険医療協議会が加藤勝信厚生労働相に2018年度診療報酬改定を答申。これを受け同日、日本医師会・日本歯科医師会・日本薬剤師会の三師会、および日医・四病院団体協議会の合同記者会見が開催された。主要団体のトップが顔をそろえ、今回の改定をおおむね評価したことは、今の医療界の状況を象徴していた。

厚生省と徹底対決して「ケンカ太郎」の異名を取った武見太郎会長時代の日医は、病院団体との関係も悪化していた。しかし、現会長の横倉義武氏は、病院団体はもとより医療関連団体との「連携」を重視してきた。横倉氏が会長になって初めて三師会会長がそろって診療報酬プラス改定を自民党に要望したり、三師会や四病協と合同記者会見を行ったりするようになった。横倉日医を中心にして医療界は調和が取れるようになってきたのだ。「医療界はバラバラのほうがコントロールしやすい」と言っていた政治家や官僚にとって、厄介な事態だろう。まして、横倉氏は安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相とは親しい関係にある。厚労族や霞が関を飛び越え、政権中枢と直接交渉できる。前回を上回る診療報酬プラス改定を主導し、日本人としては3人目の世界医師会会長に就いたことで、6月の日医会長選では四選確実と見られている。9月の自民党総裁選で安倍氏が3選すれば、麻生氏も財務相を留任するだろう。そうなれば、次回改定でも「安倍・麻生・横倉」の3氏が大きな影響力を持つ。医療界はこの流れに乗っているようだ。

合同記者会見の中で日歯の堀憲郎会長は、医科歯科連携に関して、患者の診療情報を共有する診療情報連携共有料の新設などを評価した。横倉会長も口腔の健康と全身の健康が密接に関係していることに理解を示した。さらに、日医と日歯は現在、糖尿病に関する連携を議論しているという。堀会長は、横倉会長の世界医師会会長就任祝賀会にも来賓として招かれ挨拶するなど、横倉会長とは良い関係を築いている。

このような中、日本歯科医師連盟の迂回献金事件で東京地方裁判所は1月、政治資金規正法違反の罪に問われた会計担当の元副理事長に禁錮2年、執行猶予3年の判決を言い渡した。2月には、元日歯連会長2名の論告求刑公判で検察は禁錮16カ月と同2年、団体としての日歯連に罰金50万円をそれぞれ求刑した。医療界が連携する中で足並みを乱すだけでなく、歯科医療界のイメージを大きく損なう事態だ。さすがに3回目はもう起きないだろう。

2019年10月には消費税率10%への引き上げが予定されている。横倉会長は控除対象外消費税問題の解決に向け、他団体の意向を確認した上で、医療界が一つになった提案としてまとめ、早期に政府・与党に要望する方針だ。医療界、歯科医療界が良い方向に向かうことを願ってやまない。

なお、本欄は今回が最終回。1年間ありがとうございました。

 

筆者:元「月刊 集中」編集長 鈴木義男

「東京歯科保険医新聞」201831日号6面掲載

日本歯科大学新潟生命歯学部が歯科訪問診療専門の「日本歯科大学在宅ケア新潟クリニック」を開設へ/オープンは4月の予定

日本歯科大学新潟生命歯学部が歯科訪問診療専門の「日本歯科大学在宅ケア新潟クリニック」を開設へ/オープンは4月の予定

日本歯科大学新潟生命歯学部は、新たに歯科訪問診療を専門に行う「日本歯科大学在宅ケア新潟クリニック」を三条市須頃に開院する。開院は本年4月の予定だ。すでに地元新潟県内の新聞やテレビなどでは紹介されており、注目されている。

医療法の規定に基づき、同診療所から半径16キロ以内の三条市、燕市、加茂市、見附市、長岡市、新潟市西蒲区がその範囲に入る。同市内で通院が困難な高齢者や障がい者がを対象になる。診療の現場には、歯科医や歯科衛生士のほか、学生も同行して教育の場としても活用する方針という。診療は平日の午前10時~午後4時になる予定。

同大は、すでに東京都花小金井市内に、摂食不良や嚥下問題、会話機能などにも対応する「口腔リハビリテーション多摩クリニック」(菊谷武診療所長)をスタートさせ、歯科医療界の注目を集めている。

政策委員長談話「歯科の役割が発揮できず、細かすぎて混乱を生む改定」/機関紙2018年3月1日号(№576)1面掲載

 

政策委員長談話「歯科の役割が発揮できず、細かすぎて混乱を生む改定」

◆コストを考慮しない院内感染防止対策の評価

 次期改定では、院内感染防止対策の施設基準を新設するが、初・再診料や歯科訪問診療料などの基本診療料を算定するために、施設基準の届出を必要としたのは問題である。包括して評価するのではなく、別項目を作り評価すべきだ。

 2007年7月18日、中医協診療報酬基本問題小委員会での「平成18年度医療安全に関するコスト調査業務」では、外来患者1人1回あたりの院内感染防止対策に必要なコストは、有床診療所並みの268.16円とされている。今回の引き上げはそれには遠く及ばない額であり、さらなる引き上げを要求する。

◆継続管理できない患者を生むか強診・歯援診見直し

 地域包括ケアシステムの構築のため診療情報連携共有料が新設された。これにより、患者の服薬状況などの情報提供を医科に依頼しやすくなった。医科歯科連携を推進する観点から、協会が繰返し厚労省へ要望した内容の反映であり、評価したい。

 しかし、か強診や歯援診は、施設基準に、訪問診療、SPTおよびエナメル質初期う蝕の管理などの算定実績や多職種連携に係る会議への参加などの地域連携に関する実績が追加され、要件が一段と厳しくなった。届出をできるところとできないところの差がはっきりし、選別が図られた。 

 2年の経過措置があるとはいえ、改定前のか強診や歯援診の歯科医療機関が全て新しい要件を満たせるかは不透明である。特に、新しいか強診の施設基準を届出できない場合は、SPT(Ⅱ)で診ていた患者の継続管理ができなくなり、国に対策を求める。

◆口腔機能管理加算のハードルが高く患者に提供できない

 また、口腔機能の評価として老化などにより口腔機能が低下した患者に対する口腔機能管理加算が新設された。疾病構造の変化に対応した評価ではある。しかし、答申で示された算定要件は、学会の診断基準より厳しく舌圧検査、咬合圧検査、咀嚼能力検査などを行うことが必須条件とされている。高価器材の購入を施設基準や算定要件にする手法には違和感を覚える。学会の基準を超えた過度なハードルを課し、患者に提供できない問題を生むことには反対である。

◆医療費削減をやめ役割が発揮できる改定を

 全身麻酔下で手術を行う場合は口腔管理がスタンダードになりつつあるなど、歯科が果たすべき役割が大きくなっている。改定では医科歯科連携が評価された。

 しかし、医療費削減政策で歯科の改定率はわずか0.69%に留まっており、その結果新しい項目ができても算定要件には高いハードルが課せられ、多くの医療機関では取り組めなくなるなど歯科の役割が発揮しづらい改定内容になっている。また、点数表も細かく複雑になり、混乱を生じかねない。

 本談話は、必要な患者に歯科医療を提供する視点から、適切な改定を求めるものである。

2018年3月1日

東京歯科保険医協会

 政策委員長 松島良次

 

2017年度 託児(保育)サービスのご案内

 

 

 

 

 

 

小さなお子様がいらっしゃる会員の方々も、新点数説明会に参加ができるよう、一部の会場内に託児所を設けています。託児(保育)サービスをご利用される皆様がより良い環境で説明会に参加されることを願っております。

 

1.対象および定員

①会員のお子様

②生後6ヶ月~6歳(未就学児)

③定員は15名です(定員となり次第、締切りとさせていただきます)。

 

2.開設日および時間

下記期日に託児所を開設致します。託児(保育)サービスのご利用時間・会場場所をご確認の上、会場受付までお越しください。

【開設日】 

①3月27日(火) /託児所:なかのZERO大ホール(3Fの楽屋4)

②3月29日(木) /託児所:文京シビック大ホール(B1Fの楽屋8)

 

【利用時間】  

16:30~21:00

※会場受付後、専用ブースへお越しください。係りの者がご案内いたします。

 

3.利用料金

お一人様につき1,000円となります。料金は、当日受付でお支払いください。

 

4.ご利用方法

①託児(保育)サービスの利用には、事前予約が必要です。

ご希望の方は、3月15日(木)までに協会へご連絡(03-3205-2999)ください。

 

②ご利用者について

利用申込書・同意書をお送りいたしますので、必要事項をご記入の上、当日直接託児所にお持ちください。なお、利用申込書は当日のお子様のご様子を知るため、また、保護者様よりお預けいただくことの同意も兼ねた書類です。個人情報の取扱には十分留意すると共に、該当する託児サービス以外では使用いたしません。

 

③お子様の健康状態

微熱であっても発熱がある場合や、伝染または感染するおそれのある病気の場合はご利用できません。なお、投薬等の医療行為も行なっておりませんので予めご了承ください。

 

④お引渡しについて

お預かりの際に、保護者の方にはお引渡しカードをお渡しいたします。セキュリティの都合上、お迎え時にはお引渡しカードを必ずご持参ください。なお、お預けに来られた保護者様とは異なる方のお迎えになる場合は、事前にお申出ください。

 

5. 持参物

当日は、別途お送りする「利用申込書・同意書」および「サービス利用のてびきをご覧の上、ご持参ください。

(参考)

利用申込書、替え用オムツ、おしりふき、ハンドタオル、お着替え(下着など)、お飲み物

必要に応じておやつ【乳幼児用のビスケットやスナック類に限る(未開封・冷蔵不要のもの)】

※お荷物はすべてに記名しひとつにまとめてご持参くださいますようお願いいたします(哺乳瓶への記名もお願いいたします)。

※調乳は保護者の責任下においてお願いをしております。

※会場の関係で、使用済みのおむつはお持ち帰りいただきますので、予めご了承ください。

 

6.キャンセル

キャンセルにつきましては、①は3月26日(月)、②3月28日(水)の12:00までに協会まで連絡ください。

 

7.保育サービス運営

運営は㈱小学館集英社プロダクションHASに委託しております。

 

8. 保険対応

小学館集英社プロダクションHASでは、万が一の事故に備えて、保育サービス業総合補償制度(賠償保険・損害保険)に加入しております。

 

9. お問い合わせ先

東京歯科保険医協会 組織部まで

TEL:03-3205-2999  FAX:03-3209-9918

〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-29-8 いちご高田馬場ビル6F

 

平成30年度 介護報酬改定へのパブリックコメント提出!

このたび、地域医療部では、平成30年度介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正等に関する意見(パブリックコメント)を提出しました。

提出した意見は下記の2本です。

今後も改定の動向に注視し、問題点等を指摘していくことで、先生方がより良い医療・サービスが提供できるよう、活動していきます。

 

意見1.混乱を招く「単一建物居住者」の考え方の導入に反対する

【理由】 
 今改定では、居宅療養管理指導費に対する単位区分について、「同一建物居住者」から「単一建物居住者」の考え方への変更が示されているが、在宅療養患者は、体調が不安定であり、必ずしも計画通りに歯科診療が実施できるわけではなく、一月単位での単位区分は困難である。一カ月経過後に区分の変更がある場合、窓口負担の不足や過剰返金などが想定され、トラブルを招く原因にもなる。
 そもそも、必要な管理を適切に行っている以上、全ての患者で同一の評価を行うべきであり、同一建物や単一建物の人数に応じた単位区分には反対である。

 

意見2.2018年4月以降も、介護報酬の紙媒体による請求を認めること

【理由】 
 介護報酬の請求を2018年4月以降も紙媒体で行うためには、2018年3月末までに届出を行うことが求められている。2018年4月以降に新しく居宅療養管理指導を実施する場合は、紙媒体での請求が認められないとされている。
 しかし、歯科で算定できる単位は、居宅療養管理指導のみであり、月に数件の算定である歯科医療機関が大半である。伝送や電子媒体のシステムを整えるためには手間やコストがかかる。地域包括ケアシステムの構築に伴い、在宅歯科医療が求められる中、紙媒体での請求の拒否は方針と逆行するのではないか。
 特に2018年4月以降に開業する場合は、紙媒体で請求を行いたくても届出を行う機会すら与えられない。
 介護サービス提供にあたって居宅療養管理指導は不可欠であり、2018年4月以降も紙媒体による請求を認めるべきである。

日本顎咬合学会指導医研修会に参加して/参加印象記(千代田区/濱克弥)

日本顎咬合学会指導医研修会に参加して/参加印象記(千代田区/濱克弥)

2月18日、日本顎咬合学会の指導医研修会に参加した。ここでは、その時の概要などを紹介したい。

「食べる・生きる・喜ぶ~超高齢社会で歯科医師が行うべきことから」をテーマに講演とシンポジウムを開催。海外の学術雑誌にも多数のエビデンスを発表している神奈川歯科大学教授の山本龍生氏は、高齢者の追跡調査で歯が少なく義歯を未使用の場合、20歯以上の者より認知症発症リスクは実に1.9倍になること、歯が少ない者の転倒リスク等、高精度のデータを示した。

国際医療福祉大学教授の竹内孝仁氏は、介護の世界、特に寝たきり状態は全身にさまざまな問題を引き起こすことや、「活動性」をキーワードとする自立支援を介護の柱とし、義歯などでしっかり噛ませると大きな回復がみられることを強調。

続いて、臨床現場で撮影された動画を用いた報告が行われた。大分県開業の河原英雄氏の手技を引き継いだ複数の歯科医師が、脳血管障害や認知症で口から食べることが困難になり、歩行が不自由な患者さんの義歯を調整し、リンゴやピーナッツを食べられるまで改善させ、表情が好転、会話や自立歩行ができるまで回復させた。今後も歯科では機能評価が重視される中、われわれ自らがその重要性を示すことが「歯科界」、ひいては「国民の幸せ」に寄与することにつながる。

シンポジウムでは、「慎重にデータを分析する中で、これほど歯数の回復が全身に影響があるのか正直、心配だった。本日、臨床例やデータを多数見て、自分の研究結果は臨床の通りだったと実感した」と話す山本氏の発言が印象的だった。会場からも、「臨床で症例を積み重ね、それを学会が裏付ける。さらに歯科団体が国民の利益になるよう国にアピールする。未曾有の超高齢社会に向けて、歯科界の団結がこれまで以上に求められる」との発言があった。今後の協会活動への大事な示唆ともなった。

(千代田区/濱克弥)

左は日本顎咬合学会顧問の菅野博康氏。中央が筆者。右は協会の松島良次副会長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右は日本顎咬合学会理事長の上田秀朗氏

右は日本顎咬合学会前理事長の上濱正氏

 

 

 

 

与野党の衆参両院4議員と直接懇談/2.15国会行動を実施

 与野党の衆参両院4議員と直接懇談/2.15国会行動を実施

協会は本日2月15日、衆参両院の国会議員4氏と直接懇談を行った。懇談したのは衆議院議員では、越智隆雄氏(自民党)と歯科医師出身の渡辺孝一氏(自民党)、初鹿明博氏(立憲民主党)の3氏および参議院では、大野元裕氏(民進党)となっている。

今回の懇談は、今次診療報酬改定についての中医協「答申」が加藤厚生労働大臣に提出され、これまでの働きかけや今後の診療報酬改善への方向などを議論し、さらに歯科本体は0.69%増とはなったものの、決して充分な引き上げではないこと、これからの協会の診療報酬改善要望などを説明するために行ったもの。協会からは、坪田有史会長と中川勝洋理事、橋本健一理事が参加した。

なお、国会会期中のため、議員とは直接懇談できなかったものの、以下の21議員には、要請書を秘書に託した。(敬称略、順不同)

【衆議院議員】

◆自 民 高鳥修一、辻清人、白須賀貴樹、木原誠二、鴨下一郎、安藤高夫、鈴木隼人、萩生田光一、加藤勝信、橋本岳

◆公 明 高木みちよ

◆希 望 長島昭久

◆立 憲 山花郁夫、海江田万里

【参議院議員】

◆自 民 尾辻秀久、島村大、山田宏、中川雅治、武見敬三

◆民 進 牧山ひろえ

◆共 産 山添拓

渡辺孝一氏(自民党衆議院議員/歯科医師出身)

越智隆雄氏(自民党衆議院議員)

初鹿明博氏(立憲民主党衆議院議員)

大野元裕氏(民進党参議院議員)

医科系メディアから見た歯科医療界⑪ 歯科界の存在感を示せなかった診療報酬改定の顛末/「要望」ではなく「提案」が欲しい

歯科界の存在感を示せなかった診療報酬改定の顛末/「要望」ではなく「提案」が欲しい

 次期診療報酬の本体プラス改定のキーマンは安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相、横倉義武日本医師会会長の3人だった。

今年6月の日医会長選で4選を目指す横倉会長にとって、前回改定(本体プラス0.49%)を上回るアップ率の確保はまさに至上命題であり、「最低0.6%増」を要求していた。

昨年秋の総選挙で組織を挙げて自民党を支援した横倉氏を、安倍首相は官邸に招き、「しっかりお礼をさせていただきます」と述べている。 

横倉氏は同じ福岡県出身の麻生氏とも気脈を通じており、麻生氏から電話で伝えられた「0.55%増」という数字の政治的メッセージを汲み取り、矛を収めた。その数字は、保険料の企業負担分増を嫌う財界が主張していた「0.5%増」との間を取ったものである。

▼首相との形式的な懇談

日本歯科医師会と日本歯科医師連盟も昨年12月中旬、首相官邸を訪れたものの、わずか15分ほどの、まるで供一見さん僑扱いのごとき懇談では、今回の本体プラス改定に貢献したとは思えない。

国会議員に対しては、日歯は昨年11月下旬、国民歯科問題議員連盟総会で「健康寿命の延伸に向けて」と称する要望書を提出した。「歯科医療や口腔健康管理による医療の財政面での効果」を説くのはいいのだが、後半「歯科界の抱える現状の課題」として経営状況の厳しさを縷々挙げており、読む側に経営能力について疑問を持たれかねない。最後に、同時改定に向けた要望事項として、①必要な改定財源の確保、②在宅歯科医療のさらなる推進、③医科歯科連携、多職種連携の推進―の3項目を掲げているが、漠然としている感は否めない。「要望」ではなく、厚労族はもとより現場経験のある厚労省幹部が食い付きたくなるような具体的な「提案」を出すべきではなかったか。

▼主導権握れない検討会

前回改定で導入された「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」に関しては、次期改定で「かかりつけ歯科医」、「かかりつけ歯科医機能」という呼称や点数新設が、その定義や法律上の位置付けとは関係なく、点数表に新設され、歯科界内外から疑問の声があがっていた。

 懸案の「かかりつけ歯科医」については、厚労省の「歯科医師の資質向上等に関する検討会」が昨年12月下旬にまとめた「歯科保健医療ビジョン」中間報告で言及されており、「歯科診療所は、歯科医療の前提として医療安全等を担う義務がある」と明記された。それもあって、次期改定で感染防止対策が新たに設けられたのだろう。同ビジョンは歯科保健医療の提供体制の目指すべき姿を描いている。重要なビジョンなのに、構成員14人中、歯科医療機関経営者はわずか3人。主導権を握れず、現場の実状に沿った内容を盛り込めなかったようだ。

改定の前哨戦となった提言の段階で、すでにやり込められていたのではないだろうか。

 

筆者:元「月刊 集中」編集長 鈴木義男

「東京歯科保険医新聞」201821日号6面掲載

医科歯科連携研究会 開催しました!

2018年2月4日(日)飯田橋レインボーホールにて、医科歯科連携研究会2017を開催し、医師、歯科医師、スタッフなど164名が参加しました。

歯科からは神奈川歯科大学の三辺教授から「知っておきたい!歯周病と全身疾患のただならぬ関係」のタイトルで、最新の歯周病治療について、たくさんの資料を交えながら講演いただきました。

医科からは、神戸大学の岩田教授から「抗菌薬適正使用とはないか」のタイトルで、抗菌薬の使用方法について、目からウロコが落ちるような講演をいただきました。

お二人の講演を踏まえたパネルディスカッションでは多数の質問が会場から出されました。

プログラムの最後には、参加者同士の名刺交換を行い、参加者同士の交流を深めることができました。

アンケートでは、「患者さんに全身疾患と歯周病の関連性を上っ面で説明していたため、今回のお話しをきけて良かった」「抗菌薬の使い方を間違っていたことを深く学んだ」などの感想が寄せられました。

歯科技工パンフレット「日本の歯科技工を守ろう」を保団連が作成

 

歯科技工パンフレット「日本の歯科技工を守ろう」を保団連が作成

全国保険医団体連合会(保団連)はこのほど、日本の歯科技工に関する元凶と問題点などを的また「日本の歯科技工を守ろう/歯科医師、歯科技工士の厳しい現実」を作成した。この冊子は、保団連が2016年度に実施した「歯科技工所アンケート」の集計結果を踏まえ、全国の保険医協会会員向けに取りまとめたもの。

その中では、①口腔機能の回復を支える技工物、②より良く噛みより健康に生きる、③技工物を作る現場が大変、④矛盾の根源にある低歯科医療費政策―などの事項を示し、説明を加えている。本文は11ページからなり、内容は簡潔に取りまとめられている。

特に、歯科技工士の離職・減少に歯止めをかけるためには、超高齢社会では口から健康を支える歯科技工を守る視点から、歯科技工物の保険点数を抜本的に引き上げる必要性を強調。実際に、保団連がいま取り組んでいる「保険でよい歯科医療の実現」の方向として、①保険点数の引き上げ、②保険範囲の拡大、③窓口負担の大幅軽減―の3本を三位一体で政府に求めていることを紹介している。

なお、巻末では保団連の訴えを「私たちの要求」として以下の5項目を掲げている。

(1)歯科の低医療費政策をやめること

(2)労働時間と原価計算に基づく製作技工・保険点数の決定プロセスを透明化すること

(3)歯科技工士に適切な技工料が手渡るような実効性のある取引ルールを明確化すること

(4)そのために歯科医療費を少なくとも毎年1300億円増強すること

(5)患者窓口負担を大幅に軽減すること

歯科診療所ベランダより撮影/東京の夜空で皆既月蝕観測

歯科診療所ベランダより撮影/東京の夜空で皆既月蝕観測

1月31日夜、3年ぶりの皆既月蝕が起き、東京都内でも観察することができました。この日、東京の夜空では、月は午後8時48分頃から左下から欠け始め、9時51分頃から1時間以上にわたり月蝕が続きました。

ジョージア国出身の「栃ノ心」関が大相撲初場所で優勝/母国の歯科技工士資格持つ

 

 

ジョージア国出身の「栃ノ心」関が大相撲初場所で優勝/母国の歯科技工士資格持つ

東京・両国の国技館で開催され14日目を迎えた大相撲初場所の27日、西前頭3枚目の「栃ノ心」関(30歳/春日野部屋/本名:レヴァニ・ゴルガゼ、ジョージア国出身)が初優勝した。栃の心はグルジア国の「歯科技工士」資格を取得している。平幕の優勝は2012年夏場所の旭天鵬以来6年ぶりのこと。また、春日野部屋所属の力士の優勝は1972年初場所の栃東以来、46年ぶりのこととなる。

栃ノ心は2006年、18歳の時に春場所で初土俵を踏んだ。08年夏場所で新入幕。2013年の前頭11枚目の時、名古屋で右ひざを負傷しするなどの試練を乗り越え、今回の初優勝を果たした。

「栃の心」関の優勝を報じる28日(日)スポーツ新聞1面

 

歯科について政策として真剣な対応が必要/「2018年度診療報酬改善/保険でよい歯科医療の実現を求める署名提出集会」が開催

 

歯科について政策として真剣な対応が必要/「2018年度診療報酬改善/保険でよい歯科医療の実現を求める署名提出集会」が開催

本日1月25日、衆議院議員会館内で「2018年度診療報酬改善/保険でよい歯科医療の実現を求める署名提出集会」が開催され、全国から歯科医師、医師、歯科技工士、歯科衛生士、患者ほか170名が参集。協会から中川勝洋理事、橋本健一理事が参加した。

昨年から実施されていた同署名は全国で31万3917筆を集めた。国会会期中の合間をぬって、衆参両院の与野党議員30名以上が駆け付け挨拶。続けて各協会役員が議員に署名を手渡した。

開会の挨拶を行った「保険で良い歯科医療を全国連絡会」の雨宮真希人会長(歯科技工士)は、「歯科を取り巻く環境は厳しく、歯科医院経営への悪影響を及ぼしている。歯科技工士や歯科衛生士にも歪みが出ている。技工士の労働環境は悪化をたどるだけで、改善は進まず、今後の展望を見出せない。いつでも、どこでも、誰でも、経済的不安なく、歯科診療を受けられるよう、さらに歯科医師、歯科衛生士、患者と連携して頑張っていく必要がある」と訴えた。

全国から170名余りが参加した

続いて、参加者から歯科医療の現状と次期診療報酬改正の注意点、歯科技工士の過酷な労働実態、歯科衛生士雇用問題などの報告を受け、討議を行った。

特に注目されたのは、保険適用拡大を願う会の小尾直子代表からの報告。自身のご子息の歯科矯正体験をもとに、小児の歯科矯正に保険適用の拡充を求める運動を開始した経緯を説明。市議会へ請願活動も行っていくうちに、全国から賛同の意が届き、「地味であり、また市議会への対応などの難しさを改めて実感したが、請願が採択に至っている。歯科診療には素人でも、多くの人との協力、話す場所を提供していただいたことに感謝しています、今後も新たな展開をしていきたい」と報告した。午後には、厚労省で説明する時間も確保していた。

 閉会に当たり、保団連の宇佐美宏歯科代表(副会長)は、「歯科診療所の収益増がなければ、歯科を支える歯科技工士と歯科衛生士の雇用・待遇などにも影響が出る。患者にとって良質な歯科医療を提供できなくなりつつある。診療報酬改定で歯科はプラス0.69%だったが、これでは歯科界の改善には至らない。歯科について政策として真剣な対応が必要になことを各議員が理解し、政治をしてほしい」と強調した。

閉会の挨拶に立つ保団連の宇佐美宏歯科代表

歯科医療拡充に向けさらなる歯科診療報酬の充実を要請/国会議員への要請行動を実施/本日25日の午前中に与野党3議員と直接懇談実現

 

 

歯科医療拡充に向けさらなる歯科診療報酬の充実を要請/国会議員への要請行動を実施/本日25日の午前中に与野党3議員と直接懇談実現

 

協会は本日1月25日、国会議員に対して2018年度歯科診療報酬改定に関する要請行動を行った。橋本健一理事と中川勝洋理事が参加した。

次期診療報酬改定については、麻生太郎財務大臣と加藤勝信厚生労働大臣が昨年12月に改定率を本体でプラス0.55%(歯科はプラス0.69%)に決定している。しかし、この改定率では、そのすべてを再診料に充当させたとしても、再診料を約6点引き上げた額に当たるだけで、今後の必要な歯科医療を提供するには充分とはいえない。そこで、今後も引き続き、地域包括ケアシステムのスムーズな施行、国民から期待される歯科医療の実現に向け、歯科診療報酬の拡充を求めるため、関係議員への要請を行ったもの。

午前中は、国会議員会館において与野党あわせて26名の衆議院議員を訪問し、国会会期中のさなかにもかかわらず、3議員と直接懇談が実現し、他の議員各氏については秘書各氏に要請文を託した。

26議員の内訳は以下の通り(敬称略、訪問順)。

【懇談のできた議員:3氏】

山花郁夫(立憲・東京)、初鹿明博(立憲・東京)、木原誠二(自民・東京)

【秘書対応:23氏】

三ツ林ひろみ(自民・埼玉)、尾辻かな子(立憲・大阪)、末松義規(立憲・東京)、柿沢未途(希望・東京)、長谷川嘉一(立憲・群馬)、若宮けんじ(自民・東京)、西村ちなみ(立憲・新潟)、橋本岳(自民・岡山)、高木みちよ(自民・東京)、越智隆雄(自民・東京)、牧原秀樹(自民・東京)、塩崎恭久(自民・愛媛)、高鳥修一(自民・新潟)、平将明(自民・東京)、太田昭宏(公明・東京)、長島昭久(希望・東京)、菅直人(立憲・東京)、渡辺孝一(自民・東京)、辻清人(自民・東京)、海江田万里(立憲・東京)、大島敦(希望・東京)、松本文明(自民・東京)、井上信治(自民・東京)

山花郁夫議員

初鹿明博議員

木原誠二議員