協会ニュース

歯科診療所の選別と患者の選別が同時に遂行されていく/保団連の宇佐美副会長が問題点浮き彫りにする

 

 

歯科診療所の選別と患者の選別が同時に遂行されていく/保団連の宇佐美副会長が問題点浮き彫りにする

保団連は4月19日、衆議院第2議員会館内で「改めて診療報酬改定の改善を求める国会内集会」を開催した。全国から150名余の会員が参加し、協会からは坪田有史会長と橋本健一理事,

事務局が参加した。

まず、保団連の武村義人副会長が以下の立場から今次改定の問題点として、かかりつけ医機能強化、入院から在宅への診療シフト、オンライン診療保険導入などをあげ、その改善を強く求めた。次に、歯科について宇佐美宏副会長(歯科代表)が説明し、初・再診料への院内感染防止対策の施設基準の導入、かかりつけ歯科医機能型歯科診療所要件などが大きな変更点だが、今後に向けさらに懸念される問題点を内包しているおり、改善が必要と強調した。

保団連の宇佐美宏副会長(歯科代表)

さらに宇佐美副会長は、現状について」歯科の公的医療費に占めるシェアは、1980年代以降は約40年間右肩下がりで減少し続け、直近では7%程度長年、低医療費政策で歯科診療をしてきたことは事実。当然ながら、歯科医院の経営は厳しい状況」と指摘した。そして、今次改定のポイントとして、①院内感染防止対策を理由に歯科外来にのみ、基本診療料の減算制度が持ち込まれ、新たな施設基準が設定、②かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)などの新たな算定要件を追加見直し―の2点を挙げ、算定のために揃える機器購入・費用を自院に支出させる方法をするのでなく、その対応が可能になる基本的な診療報酬アップがあって、次の対応に進むのが合理的な判断ではないかと訴えた。か強診については、地域包括ケアへの対応として在宅医療の推進を掲げることへは理解を示しつつ、「か強診 、非か強診と、明確に診療行為が同じでも点数に相違をもたらし、一物二価を持ち込んだ。これは、診療所間での格差をつけたことで、結果からすれば、これは、歯科診療所の選別と患者の選別が同時に遂行されていくことになりる」とし、大きな問題点を浮き彫りにした。

2018年 春の共済募集キャンペーン 始まりました!

2018年 春の共済募集キャンペーン

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チラシのダウンロードはこちらからどうぞ

 

歯科診療報酬改定内容確認のため1600名が参加/第2回新点数説明会

 

歯科診療報酬改定内容確認のため1600名が参加/第2回新点数説明会

協会は3月29日、文京シビック大ホールで第2回新点数説明会を開催した。27日の第1回説明会後ではあったが、今回の歯科診療報酬の内容を確かめるため詰めかけ、参加者数は第1回の約1200名を上回る約1600名に及んだ。

今回の進行は、社保・学術部の岡田部員の司会で進められ、冒頭で坪田有史会長があいさつの中で、施設基準と届出が多数に及んでいること、届出のタイミングが難しいものが多数存在していること、院内感染防止対策の施設基準は協会では全会員に届出をしてほしいと考えており関連講習会を4~6月にかけて開催することなどを指摘。さらに、少子高齢化やそれに伴う口腔疾病構造の変化など、社会変容の中で会員それぞれが置かれた環境によって、必要な選択をすることが重要だとした。また、日頃会員が考えていることを要望として取りまとめ、行政側に提示することが協会の役目であるとした。

引き続き、社保・学術部長の加藤開副会長が、今回の改定のポイント、注意点などを説明、解説した。本橋昌彦理事が症例をもとに歯管の口腔管理加算や診療情報連携共有料、高強度硬質レジンブリッジ、訪問診療の算定などについて説明を加えた。質疑応答には、島倉洋造・川本弘各社保・学術部員があたった。

なお、今回は、歯科関連専門誌3社の取材を受けている。

会場壇上から参加者を外観

会場後方からステージを臨む

2階席からの遠望

 

 

 

 

 

歯科診療報酬改定で第1回新点数説明会/1200名が参加

 

歯科診療報酬改定で第1回新点数説明会/1200名が参加

協会は、本日3月27日、なかのZERO大ホールで、2018年度歯科診療報酬改定新点数説明会を開催した。参加者は1198名に及んだ。

冒頭、まず挨拶に立った坪田有史会長は、今次改定で、厚生労働省は臨床への評価を行っており、その点は評価できるとした上で、施設基準と届出の多さは並大抵ではないが、院内感染防止対策の施設基準は、協会のすべての会員の先生方に届出をしてほしいと考えていることを強調。協会として「対応した研修会も企画、準備している。ぜひ参加して届出してほしい」と強調した。さらに、「各歯科診療所にこれからどのような方向性をもって進んでいくのかが、いま、問われている」と述べた。また、「会員歯科医師各員の意見を吸い上げ、行政側に伝える。それが協会の役目」とし、今後の協会活動への協力を求めた。

 

 

 

 

 

◆今次改定の特徴点

続いて、社保・学術部長の加藤開副会長が今次改定の解説を行い、その特徴・として、①院内感染予防対策が導入された、②医科歯科連携が進んだ、③子どもからお年寄りまでの管理が進んだ、④新規技術の導入が図られた、⑤施設基準がさらに広がった―などを挙げ、協会の分析に基づく解説を加えた。

◆感染対策施設基準は9月までに届出を

さらに、初・再診料等に新たに導入された院内感染予防対策の施設基準は、「本年9月末までに届出を行う」ものである点に注意を喚起。ただし、「講習については来年3月末までに受講すればよいため、あわてる必要はない」とし慌てず、忘れずに届出を行うよう求めた。

◆新たな病名により口腔管理の評価広がる

また、新たな病名が入ったことにより、15歳未満を対象とした小児口腔機能管理加算と65歳以上を対象とした口腔機能管理加算が導入された点を指摘し、「子どもやお年寄りへの口腔管理に活用してほしい」と説明した。

◆その他の留意点

加藤副会長に続き、本橋昌宏理事から症例をもとに歯管の口腔管理加算や診療情報連携共有料、高強度硬質レジンブリッジ、訪問診療などの算定について、具体的に説明を行った。

会場からは院内感染防止対策の届出に必要な機器や届出を行う時期について、再届出が必要な施設基準などについての質問が多く寄せられ、濱﨑啓吾理事と岡田尚彦社保・学術部員から回答を行った。

理事会声明「歯科医療機関の機能分化が進む2018年改定/患者の受ける医療にも格差が広がる」/機関紙2018年3月1日号(№577)3面掲載

理事会声明「歯科医療機関の機能分化が進む2018年改定/患者の受ける医療にも格差が広がる」/機関紙2018年3月1日号(№577)3面掲載

厚生労働省は3月5日、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」等関連通知を発表した。その内容は、地域包括ケアシステムへの対応が中心となり、日常的な診療行為への評価は、組み替えや変更などが目立ち、引き上げも僅かな点数に止まった。長年、不採算と言われてきた処置や補綴などは改善には程遠い改定となった。

協会は改定に向け現場からの要望をまとめ、数次にわたり厚労省に要請を行ってきた。その結果、日常診療で診療内容の情報共有が進むよう診療情報連携共有料が新設されたことなど、現場の声が反映された項目も複数見られる。また、小児や高齢者に対する口腔機能管理が新設されたこと、歯科衛生実地指導料の対象患者の拡大など今後の診療の広がりが期待される。

一方で、歯科医療機関の機能分化、格差拡大が進行した。

在宅療養支援歯科診療所(歯援診)やかかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の施設基準が強化され、機能分化が図られた。

施設基準には訪問診療や紹介の実績が盛り込まれ、外来診療中心の医療機関ではとても届出を行うことはできない。成果・ノルマを課すようなやり方は問題である。

また、施設基準の届出を行うためには、機材や人員確保が必要となる。元々小規模な歯科にとって、新たな投資は重荷だ。昨年発表された医療経済実態調査にも表れているように、多くの歯科医療機関の経営は厳しい。体力の有る無しで患者に提供できる医療内容に差があってはいけない。医療機関間の格差は、通院している患者の格差にも通じる。

今次改定では、新たに初・再診料に院内感染防止対策が包括され、施設基準が設けられた。

通常の施設基準は、届出を行えばプラスの評価がされ点数が加算される。しかし今回、届出を行わない場合は、初・再診料が減算となる施設基準が導入された。施設基準を懲罰的に使うことには反対である。

また、設定された点数はコストに対してまったく足りていない。必要な金額よりもはるかに低い金額で導入し、実施責任のみ医療機関に押しつけるやり方は問題である。医療保険制度で行われる感染防止対策は、保険財源で必要なコストを賄うべきであり、改めて別立てによる評価を求めたい。

さらに、歯科の地域包括ケアシステムへの組み込みが進んだ。地域包括ケアシステムは、概ね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域(具体的には中学校区)を一単位として想定されている。今後、地域に増加する高齢者を支えるうえでも、地域包括ケアシステムへの歯科医療機関の参画は必要だ。

しかし、ハードルが上げられた歯援診やか強診が中心となるため、多くの医療機関ではシステムに参画することが困難となっている。

歯援診の強化とともに、歯科訪問診療料等が変わった。訪問歯科衛生指導料の算定単位を「単一建物」にしたことで、月末を迎えるまでは患者への請求金額が定まらないこととなった。「単一建物」で1名のみ診る予定だったが、月末に複数名になった場合など、患者に説明していた金額が変わる。現場が混乱するだけである。

また、20分未満の算定が不可となることで、訪問診療を支えていた歯科衛生士の雇用を支えきれなくなることも心配である。

歯科訪問診療に関する点数は1988年の導入以来、考え方や点数が何度も変わり今日に至っている。さらに、高齢者が増加する中で安定して歯科訪問診療を推進する方針であるならば、改定の度に算定方法や考え方が変わらないようにすべきだ。

今年、政府はさらなる患者負担増を行おうとしており、患者が必要な歯科医療を受けられなくなることが懸念される。経済的な理由で医療機関に行けない患者があってはならない。歯科医院の経営改善と患者負担増を止めることは、歯科においての喫緊の課題である。 協会は、患者が安心して歯科医院に通えるように、引き続き歯科医療費の総枠拡大とともに、患者負担増反対に向けた運動を推進していく。

2018年3月8日

東京歯科保険医協会

第22回理事会

歯科診療報酬改定や学校歯科治療調査結果報告めぐり意見交換/第67回メディア懇談会を開催

 

歯科診療報酬改定や学校歯科治療調査結果報告めぐり意見交換/第67回メディア懇談会を開催

協会は本日3月9日、協会会議室で第67回メディア懇談会を開催した。参加者は5社5名。話題提供と説明は、社保・学術部長の加藤開副会長、司会は早坂美都広報部長が務めた。

話題は、今次歯科診療報酬改定をめぐる内容で、特に院内感染防止対策と施設基準、およびそれに伴う初診・再診料について。また、診療不報酬改定に関する中医協の「答申」内容と、これを受けての協会の政策委員長「談話」についてを中心に、3月4日に発表し、日本歯科新聞3月6日号1面に掲載された協会地域医療部の「学校歯科治療調査報告書」も取り上げ、加藤副会長が説明を加えるとともに、参加者からの意見を伺った。

社会的にも問題になった、経済格差による受診との関係については、「ほとんど子どもの受診には、窓口負担で受診率の相違が出ており、子ども口腔環境に影響が関係があると想定でき、改めて“窓口負担”の問題を考える、子どもに対する窓口負担の全額助成を行い、懸念することなく子どもが歯科受診できるようにすることが必要」と説明した。

出席したマスコミ側からは、「自分の小学校時代は、学校で歯科の健康については『歯磨きが大事』程度の指導しかなかった。学校歯科の問題もあるのではないか」「成人になってからは健康意識を培うのは難しく、幼少時代に適正な歯科口腔保健の指導・教育が必要」「歯科と健康、医療保険制度、年金保険制度などについて、中学校や高校の『保健』の授業では、ほとんど教えていないのではないか。そこをきちんと教える時間を設けるよう、行政に要請してはどうか」などの意見が出された。

加藤開副会長

 

 

 

 

 

 

 

医科系メディアから見た歯科医療界⑫完 日本医師会を軸に医療界「連携」の時代を/医科歯科連携を推進する環境に

日本医師会を軸に医療界「連携」の時代を/医科歯科連携を推進する環境に

本年2月7日、中央社会保険医療協議会が加藤勝信厚生労働相に2018年度診療報酬改定を答申。これを受け同日、日本医師会・日本歯科医師会・日本薬剤師会の三師会、および日医・四病院団体協議会の合同記者会見が開催された。主要団体のトップが顔をそろえ、今回の改定をおおむね評価したことは、今の医療界の状況を象徴していた。

厚生省と徹底対決して「ケンカ太郎」の異名を取った武見太郎会長時代の日医は、病院団体との関係も悪化していた。しかし、現会長の横倉義武氏は、病院団体はもとより医療関連団体との「連携」を重視してきた。横倉氏が会長になって初めて三師会会長がそろって診療報酬プラス改定を自民党に要望したり、三師会や四病協と合同記者会見を行ったりするようになった。横倉日医を中心にして医療界は調和が取れるようになってきたのだ。「医療界はバラバラのほうがコントロールしやすい」と言っていた政治家や官僚にとって、厄介な事態だろう。まして、横倉氏は安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相とは親しい関係にある。厚労族や霞が関を飛び越え、政権中枢と直接交渉できる。前回を上回る診療報酬プラス改定を主導し、日本人としては3人目の世界医師会会長に就いたことで、6月の日医会長選では四選確実と見られている。9月の自民党総裁選で安倍氏が3選すれば、麻生氏も財務相を留任するだろう。そうなれば、次回改定でも「安倍・麻生・横倉」の3氏が大きな影響力を持つ。医療界はこの流れに乗っているようだ。

合同記者会見の中で日歯の堀憲郎会長は、医科歯科連携に関して、患者の診療情報を共有する診療情報連携共有料の新設などを評価した。横倉会長も口腔の健康と全身の健康が密接に関係していることに理解を示した。さらに、日医と日歯は現在、糖尿病に関する連携を議論しているという。堀会長は、横倉会長の世界医師会会長就任祝賀会にも来賓として招かれ挨拶するなど、横倉会長とは良い関係を築いている。

このような中、日本歯科医師連盟の迂回献金事件で東京地方裁判所は1月、政治資金規正法違反の罪に問われた会計担当の元副理事長に禁錮2年、執行猶予3年の判決を言い渡した。2月には、元日歯連会長2名の論告求刑公判で検察は禁錮16カ月と同2年、団体としての日歯連に罰金50万円をそれぞれ求刑した。医療界が連携する中で足並みを乱すだけでなく、歯科医療界のイメージを大きく損なう事態だ。さすがに3回目はもう起きないだろう。

2019年10月には消費税率10%への引き上げが予定されている。横倉会長は控除対象外消費税問題の解決に向け、他団体の意向を確認した上で、医療界が一つになった提案としてまとめ、早期に政府・与党に要望する方針だ。医療界、歯科医療界が良い方向に向かうことを願ってやまない。

なお、本欄は今回が最終回。1年間ありがとうございました。

 

筆者:元「月刊 集中」編集長 鈴木義男

「東京歯科保険医新聞」201831日号6面掲載

日本歯科大学新潟生命歯学部が歯科訪問診療専門の「日本歯科大学在宅ケア新潟クリニック」を開設へ/オープンは4月の予定

日本歯科大学新潟生命歯学部が歯科訪問診療専門の「日本歯科大学在宅ケア新潟クリニック」を開設へ/オープンは4月の予定

日本歯科大学新潟生命歯学部は、新たに歯科訪問診療を専門に行う「日本歯科大学在宅ケア新潟クリニック」を三条市須頃に開院する。開院は本年4月の予定だ。すでに地元新潟県内の新聞やテレビなどでは紹介されており、注目されている。

医療法の規定に基づき、同診療所から半径16キロ以内の三条市、燕市、加茂市、見附市、長岡市、新潟市西蒲区がその範囲に入る。同市内で通院が困難な高齢者や障がい者がを対象になる。診療の現場には、歯科医や歯科衛生士のほか、学生も同行して教育の場としても活用する方針という。診療は平日の午前10時~午後4時になる予定。

同大は、すでに東京都花小金井市内に、摂食不良や嚥下問題、会話機能などにも対応する「口腔リハビリテーション多摩クリニック」(菊谷武診療所長)をスタートさせ、歯科医療界の注目を集めている。

政策委員長談話「歯科の役割が発揮できず、細かすぎて混乱を生む改定」/機関紙2018年3月1日号(№576)1面掲載

 

政策委員長談話「歯科の役割が発揮できず、細かすぎて混乱を生む改定」

◆コストを考慮しない院内感染防止対策の評価

 次期改定では、院内感染防止対策の施設基準を新設するが、初・再診料や歯科訪問診療料などの基本診療料を算定するために、施設基準の届出を必要としたのは問題である。包括して評価するのではなく、別項目を作り評価すべきだ。

 2007年7月18日、中医協診療報酬基本問題小委員会での「平成18年度医療安全に関するコスト調査業務」では、外来患者1人1回あたりの院内感染防止対策に必要なコストは、有床診療所並みの268.16円とされている。今回の引き上げはそれには遠く及ばない額であり、さらなる引き上げを要求する。

◆継続管理できない患者を生むか強診・歯援診見直し

 地域包括ケアシステムの構築のため診療情報連携共有料が新設された。これにより、患者の服薬状況などの情報提供を医科に依頼しやすくなった。医科歯科連携を推進する観点から、協会が繰返し厚労省へ要望した内容の反映であり、評価したい。

 しかし、か強診や歯援診は、施設基準に、訪問診療、SPTおよびエナメル質初期う蝕の管理などの算定実績や多職種連携に係る会議への参加などの地域連携に関する実績が追加され、要件が一段と厳しくなった。届出をできるところとできないところの差がはっきりし、選別が図られた。 

 2年の経過措置があるとはいえ、改定前のか強診や歯援診の歯科医療機関が全て新しい要件を満たせるかは不透明である。特に、新しいか強診の施設基準を届出できない場合は、SPT(Ⅱ)で診ていた患者の継続管理ができなくなり、国に対策を求める。

◆口腔機能管理加算のハードルが高く患者に提供できない

 また、口腔機能の評価として老化などにより口腔機能が低下した患者に対する口腔機能管理加算が新設された。疾病構造の変化に対応した評価ではある。しかし、答申で示された算定要件は、学会の診断基準より厳しく舌圧検査、咬合圧検査、咀嚼能力検査などを行うことが必須条件とされている。高価器材の購入を施設基準や算定要件にする手法には違和感を覚える。学会の基準を超えた過度なハードルを課し、患者に提供できない問題を生むことには反対である。

◆医療費削減をやめ役割が発揮できる改定を

 全身麻酔下で手術を行う場合は口腔管理がスタンダードになりつつあるなど、歯科が果たすべき役割が大きくなっている。改定では医科歯科連携が評価された。

 しかし、医療費削減政策で歯科の改定率はわずか0.69%に留まっており、その結果新しい項目ができても算定要件には高いハードルが課せられ、多くの医療機関では取り組めなくなるなど歯科の役割が発揮しづらい改定内容になっている。また、点数表も細かく複雑になり、混乱を生じかねない。

 本談話は、必要な患者に歯科医療を提供する視点から、適切な改定を求めるものである。

2018年3月1日

東京歯科保険医協会

 政策委員長 松島良次

 

2017年度 託児(保育)サービスのご案内

 

 

 

 

 

 

小さなお子様がいらっしゃる会員の方々も、新点数説明会に参加ができるよう、一部の会場内に託児所を設けています。託児(保育)サービスをご利用される皆様がより良い環境で説明会に参加されることを願っております。

 

1.対象および定員

①会員のお子様

②生後6ヶ月~6歳(未就学児)

③定員は15名です(定員となり次第、締切りとさせていただきます)。

 

2.開設日および時間

下記期日に託児所を開設致します。託児(保育)サービスのご利用時間・会場場所をご確認の上、会場受付までお越しください。

【開設日】 

①3月27日(火) /託児所:なかのZERO大ホール(3Fの楽屋4)

②3月29日(木) /託児所:文京シビック大ホール(B1Fの楽屋8)

 

【利用時間】  

16:30~21:00

※会場受付後、専用ブースへお越しください。係りの者がご案内いたします。

 

3.利用料金

お一人様につき1,000円となります。料金は、当日受付でお支払いください。

 

4.ご利用方法

①託児(保育)サービスの利用には、事前予約が必要です。

ご希望の方は、3月15日(木)までに協会へご連絡(03-3205-2999)ください。

 

②ご利用者について

利用申込書・同意書をお送りいたしますので、必要事項をご記入の上、当日直接託児所にお持ちください。なお、利用申込書は当日のお子様のご様子を知るため、また、保護者様よりお預けいただくことの同意も兼ねた書類です。個人情報の取扱には十分留意すると共に、該当する託児サービス以外では使用いたしません。

 

③お子様の健康状態

微熱であっても発熱がある場合や、伝染または感染するおそれのある病気の場合はご利用できません。なお、投薬等の医療行為も行なっておりませんので予めご了承ください。

 

④お引渡しについて

お預かりの際に、保護者の方にはお引渡しカードをお渡しいたします。セキュリティの都合上、お迎え時にはお引渡しカードを必ずご持参ください。なお、お預けに来られた保護者様とは異なる方のお迎えになる場合は、事前にお申出ください。

 

5. 持参物

当日は、別途お送りする「利用申込書・同意書」および「サービス利用のてびきをご覧の上、ご持参ください。

(参考)

利用申込書、替え用オムツ、おしりふき、ハンドタオル、お着替え(下着など)、お飲み物

必要に応じておやつ【乳幼児用のビスケットやスナック類に限る(未開封・冷蔵不要のもの)】

※お荷物はすべてに記名しひとつにまとめてご持参くださいますようお願いいたします(哺乳瓶への記名もお願いいたします)。

※調乳は保護者の責任下においてお願いをしております。

※会場の関係で、使用済みのおむつはお持ち帰りいただきますので、予めご了承ください。

 

6.キャンセル

キャンセルにつきましては、①は3月26日(月)、②3月28日(水)の12:00までに協会まで連絡ください。

 

7.保育サービス運営

運営は㈱小学館集英社プロダクションHASに委託しております。

 

8. 保険対応

小学館集英社プロダクションHASでは、万が一の事故に備えて、保育サービス業総合補償制度(賠償保険・損害保険)に加入しております。

 

9. お問い合わせ先

東京歯科保険医協会 組織部まで

TEL:03-3205-2999  FAX:03-3209-9918

〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-29-8 いちご高田馬場ビル6F

 

平成30年度 介護報酬改定へのパブリックコメント提出!

このたび、地域医療部では、平成30年度介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正等に関する意見(パブリックコメント)を提出しました。

提出した意見は下記の2本です。

今後も改定の動向に注視し、問題点等を指摘していくことで、先生方がより良い医療・サービスが提供できるよう、活動していきます。

 

意見1.混乱を招く「単一建物居住者」の考え方の導入に反対する

【理由】 
 今改定では、居宅療養管理指導費に対する単位区分について、「同一建物居住者」から「単一建物居住者」の考え方への変更が示されているが、在宅療養患者は、体調が不安定であり、必ずしも計画通りに歯科診療が実施できるわけではなく、一月単位での単位区分は困難である。一カ月経過後に区分の変更がある場合、窓口負担の不足や過剰返金などが想定され、トラブルを招く原因にもなる。
 そもそも、必要な管理を適切に行っている以上、全ての患者で同一の評価を行うべきであり、同一建物や単一建物の人数に応じた単位区分には反対である。

 

意見2.2018年4月以降も、介護報酬の紙媒体による請求を認めること

【理由】 
 介護報酬の請求を2018年4月以降も紙媒体で行うためには、2018年3月末までに届出を行うことが求められている。2018年4月以降に新しく居宅療養管理指導を実施する場合は、紙媒体での請求が認められないとされている。
 しかし、歯科で算定できる単位は、居宅療養管理指導のみであり、月に数件の算定である歯科医療機関が大半である。伝送や電子媒体のシステムを整えるためには手間やコストがかかる。地域包括ケアシステムの構築に伴い、在宅歯科医療が求められる中、紙媒体での請求の拒否は方針と逆行するのではないか。
 特に2018年4月以降に開業する場合は、紙媒体で請求を行いたくても届出を行う機会すら与えられない。
 介護サービス提供にあたって居宅療養管理指導は不可欠であり、2018年4月以降も紙媒体による請求を認めるべきである。

日本顎咬合学会指導医研修会に参加して/参加印象記(千代田区/濱克弥)

日本顎咬合学会指導医研修会に参加して/参加印象記(千代田区/濱克弥)

2月18日、日本顎咬合学会の指導医研修会に参加した。ここでは、その時の概要などを紹介したい。

「食べる・生きる・喜ぶ~超高齢社会で歯科医師が行うべきことから」をテーマに講演とシンポジウムを開催。海外の学術雑誌にも多数のエビデンスを発表している神奈川歯科大学教授の山本龍生氏は、高齢者の追跡調査で歯が少なく義歯を未使用の場合、20歯以上の者より認知症発症リスクは実に1.9倍になること、歯が少ない者の転倒リスク等、高精度のデータを示した。

国際医療福祉大学教授の竹内孝仁氏は、介護の世界、特に寝たきり状態は全身にさまざまな問題を引き起こすことや、「活動性」をキーワードとする自立支援を介護の柱とし、義歯などでしっかり噛ませると大きな回復がみられることを強調。

続いて、臨床現場で撮影された動画を用いた報告が行われた。大分県開業の河原英雄氏の手技を引き継いだ複数の歯科医師が、脳血管障害や認知症で口から食べることが困難になり、歩行が不自由な患者さんの義歯を調整し、リンゴやピーナッツを食べられるまで改善させ、表情が好転、会話や自立歩行ができるまで回復させた。今後も歯科では機能評価が重視される中、われわれ自らがその重要性を示すことが「歯科界」、ひいては「国民の幸せ」に寄与することにつながる。

シンポジウムでは、「慎重にデータを分析する中で、これほど歯数の回復が全身に影響があるのか正直、心配だった。本日、臨床例やデータを多数見て、自分の研究結果は臨床の通りだったと実感した」と話す山本氏の発言が印象的だった。会場からも、「臨床で症例を積み重ね、それを学会が裏付ける。さらに歯科団体が国民の利益になるよう国にアピールする。未曾有の超高齢社会に向けて、歯科界の団結がこれまで以上に求められる」との発言があった。今後の協会活動への大事な示唆ともなった。

(千代田区/濱克弥)

左は日本顎咬合学会顧問の菅野博康氏。中央が筆者。右は協会の松島良次副会長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右は日本顎咬合学会理事長の上田秀朗氏

右は日本顎咬合学会前理事長の上濱正氏

 

 

 

 

与野党の衆参両院4議員と直接懇談/2.15国会行動を実施

 与野党の衆参両院4議員と直接懇談/2.15国会行動を実施

協会は本日2月15日、衆参両院の国会議員4氏と直接懇談を行った。懇談したのは衆議院議員では、越智隆雄氏(自民党)と歯科医師出身の渡辺孝一氏(自民党)、初鹿明博氏(立憲民主党)の3氏および参議院では、大野元裕氏(民進党)となっている。

今回の懇談は、今次診療報酬改定についての中医協「答申」が加藤厚生労働大臣に提出され、これまでの働きかけや今後の診療報酬改善への方向などを議論し、さらに歯科本体は0.69%増とはなったものの、決して充分な引き上げではないこと、これからの協会の診療報酬改善要望などを説明するために行ったもの。協会からは、坪田有史会長と中川勝洋理事、橋本健一理事が参加した。

なお、国会会期中のため、議員とは直接懇談できなかったものの、以下の21議員には、要請書を秘書に託した。(敬称略、順不同)

【衆議院議員】

◆自 民 高鳥修一、辻清人、白須賀貴樹、木原誠二、鴨下一郎、安藤高夫、鈴木隼人、萩生田光一、加藤勝信、橋本岳

◆公 明 高木みちよ

◆希 望 長島昭久

◆立 憲 山花郁夫、海江田万里

【参議院議員】

◆自 民 尾辻秀久、島村大、山田宏、中川雅治、武見敬三

◆民 進 牧山ひろえ

◆共 産 山添拓

渡辺孝一氏(自民党衆議院議員/歯科医師出身)

越智隆雄氏(自民党衆議院議員)

初鹿明博氏(立憲民主党衆議院議員)

大野元裕氏(民進党参議院議員)

医科系メディアから見た歯科医療界⑪ 歯科界の存在感を示せなかった診療報酬改定の顛末/「要望」ではなく「提案」が欲しい

歯科界の存在感を示せなかった診療報酬改定の顛末/「要望」ではなく「提案」が欲しい

 次期診療報酬の本体プラス改定のキーマンは安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相、横倉義武日本医師会会長の3人だった。

今年6月の日医会長選で4選を目指す横倉会長にとって、前回改定(本体プラス0.49%)を上回るアップ率の確保はまさに至上命題であり、「最低0.6%増」を要求していた。

昨年秋の総選挙で組織を挙げて自民党を支援した横倉氏を、安倍首相は官邸に招き、「しっかりお礼をさせていただきます」と述べている。 

横倉氏は同じ福岡県出身の麻生氏とも気脈を通じており、麻生氏から電話で伝えられた「0.55%増」という数字の政治的メッセージを汲み取り、矛を収めた。その数字は、保険料の企業負担分増を嫌う財界が主張していた「0.5%増」との間を取ったものである。

▼首相との形式的な懇談

日本歯科医師会と日本歯科医師連盟も昨年12月中旬、首相官邸を訪れたものの、わずか15分ほどの、まるで供一見さん僑扱いのごとき懇談では、今回の本体プラス改定に貢献したとは思えない。

国会議員に対しては、日歯は昨年11月下旬、国民歯科問題議員連盟総会で「健康寿命の延伸に向けて」と称する要望書を提出した。「歯科医療や口腔健康管理による医療の財政面での効果」を説くのはいいのだが、後半「歯科界の抱える現状の課題」として経営状況の厳しさを縷々挙げており、読む側に経営能力について疑問を持たれかねない。最後に、同時改定に向けた要望事項として、①必要な改定財源の確保、②在宅歯科医療のさらなる推進、③医科歯科連携、多職種連携の推進―の3項目を掲げているが、漠然としている感は否めない。「要望」ではなく、厚労族はもとより現場経験のある厚労省幹部が食い付きたくなるような具体的な「提案」を出すべきではなかったか。

▼主導権握れない検討会

前回改定で導入された「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」に関しては、次期改定で「かかりつけ歯科医」、「かかりつけ歯科医機能」という呼称や点数新設が、その定義や法律上の位置付けとは関係なく、点数表に新設され、歯科界内外から疑問の声があがっていた。

 懸案の「かかりつけ歯科医」については、厚労省の「歯科医師の資質向上等に関する検討会」が昨年12月下旬にまとめた「歯科保健医療ビジョン」中間報告で言及されており、「歯科診療所は、歯科医療の前提として医療安全等を担う義務がある」と明記された。それもあって、次期改定で感染防止対策が新たに設けられたのだろう。同ビジョンは歯科保健医療の提供体制の目指すべき姿を描いている。重要なビジョンなのに、構成員14人中、歯科医療機関経営者はわずか3人。主導権を握れず、現場の実状に沿った内容を盛り込めなかったようだ。

改定の前哨戦となった提言の段階で、すでにやり込められていたのではないだろうか。

 

筆者:元「月刊 集中」編集長 鈴木義男

「東京歯科保険医新聞」201821日号6面掲載

医科歯科連携研究会 開催しました!

2018年2月4日(日)飯田橋レインボーホールにて、医科歯科連携研究会2017を開催し、医師、歯科医師、スタッフなど164名が参加しました。

歯科からは神奈川歯科大学の三辺教授から「知っておきたい!歯周病と全身疾患のただならぬ関係」のタイトルで、最新の歯周病治療について、たくさんの資料を交えながら講演いただきました。

医科からは、神戸大学の岩田教授から「抗菌薬適正使用とはないか」のタイトルで、抗菌薬の使用方法について、目からウロコが落ちるような講演をいただきました。

お二人の講演を踏まえたパネルディスカッションでは多数の質問が会場から出されました。

プログラムの最後には、参加者同士の名刺交換を行い、参加者同士の交流を深めることができました。

アンケートでは、「患者さんに全身疾患と歯周病の関連性を上っ面で説明していたため、今回のお話しをきけて良かった」「抗菌薬の使い方を間違っていたことを深く学んだ」などの感想が寄せられました。

歯科技工パンフレット「日本の歯科技工を守ろう」を保団連が作成

 

歯科技工パンフレット「日本の歯科技工を守ろう」を保団連が作成

全国保険医団体連合会(保団連)はこのほど、日本の歯科技工に関する元凶と問題点などを的また「日本の歯科技工を守ろう/歯科医師、歯科技工士の厳しい現実」を作成した。この冊子は、保団連が2016年度に実施した「歯科技工所アンケート」の集計結果を踏まえ、全国の保険医協会会員向けに取りまとめたもの。

その中では、①口腔機能の回復を支える技工物、②より良く噛みより健康に生きる、③技工物を作る現場が大変、④矛盾の根源にある低歯科医療費政策―などの事項を示し、説明を加えている。本文は11ページからなり、内容は簡潔に取りまとめられている。

特に、歯科技工士の離職・減少に歯止めをかけるためには、超高齢社会では口から健康を支える歯科技工を守る視点から、歯科技工物の保険点数を抜本的に引き上げる必要性を強調。実際に、保団連がいま取り組んでいる「保険でよい歯科医療の実現」の方向として、①保険点数の引き上げ、②保険範囲の拡大、③窓口負担の大幅軽減―の3本を三位一体で政府に求めていることを紹介している。

なお、巻末では保団連の訴えを「私たちの要求」として以下の5項目を掲げている。

(1)歯科の低医療費政策をやめること

(2)労働時間と原価計算に基づく製作技工・保険点数の決定プロセスを透明化すること

(3)歯科技工士に適切な技工料が手渡るような実効性のある取引ルールを明確化すること

(4)そのために歯科医療費を少なくとも毎年1300億円増強すること

(5)患者窓口負担を大幅に軽減すること

歯科診療所ベランダより撮影/東京の夜空で皆既月蝕観測

歯科診療所ベランダより撮影/東京の夜空で皆既月蝕観測

1月31日夜、3年ぶりの皆既月蝕が起き、東京都内でも観察することができました。この日、東京の夜空では、月は午後8時48分頃から左下から欠け始め、9時51分頃から1時間以上にわたり月蝕が続きました。

ジョージア国出身の「栃ノ心」関が大相撲初場所で優勝/母国の歯科技工士資格持つ

 

 

ジョージア国出身の「栃ノ心」関が大相撲初場所で優勝/母国の歯科技工士資格持つ

東京・両国の国技館で開催され14日目を迎えた大相撲初場所の27日、西前頭3枚目の「栃ノ心」関(30歳/春日野部屋/本名:レヴァニ・ゴルガゼ、ジョージア国出身)が初優勝した。栃の心はグルジア国の「歯科技工士」資格を取得している。平幕の優勝は2012年夏場所の旭天鵬以来6年ぶりのこと。また、春日野部屋所属の力士の優勝は1972年初場所の栃東以来、46年ぶりのこととなる。

栃ノ心は2006年、18歳の時に春場所で初土俵を踏んだ。08年夏場所で新入幕。2013年の前頭11枚目の時、名古屋で右ひざを負傷しするなどの試練を乗り越え、今回の初優勝を果たした。

「栃の心」関の優勝を報じる28日(日)スポーツ新聞1面

 

歯科について政策として真剣な対応が必要/「2018年度診療報酬改善/保険でよい歯科医療の実現を求める署名提出集会」が開催

 

歯科について政策として真剣な対応が必要/「2018年度診療報酬改善/保険でよい歯科医療の実現を求める署名提出集会」が開催

本日1月25日、衆議院議員会館内で「2018年度診療報酬改善/保険でよい歯科医療の実現を求める署名提出集会」が開催され、全国から歯科医師、医師、歯科技工士、歯科衛生士、患者ほか170名が参集。協会から中川勝洋理事、橋本健一理事が参加した。

昨年から実施されていた同署名は全国で31万3917筆を集めた。国会会期中の合間をぬって、衆参両院の与野党議員30名以上が駆け付け挨拶。続けて各協会役員が議員に署名を手渡した。

開会の挨拶を行った「保険で良い歯科医療を全国連絡会」の雨宮真希人会長(歯科技工士)は、「歯科を取り巻く環境は厳しく、歯科医院経営への悪影響を及ぼしている。歯科技工士や歯科衛生士にも歪みが出ている。技工士の労働環境は悪化をたどるだけで、改善は進まず、今後の展望を見出せない。いつでも、どこでも、誰でも、経済的不安なく、歯科診療を受けられるよう、さらに歯科医師、歯科衛生士、患者と連携して頑張っていく必要がある」と訴えた。

全国から170名余りが参加した

続いて、参加者から歯科医療の現状と次期診療報酬改正の注意点、歯科技工士の過酷な労働実態、歯科衛生士雇用問題などの報告を受け、討議を行った。

特に注目されたのは、保険適用拡大を願う会の小尾直子代表からの報告。自身のご子息の歯科矯正体験をもとに、小児の歯科矯正に保険適用の拡充を求める運動を開始した経緯を説明。市議会へ請願活動も行っていくうちに、全国から賛同の意が届き、「地味であり、また市議会への対応などの難しさを改めて実感したが、請願が採択に至っている。歯科診療には素人でも、多くの人との協力、話す場所を提供していただいたことに感謝しています、今後も新たな展開をしていきたい」と報告した。午後には、厚労省で説明する時間も確保していた。

 閉会に当たり、保団連の宇佐美宏歯科代表(副会長)は、「歯科診療所の収益増がなければ、歯科を支える歯科技工士と歯科衛生士の雇用・待遇などにも影響が出る。患者にとって良質な歯科医療を提供できなくなりつつある。診療報酬改定で歯科はプラス0.69%だったが、これでは歯科界の改善には至らない。歯科について政策として真剣な対応が必要になことを各議員が理解し、政治をしてほしい」と強調した。

閉会の挨拶に立つ保団連の宇佐美宏歯科代表

歯科医療拡充に向けさらなる歯科診療報酬の充実を要請/国会議員への要請行動を実施/本日25日の午前中に与野党3議員と直接懇談実現

 

 

歯科医療拡充に向けさらなる歯科診療報酬の充実を要請/国会議員への要請行動を実施/本日25日の午前中に与野党3議員と直接懇談実現

 

協会は本日1月25日、国会議員に対して2018年度歯科診療報酬改定に関する要請行動を行った。橋本健一理事と中川勝洋理事が参加した。

次期診療報酬改定については、麻生太郎財務大臣と加藤勝信厚生労働大臣が昨年12月に改定率を本体でプラス0.55%(歯科はプラス0.69%)に決定している。しかし、この改定率では、そのすべてを再診料に充当させたとしても、再診料を約6点引き上げた額に当たるだけで、今後の必要な歯科医療を提供するには充分とはいえない。そこで、今後も引き続き、地域包括ケアシステムのスムーズな施行、国民から期待される歯科医療の実現に向け、歯科診療報酬の拡充を求めるため、関係議員への要請を行ったもの。

午前中は、国会議員会館において与野党あわせて26名の衆議院議員を訪問し、国会会期中のさなかにもかかわらず、3議員と直接懇談が実現し、他の議員各氏については秘書各氏に要請文を託した。

26議員の内訳は以下の通り(敬称略、訪問順)。

【懇談のできた議員:3氏】

山花郁夫(立憲・東京)、初鹿明博(立憲・東京)、木原誠二(自民・東京)

【秘書対応:23氏】

三ツ林ひろみ(自民・埼玉)、尾辻かな子(立憲・大阪)、末松義規(立憲・東京)、柿沢未途(希望・東京)、長谷川嘉一(立憲・群馬)、若宮けんじ(自民・東京)、西村ちなみ(立憲・新潟)、橋本岳(自民・岡山)、高木みちよ(自民・東京)、越智隆雄(自民・東京)、牧原秀樹(自民・東京)、塩崎恭久(自民・愛媛)、高鳥修一(自民・新潟)、平将明(自民・東京)、太田昭宏(公明・東京)、長島昭久(希望・東京)、菅直人(立憲・東京)、渡辺孝一(自民・東京)、辻清人(自民・東京)、海江田万里(立憲・東京)、大島敦(希望・東京)、松本文明(自民・東京)、井上信治(自民・東京)

山花郁夫議員

初鹿明博議員

木原誠二議員

歯科診療報酬改定への協会の対応や「学校歯科治療調査」への取り組みに注目/第5回メディア懇談会を開催

 

歯科診療報酬改定への協会の対応や「学校歯科治療調査」への取り組みに注目/第5回メディア懇談会を開催

協会は本日1月12日、協会会議室で2017年度第5回メディア懇談会を開催した。2008年3月の第1回開催域腕は、通算66回目の開催となる。司会は広報・ホームページ部長を務める早坂美都理事が務め、地域医療部長でもある馬場安彦副会長が参加した。メディア側の参加は5社・5名。

今回の話題は、①1月1日付「2018年会長年頭所感」、②1月1日付「政策委員長談話」、③次期歯科診療報酬改定に関する現時点の主な特徴、④2018年度新点数説明会の紹介と取材案内、⑤協会実施の「学校歯科治療調査」の現状、⑥2018年度第46回定期総会の開催日と会場、および取材案内―などとした。

◆歯科感染対策

政策委員長談話とも密接に関係してくる次期歯科診療報酬改定に関しては、歯科感染対策をめぐる新たな施設基準と初・再診料の関係、歯科感染対策と米国商工会議所の関連などについての発言が続いた。中でも「患者サイドに立った場合、感染対策の関連で初・再診料に高低ができた場合、患者は感染対策をとっている初診料が高い歯科診療所に通うとは限らない。安いほうへ行く患者もかなり出てくるのではないか」「米国商工会議所が、以前から日本の歯科に対し、罰則付きの感染対策をとるよう求めている」「感染対策をめぐり、国内で個々の診療所に対応することと、対外的に示すことは違う」などが注目された。

◆学校歯科治療調査

その他、協会が実施し、現在集計を急いでいる「学校歯科治療調査」についても議論が巻き起こり、都内では、原則、高校生までは無料で歯科を受診できるのに、受診しない生徒がいることについて関心が集まった。その中では、正確な集計以前ではあるものの「ネグレクトではないのか」などの意見があがった。

◆その他

なお、2018年度第46回定期総会は来る6月10日(日)に中野サンプラザで開催する。詳細は決まり次第、本誌、あるいはホームページで周知を図る。

医科系メディアから見た歯科医療界⑩ 開業医にも求められているパラダイムシフト/医科に先行する歯科の「開業」

開業医にも求められているパラダイムシフト/医科に先行する歯科の「開業」

 次期診療報酬改定については、全体の改定率はマイナス、人件費などに充てる本体部分はプラスとすることで決着した。財務省は本体もマイナス改定を求めていたが、安倍政権を支持する日本医師会のプラス改定の主張を政権が受け入れた。

ところで、改定率も重要だろうが、長期的なトレンドに目を向ける必要がある。それは、人口と財政と技術の変化である。

◆長期的なトレンドに注視する必要が

人口は、少子高齢化により税や社会保険料を払う世代が減少する一方、高齢化で急性期より慢性期の疾患が増える傾向にある。対策として、地域包括ケアシステムの構築が進められている。

財政では、法人税収の大幅減収に伴い、社会保障費の安定的財源として消費税に頼らざるを得ない状況だ。201910月に、消費税率を現在の8%から10%へ引き上げることが予定されているが、教育無償化の財源を社会保障費のカットで捻出すれば、社会保障が圧迫されるだろう。

技術では、AI(人工知能)やICT(情報通信技術)を活用し、がんゲノムや再生医療などの基盤を整備、コストなどを最小限に抑制できる体制作りが進められている。

少子高齢化についていえば、高齢化で医療ニーズが増える一方、医療に従事する働き手が減少する。その結果、医療機関では採用難となる。

◆社会の変化踏まえた経営者としての課題

トレンドとしては病院数が減少し、診療所数は微増している。医師数は国家試験により新規参入数はあまり変わらないので、病院に就職できない医師が増え、開業したり大型診療所に就職するケースが増える可能性がある。開業医や大型診療所のトップは社会の変化を見据え、医療マーケティング、ブランディング、採用やマネジメント、自由診療などが重要課題となる。

医科で今後起きそうな事態は、歯科ではすでに起きているだろう。元々、総合病院で働く歯科医師はほとんどおらず、開業がキャリアパスのメインとなっている。「予防」や「審美」の観点から、自由診療も進んでいる。医科の開業医にとっては供お手本僑になるだろう。

以前、『集中』で取材した医療法人社団ナイズの白岡亮平理事長は、医科の開業医の成功例だ。32歳で開業。38歳の現在、診療所を都内5カ所に展開、ICTを活用したりして多拠点運営を成功させている。「社会に適応した診療所は、患者さんの納得を得られ、社会保障制度的にも妥当性のある医療を提供でき、かつ継続可能性の高い経営をしている」と話す。開業医にもパラダイムシフトが求められている。

 

筆者:元「月刊 集中」編集長 鈴木義男

「東京歯科保険医新聞」201811日号5面掲載

医科系メディアから見た歯科医療界⑨ 普段からの付き合いが物を言う外部を巻き込んだ活動/政治的解決が必要な問題が多いが故に

普段からの付き合いが物を言う外部を巻き込んだ活動/政治的解決が必要な問題が多いが故に

医療界をリードしている人物は誰か。政府、厚生労働省が医療政策におけるカウンターパート(対応相手)と見ている人物は誰か。それは日本医師会(日医)の横倉義武会長というのが衆目の一致するところだろう。日医と病院団体は、以前は関係が疎遠な時期もあったが、現在は緊密な関係を築いている。

◆安倍首相や他業界とも親密な横倉日医会長

日医の横倉会長は日本歯科医師会(日歯)、日本薬剤師会(日薬)とともに称される「三師会」をもリードし、記者会見を主導したり、学術大会で積極的に発言したりしている。

また、安倍晋三首相とメールのやり取りができる個人的な関係を築いていることでも知られる。2018年度診療報酬改定についても、安倍首相と面会し、医師らの技術料に当たる本体部分のプラス改定を求めている。

一方、歯科界を牽引している人物は誰か。政府、厚労省が歯科医療政策におけるカウンターパートと見ている人物、歯科医師であれば誰もが思い浮かべる人物は誰か。それは、日歯の堀憲郎会長か。

堀会長は日医の横倉会長のように安倍首相と面会したことがあるのだろうか。横倉会長の後塵を拝することなく、歯科診療報酬のプラス改定に向け、首相に働きかけなければいけない立場のはずだが、ここ数年、歯科界を駆けめぐった状況では、それは難しいと思われる。

◆貴会の対外活動もより一層の奮闘を

安倍首相は2014年、当時の大久保満男日歯会長らと会食しているが、その際、高齢社会における歯科医療の役割を力説していた高木幹正・日歯連会長(当時)は、翌2015年に政治資金規正法違反で逮捕され、現在、公判中の身である。逮捕の数カ月前には、日歯会長にも就いていた。

このような状況では、日歯側から首相側にコンタクトをとることは、かなり難しいものと考える。まして、2004年に続く2度目の日歯連事件だ。

次期診療報酬改定をめぐる議論が大詰めを迎えている。貴会でもホームページで「診療報酬の引き上げと患者窓口の軽減を求める要請署名」の協力を求めている。しかし、会員の署名は一割ほどしか集まっていないと聞く。会員の危機意識、関心はどうなっているのか。坪田有史会長に求心力が求められる時である。国会議員や厚生労働省などとの日常的な付き合いや駆け引き。会員や市民との接触は、これまでにも増して、強くすることが必要なのではないか。

会長以下、自院を経営しながらの協会活動であることは承知している。各種の活動には自ずと限界があるものと察する。しかし、それでもあえて、今後のより一層の奮闘を求めたいところだ。

 

筆者:元「月刊 集中」編集長 鈴木義男

「東京歯科保険医新聞」2017121日号6面掲載

政策委員長談話「+0.69%では、充分な感染予防対策や歯科医療を提供できない 」/機関紙2018年1月1日号(№574)2面掲載

 

政策委員長談話「+0.69%では、充分な感染予防対策や歯科医療を提供できない」

◆0.69%では経営改善は進まない

12月18日、次期診療報酬の改定率がネットでマイナス1.19%と発表された。内訳は、本体がプラス0.55%、薬価および材料価格がマイナス1.74%であり、歯科は本体がプラス0.69%であった。0.69%の引き上げとは、例えばその全てを再診料に充てたとしても、再診料を概ね6点引き上げるだけのわずかな額でしかない。

先に発表された医療経済実態調査では、医業収益が減る中で経費を削減して損益差額を捻出していることが明らかになっている。設備投資を控え、まさに身を削る努力をして経営を継続しているのが実態だ。しかも、収益差額の最頻値は1993年度には125.7万円であったものが、2016年度では51.9万円にまで落ち込んでしまっている。0.69%では厳しい歯科医療機関の経営を改善するには、低すぎる改定率である。中医協で議論されている改定内容を実りあるものにするためにも、大きな引き上げを求めたい。

◆不十分な感染予防の評価

協会は、各歯科診療所でスタンダードプリコーションが進むよう運動をし、診療報酬においては院内感染予防対策の費用として別建ての評価を厚生労働省に要望してきた。しかし、中医協で示された改定案は協会が求めていた内容にはほど遠い。また、基本診療料に院内感染予防対策の費用を含めて評価する方法は、基本診療料で院内感染予防対策の評価をしていることとなり、容認できない。前述したが、国民の理解を得るためにも、院内感染予防対策の費用は、基本診療料から切り離し、別建ての評価を行うべきである。

さらに、次期改定で新設される院内感染予防対策は、点数自体が外来環よりも低い。歯科では滅菌が必要な機材が多く、2007年7月18日中医協の「平成18年度医療安全に関するコスト調査業務」では、コストは268.16円とされている。それには遠く及ばない点数だ。

また、届出を行えば点数を上げ、行わない場合は初・再診料を引き下げることは、財源を投入せず点数の付け替えで対応する手法であり、反対である。国は、必要なコストを評価し、保険診療における院内感染予防対策の推進を図るべきである。

◆歯科医療の役割

発揮できる改定率を

歯科医療が全身の健康に関与していることは、すでに周知の事実である。今や入院患者の早期退院は、歯科的なサポート無しには考えられない。地域包括ケアシステムでの歯科の役割は大きく、必要な患者に十分な医療を提供するためにはそれにふさわしいプラス改定が必要である。

しかし、このまま社会保障費の削減が続けば、必要な医療提供体制を維持・構築することが困難になる。この様な僅かなプラス改定は、到底納得がいくものではない。

歯科医療機関の現状や歯科医療の重要性などの視点に立ち、必要な感染予防対策や歯科医療が提供できるよう十分なプラス改定を求めるものである。

2018年1月1日 

東京歯科保険医協会政策委員長

松島良次

 

 

歯科保健医療ビジョンを提言/12月25日の厚労省の「歯科医師の資質向上等に関する検討会」の中間報告で

歯科保健医療ビジョンを提言/12月25日の厚労省の「歯科医師の資質向上等に関する検討会」の中間報告で

厚生労働省の「歯科医師の資質向上等に関する検討会」(座長:江藤一洋/医療系大学共用試験実施機構副理事長)は12月25日、中間報告書を取りまとめた。同報告書のサブタイトルは「歯科保健医療ビジョンの提言」となっており、内容は、①歯科医師需給、②増加する女性歯科医師の活躍、③歯科医師に求められる専門性―などに触れている。検討会では、将来のあるべき歯科保健医療の提供体制について検討し、これからの歯科保健医療の目指すべき方向性を形作った上で、歯科医師の資質向上等に関する議論を行う方向でスタートし、その具体像として歯科保健医療の提供体制の目指すべき姿として、「歯科保健医療ビジョン」を打ち出すこととなり、今回の中間報告でその具体的内容を示したもの。

地域包括ケアシステムとの関係では、「地域包括ケアシステムに歯科医療機関が積極的に参画し、その役割を十分果たすことができるよう、地域包括支援センター等が行う地域ケア会議や、医療機関や介護保険施設が行うカンファレンス等において、主として歯科医療従事者が中心となり、他職種に対して歯科保健医療の必要性を伝えていく事が重要である」と指摘。

また、訪問歯科診療に関しては、「外来診療に加えて病院や在宅等における訪問歯科診療を行うことが求められており、各地域で訪問歯科診療の調整機能を担う機関等と連携を図りつつ、その実施状況に関する情報発信など、訪問歯科診療について周知を図ることが必要」としている。

さらに、厚労省保険局主導の次期診療報酬改定との関連で注目されている医政局マターのかかりつけ歯科医の機能については、「かりつけ歯科医は以下に示す3つの機能を有することで、住民・患者ニーズへのきめ細やかな対応、切れ目ない提供体制の確保、他職種との連携を実現することが求められる」とし以下のように3大項目を提示している。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 I  住民・患者ニーズへのきめ細やかな対応

・歯科疾患の予防・重症化予防や口腔機能に着目した歯科医療の提供

・患者に対する歯科医療機関の医療安全体制等の情報提供

・地域保健活動への参画や、住民に対する健康教育、歯科健診等の実施

II  切れ目ない提供体制の確保

・外来診療に加え、患者の状態に応じた、病院や在宅等への訪問歯科診療の実施(訪問歯科診療を実施していない場合は、当該診療を実施している歯科医療機関と連携体制を確保するなど、役割分担の明確化)休日・夜間等の対応困難なケースにおいては、対応可能な歯科医療機関を事前に紹介するなど、歯科医療機関間の連携体制の確保

III  他職種との連携

・医師や看護師等の医療関係職種、介護支援専門員(ケアマネージャー)等の介護関係職種等と口腔内状況の情報共有等が可能な連携体制の確保食支援等の日常生活の支援を目的とした他職種連携の場への参画

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さらに、「 かかりつけ歯科医は、必要に応じて、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師・薬局等と診療内容の情報共有を行うなど、患者が適切な医療が受けられるよう、連携を図ることが必要である」としているほか、「自院で対応できない患者については、他の歯科医療機関と診療情報の共有など連携を図り、適切な歯科保健医療を提供できるように努めることが必要である」と強調している。

中間報告「歯科保健医療ビジョンの提言」全文PDFダウンロードはここをクリック

医科歯科連携研究会2017開催!

毎年恒例となりました、当協会と東京保険医協会、千葉県保険医協会の3協会による医科歯科連携研究会を今年も開催いたします。

今年は「医科歯科関連の口腔内細菌と全身疾患」をメインテーマに、歯科からは三辺正人氏が「知っておきたい!歯周病と全身疾患のただならぬ関係」のタイトルで歯周病が全身の健康に及ぼす影響など全身疾患との関係について解説します。医科からは、岩田健太郎氏が「抗菌薬適正使用とはなにか」のタイトルで、抗菌薬の適正使用の条件などについて解説します。

プログラムの最後には、顔の見える連携作りができるよう、名刺交換の時間を設けました。ぜひ皆さまお誘いあわせのうえ、ご参加下さい。

<講演要旨>

歯科:三辺 正人氏(歯科医師/神奈川歯科大学口腔科学講座歯周病学分野教授)

「知っておきたい!歯周病と全身疾患のただならぬ関係」

歯周病の病態は、バイオフイルム感染に多因子のリスクが関与して発症進行する慢性炎症性疾患である。特に、最近では、歯周病を原因とするバイオフイルムの持続性感染や咀嚼不全が、全身の健康に大きな影響を及ぼすことが明らかになってきている。本講演では、医科歯科連携した診療体系を構築していくために必要な歯周病と全身疾患(特に糖尿病関連疾患)の関係について概説します。

医科:岩田 健太郎氏(医師/神戸大学大学院医学系研究科感染治療学教授)

「抗菌薬適正使用とはなにか」

抗菌薬の適正使用について論ずる。適正使用の条件とはいかなるものか。何をもって不適切とするのか。なぜ適正使用が問題になるのか。このあたりを当日論じていきたい。

<日 時 > 2月4日(日)14時~17時10分

<会 場 > 飯田橋レインボービル 7階大会議室 東京都新宿区市谷船河原町11番地

<交 通> JR総武線、地下鉄有楽町線・南北線・東西線・大江戸線 飯田橋駅から徒歩約5分~9分

<定 員> 200名(3協会合計)

<参加費> 会員・スタッフ無料

<対 象> 会員および診療所のスタッフ

      ※当日は、医科・歯科連携の推進のため、名刺交換を行います。医療機関名の入った名刺をご持参下さい。

<要予約> 03-3205-2999(担当:医科歯科連携委員会)

※2017年度日歯生涯研修に3単位で登録予定です

<会場地図>

「第9回 歯科医師の資質向上等に関する検討会」を開催 /13日 厚労省

12月13日(水)厚生労働省にて「第9回 歯科医師の資質向上等に関する検討会」を開催した。検討会では、歯科保健医療ビジョンの提言について、カルテ開示の必要性や8020運動の成果、ターミナルケア・周術期口腔ケアへの歯科医師の参画の必要性などの議論がなされた。年内には今回の検討会での議論を踏まえた報告書が公表されるとのこと。

歯科診療報酬・歯科衛生士就業対策・歯科感染対策などめぐり8議員と直接懇談/秘書対応あわせ18議員に要請行う

歯科診療報酬・歯科衛生士就業対策・歯科感染対策などめぐり8議員と直接懇談/秘書対応あわせ18議員に要請行う 

協会は本日12月7日、昨日以降、中医協でも審議・検討が煮詰まってきた2018年度歯科診療報酬改定や歯科衛生士の就業対策、歯科感染対策などについて衆参両院の国会議員に要請を行った。協会からは、坪田有史会長、中川勝洋理事、橋本健一理事、濱﨑啓吾理事、および事務局3名が参加した。

議員要請は衆参両院の18議員に対して行ったが、その内訳は衆議院は12議員で、自民党6議員(議員本人と直接懇談は3氏、秘書対応3氏)、野党6議員(同4氏、2氏)。また、参議院は6議員で、自民党3議員(すべて秘書対応)。野党3議員(議員本人と直接懇談は1氏、秘書対応2氏)となっている。今回、与野党の8議員と直接懇談できた意義は大きい。

また、同日、保団連主催による「診療報酬引き上げを求める医師・歯科医師国会内集会」が開催され、協会からは上記理事、事務局が参加した。この集会には、全国から医師、歯科医師、看護師、歯科技工士ほか医療関係職者150名が参加した。さらに、衆参両院の与野党議員が7名が駆けつけて激励の挨拶を行った。

感染症対策と医科への照会を評価へ:中医協総会

11月6日に行われた中医協総会で

歯科医療(その2)が議論され、

「感染症対策」や「医科医療機関への

問い合わせ」の評価などが検討された。

 

 

 

院内感染症対策を評価した新たな施設基準を新設

 感染症対策では、外来環とは別に、新たな施設基準の新設が提起された。

イメージによると、施設基準を届け出ることで、外来環よりも低い点数設定ではあるが、

初再診料に加算できる仕組みが検討されている。

 一方、施設基準を届出できない場合は、初再診料の引き下げが提案されている。。

 

歯科から医科への照会を評価

 医科歯科連携では、連携推進のため、診療情報などを医科医療機関へ照会した場合の

評価が提起された。合わせて、医科から歯科へ情報提供等についても評価が検討された。

 

か強診の施設基準を見直しへ

 かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)については、施設基準の

見直しが提起された。内容は、下記項目が検討されている。

・う蝕や歯周病の重症化予防に関する継続的な管理の実績
・地域連携(地域ケア会議等の介護に関する会議等への参加又は

 地域の健診事業等への協力等)の実績
・在宅医療における継続管理や医療機関間の連携体制等に関する評価
・かかりつけ歯科医として必要な知識や技術の習得を推進するため、研修内容の見直し

 及び一定期間ごとの研修の受講

・かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の施設基準における歯科訪問診療の要件については、

 歯科訪問診療の実績又は在宅療養支援歯科診療所との連携(歯科訪問診療の依頼)実績

 

 

支払側 歯管の見直しを要望

 議論の中では、支払側の委員から歯管の見直しが強く要望された。

健保連の調査から1回しか来院がない患者に初診時に歯管が算定されている例があるとし、

歯管の算定開始を2回目以降の来院からに改めるよう要望した。

 

「歯科医療:その2」を審議・検討/中医協で次期改定に向け議論煮詰める

「歯科医療:その2」を審議・検討/中医協で次期改定に向け議論煮詰める

厚生労働省は本日6日、中医協総会を開催し、2018年度診療報酬改定に向け審議・検討を加えたが、その中で懸案となっていた薬価調査や入院医療とともに「歯科医療(その2)」を取り上げ、事務局が提示した資料に基づき各委員から意見が出された。事務局が示した資料の柱は、以下の3本で、それぞれに小項目が付されている。

1.地域包括ケアシステムの構築の推進

(1)医科歯科連携

  • 周術期口腔機能管理
  • 医科歯科間の診療情報共有

(2)病院併設歯科の評価

(3)かかりつけ歯科医機能の評価

2.歯科外来診療における院内感染対策

3.口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応等

※「歯科医療(その2)」の資料全文PDFはここをクリック!

また、今回は特に歯科医療についての事実上、締めくくりの議論となることから、委員の遠藤秀樹氏(日本歯科医師会常務理事)が資料を提供した。この資料の柱は以下の4本となっている。

1.かりつけ歯科医

2.地域の中の歯科医療

3.地域医療連携に係るアンケート調査

4.歯科医療行為のタイムスタディー調査

※「遠藤委員提出資料」の資料全文PDFはここをクリック!