協会ニュース

2017年秋の共済普及キャンペーン始まりました!

 

秋の共済普及期間:9月1日(金)~10月25日(水)

 協会では、先生方が安心して日々の診療を行っていただく事を目的に下記の共済制度を取り扱っており、9月1日より秋の共済募集キャンペーンが始まりました。

 どの制度も先生方のライフステージやライフイベントに応じて必要な保障を用意できるよう、歯科医師向けのシンプルな制度設計となっています。

 多くの先生から支持をいただいている制度です。この機会にぜひご検討下さい!

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万が一の時、家族の安心のために、手頃な掛金でしっかり保障!最大4000万円まで備えられます。

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傷病での休業の際に手厚い保障!最長730日の長期保障です。入院はもちろん、自宅療養でも、代診をおいても給付が受けられます。掛金は加入時のまま上がらず、掛け捨てではありません。

共済制度への加入や説明を希望される場合は、協会にご連絡いただくか、下記リンクからメールで送信して下さい。メールをいただいた場合は、担当者よりご連絡させていただきます。この機会に会員だけが加入できる共済制度をご検討ください。

グループ生命保険 加入者特典

チラシ・FAX送信表のダウンロードは下記イラストをクリックしてください♪

医科系メディアから見た歯科医療界⑦ 厚労族議員に積極的に関与し育てる戦略を/政治的解決が必要な問題が多いが故に

厚労族議員に積極的に関与し育てる戦略を/政治的解決が必要な問題が多いが故に

 消費税率の引き上げに反対でも、社会保障財源の確保のため三師会(日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会)は総選挙で、消費税増税を前提に教育費無償化等の公約を掲げた与党を応援せざるを得なかった。野党の主張は増税の「凍結」「中止」か「延期」だったからだ。

まして次期診療報酬・介護報酬同時改定を控え、与党政治家の理解が必要な時期でもある。小池百合子東京都知事が代表を務める希望の党の動向が注目されたが、三師会に動揺はなかった。結果は与党の大勝だ。

◆力が弱まる厚労族

『集中』の取材で、中央社会保険医療協議会委員の猪口雄二・全日本病院協会会長は「衆参の厚生労働委員会の議員は重要。政治でないと解決できない問題がたくさんあるから」と話す。

業界のロビイストのような族議員は問題だが、社会保障政策に関する知識や調整能力に長けた族議員は必要だと思う。

しかし、官邸主導の政策決定が続く上、厚労族の力も落ちているのではないか。厚労族ドンの丹羽雄哉氏は引退、尾辻秀久元厚労相も以前のような力はないという。医師の鴨下一郎元環境相は安倍晋三首相と自民党総裁の座を争った石破茂氏の側近で日医にも近く、微妙な立ち位置にある。田村憲久元厚労相、厚相を務めた橋本龍太郎元首相の二男である橋本岳自民党厚生労働部会長はまだ若い。

ある病院団体役員は「厚労族の力が落ちている中、政界も病院界も厚労族議員を育成することを真剣に考えるべきだ。病院団体の役員も政治家との付き合い方が下手な人が多い。現職の団体トップで、唯一、上手なのは、日医の横倉義武会長だ。政治家といかにうまく付き合うかも考える必要がある」と話す。

◆貴重な歯科系議員の会

10月5日、参議院厚生労働委員会委員長に就任した島村大自民党参院議員(歯科医師)を励ます会が、都内のホテルで開かれた。会場には医師会や歯科医師会、企業人らが詰めかけた。会場には、世耕弘成経産相、河野太郎外務相、加藤勝信厚労相、中川雅治環境相の四大臣が挨拶し、参加者を驚かせた。島村参院議員は、同じ横浜を選挙区とする菅義偉内閣官房長官に近いといわれているが、衆院議員である河野、加藤両大臣が、自らの選挙もある中、会場に駆け付けたことに対し、参加者の一人は「それだけ自民党の危機感を感じた」と話す。

島村氏は現在、参議院厚生労働委員会委員長という要職にあり、また、元日本歯科医師連盟の理事長を務めた経験もある。貴会としても、積極的にアプローチしてはいかがか。

人間関係は「モノの交換」という考え方が心理学にある。モノとは、良い意味で遣り取りしているすべての事柄を指す。顔を出すことで相手に満足を与え、次は相手がモノで応えてくれる。日本の政治家は義理堅い面があるので、ここは大事だ。釣り合いが取れている状態を「衡平」という。与えなければ、相手の心理的負債となる「不衡平」すら生じない。

 

筆者:元「月刊 集中」編集長 鈴木義男

「東京歯科保険医新聞」201781日号6面掲載

医科系メディアから見た歯科医療界⑥ 治療効果上げ、信頼関係作る「笑い」の効用/対外的には看板倒れの歯科も

治療効果上げ、信頼関係作る「笑い」の効用/対外的には看板倒れの歯科も

 医療費抑制や健康寿命の延伸を目指し、予防医療の重要さが指摘されている。その割には、国は診療報酬で予防医療に対しインセンティブを付けず、「医師は治療するのが医療」と考えている。予防薬は有効性の証明が難しい上、予防医療は製薬企業の商売敵になるので製薬企業は協力しない。患者の中にも健康意識の高い人と低い人がいる。健康長寿を目指す中高年なら、せめて予防医療以前のウォーキングやヨガなどの運動をしたり、セルフメディケーションで軽度な不調は自ら手当てしたり、多少奮発して人間ドックを受けたりしたいものだ。

◆医学的効果検証研究も

これらに加え、注目されているのが「笑い」だ。今年の2月、近畿大学と吉本興業が笑いの医学的な効果検証研究を始めたと報じられた。もとより笑いは心や体に良いことが医学的に実証されつつあり、病気の予防や治療でも効果が期待されている。以前取材した土浦協同病院では「笑い」や「癒やし」を通じて、患者の自然治癒力や免疫力を高めるプロジェクトを展開していた。当時の病院長が、「笑い」の医学的効果に着目する医師の高柳和江「笑医塾」塾長と出会ったのがきっかけだった。

職員はプロジェクトの研修を通じ、患者を元気づけたり、笑顔を引き出す対応や言葉のかけ方などを身に付けることで、自身や職場、家庭の雰囲気も明るくなる副産物があったという。

医師の資格を持つ落語家の立川らく朝さんは「健康落語」を売りにしているほどだ。また、林家きく麿さんの「歯ンデレラ」は、大企業のトップがガラスの靴ならぬ入れ歯を落とした女性を探すのだが、それは求婚でなく、上手な入れ歯を作れる歯科医師を紹介してもらうため。医科に関しても、こんな小噺がある。「お隣の奥様が交通事故で顔がグチャグチャになったそうよ」「あら、お気の毒」「でも、最近の医療はすごいわね。手術したら、元の顔に戻ったそうよ」「あら、お気の毒」。

◆「笑い」を売りにする

歯科テレビや劇場でお笑いを頻繁に見るわけにはいかないが、要は心の持ちようなのだろう。日常生活の中で笑いの素を探しながら、プラス志向で過ごす。医師と患者もリラックスしてコミュニケーションを取り、信頼関係を作るのが大切だ。

電車の中で偶然、子どもたちが笑う写真とともに「歯医者で笑うなんて」とのキャッチが書かれたポスターを見た。歯科医師が子ども目線のコミュニケーションを重視して治療に当たっているという。興味を持ち、取材を申し込んだが、事務方により門前払い。取材趣旨をいくら説明しても、以前ひどい目にあったことがあるのだろうか、雑誌にはマイナスイメージを持っているようだった。こんな歯医者、笑えない。

 

筆者:元「月刊 集中」編集長 鈴木義男

「東京歯科保険医新聞」201781日号6面掲載

巨星墜つ/100歳を超えなお生涯現役として医学界発展に尽力した日野原氏に対し心から敬意と感謝を表するとともにご冥福をお祈り申し上げます

巨星墜つ/100歳を超えなお生涯現役として医学界発展に尽力した日野原氏に対し心から敬意と感謝を表するとともにご冥福をお祈り申し上げます

 

巨星墜つ。

7月18日、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明氏が、呼吸不全のため亡くなった。105歳であった。葬儀は7月29日、青山葬儀所で行われた。

日野原氏は医業にとどまらず、多種多様な講演会活動、地域貢献活動に携わってきた。日野原氏は、1911年に山口県で生まれ、1937年に京都帝国大医学部を卒業。1941年に東京の聖路加国際病院に内科医として勤務を始めた。1992年には同病院院長、96年には理事長に就任。2005年には文化勲章を受章した。

日野原氏は、1951年から1年間留学した米国のエモリー大学医学部で、患者の人格や考えや意見、生き方そのものを尊重する「全人医療」を学びとり、帰国後は看護師育成を中心に精力的に取り組んだ。また、1954年には病気の早期発見と早期治療の実現を目指し、日本の民間病院では初の「人間ドック」を開設。また、「生活習慣病」という呼称を新たに考え定着させ、予防医療にも力を注がれていたことは記憶に新しいところ。そのほか、終末期医療の充実に向け、日本初の独立型ホスピスの創設にも携わった。

一方、小中学生を対象とした命の尊さを伝える活動として「いのちの授業」を全国で展開。また、自立して生きる新しい老人の姿を「新老人」と命名し、75歳以上の自立した老人で組織する「新老人の会」を設立した。

著作活動にも熱意を注ぎ、200冊におよぶ著作がある。特に2001年に出版した『生きかた上手』は社会的にも注目を集め、200万部を超えるミリオンセラーとなったほか、絵本『葉っぱのフレディ』のミュージカル向け脚本を執筆するなど、執筆活動は広範囲にわたった。

日野原氏はエピソードにも富み、1970年に赤軍派がハイジャックした日航機『よど号』に偶然、乗客として乗りあわせたほか、1995年の地下鉄サリン事件の際は、聖路加国際病院院長として、直ちに被害者の無制限受け入れを行い、率先して治療拠点としての役割を果たすとともに、被害拡大防止に尽力した。

100歳を超えなお生涯現役として医学界発展に尽力した日野原氏に対し、心から敬意と感謝を表するとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。

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※なお、当協会の機関紙2010年5月号(第477号)では、当時98歳を迎えていた日野原重明氏のインタビュー記事を掲載しております。下記をご参照ください。聞き手は、藤野健正理事(当時、広報部長)で、場所は聖路加国際病院理事長室内。

下記インタビュー記事のダウンロードはこちら

就任後あいさつと医療をめぐる情勢/2017年度第2回(通算63回)メディア懇談会を開催

就任後あいさつと医療をめぐる情勢/2017年度第2回(通算63回)メディア懇談会を開催

7月21日、第2回メディア懇談会を開催した。協会からは坪田有史会長と広報・ホームページ部担当部長の早坂美都理事が出席した。

今回は第45回定期総会で新会長となった坪田会長の就任後のあいさつと今後の当協会の活動の方向、来月実施予定の東京都の次年度予算に対する要請、医療・歯科医療をめぐる諸情勢などを話題のほか、6月24日にB型肝炎弁護士団が開催した「歯科の感染対策を考えるシンポジウム」の模様など、参加メディア四社との意見交換が行われた。

冒頭、坪田会長はあいさつで、「前執行部が取り組んできた事業を継続し、着実なものにしていく。また会員数は6月18日の定期総会時点で5236名。会員を増やし、新規事業のデンタルブックと合わせて、さらに広めていく」と意気込みを語った。

参加者からは、中医協の社保審で検討されている次期診療報酬の改定については、「厚労省も認識していると思うが、『かかりつけ』のイメージが厚労省と患者で、大きく異なっているように思える。『かかりつけ』の定義を明確にすべきと思う」との意見が出された。

また、医療情勢でレセプトを電子化してAIを活用しようという動きについては、「審査会を飛ばしてしまおうという話は、昔からあった。審査会は『地域差』があるらしいと言われていて、保険者からも不満があった。そのため、機械化することで審査にムラがないようにしたのではないか」「機械的に審査をしようというのはムラを防ぐためだろう。電子化が進められてきたときから、いつかはこうなることだろうとわかっていた。ただ、電子化することで手書きの方などはあぶれてしまう人もいるだろう」などの意見が続いた。

 

 

 

医科メディアから見た歯科医療界⑤ 会長交代相次ぐ医療関係団体事情/時代が求める変革型リーダーとは

会長交代相次ぐ医療関係団体事情/時代が求める変革型リーダーとは

 

◆「会長への道」

「会長への道」という落語がある。鈴々舎馬風の十八番で、ブラックジョークを交え、落語協会会長を目指す自身の立身出世伝だ。ところで、医療団体ではトップの交代が相次いでいるが、こちらはなりたくてなったというより、周りの要請でなった感がある。

日本医学会の役員選挙では、副会長の門田守人氏(がん対策推進協議会会長、堺市立病院機構理事長)が、「医学界のドン」髙久史麿氏を破った。日本病院会では「名経営者」といわれる副会長の相澤孝夫氏(相澤病院理事長・院長)が、全日本病院協会では副会長で中央社会保険医療協議会委員の猪口雄二氏(医療法人財団寿康会理事長)が、それぞれ会長に選ばれた。この他、日本看護協会も会長が交代した。

◆節目の18年を乗り越えるため

2018年度は医療・介護施策の節目の年だ。6年に1度の診療報酬・介護報酬同時改定をはじめ、第7次医療計画、第7期介護保険事業(支援)計画、第3期医療費適正化計画がスタート。また、国民健康保険の財政運営の都道府県単位化、さらに、2020年度からの本格運用を前にした医療等ID制度の段階的な運用が始まる。これらに加え、新たな専門医制度も始まる予定だ。

これだけの大波を乗り越えるため、医療界では、国との議論はもとより、医療界内や医療機関自身の変革も進めていける人材が求められている。ある医療関係者は「日本医学会の場合、高久氏は86歳。変革はトップが高齢だと難しい。門田氏は人柄が良く、保守的で厚労省とも仲がいい。関西の医療人は喜んでいるだろう」と解説。病院団体については「相澤氏、猪口氏とも論客。時代の要請だ。病院団体は日本医師会に押されていたので、今後は両者のバトルが予想される」と話す。

◆国とのパイプ作りを

貴会でも、618日の第45回定期総会で副会長の坪田有史氏が新会長に就任された。メディア懇談会で記者にはお馴染みの顔だ。活発な意見交換をするなど協会活動への熱心さは感じていた。坪田氏は54歳と若いが、副会長陣も若返った。目を引いたのは、前会長が副会長、元会長が理事に就いたことだ。病院団体なら名誉会長とか顧問とかに就くところだろう。

会員の一人は「会長経験者に能力を発揮して働いてもらうということ」という。風通しのよさは感じるが会長候補者が坪田氏一人とはどうしたことか。国とのパイプにも心もとなさを感じた。機関紙に自民党国会議員が登場しているのは承知だが、総会終了後の懇親会に来賓として来た国会議員は民進党と共産党で、与党議員がいなかったからだ(与党都議がお一人おられたが、途中で退席された)。

会員数では東京都歯科医師会に迫りつつある勢いを持つ貴会だけに、今後の変革と発展に期待している。

 

筆者:元「月刊 集中」編集長 鈴木 義男

「東京歯科保険医新聞」201771日号6面掲載

医科メディアから見た歯科医療界④ 日歯記者会加盟審査で見たメディアとの旧態依然な関係

日歯記者会加盟審査で見たメディアとの旧態依然な関係

今村雅弘前復興相を激高させた記者会見で、一時話題となった記者クラブ制度の弊害問題を思い出した。

あの会見での質問者はフリージャーナリストだ。一般的には省庁ごとに記者クラブがあり、クラブに加盟していないと会見に参加できない。ところが復興庁の場合、クラブがなかったので会見に参加できたようだ。日本の会見では発表する側も記者側も丁寧で礼儀正しくあろうとする。特に、親睦組織的な側面を持つ記者クラブにはその傾向が強い。しかし、一匹狼的なフリージャーナリストには、そのような予定調和は通用せず、約七分間も粘り強く厳しい質問を繰り出した。

記者クラブをめぐっては、以前からフリーランスや外国メディアなどから「排他的な権益集団」と批判的な声があがっており、長野県知事時代の田中康夫氏が「脱・記者クラブ宣言」をしたり、民主党政権が官庁の記者クラブオープン化を進めようとしたりした。現在も徐々にではあるがオープン化は進んでいる。

◆半年以上検討中の日医

実は、弊社が日本医師会プレスクラブに加入申請した際、半年以上待たされた。今村聡日医副会長が日医への理解を得ようと本を出した際、弊誌のブックレビューで紹介記事を載せ、その中で「日医のイメージは行政とメディアによって歪められたという指摘は納得しかねる」と書き、「半年以上、検討中」の事実を述べ、「どのメディアにもオープンであってこそ『医師の代表機関』ではないのか」と指摘。後日、立食パーティーで著者の今村氏にお会いした際、思い切ってそのことを話したところ、直後に加盟できた。

◆1年後審査の歯科記者会

弊誌では、日医と執行部に対し厳しい記事を載せているが、横倉義武日医会長は「日医に対する激励だと受け止めている」と話す。厚生労働省には、一般紙やテレビ局が加盟する厚生労働記者会と、専門誌が加盟する厚生日比谷クラブがあり、その会員は日医プレスクラブに自動的に加盟できる。しかし、それ以外のメディアが入会するには、企業に所属し、媒体を持っていることが前提だ。

この連載を持ったこともあり、日本歯科医師会の歯科記者会にも加盟しようとした。日歯に連絡すると、クラブ幹事社に連絡を取ってくれとのこと。そうすると、近々開く総会で幹事社が交代するので、新幹事社に連絡を取ってほしいという。新幹事社に連絡を取ると、加盟の趣旨書、発行媒体、会社概要を送ってくれとの要望。送った後に連絡すると、記者会の加盟社は現在、歯科メディアだけで、加盟審査は来年春の総会まで待たないといけないと言われた。日歯は、今後も日本の歯科医療を進めるために牽引力を発揮しなければならない。その際、メディアの存在は重要かつ大切と考えるが、如何だろうか。

 

筆者:元「月刊 集中」編集長 鈴木 義男

「東京歯科保険医新聞」201761日号6面掲載

医科系メディアから見た歯科医療界③ 高額な自由診療は技術力と患者への説明力が必要/経営には地域特性を考慮すべき

高額な自由診療は技術力と患者への説明力が必要/経営には地域特性を考慮すべき

近年、歯科医師過剰が問題視されている。一方で、歯科医師の免許は持っているが実際は大学に勤めている、女性の場合は家庭に入っているなどの事情で、診療をしていない人たちも少なくないので、「現実的に過剰というほどではない」との声もある。また、歯科診療所数もコンビニエンスストアの店舗数を上回り、過当競争の激化が指摘されているが、こちらも地域によって歯科診療所過疎地もあるので、一律に過剰とはいえないとの指摘がある。

少なくとも首都圏、特に都内では歯科診療所の看板がよく目に入る。以前、診療報酬債権を供担保僑として現金を得る診療報酬債権ファクタリングの取材をした際、先方が「ファクタリングを利用するのは歯科医院と介護事業者に多い。歯科医院は自転車操業に近い経営だったり、結局、廃業に至るケースも少なくなかったりする」と話していた。

▼患者が自由診療を選ぶ時

最近の取材経験でいえば、競争が激化する状況下でも経営が好調な歯科診療所はある。自由診療を主軸に「短期集中治療」「マイクロスコープを使った最先端治療」「完全個室制」をウリにする東京・港区の歯科診療所では、自由診療と保険診療の両方の内容を提示するが、患者が主体的に自由診療を選ぶケースが大いという。診療所長はブログやメディアを通じて口腔ケアと健康に関する積極的な情報発信や啓発活動も行っており、患者は各地の富裕層や駐日外国人が多いそうだ。千葉市内の歯科診療所では、口腔内カメラで撮った画像をモニターに映し、患者に症状の説明をしながら治療の了解を得るようにしていた。診療所長は「歯科診療というと、高額な自由診療を押し付けがちなイメージがあるかもしれないが、患者さんと、とことんコミュニケーションを取って、患者さんも私も納得できる治療を選択している」と話す。さらに、スタッフが歯に関する院内便りを作成したり、地元のイベント情報を院内に掲示したりするなど地域密着型の歯科診療所づくりに取り組んでいた。

▼健康意識と要求の違い

歯科医師の説明と患者の納得が重要だ。納得できれば、高額な自由診療でも患者は自らが選ぶ。結果的に、歯科診療所の収益安定につながる。ただし、その順番が逆になってはいけない。もちろん地域特性を見据えた経営は重要だ。患者の健康意識や学歴、所得、治療要求によって保険診療・自由診療のいずれかが主軸になる。

どちらにせよ、ベースにあるのは歯科医師自身の技術力。そして患者と向き合って説明して納得を得る説明力。さらに人間性が欠かせない。その上で、優れた接遇やサービス、先進機器が、付加価値として患者から評価されるようだ。逆に、このレベルが低いと、口コミやサイトで批判されることになる。

 

筆者:元「月刊 集中」編集長 鈴木義男

「東京歯科保険医新聞」201751日号6面掲載

医科系メディアから見た歯科医療界② 見落とせない今後の日歯の対応/問われる堀会長の力量・手腕・底力

見落とせない今後の日歯の対応/問われる堀会長の力量・手腕・底力

団塊の世代全員が後期高齢者になる2025年を目標に地域包括ケアシステムの構築が進められている。2018年度は、医療・介護施策の大きな節目となるだろう。6年に1度の診療報酬・介護報酬同時改定だけでなく、第7次医療計画、第七期介護保険事業(支援)計画、第3期医療費適正化計画がスタートするからだ。

◆施策関与弱い歯科

節目の年を前に、歯科医療界の施策への関与の度合いはどうか。3月に歯科医療関連のメディアが集まる会合の中で、その現状を垣間見る機会があった。肝心な、社会保障審議会介護保険部会に歯科医師委員がいないため、歯科抜きの議論となっていること。そもそも公的な検討会や審議会などに歯科医師の構成員が少なく、歯科の視点から意見を述べる場があまりないこと。さらに、日本歯科医師会(日歯)は2000年の介護保険制度スタート時に介護分野への関与に関心が低かったこと。過去の歯科への厳しい診療報酬改定に対する対応に追われ、将来に向けた布石が後手に回ったことなどだ。地域包括ケアシステムの当初案では、歯科の存在は無視されていた。現在は口腔関連の在宅医療や介護予防において歯科の役割が位置付けられているが、実際は心もとない。貴会が先月開催したメディア懇談会で、政策委員長談話と地域医療部長談話が紹介されたが、前者では「医科歯科連携にインセンティブを与える施策」、後者では「混合介護に反対」という意見が述べられている。現実は、医科や介護との関係構築ができていないのだろう。

日歯の堀憲郎会長は今年1月、「今年の最大の課題は平成30年度の診療報酬と介護報酬の同時改定だ」と発言。その実直な性格は評価され、中央社会保険医療協議会委員を務めた経験から診療報酬に精通している点も期待されているという。

◆なすべきことをなす義務が…

しかし、人柄がいい人が必ずしも成果が出せる人とは限らない。ましてや、これから本格的に動くには、遅きに失した感がある。年内には同時改定の柱が決まってしまうからだ。同時改定が2025年体制に向けて肝になることや、そのために公的な検討会や審議会の構成員にもっと多くの歯科医師を送るため根回しが必要なことは、数年前から分かっていたはずだ。

もちろん、日本歯科医師連盟の相次ぐ不祥事のため、行政が歯科医師を構成員に就けさせなかったり、日歯も遠慮して積極的に動かなかったりした面もあっただろう。しかし、歴代の執行部は少なくとも会員のために「なすべきことをなす」義務があったはずだ。その観点からの批判は、会員からあがってこないのだろうか。

 

筆者:元 月刊「集中」編集長 鈴木 義男

「東京歯科保険医新聞」201741日号5面掲載

医科系メディアから見た歯科医療界① 逆境下で求められる情報発信とイメージアップ戦略/映画「キセキ」ヒットの意味

逆境下で求められる情報発信とイメージアップ戦略/映画「キセキ」ヒットの意味

医科向けの医療情報誌の編集をしているが、数年前から貴会のメディア懇談会に参加している。事務局の方からこのほど、貴紙への執筆を依頼された。歯科は詳しくないとお断りしたが、自由に書いて良いとのことで、お引き受けした。

編集長として携わる「集中」でも、医療だけでなく、政治・経済・社会分野の記事も載せており、広い視野で歯科医療から歯科医療界、そして貴会を見てほしいとの意図と受け止めている。

取材者側にとり、懇談会スタイルは通常の記者会見と異なり、本音を聞けるのが良い。貴会のメディア懇談会と同様、病院団体では日本病院会の記者懇談会が病院経営の苦労や医療人自身が考える医療政策の問題点などが分かり、記事の企画や内容を深めるのに役立つ。

◆欠かせぬ国民の理解

単なるストレートニュースのような記事だけでは、一般の人たちに病院経営者や医療人の問題意識や苦悩まではなかなか伝わらない。医療政策が政治的な思惑で左右される中、業界としては国民の理解を得ることが欠かせない。貴会や日本歯科医師会でも一般向けに情報発信やイベントを行っているが、国民の中には過去のイメージにとらわれている人が少なくない。例えば、日本医師会に対しては、「喧嘩太郎」の異名を取った武見太郎氏や圧力団体としてのイメージ。日歯に対しては、日本歯科医師連盟事件に象徴されるイメージだ。

◆歯科に望ましい状況が

そんな中、歯科医療界にとって望ましい状況が起きている。顔を見せないボーカルグループ「Greeeen」の代表曲「キセキ」の誕生秘話を描いた映画「キセキ」の大ヒットだ。メンバー4人が歯科医師ということで観に行った。人気若手俳優の出演もあり、映画館内は若い女性やカップルが多く気が引けたが、単なる青春ドラマやグループの成功譚でなく家族の物語でもあり、中年男の胸をも打つ内容だった。ちなみに、メンバーが顔出ししない理由は、歯科診療の障害にならないため。リーダーは東日本大震災時、被災遺体の身元確認に貢献している。「キセキ」は、ぴあ映画初日満足度ランキングでトップになり、上映館も拡大中だ。

2014年3月、北海道の農業高校を舞台にした学園漫画「銀の匙」の実写映画が公開された際、農業高校の志望者が急増した。「13歳のハローワーク」の人気職業ランキングでは、歯科医師は100位に入っていないが(医師は7位)、「キセキ」のヒットが歯科医療界と歯科医師の人気につながる可能性は高い。しかし、業界団体が歯科医療界の印象に疑問符を打たれるような状況を招く一方で、商業映画が結果として業界のイメージアップに寄与するのは皮肉だ。

 

筆者:元 月刊「集中」編集長 鈴木 義男

「東京歯科保険医新聞」201731日号6面掲載

“デンタルブック”のログイン方法が変更になりました!!

“デンタルブック”のログイン方法が変更になります!!

7月3日(月)から、協会員の皆様にご活用いただいております“デンタルブック”のログイン方法が変更となります。その概要は、下記の通りです。

今後とも、デンタルブックのご活用をお願いいたします。

 

下記説明書のダウンロードはここをクリック!!

 

第45回定期総会「決議」/機関紙2017年7月1日号(№568)2面掲載

第45回定期総会「決議」

政府は、2017年度政府予算案で、一般会計の総額を前年度当初比0.8%増の97兆4547億円とし、軍事防衛関係費を5年連続増額の5兆1251億円とした。しかし、社会保障費は、2016年度から2018年度の3年間で自然増を1兆5000億円に抑制し、更にその抑制方針を2020年まで継続しようとしている。

伸びの抑制に導入されるのは、70歳以上の高額療養費制度の上限額引き上げ、介護保険利用料の3割負担導入など高齢者を狙い撃ちにした自己負担の引き上げである。このことは、医科よりも低い高齢者の歯科受療率を更に引き下げ、歯科疾患の重症化を招きかねない。患者の負担増を進める動きには反対する。

さらに、歯科医療機関の経営は厳しい。第20回医療経済実態調査結果では、都内23区を集計した1級地の医療収益の伸び率は-1.2%であり、その減収分を歯科材料や医薬品などの経費削減で補っている現状が明らかになった。在宅医療や基礎疾患を持つ高齢者へ歯科治療が重視される中、患者に安心・安全な歯科医療を提供できる体制が脅かされている。歯科診療報酬の引き上げを行うとともに、保険診療に係る仕入れ価格のうち消費税分の負担を強いる損税問題も早期に解決すべきである。

私たちは、社会保障削減策を推し進める動きに断固反対し、国民の生活と歯科医療の充実の実現に向けた運動を国民とともに力を合わせ、以下の要求を表明する。

一.わが国の社会保障を後退させず、世界の国々が模範とする社会保障制度を充実させること。

一.高齢者の医療保険や介護保険の自己負担を引き下げること。

一.歯科医療機関の経営を抜本的に改善するため、歯科診療報酬を引き上げること。

一.社会保険診療に係る消費税非課税制度を、ゼロ税率に改めること。

一.保険医を萎縮診療に誘導し、結果患者の受療権を侵害する高点数を理由とした一切の指導を行わないこと。

一.生命と健康を脅かすものを排除し、平和を尊ぶ社会を目指すこと。                          

2017年6月18日

東京歯科保険医協会

第45回定期総会

新会長に坪田有史氏/協会の2017年度第45回定期総会を開催

新会長に坪田有史氏/協会の2017年度第45回定期総会を開催

6月18日、協会は「東京歯科保険医協会2017年度第45回定期総会」を中野サンプラザで開催した。今総会では、2016年度の活動・予算決算などの報告のほか、2017年度の活動計画案と予算案などの議案について審議・検討を加え、すべて賛成多数で可決された。また、6項目による総会決議も採択した。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、今総会は役員改選の年に当たるため、定款に則り会長、副会長、理事が選出され、新会長には、これまで副会長、政策委員長などを担当していた坪田有史氏が選ばれた。

 

◆坪田新会長あいさつ

坪田新会長はその就任に当たり挨拶し、その中で、これまで会員からいただいた支援、協力について、今後も引き続きお願いしたい旨を述べるとともに、「歯科のおかれている現状は厳しい。少子高齢化が進み総人口も減少しており、歯科でも疾病構造が大幅に変化しているのも事実。なかなか難しい時代だが、頑張っていきたいと思う」と訴えた上で、「公的医療保険の中で総枠拡大はどうしても必要と考える。いろいろと前向きに考えたい」と、来年度の診療報酬・介護報酬同時改定を視野に入れた今後の方向を示唆。さらに「副会長、理事者、執行部とともに、また事務局とスクラムを組んで進みたい。会員、国民、都民、患者、協会の将来のために頑張りたい」と抱負を述べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆近未来の歯科医療語る/医療ジャーナリストの田辺功氏が記念講演

総会に続き、記念講演として、医療ジャーナリストで元朝日新聞編集員の田辺功氏による「近未来の日本の医療と歯科」をおこなった。田辺氏は、自身の科学部で医療問題を担当していた記者時代からの経験を紹介した後、歯科は今後も口腔関係の専門家であるとともに、食と栄養に関する専門家であるべき点を指摘し、「口腔ケア」の概念と全身の健康と疾患の関係が解き明かされてきた経緯を説明。しかし、その重要性とは裏腹に、現状では病院歯科は減少しており、病院では「口腔ケアの実情を見聞することもしなければ、厚生労働省が推進を図ろうとしなければやろうとしない。これはおかしい」とした。さらに、「厚労省の一番の関心事は、基本的には医療費減らしとその方法論、医科・歯科の医療の“質”のことを忘れている」と訴えた。また、歯科と医科の関係についても言及し、歯科は医療の質を注視すること。および歯科は、口腔内の専門家とともに栄養の専門家であってほしいとした。

◆懇親会の模様

総会、記念講演後に開催された懇親会には、記念講演を行った田辺氏も参加し、さらに国会議員、都議会議員や協会顧問弁護士、顧問税理士、友誼団体関係者も加わって議論を重ね、さらに交流を深めた。

懇親会会場で壇上に上がった新役員オールキャスト

歯科の近未来を語り合い、この講演を軸に、医療界からの改革を起こす契機に!!/第45回定期総会記念講演に向け田辺氏が語る

歯科の近未来を語り合い、この講演を軸に、医療界からの改革を起こす契機に!!/第45回定期総会記念講演に向け田辺氏が語る

来たる6月18日(日)午後2時から、当協会の第45回定期総会が開催される。その第2部の記念講演「近未来の日本の医療と歯科」の講師を務める医療ジャーナリストで元朝日新聞編集委員の田辺功氏が、本日15日午後4時半、協会事務局を訪れ、当日のスライド資料ほかの最終調整を行った。そのなかで田辺氏は、「明るいイメージを抱いて歯科の近未来を語り合い、この講演を軸に、医療界からの改革を起こす契機に!!」と重ねて強調された。

田辺氏作成の資料は、当日の記念講演とともにご覧いただくこととなるが、ここでは、協会の機関紙に2015年9月1日号(No.546号)~2017年2月1日号(No.563号)に連続掲載された『歯科医療点描』全18回分を再編集したものをご紹介させていただく。表記をクリックしていただき、全6ページ18話のPDF版をご覧いただきたい。また、記念講演の柱の一部は、この連載内容をベースに、さらに詳しい内容出会届けすることとなっており、18日(日)午後4時30分から中野サンプラザ11階「アネモルーム」で開催する記念講演に、ぜひお越しいただきたい。当日のご参加も大歓迎です。

◆田辺功氏略歴

たなべ・いさお/1944年生まれ。68年東京大学工学部航空学科卒。同年朝日新聞社入社。2008年、朝日新聞社を退社後、医療ジャーナリストとして活躍中。著書に「かしこい患者力―よい病院と医者選び11の心得」(西村書店)、「医療の周辺その周辺」(ライフ企画)「心の病は脳の傷―うつ病・統合失調症・認知症が治る」(西村書店)、「続 お医者さんも知らない治療法教えます―こんな病気も治る!」(西村書店)ほか多数。

★「歯科医療点描」全18話PDFダウンロードはここをクリック!!

歯科医療界の近未来に明るい展望を/6.18定期総会の記念講演に向け講師の田辺さんに聞く

歯科医療界の近未来に明るい展望を/6.18定期総会の記念講演に向け講師の田辺さんに聞く

来たる6月18日(日)に協会の第45回定期総会が開催される。会員各位には、既に当日の「定期総会議案書」をお届けさせていただいた。

先ずは、その裏表紙をご覧いただきたい。

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この定期総会で午後4時30分から開催する第2部記念講演「近未来の日本の医療と歯科」で講師を務める田辺功さん(医療ジャーナリストで元朝日新聞で医療問題に専門に取り組む科学部所属で編集委員も務めた)と、当日の聞き所などについてうかがってみた。同じく当日司会を務めるコーディネーターの早坂美都理事(広報・ホームページ部担当)との“放談”は90分に及んだ。

◆近未来の歯科の議論にフロアーも引き込む

田辺功さん。医療問題を取材して半世紀のキャリアを持つベテランだ

今回の田辺さんの視点としては、「広く日本の医療を捉え、その方向を占った上で、歯科医療に話題を絞り込み、2016年診療報酬改定とその後の歯科医療の現場での状況から、今後の歯科の進むべき方向を割り出す。

もちろん、18年度改定も視野に入れてのこと」と、医療問題を取材して半世紀に迫る経験と見識などをベースに、現在の歯科の問題を一歩進める方向に引っ張っていく。しかも、「参加者はすべて会員=現役歯科医師のため専門用語も使って話を進める。こうした流れの先に、“近未来の日本の歯科”について言及して行く。もちろん、診療現場での患者対応、設備や人員などの必要経費などを含めた形での正当な報酬の方向、現実的な診療所運営に関する一工夫なども話題に取り込む…」。とかなり欲張った内容の講演となりそうだ。

広報・ホームページ部担当の早坂美都理事。協会機関紙の「きき酒いい酒いい酒肴」や記名記事で読ませる文章が得意。今回は総会記念講演のコーディネーターを務める

一方、コーディネーター役を務める早坂理事は、臨床現場での実情を踏まえ、適時、日々の診療や同じ歯科医師仲間との情報交換などの中で把握したホットな話題を提供し、田辺さんとも軽快なやり取りをしながらフロアーを議論に引き込み、あるいは意見を募り、議論の輪を広げていく。

 

 

 

 

 

歯科問題の現状に理解示す/6.1国会議員要請で宮本徹衆議院議員と懇談

歯科問題の現状に理解示す/6.1国会議員要請で宮本徹衆議院議員と懇談

6月1日の署名集会とあわせて実施した国会議員要請行動では、共産党衆議院の宮本徹議員との懇談を行った。

宮本議員に対して協会の橋本健一理事は、現在歯が多いほど医療費が少ないこと、8020達成者は医科・歯科共に医療費が少ないことなどをデータをもとに説明。さらに、総医療費に占める歯科医療費は7%以下となっており、基本的な診療項目の診療報酬が上がらない、新規項目・技術がなかなか導入されないことなどを説明し、「このままでは口腔と全身の健康問題への対応など、歯科における疾病構造の変化に対応することができない」と、歯科の現状を訴えた。

宮本議員も橋本理事の説明に大きくうなずくとともに、患者窓口負担を現行のままにして診療報酬を引き上げるれば、患者は苦しい状況になるため、患者負担・窓口負担を減らすことが大切であると指摘するとともに、歯科での感染症対策などにもコストがかかるが今の診療報酬などでは対応できず厳しいことなどにも言及し、歯科医療への理解を示した。

橋本健一理事:歯科の現状のほか、診療報酬の充実と患者負担軽減は両輪であることを説明

宮本徹議員。患者窓口負担を現行のままにして診療報酬を引き上げるれば、患者は苦しい状況になるとの認識

6.1「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名提出集会を開催

6.1「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名提出集会を開催

全国保険医団体連合会(以下、保団連)と「保険で良い歯科医療を」全国連絡会は1日、「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名提出集会を衆議院第1議員会館内で開催した。

今回の署名提出集会は、今年度より、①70歳以上の患者負担限度額(高額療養費制度)の引き上げ、②65歳以上の療養病床の患者に対し、新たに居住費負担、③後期高齢者の低所得者などの保険料の引き上げなど段階的に進められる中で、医療・介護の負担増中止を求めるために開催された。「保険で良い歯科医療を」全国連絡会の署名提出集会は、歯と口の中を健康な状態に保つことち前新進の健康は深く関係していること、国民がお金の心配をせず、歯科医療を安心して受けられるよう、窓口負担の軽減、さらに歯科医療の保険適用範囲拡大を求め開催されたもの。

国会会期中にもかかわらず、衆議院から郡 和子議員(民進党)、初鹿明博議員(民進党)、柚木道義議員(民進党)、升田世喜男議員(民進党)、田嶋 要議員(民進党)、中島かつひと議員(民進党)、畑野君枝議員(共産党)、堀内照文議員(共産党)、清水忠史議員(共産党)の各議員。

参議院から川田龍平議員(民進党)、岩渕 友議員(共産党)、武田良介議員(共産党)が駆け付け、挨拶し続けて「今こそストップ!患者負担増」「保険で良い歯科医療」署名を各議員に託した。

さらに保団連の住江憲勇会長は、「政府・行政は社会保障の削減について、『無い袖は振れない』と初めから患者負担増ありきで話が終わる。それで済ませるのではなく、歳出・歳入を見直して、患者さんが安心して医療を受けられるように政策を見直してもらいたい」と訴えた。

この後、各保険医協会・医会は国会議員要請に移った。

 

政策委員長談話「需給問題が歯科医師の質の低下に」/機関紙2017年6月1日号(№567)2面掲載

政策委員長主張「需給問題が歯科医師の質の低下に」

本年3月、「第110回歯科医師国家試験」の合格発表があり、新たに1983名の歯科医師が誕生した。

今回の合格率は、全体で65.0%となり、第106回が71.2%で、第107回から第109回までの3年間が63%台であったので久しぶりのアップであった。

◆歯科医師国試合格者数4年連続2000人前後の背景は

一方、合格者数は4年連続2000人前後である。推測ではあるが、直近4年間は合格者数を2000人程度とすることが、初めから決められていたのではないだろうか。来年以降も合格者数に注目していく必要がある。推測が正しければ、合格率は受験者数によって微増減した数字になっているだけで、大きな意味を持たないこととなる。また、過去は資格試験の意味合いが強かった歯科医師国家試験が、近年では競争原理が働く選抜試験の様相を呈している。そのため、大学によっては国家試験の合格率を上げることに注力し、人格的に良質な資質を有する歯科医師を育成する本来の歯学教育の目的が疎かになってはいないだろうか。

◆増加する卒業認定のみ人数と今後

新卒において、出願者数2462人、受験者数1855人、合格者数1426人の結果、不合格者数は429人であった。なお、出願者数と受験者数の差は607人で、前年11月に出願したが、留年、卒業延期、そして国家試験は受験できず卒業認定のみとなった方たちの総数で、その数は年々増加している。特に、いくつかの私立大学で卒業認定日を操作することによって、国家試験を受験することはできないが、卒業はさせるということで、合格率の粉飾を図る戦略を行っていることが疑われる。これらの方たちは、次の第111回では新卒に分類されると考えられ、先送りにしただけに過ぎない。学生を大学から卒業させたということは、間接的に歯科医師国家試験を受験できる知識や技術などを身につけたと判断したことである。したがって、卒業認定のみを行うことは、大学自体が学生の最終目標である歯科医師免許取得のための教育を放棄し、卒業後は免許取得のため、各自で国家試験の勉強をせよと通告したこととなり、責任の所在に大いに疑問がある。

2016年度の29大学歯学部・歯科大学の入学定員数は2449人である。合格者数が2000人前後の現状からみると、前提としての入学定員数が多すぎるのではないだろうか。厚生労働省(以下、「厚労省」)は過去、歯科医師の需給に関して議論を行い、大学の入学・募集定員について数回の提言が出されている。その結果、各大学が取り組み、すでに削減が行われているが、十分なのであろうか。

「第110回歯科医師国家試験」での既卒の受験者数は1094人で不合格者数は637人である。厚労省サイドでは、以前から受験回数制限の議論が行われており、将来的に受験回数が制限される可能性があるが、現時点では、いわゆる国家試験浪人の方たちも多くの方が諦めることはないと思われる。したがって、入学定員数が維持され、2000人の合格者数を続けるならば、大学を卒業しても歯科医師になれない方たちが増え続けることとなる。このことは歯科界のみならず、社会的な問題といっても過言ではない。

◆学生の質か教育内容の差か

一方、最低修業年限の歯科医師国家試験合格率からみると、2010年4月入学者が六年間の教育を受け、2016年3月の「第109回歯科医師国家試験」に合格した比率は、29大学歯学部・歯科大学で平均50.7%、17私立大学に限ると平均42.7%である。全体でも半数の学生が留年や退学などの理由により、いわゆるストレートで歯科医師免許を取得していない。また、私立大学では、最高74.2%から最低13.2%までと、大学間での差が大きい。この原因は、そもそも学生側の質に問題があるのか、医育機関である各大学の教員や教育内容に差があるためか、証左がないため判らず断定できない。しかし、この格差は異常な状態といわれても致し方ない数字である。

◆歯科医療費の総枠拡大と歯科医師の将来の量的供給そして「質」

2014年の歯科医師総数は10万3972人、そのうち医療施設従事者数は10万965人で、人口10万対歯科医師数は81.8人である(厚生労働省「医科・歯科医師・薬剤師調査」)。1970年の人口10万対歯科医師数が35.2人であったので、大幅に増加しているといえる。しかし、世界的にみるとこの数字は多いほうとはいえない。また、歯科医療サービス提供体制の充実のためにさらに歯科医師を増やす必要があるという論理にはなるが、国民皆保険を堅持する立場からいえば、歯科医師が増えれば歯科医療費の総枠拡大が不可避となる。政府が社会保障費の削減を推し進めている現状では、その論理に同意することは困難である。

総人口の減少、あるいは疾病の軽症化などを背景に考えると、現在の歯科医療を持続することだけを進めるならば、歯科医師の需要予測としては厳しい。したがって、将来的に予防や継続管理の充実、在宅歯科医療などにシフトしていかなくてはならない。

このことは、2016年診療報酬改定で「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」も新設、SPTの要件緩和、初期う蝕への評価など、厚労省はすでに動き出している。しかし、変化する歯科的ニーズに対して歯科医療が良好にシフトチェンジできたとしても、将来的な量的供給は今後も現状維持できるのであろうか。

他方、重要なこととして需給問題は歯科医師の質と密接な関係がある。職業として歯科医師を選択する人が減少していることは、私立大学歯学部・歯科大学の競争倍率の低下や大学予備校の発表している偏差値の数値に現れている。入学定員が充足していない大学、また偏差値をインターネットで調べると、46以下とされている大学が複数あるのは厳然たる事実である。

◆協会は新規参入1200名を提言

6年間という長い期間、さらに6年間で卒業できるとは限らず、歯科医師国家試験のハードルも高く、何年も浪人しても歯科医師になれない可能性は現実的にありうる。また、歯科医師になっても「ワーキングプア」が少なくないとメディアから喧伝され、必ずしもイメージがいいとはいえない。私立大学ならば、かかる学費も決して安くない。それらの背景があり、歯科医師を目指す高校生、受験生が多くはないのが、残念ながら現状といえる。

歯科医師全体の質の低下は国民のためにならないことは間違いない。総合的に考えると抜本的な解決のためには、歯科医師の需給から考えることが現実的ではないだろうか。

東京歯科保険医協会は、2010年に発表した「21世紀にふさわしい歯科改革提言」の中で「歯学部の統廃合をすすめ地域偏在をなくし、歯科医師の新規参入は1200名に削減すること」と提言している。急激な変化を望むわけではないが、入り口を制限しても、早くても結果が出るのは6年、研修医期間を考えると7年かかる。大学の所管は文部科学省であり、厚労省と協同して速やかに対策を講じる必要がある。今回、将来の歯科界を危惧し、あえて主張させていただいた。

 

2017年6月1日

東京歯科保険医協会

政策委員長 坪田有史

第45回定期総会を開催します/記念講演は田辺功氏による「近未来の日本の医療と歯科」

6月18日(日)に第45回定期総会を開催します/記念講演は田辺功氏による「近未来の日本の医療と歯科」

東京歯科保険医協会の第45回定期総会を来たる6月18日(日)午後2時から中野サンプラザで開催します。当日は3部制で、総会、記念講演、懇親会の順に進めます。当協会会員のみ、どなたでも参加できます

第2部の記念講演では、講師に医療ジャーナリストで元朝日新聞編集委員の田辺功氏をお迎えし、「近未来の日本の医療と歯科」を行います。今後の日本の医療の進む方向と歯科の未来について、歯科医療の質をどうするのか、患者・国民から支持される歯科医療とはどのようなものか…など、日本の医療と歯科の近未来をイメージして行きます。

詳細は下記をご覧ください。また、参加のお問い合わせ・お申し込みは協会事務局までご連絡ください(tel:03-3205-2999 / e-mail:info@tokyo-sk.com)。

第45回定期総会当日スケジュールPDFはここをクリック

☆東京保険医協会主催「慢性疾患、不定愁訴の症状を改善させるBスポット(上咽頭塩化亜鉛)療法研究会」に・・・当協会会員も参加できます!!

慢性疾患、不定愁訴の症状を改善させる Bスポット(上咽頭塩化亜鉛)療法研究会

東京保険医協会(鶴田幸男会長)研究部から、「慢性疾患、不定愁訴の症状を改善させるBスポット(上咽頭塩化亜鉛)療法研究会」に、当協会の会員の参加呼びかけがありました。ご興味、ご感心をお持ちの方は、直接、東京保険医協会研究部(TEL:03―5339―3601)までご連絡ください

◆日時:6月3日(土) 15:30~17:30

◆概要:長年の頭痛、肩こり、めまい、自律神経障害を改善させる療法です。多くの不定愁訴は慢性上咽頭炎が引き起こす。60年のベテラン耳鼻科医による講演と実技です。「私が行ってきた慢性上咽頭炎の治療法(Bスポット療法)とその効果について皆様にお伝えしたい」(講師より)

◆講師:谷俊治氏(相田歯科耳鼻科クリニック)

◆会場:東京保険医協会セミナールーム

◆申込み・問合せ:東京保険医協会研究部まで→TEL:03―5339―3601

女性歯科医師の窮状と改善の必要性を説明/保団連女性部会の自見はなこ議員懇談に当協会の早坂理事が参加

女性歯科医師の窮状と改善の必要性を説明/保団連女性部会の自見はなこ議員懇談に当協会の早坂理事が参加

本日5月15日、保団連女性部は、自民党参議院の自見はなこ議員と懇談を行った。当協会からは、早坂美都理事が参加した。早坂理事はこの懇談の企画・準備段階から歯科サイドの課題に対応するために参加していたもの。

懇談の具体的な内容は、①保団連が2015年に行った女性開業医師歯科医師アンケート調査の結果、②今年2月に自民党が立ち上げた「女性医療職エンパワメント推進議員連盟」について、③新専門医制度について、など。

懇談の中で自見議員は、「女性医療職エンパワメント推進議員連盟」の今後の議論の方向や大事な着眼点として、医療の質を落とさないこと、医師の応召義務と自己研鑽には配慮する形で医師の働き方を見直し、子どもの目線から見た親との愛着形成期や女性医師の母性に配慮した環境づくりも検討することなどを説明。それとともに、女性医師・歯科医師の産休と育児休暇問題。国保による出産手当て金給付の必要性を指摘した。さらに、女性が働きやすい病院へのマル適マーク付与とその病院名等の公表の仕組みを検討する必要性を語った。当協会の早坂理事は、女性歯科医師の勤務実態、開業歯科医師の出産と育児の実情・窮状、現在の日本の人口構成の少子高齢化や医師・歯科医師の高齢化の現実を見れば女性歯科医師の母性に配慮した働き方に改善することは急務である点などを示唆すると、自見議員も大きくうなずいた。

そのほか自見議員は、医科での臨床研修制度の改革にも検討が必要で、患者・国民本位の視野から良質な地域医療を育てるための検討にも着手したいと語り、真に医師養成に必要な医学教育と臨床研修制度のあり方を考える必要性を強調した(下写真左は自見はなこ議員。右は早坂美都理事)。

歯科医療界の現状と協会の対応状況を説明・議論/2017年度第1回(通算62回)メディア懇談会を開催

歯科医療界の現状と協会の対応状況を説明・議論/2017年度第1回(通算62回)メディア懇談会を開催

協会は本日5月12日、会議室に置いて2017年度第1回メディア懇談会を開催した(2008年3月の第1回開催以来、通算で62回目)。メディア側の参加は5社。協会からは、来月開催する協会の第45回定期総会の主催案内の件もあることから松島良次会長が列席して説明に当たり、司会は広報・ホームページ部の坪田有史部長が務めた。

今回の話題は、①第45回定期総会の案内、②4月20日の国会行動での松島会長による島村大議員(自民党参議院議員)、自見はなこ議員(同)、青木愛議員(自由党)との懇談について、③4月から協会会員に導入が始まったデンタルブックについて、④第110回歯科医師国家試験の合格者数と歯科医師需給問題、⑤最近の歯科医療情勢と協会の対応状況―などとした。

このうち、②の3議員との懇談に関してはメディア側から、今回のように与党議員とのコンタクトを取った場合の今後の対応の重要性、国政・都政に携わる議員との日常的な対応の重要性などが指摘されるなどした。また③に関しては、メディア側から他の歯科医療団体を含め、このような事業を開始した団体は初めての可能性があることや、その仕組みや編集内容などについて質問が続き、協会からは可能な範囲での回答を行った。

当日は、福岡で13日までの日程で日本歯周病学会第60回春季学術大会に参加するメディアが多数ある中で、歯科学図書を専門に発行する社からの参加もあり、話題をめぐる議論は定刻を過ぎても続いた。

「医療・介護の負担増の中止」と「2018年改定での診療報酬の引き上げ」を要請

「医療・介護の負担増の中止」と「2018年改定での診療報酬の引き上げ」を要請

4月20日、当協会は松島良次会長を中心に「医療・介護の負担増の中止」と「2018年改定での診療報酬の引き上げ」を求め、厚生労働委員に選出された議員、東京選出の議員を中心に要請と懇談を行った。

要請では当協会が行った「受診実態調査」で、会員の47%が「経済的な理由」から患者の治療中断が「あった」と回答していることを説明。補綴物セット時に窓口負担を伝えると受診をしなくなることなどを伝えた。

次期診療報酬の改定に関しては、口腔内の健康の維持が全身の健康に重要な役割を果たすことが明らかになっているにもかかわらず、総医療費に占める歯科医療費の割合が6.8%程度に止まっていることを指摘。国民の健康と安心のためにも、歯科の診療報酬の引き上げに更なる尽力をお願いした。

また、同日は衆議院第2議員会館・多目的会議室で介護保険法改正に反対する集会が行われ、医師・歯科医師、市民ら200人が参加した。

なお、今回懇談が実現した議員は島村大(自民党)、自見はなこ(自民党)、青木愛(自由党)各参議院議員。その他、要請した議員は以下の通りである(順不同/敬称略)。

【衆議院議員】

萩生田光一、菅原一秀、平将 明、木原誠二各議員(以上自民党)

松原仁、初鹿明博各議員(以上民進党)

【参議院議員】

石井みどり議員(自民党)

牧山ひろえ、川田龍平各議員(以上民進党)

小池晃議員(共産党)

 

 

4.20「介護保険法“改悪”に反対する国会内集会」を開催

4.20「介護保険法“改悪”に反対する国会内集会」を開催

保団連は20日、「介護保険法“改悪”に反対する国会内集会」を衆議院第2議員会館内で開催した。

診療報酬・介護報酬の同時改定を来年に控え、医療機関や老人福祉施設を取り巻く諸環境が厳しくなっている中、介護保険法の改正論議が衆議院厚労委員会で可決。議論の中心は参議院に移った。今回の集会は、会議保険法改正案の内容や審議の進め方などに大きな問題点があることから、その廃案を求めるために開催されたもの。

国会開催中にもかかわらず、衆議院から堀内照文議員(共産党)、清水忠史議員(共産党)、升田世喜男議員(民進党)、田島要議員(民進党)、初鹿明宏議員(民進党)、大野元裕議員(民進党)、斉藤和子議員(共産党)の各議員。参議院からは、福島瑞穂議員(社民党)、田村智子参院議員(共産党)、武田良介参院議員(共産党)らか駆け付け、法案を批判する趣旨の挨拶が行った。

さらに保団連の住江憲勇会長は、「初めから無茶・無理な法案。それにも関わらず、その審議時間もわずかな中で、委員会では急遽、強行可決という暴挙に出た。参院での法案を廃案に追い込む議論に期待したい」と訴えた。

また、今回の法案内容・背景に関する基調報告が行われ、「性格が異なる31本の法改正を一本化して、一括処理。医療、介護、福祉会計に関してそれを一括りという雑な扱い。多くの部分が政省令に委ねられており、詳細な内容がほとんど明らかにされていない」と、問題点を指摘した。

この後、各保険医協会・医会は国会議員要請に移った。

新規開業時 実績なしでも「注13」届出可

 開業時は、補管と同様に実績なしでも、歯科訪問診療料の

注13に規定する基準(注13)が届出できることが分かりました。

 これは、本年4月以降開業する医療機関が注13を届出する場合、

実績がないため、届出できるのが最短でも開業翌月である不合理が生じていました。

 協会や全国保険医団体連合会は厚労省に是正求めており、

今回関東信越厚生局東京事務所へ照会したところ、届出できるようになりました。

 

第1回地域医療研究会「かかりつけ歯科医が実施する高齢者への食事支援」開催しました!

2017年3月23日(木)18時45分より、東京ウィメンズプラザにて、第1回地域医療研究会「かかりつけ歯科医が実施する高齢者への食事支援」を開催し、歯科医師、スタッフなど156名が参加した。

今回は、はじめて東京都の後援を得ての研究会開催となった。講師には、日本大学の植田耕一郎氏をお招きし、高齢者が増加する現代において全ての歯科医療機関で避けては通れない高齢者ケアについて、食事支援を中心に講演いただいた。

講演では、植田氏が高齢者医療に関わるきっかけからはじまり、リハビリテーションの基礎知識、介護予防・日常生活支援の在り方や実際の取組み事例などについて解説された。その後、具体的な摂食機能評価法や摂食機能訓練の手法などについて講義された。最後に「在宅支援は歯科訪問診療から始まるのではない。かかりつけ歯科医は、健康なうちから動機付けできるアドバンテージを持っている。うれしい、楽しいと感じられる瞬間が健康であり、食べる楽しみを診られるのは歯科だけです。」と会場に呼びかけた。

アンケートでは「診療室で実際にできる内容で参考になった」「考え方が変わりました」「歯科衛生士の仕事に誇りを持てると感じた」などの感想が寄せられた。

2017年春の共済普及キャンペーン 始まりました!

2017年 春の共済普及 キャンペーン

普及期間:4月1日(土)~5月25日(木)

今年も春の共済募集キャンペーンが始まりました。

「グループ生命保険」「保険医休業保障共済保険」「保険医年金」は、歯科医師の生活を守るためにつくられた共済制度です。多くの先生から支持をいただいています。この機会にぜひ加入をご検討下さい!

会員加入NO.1  グループ生命保険

万が一の時、家族の安心のために、手頃な掛金でしっかり保障!最大4000万円まで備えられます。剰余金は配当としてお返ししています。(昨年度実績 保険料の約69%)

日本有数の私的年金 保険医年金

将来に備えてしっかり貯蓄!1.259%の高利率で低リスクながらしっかり積立ができます。受託生命保険会社の運用実績に応じて配当がつくこともあります。(昨年度実績+0.21%)中途脱退や一部解約、掛金払込中断が可能で、使いやすい保険です。

医業にあった休業保障 保険医休業保障共済保険

傷病での休業の際に手厚い保障!最長730日の長期保障です。入院はもちろん、自宅療養でも、代診をおいても給付が受けられます。再発や後遺症にも何度でも給付可能。掛金は加入時のまま上がらず、掛け捨てではありません。

共済制度への加入や説明を希望される場合は、協会にご連絡いただくか、下記リンクからメールで送信して下さい。メールをいただいた場合は、担当者よりご連絡させていただきます。この機会に会員だけが加入できる共済制度をご検討ください。

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