協会ニュース

「歯科医師になってよかった」/GReeeeNのリーダーHIDEが震災時の経験と思いを述懐

「歯科医師になってよかった」/GReeeeNのリーダーHIDEが震災時の経験と思いを述懐

昨日、3月11日(木)、TBSテレビの報道番組『NEWS23』で、GReeeeNのリーダーを務めるHIDEが2011年3月11日の東日本大震災における自身の経験について、インタビューに応じた模様が報道された。GReeeeNはメンバー4人が全員歯科医師(奥羽大学歯学部卒)のボーカルグループで、奥羽大学歯学部卒業。メンバーは、HIDE、navi、92、SOHの4名で、グループ結成は福島県内で行われている。

メンバーは、これまでも業としての歯科医師の診療と音楽活動を展開するため、基本的に顔を伏せ、マスコミ取材はほとんど受けない姿勢を貫いてきたが、あの震災に関して自らの経験があり、“歯科医師”として関わった思い、そして被災地の本当の復興を願う思いから、今回のインタビューに応じたものと察せられる。

◆インタビューの概要

昨晩の報道では、震災以後、福島第一原発の20キロ圏内から放射線被ばくした遺体の身元確認の「検死」が行われていたが、HIDEも福島県相馬市内の遺体安置所で身元確認の検視にあたる歯科医師の1人として、その中に加わっていた。自身も被爆の危険性を承知した上での作業であったが、その時の心情は、「1人でも家族のもとに帰したいという思い」だったという。

番組は、初めてHIDEが当時の思いを告白し、語る形で紹介され、「・・・いつもなら、頭の中で音楽のメロディを探すのですが、思いつかなかった。自分の中で、音楽を失ったというか・・・」と自問自答に陥っていたことを話し、体験したさまざまな体験を語り、当時のことを振り返りつつ「ご遺族の方にお会いできて、お手伝いができたことで、歯科医師になってよかったと本当に思えた」と述懐した。

そして、番組の膳場貴子キャスターが当時の歯科医師が現地で作成した遺体検案書を紹介するとともに、アンカーの岸井成格氏が、歯科医師の職務の重要性を説明した。

◆3.11とGReeeeNの楽曲創作

なお、震災後の5月6日に、GReeeeNは震災復興プロジェクトを開始し、楽曲「GReeeeN boys」を期間限定無料配信しているほか、日本歯科医師会の楽曲創作依頼を受け「♪ユメノート」を創り昨年4月1日から配信し、現在も日歯のホームページのバナーをクリックするとメロディーを聞くことができる。ぜひ、ご視聴されたい。

※協会ホームページ「コンテンツライダー」と本文の写真は、TBS「NEWS23」のホームページより。

政策委員長談話「2016年度改定の目指す方向は」

「2016年度改定の目指す方向は」

 2月10日、中医協は厚生労働大臣に次期診療報酬改定の内容を答申した。歯科の改定率は引き上げられたものの、0.61%とわずかであり歯科保険診療の充実に繋がるかは疑問である。

 改定の特徴の1つ目は、医療機関の機能分化である。長期管理機能を持つ診療所の評価として「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」(以下、「かかりつけ強化型」)を新設し、算定できる点数に差をつけるなど差別化を図った。特に在宅医療では、在宅医療専門、一般の診療所、歯援診、かかりつけ強化型の順で評価を上げ、医療機関の機能分化を強く推進した。在宅医療専門の場合、訪問診療料を外来の初再診料と同程度に設定され、施設基準の複雑さと併せて届出の要件は高い。在宅のみを行う医療機関は、一般の診療所の補完的な位置づけとした。

 特徴の2つ目は、地域包括ケアシステムの構築のために、患者の一生涯をかかりつけとして長期管理するための点数の新設と要件緩和が行われた。エナメル質初期う蝕、在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料の新設、およびSPTの要件緩和である。また、「かかりつけ強化型」で算定できるSPT(Ⅱ)などの点数に高い点数を貼り付けた。

 しかし前提として、「かかりつけ強化型」の施設基準には、訪問診療や複数体制など多くの要件があり、届出を行うにはハードルが高い。また、「かかりつけ強化型」で算定できる点数には多くの点数が包括されており、「かかりつけ強化型」を選択せずに包括されている項目を別に算定してもその差は大きいとはいえない。

 特徴の3つ目は、歯管の算定要件から文書提供が外れ、文書提供した場合は10点の加算をする取り扱いに変わったことである。これまで協会は、管理と文書を分けて評価すべきと繰り返し行政側に要望してきたが、それが反映されたといえる。しかし、歯管の点数が10点引き下げられたこと、文書提供の評価がわずか10点であることは誠に遺憾である。他方、文書提供しない場合のカルテ記載の内容の強化が見込まれる。通知を待って慎重な対応が必要だろう。

 特徴の4つ目は、臨床に即した改定が行われた点である。学会ルートである医療技術評価提案書からP混検の点数引き上げや根面う蝕に対する充填の取り扱いなどが改められ、舌圧検査などの新たな技術も保険導入された。協会は、舌圧検査など必要な検査の保険導入や、現場で問題となっていたTeCの算定時期を実態に即して装着時に請求できるようするなどの不合理の是正を要望し、今改定で反映された。まだ解決すべき課題は多く残されているが、この点については評価をしたい。

 今改定だけではなく、今後も歯科の諸問題の解決が進むことを望むとともに、運動に対する会員の協力を頂きたい。

 

東京歯科保険医協会

政策委員長 中川勝洋

2016年2月24日

政策委員長談話「 2016年度改定の目指す方向は」

政策委員長談話「 2016年度改定の目指す方向は」

2月10日、中医協は厚生労働大臣に次期診療報酬改定の内容を「答申」した。歯科の改定率は引き上げられたものの、0.61%とわずかであり、歯科保険診療の充実に繋がるかは疑問である。
改定の特徴の1つ目は、医療機関の機能分化である。長期管理機能を持つ診療所の評価として「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」(以下、「かかりつけ強化型」)を新設し、算定できる点数に差をつけるなど差別化を図った。特に在宅医療では、在宅医療専門、一般の診療所、歯援診、かかりつけ強化型の順で評価を上げ、医療機関の機能分化を強く推進した。在宅医療専門の場合、訪問診療料を外来の初再診料と同程度に設定され、施設基準の複雑さと併せて届出の要件は高い。在宅のみを行う医療機関は、一般の診療所の補完的な位置づけとした。
特徴の2つ目は、地域包括ケアシステムの構築のために、患者の一生涯をかかりつけとして長期管理するための点数の新設と要件緩和が行われた。エナメル質初期う蝕、在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料の新設、およびSPTの要件緩和である。また、「かかりつけ強化型」で算定できるSPT(Ⅱ)などの点数に高い点数を貼り付けた。
しかし前提として、「かかりつけ強化型」の施設基準には、訪問診療や複数体制など多くの要件があり、届出を行うにはハードルが高い。また、「かかりつけ強化型」で算定できる点数には多くの点数が包括されており、「かかりつけ強化型」を選択せずに包括されている項目を別に算定してもその差は大きいとはいえない。
特徴の3つ目は、歯管の算定要件から文書提供が外れ、文書提供した場合は10点の加算をする取り扱いに変わったことである。これまで協会は、管理と文書を分けて評価すべき、と繰り返し行政側に要望してきたがそれが反映されたといえる。しかし、歯管の点数が10点引き下げられたこと、文書提供の評価がわずか10点であることは誠に遺憾である。他方、文書提供しない場合のカルテ記載の内容の強化が見込まれる。通知を待って慎重な対応が必要だろう。
特徴の4つ目は、臨床に即した改定が行われた点である。学会ルートである医療技術評価提案書からP混検の点数引き上げや根面う蝕に対する充填の取り扱いなどが改められ、舌圧検査などの新たな技術も保険導入された。協会は、舌圧検査など必要な検査の保険導入や、現場で問題となっていたTeCの算定時期を実態に即して装着時に請求できるようにするなどの不合理の是正を要望し、今改定で反映された。まだ解決すべき課題は多く残されているが、この点については評価をしたい。
今改定だけではなく、今後も歯科の諸問題の解決が進むことを望むとともに、運動に対する会員の協力をいただきたい。
2016年2月24日
東京歯科保険医協会
政策委員長  中川勝洋

歯科医療点描⑥ 歯科技工士制度の崩壊/「歯科療費増で技工士待遇改善を」なら国民も納得

歯科技工士制度の崩壊/「歯科療費増で技工士待遇改善を」なら国民も納得

私は学生になってすぐ、歯科技工士という職業を知った。初めての下宿にはもう一人下宿人がいて、それが近くの歯科医院に勤務する技工士さんだったからだ。教養部の2年間は一緒だったと思う。東北地方の出身でなまりがあり、朝食の時に入れ歯作りや歯科医院の話を聞いた覚えがある。

新聞記者になってから技工士の取材も何度かしたが、一番に浮かぶのは「海外委託」問題だ。たった4ページだが、著書『ドキュメント医療危機』に関連話題として載せてある。私は20066月、脇本征男さんら技工士グループが、地位保全と損害賠償を求めて裁判を起したとの記事を書いた。国が資格制度のない外国で作られた入れ歯輸入を認めているのは歯科技工士法に違反し、制度の根幹をゆるがしているとの主張だ。

この記事は東京と西部に載り、西部版が収録されている。ということは大阪版はボツで、東京版は一部がカットされたことを意味する。国に逆らうような訴訟は、一般紙では『朝日』だけしか載せず、それもかなり冷たい扱いだったわけだ。

海外委託は04年頃から出てきたらしい。技工士は歯科医の指示が不可欠だが、海外ではそれも不要で、コンピューター機器が日本よりずっと安く作ってくれる。これを放置すれば、技工士制度が崩壊していくのは当然ともいえる。

裁判は08年の東京地裁、09年の東京高裁で敗訴、11年最高裁は上告却下だった。日本の司法制度下では国相手だと分が悪い、の定評通りの完敗だった。これでは海外委託は止まるはずがなかった。

昨年夏、「保険で良い歯科医療を」国会内集会に参加し、何年ぶりかで日本歯科技工士会代表の悲惨な訴えを聞いた。 いまや技工士の低賃金、長時間労働は常態化し、耐えられずに卒業後五年以内に75%もが離職している。66%が週70時間以上働き、37%はほとんど休みが取れない状態でありながら、38%は可処分所得が300万円以下。海外委託の影響は大きく、国家資格の職種そのものが存亡の危機に瀕している、と。

その通りだと思う。厚生労働省のお役人は軽い気持ちか、医療費削減策からか、海外委託を歓迎した。コンピューターやロボット技術の発展で、医師や歯科医の診療行為の一部も自動化される可能性がある。

集会で指摘されたように、保険による歯科医療費が伸びないことが問題の背景にある。いろいろな医療職が協力し、よりよい医療をめざすチーム医療を考えれば、歯科医師は、弱者である技工士の待遇改善にもっと目を向けるべきだったのではなかったか。

「技工士や歯科衛生士の待遇改善のために医療費を増やせ」との主張は、歯科医の収入増の要求より、ずっと国民を説得しやすい。

医療ジャーナリスト 田辺功

「東京歯科保険医新聞」201621日号6面掲載

 【略歴】たなべ・いさお/1944年生まれ。68年東京大学工学部航空学科卒。同年朝日新聞社入社。2008年、朝日新聞社を退社後、医療ジャーナリストとして活躍中。著書に「かしこい患者力よい病院と医者選び11の心得」(西村書店)、「医療の周辺その周辺」(ライフ企画)「心の病は脳の傷うつ病・統合失調症・認知症が治る」(西村書店)、「続 お医者さんも知らない治療法教えますこんな病気も治る!」(西村書店)ほか多数。

中医協が次期診療報酬改定を「答申」/かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の特色浮上

中医協が次期診療報酬改定を「答申」/かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の特色浮上

中央社会保険医療協議会総会(以下、「中医協」/会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)本日2月10日(水)、塩崎恭久厚生労働大臣に対 し、2016年度診療報酬改定についての『答申』を提出しました。当協会では現在、歯科診療報酬改定に関して深く読み込み、その内容に関しての分析、協 議・検討を加えています。

◆歯科の臨床現場の声も

答申の添付資料の中では、かかりつけ歯科医機能強化歯科診療所にはかなりの項目の施設基準が設定されているほか、在宅療養支援歯科診療所の施設基準に変更が予定されているなど、施設基準の方向に注意が必要となっている。また、注目されていた歯科訪問診療に関しては、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所と一般歯科診療所との間に、請求できる点数に違いができている。さらに、「レジン前装金属冠、ジャケット冠若しくは硬質レジンジャケット冠の歯冠形成を行うことを予定している歯について、当該歯 に係る処置等を開始した日から当該補綴物を装着するまでの期間において、1歯につき1回を限度として算定する」など、歯科の臨床現場からあがっていた声が反映されている点も注目されます。

中医協「答申」の歯科診療報酬関連部分抜粋のダウンロードはここをクリック

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★2016年度診療報酬改定「新点数説明会」に必ずご参加を★

★2016年度診療報酬改定「新点数説明会」に必ずご参加を★

中央社会保険医療協議会総会(以下、「中医協」/会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)本日2月10日(水)、塩崎恭久厚生労働大臣に対し、2016年度診療報酬改定についての『答申』を提出しました。当協会では現在、歯科診療報酬改定に関して深く読み込み、その内容に関しての分析、協議・検討を加えています。

◆改定内容をふんだんに盛り込んだ「日本で一番早く開催される説明会」は当協会の新点数説明会だけです・・

ところで、今次改定の施行に備え、当協会では「2016年度診療報酬改定新点数説明会」を開催します。テキストには、現在編集中の「2016年改定の要点と解説」を使用します。きちんと編集したテキストを用い、厚労省の告示や最新の通知などをも取り込んだ新点数説明会は、国内で最も本格的な内容で、最も早く開催されるも診療報酬改定と新点数に関する説明会です。改定時にあわせて開催していますが、毎回1500人に及ぶ参加者があります。下記に、第1回から5回までの全日程をご紹介しますので、ぜひ、ご参加ください。

◆今回の新点数説明会は一味違います

今回開催する新点数説明会は、これまでとは一味違います。

まず第1に、より多くの方がご参加できるよう、第2・3回は3月27日の日曜日に開催、しかも午前、午後のダブルヘッダー開催を企画しました。さらにこの日は、託児(保育)サービスの利用ができます。

また、これまで「赤ちゃんがいるから新点数説明会に行かれない。何とかなりませんか…」との声が多数あり、今回はその声に応えるために、≪小学館集英社プロダクションHAS≫による託児(保育)サービスをお願いしましたので、こちらもぜひ、ご利用ください。

 

【2016年度改定新点数説明会のご案内】

 

第1回新点数説明会文京シビック小ホール地図

◆日時 3月23日(水)

◆受付 16時30分~

〇第1回新点数説明会    (説明会場へのご案内) 17時45分頃を予定しています。

                                           (開演)                    18時30分~21時

   ※レセプトコンピュータ等展示会は16時30分~19時

◆会場 文京シビック大ホール(1802席)

◆交通 東京メトロ丸ノ内線・南北線後楽園駅、都営地下鉄三田線・大江戸線春日駅下車すぐ

 


 

第2・3回新点数説明会

◆日時 3月27日(日)

よみうりホール

◆受付 9時30分~

〇第2回新点数説明会       (説明会会場へのご案内)  9時30分を予定しています。

                                            (開演)                        10時~12時30分

   ※レセプトコンピュータ等展示会は9時30分~15時

〇第3回新点数説明会       (説明会会場へのご案内) 13時頃を予定しています。

                                            (開演)

  13時30分~16時

◆会場 よみうりホール(1100席)

◆交通 JR山手線有楽町駅「国際フォーラム口」すぐ。東京メトロ有楽町線有楽町駅・都営地下鉄三田線日比谷駅「D4 出口」より徒歩6分

*この第2・3回新点数説明会では、託児サービス(予約制)が利用できます。必ず事前にご相談ください。

 


 

第4回新点数説明会渋谷区文化総合センター「大和田」:カラー版

◆4月21日(木)「在宅医療」

◆受付 16時30分~

〇第4回新点数説明会       (説明会場へのご案内) 17時45分頃を予定しています。

                                            (開演)                    18時00分~21時

   ※レセプトコンピュータ等展示会は16時30分~19時

◆会場 渋谷区文化総合センター大和田4階「さくらホール」(729席)

◆交通 JR・東急・東京メトロ渋谷駅下車徒歩5分

 

 


 

第5回新点数説明会

◆4月26日(火)

なかのZEROホール

◆受付 16時30分~

〇第5回新点数説明会       (説明会場へのご案内) 17時45分頃を予定しています

                                            (開演)                    18時30分~21時

   ※レセプトコンピュータ等展示会 16時30分~19時

◆会場 なかのZERO大ホール(1292席)

◆交通 JR中央線・総武線中野駅、東京メトロ東西線中野駅「南口」より徒歩8分

 

 

♥必ずお読みください・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

説明会の当日は、1000人を超える会員やスタッフの参加が見込まれます。会場では、協会係員の指示をお守りください。

1.会員の方のご参加について
 ☆「会員本人」および「会員の診療所スタッフ」の参加費は、会員証持参の1名無料で、2人目からは1人1,000円となります。
 ☆説明会では、「2016年改定の要点と解説(右図参照)」をテキストとして使用します。会員へは登録先に3月22日(火)頃に1冊送付致   しますので、必ずご持参ください。お忘れになった場合や同伴者で必要な方は、テキスト代の費用が別途1,000円かかりますのでご了   承ください。
 ☆紫色の会員証(有効期限が2017年6月末日のもの・右図参照)を必ずご持参ください。ご提示がない時、入場が遅れる場合やご入場で  きない場合がありますのでご注意ください。紛失された場合は、再発行(費用1,270円)の手続きをお早めにお申し出ください。
 ☆また、例年、受付が大変込み合い、スタッフの方が遅れてくる場合などの個別のご対応が難しい状況が続いております。全員揃った上  でご入場頂くよう、ご協力をお願い致します。


2.未入会員の方のご参加について
未入会員の方は、1説明会参加につき、参加費30,000円となります。事前の入会お手続きをお勧め致します(当日の入会手続きで不  備が生じた場合は、未入会員の参加となります)。


3.託児サービスのご利用方法について
3月27日(日)のよみうりホールでの説明会では託児サービスがご利用できます。(利用料金:1000円)。
 ご利用は、就学前の会員のお子様に限ります。ご利用希望者には申込書を送らせていただきます。必ず事前にご相談くださ い。

【お問い合わせ先】

入会・参加・託児サービスについて:組織部、内容について:社保学術部 TEL  03-3205-2999

地域包括ケアシステム研究会を開催!

「食」を中心に、歯科から関わりを!

  1月21日(木)19:00より協会会議室にて、地域包括ケアシステム研究会「歯科が地域包括ケアシステムにどう関わるか」を開催し、会員・スタッフなど33名が参加した。講師は当協会理事の橋本健一氏、地域包括支援センター管理者の櫻井信幸氏、地域包括支援センター管理者の佐藤志穂子氏の3名が務めた。

 橋本氏は、地域包括ケアシステム(以下地域包括ケア)が求められる背景や概要を説明。2016年度診療報酬改定で議論している内容にも触れた。地域包括ケアに対する歯科の関わりとして、歯科はもっと自ら外に出て働きかけ、訪問歯科診療や専門的口腔ケアの重要性などの情報を発信していかなくてはならないと呼び掛けた。

 櫻井氏は、地域包括支援センターの業務と役割について解説を行った。地域包括支援センターは主任福祉士・主任ケアマネジャー・保健師の3職種が配置されていることにより、介護に関する相談が一カ所で解決できることが一番のメリットであると述べた。また、行政やボランティアと広く連携しており、在宅介護高齢者への力強い味方であるとした。

 佐藤氏は介護保険の問題点や地域包括ケアを構築していく上での課題について、2014年度介護保険改定により現場は大変混乱している。基本チェックリストに基づいて介護予防の受け入れを行っているが、医療の関わりが薄いことに不安を感じていると述べた。また、地域包括ケアについては、医師・歯科医師・薬剤師の連携が欠かせないとし、グループワークなどにもっと慣れ、積極的に関わってほしいと述べた。歯科との連携については、歯科は食べるということにもっと目を向けてほしい。食べたいものを食べることが人間の生きていくための基本だと思う。食支援は歯科とリハビリが中心になると思うので、ぜひ取り組んでほしい。また、ケアマネジャーには歯科が関わることの必要性や口腔ケアの重要性が伝わっていない。歯科が関わると何が変わるのか、どのような効果があるのかを症例などを交えながら分かりやすく伝えてほしいと訴えた。さらに、予約診療が中心である歯科では、予約の間違いや1日に何度も来院されるなど、認知症の患者の早期発見が出来ると思う。認知症が疑われる患者には、さりげなく地域包括支援センターを案内してほしいと呼び掛けた。

 講演後のディスカッションでは、「どのようなきっかけで介護職と関わればよいか」「勉強会や地域ケア会議に参加するにはどうすればよいか」「歯科訪問診療を必要としている高齢者を知る方法はないか」「病院からの退院時に歯科が関わる方法はあるか」などの質問が出された。講師陣から「まずは地区のお祭りや勉強会などに顔を出し、地域の一員として関わってほしい」「地区ごとのケアマネジャーの集まりなどがどこでもあると思う。また、地域ケア会議への参加は地域包括支援センターに相談しても良いと思う。歯科訪問診療が出来るとアピールするのではなく、具体的に何が出来るかを教えてほしい」「患者や家族は歯科訪問診療を知らない。希望があった場合はかかりつけ医と連絡をとるよう案内することが多い。通院している患者へのアピールや来院が途絶えている患者への連絡など、きめ細やかなフォローをしてほしい。」「退院時のカンファレンスは時間がない中で行われることが多い。制度として改善を求めていく必要があると思う。」などの回答があった。

 最後に講師陣から、時代が大きく動く中で、多職種の連携は重要となる。特に歯科は「食」を中心としたネットワークが作れると思う。職種間の壁を少しずつなくし、利用者のQOLを上げられるよう、連携をとっていきたいとまとめられた。

 アンケートでは「できるだけ地域に出ていき、地域包括ケアの一員として、歯科を通して支援を行っていきたい」「歯科からのアプローチのヒントが得られた」「歯科医師は地域包括ケアに対して“どう関わればいいの?”ではなく、専門職として“こんな支援の方法もある”と提案していけると思う」などが寄せられ、「歯科がどう関わるか」のヒントが得られた研究会となった。

理事会声明 「平和に逆行する北朝鮮の核実験に抗議する」

理事会声明

「平和に逆行する北朝鮮の核実験に抗議する」

 

1月6日正午、北朝鮮は初の水爆実験を行ったと発表した。北朝鮮による核実験は2013年2月に続き4回目となる。

このような核実験は、核なき世界実現への取り組みと、人々の平和及び安全に対する明らかな脅威である。

広島、長崎での原爆投下は一瞬にして20万人以上の人々の命を奪うとともに、生き残った被爆者は、原爆症による後遺症に苦しみ続けている。このような惨禍を再び繰り返すような核実験の行為は断じて許せない。

昨年は戦後70年の節目を迎え、11月3日の国連総会第一委員会では、核兵器廃絶決議案が156ヶ国と多くの国の支持の下に採択され、国際社会全体で核兵器廃絶への思いをいっそう強めた。

今回の核実験は、国際的な平和を目指す上で重要となる北東アジアの非核化に逆行するものであり、ASEAN諸国間での武力衝突を避けるには、北朝鮮が核兵器を放棄することが必須条件である。

私たちは国民のいのちと健康を守る、唯一の被爆国の歯科保険医の団体として、いかなる理由があろうとも、すべての核兵器と核実験に反対する。

 

2016年1月14日

東京歯科保険医協会

第19回理事会

厚労相が次期診療報酬改定を中医協に諮問

厚労相が次期診療報酬改定を中医協に諮問

塩崎恭久厚生労働大臣は本日1月13日、中央社会保険医療協議会(田辺国昭会長/以下「中医協」)に対し、「平成28年度診療報酬改定について」を諮問した。

諮問された内容のうち数値をみると、診療報酬本体+0.49%で、各科ごとの改定率は、医科+0.56%、歯科+0.61%、調剤+0.17%となっている(下記参照)。

中医協はこの諮問を受けて必要な協議・検討作業に入り、来月中旬頃を目途に塩崎厚労相に対して「答申」を行う。その間、中医協はパブリックコメントの募集を行うとともに、今月22日(金)には埼玉県さいたま市内のホテルで公聴会を開催し、次期改定に関する意見聞き取りを行う。

中医協諮問②率550pix

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

諮問所の改定率部分のダウンロードはここをクリック

歯科医療点描⑤ 不合理・不公正な消費税/ 益税・損税は税の公平性を逸脱

不合理・不公正な消費税/ 益税・損税は税の公平性を逸脱

軽減税率の範囲を巡って「消費税」が連日の紙面を賑わせた。改めて思うのだが、これほど不合理、不公平な税金は珍しい。 

税金は原則、公平でなくてはならない。ところが、1989年に導入された日本の消費税は、明らかに損をする業種、得をする業種を生んでいる。

物を売買する時、売り上げ額にかかる消費税は買う人が売る人に払い、売る人は受け取った消費税から自分の仕入時に払った消費税を引いた分を国に納める。最後に買う人(消費者)は、今なら価格の8%を余分に払う。 

ところで、なぜか税金や授業料、医療費等が非課税になった。その他、外国で売られる輸出製品は原理的に消費税を取れない。

医療界の窓口の日本医師会は、医療費が上がると患者が減るから非課税がいいと誤解していたようだ。医師会は消費税の仕組みを理解しておらず大蔵省(当時)は特に説明しなかった。おそらくは医療費改定での対決のシッペ返しだったのではないだろうか。この結果、医療機関は薬や器具を買う時に消費税を払うが、非課税なので患者からは取れず、持ち出す破目になった。 税金や授業料は自由に値上げできる。しかし、公定価格の医療費は自由にならない。似た立場の輸出産業には、国は輸出振興策として消費税分を還付する「戻し税」制度を用意した。結局、医療機関が一番の「損税」を抱え込むことになった。

逆の「益税」もある。手続き簡素化を名目に商店が消費者から受け取った税金を概算で済ませ、しかも小規模店は納税を免除した。軽減税率の導入時には計算機器類が間に合わず、益税が増えるもやむなし、とされている。サラリーマンは給料から所得税を天引きされているが、いわば小企業は天引きした税金をそのままいただいてもよい、という制度だ。諸外国ではきちんと計算して納税する仕組みを作っている。教育が普及し、真面目だった日本人のレベル低下はひどい。

国は診療報酬の改定で医療機関の損税を補填している建前だ。しかし補填は一部分に過ぎないし、第一、医療機関ごとに異なる税額を一律の加算で補えるはずがない。

高額の医療機器が多く、建設費のかかる大規模病院ほど損税額は大きい。薄利の病院に次の消費税2%増は厳しい。医療誌『ロハス・メディカル』は「消費税の危険なワナ、良い病院が潰れる!」と、特集(201512月号)で警告している。

ともかく、益税・損税は税の公平原則を逸脱し国民をバカにしているとしかいいようがない。損税の解決法も医療費の課税か、戻し税のような制度の新設しかありえない。

私は何年か前から同じ主張をくり返しているが医療界の幹部は物分かりがよいのか悪いのか、いつの間にか政府と妥協し、問題は先送りになっている。

医療ジャーナリスト 田辺功

「東京歯科保険医新聞」201611日号7面掲載

 

【略歴】たなべ・いさお/1944年生まれ。68年東京大学工学部航空学科卒。同年朝日新聞社入社。2008年、朝日新聞社を退社後、医療ジャーナリストとして活躍中。著書に「かしこい患者力―よい病院と医者選び11の心得」(西村書店)、「医療の周辺その周辺」(ライフ企画)「心の病は脳の傷―うつ病・統合失調症・認知症が治る」(西村書店)、「続 お医者さんも知らない治療法教えます―こんな病気も治る!」(西村書店)ほか多数。

政策委員長談話「+0.61%では患者の口腔は守れない。薬価引下げ分を本体に充当しない社会保障削減策に抗議する」

政策委員長談話

「+0.61%では患者の口腔は守れない。薬価引下げ分を本体に充当しない社会保障削減策に抗議する」

◆わずか+0.61%の引き上げで良い歯科医療を提供できるのか・・・・・・

 次期診療報酬改定の改定率はネットで-0.84%とされた。内訳は、本体が+0.49%、薬価および材料価格が-1.33%であり、歯科においては本体部分0.61%のプラス改定とはなった。しかし、この引き上げは、1医療機関当たり月2万円ほどの増加に過ぎない。

第20回医療経済実態調査結果で、東京23区の歯科医業収益は前年比-1.2%、1月当たり約4万6,000円分の減少になっている。厳しい中で、各医療機関は減価償却費や人件費などの経費節減で医療提供体制をなんとか保っているが、この僅かな引き上げでは十分な体制を保つことはできず患者の口腔は守れない。

 また、次期改定は在宅への訪問診療やかかりつけ歯科医など特定の分野が評価されるため、訪問診療の実施の有無など医療機関の診療スタイルにより改定で得られる評価に大きな格差が生じる。+0.61%の引上げ分でさえ全医療機関が等しく得られるとは限らない。

 

◆薬価引下げ分が歯科本体に充当されていない・・・・・・ 次期改定の影響は、国費ベースでは、本体が+498億円、薬価等が-1,247億円、後発医薬品などの医薬品価格や大型門前薬局の適正化などの制度改革事項が-609億円と発表されている。数字でみれば、本体のプラス分は、薬価等の引下げ分を充当したのではなく、制度改革事項の引下げ分を充当したとも言える内容だ。今まで通り薬価引き下げ分を本体に充当すれば、歯科医療の充実に多くの財源が割けたはずだ。

また、本体と薬価の他に、枠外として多くの制度改革事項を設けているが、それを加味すると実質の改定率は-1.43%と大幅なマイナスである。

 

◆医療崩壊を招きかねない社会保障費削減策は撤回を・・・・・・

 2025年に向けて地域包括ケアシステムの構築が進められており、医療の供給体制が大きく変わる。しかし、このような社会保障費の削減が続けば、患者の口腔内を守るために必要な医療供給体制が構築できないばかりか医療崩壊を招きかねない。

協会は、改めて今回の社会保障費削減策に断固抗議する。

 

2015年12月28日 

政策委員長 中川勝洋

政策委員長談話「プラス0.61%では 患者の口腔は守れない/ 薬価引き下げ分を本体に充当しない 社会保障削減策に抗議する」

政策委員長談話「プラス0.61%では 患者の口腔は守れない/ 薬価引き下げ分を本体に充当しない社会保障削減策に抗議する」

◆わずか月2万円の引き上げで良い歯科医療を提 供できるのか
次期診療報酬改定の改定率はネットでマイナス0.84%とされた。内訳は、本体がプラス0.49%、薬価および材料価格がマイナス1.33%であり、歯科においては本体部分0.61%のプラス改定とはなった。しかし、この引き上げは1医療機関当たり月2万円ほどの増加に過ぎない。
第20回医療経済実態調査結果で、東京23区の歯科医業収益は前年比マイナス1.2%、1月当たり約4万6000円分の減少になっている。厳しい中で各医療機関は、減価償却費や人件費などの経費節減で医療提供体制をなんとか保っているが、この僅かな引き上げでは十分な体制を保つことはできず、患者の口腔は守れない。
また、次期改定は在宅への訪問診療やかかりつけ歯科医など特定の分野が評価されるため、訪問診療の実施の有無など医療機関の診療スタイルにより改定で得られる評価に大きな格差が生じる。プラス〇・六一%の引き上げ分でさえ全医療機関が等しく得られるとは限らない。
薬価引き下げ分が歯科
本体に充当されていない
次期改定の影響は、国費ベースでは、本体がプラス四百九十八億円、薬価等がマイナス千二百四十七億円、後発医薬品などの医薬品価格や大型門前薬局の適正化などの制度改革事項がマイナス六百九億円と発表されている。数字でみれば、本体のプラス分は、薬価等の引下げ分を充当したのではなく、制度改革事項の引下げ分を充当したとも言える内容だ。今まで通り薬価引き下げ分を本体に充当すれば、歯科医療の充実に多くの財源が割けたはずだ。
また、本体と薬価の他に、枠外として多くの制度改革事項を設けているが、それを加味すると実質の改定率はマイナス1.43%と大幅なマイナスである。
◆医療崩壊を招きかねない社会保障費削減策は撤回を
2025年に向けて地域包括ケアシステムの構築が進められており、医療の供給体制が大きく変わる。しかし、このような社会保障費の削減が続けば、患者の口腔内を守るために必要な医療供給体制が構築できないばかりか、医療崩壊を招きかねない。
協会は、改めて今回の社会保障費削減策に断固抗議する。

2015年12月28日
東京歯科保険医協会

政策委員長  中川勝洋

 

医科歯科医療安全講習会/「歯科と医科で診る感染症とその対策」

■ 内 容 :

医科歯科連携を目指し、2011年度から東京歯科保険医協会と東京保険医協会が合同で「医療安全講習会」を開催しております。今年度は、 感染症(HIVと肝炎)をテーマに開催しますのでぜひご参加ください。

■ 日 時 : 2016年123日(土) 17001900

■ 講 師 :

医科  青木 孝弘 先生

(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター勤務)

歯科  丸岡 豊 先生

(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 歯科・口腔外科 診療科長)

■ 会 場 :「エムワイ貸会議室・お茶の水」(定員200名)

      〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-1-20 お茶の水ユニオンビル4F 

        JR中央線・総武線「御茶ノ水」駅 御茶ノ水橋口 徒歩2分
       東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」駅 2番出口 徒歩3分
       東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅 B1番出口 徒歩4分

■ 参加費 : 会員医療機関 無料(コメディカル、スタッフの方も歓迎です

■ 備 考 : 資料の印刷等の関係から、「事前にお申込み」のうえご参加くださいますようお願い致します。

■ お問い合わせ :

  東京歯科保険医協会

   ⇒ Tel 03-3205-2999 / Fax 03-3209-9918 担当:経営管理部

 

 

 

多職種連携を進めるポイントとは!

医療者同士の共通言語や暗黙知の共有が必要

 12月5日、東京の医科・歯科、千葉の3協会による医科歯科連携研究会を開催した。

◆中野区の多職種連携で活躍の講師陣

今年は「在宅高齢者における多職種連携の現状と課題」をテーマに中野区の摂食・嚥下機能支援に向けた取り組みについて、行政側からの視点として藤井康弘氏(中野区健康福祉部 副参事)、行政の歯科衛生士の視点から徳間みづほ氏(中野区南部すこやか福祉センター)、歯科医師の視点から田中英一氏(田中歯科クリニック小児歯科)、医師の視点から中村洋一氏(中村診療所)が講演を行った。

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◆講演では…

各氏の講演では、多職種連携は、関係者同士が共通の言語や暗黙知が共有できていない点に原因があるとし、丁寧な連携が必要であり、支援に対する課題を共有した上でそれぞれが専門性をもって判断を行うことが必要とした。医療や介護の提供では、在宅療養者を取り巻く生活状況や本人・介護者の意志を尊重したアプローチが必要と強調したほか、口腔ケアを実施することで在宅療養者のQOLも向上するなど、本人や連携関係者への一層周知が必要とされた。講演後は、ディスカッションが行われ、フロアーからの質問に各講師が丁寧に回答し、多職種連携への理解が図られた。

藤井康弘氏

藤井康弘氏

徳間みづほ氏

徳間みづほ氏

田中英一氏

田中英一氏

中牟田洋一氏

中牟田洋一氏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

政策委員長談話「マイナス改定では安心安全な歯科医療の提供体制は維持できない」

政策委員長談話「マイナス改定では安心安全な歯科医療の提供体制は維持できない」

11月4日、次期診療報酬改定の基礎資料となる「第20回医療経済実態調査」が発表された。全国集計では大きな変動が見られなかったせいか、一般紙での取り扱いは控えめな内容であった。
しかし、詳細に見てみると、東京23区では歯科医療機関が疲弊していることが明確となり、患者にとって安心安全の歯科医療の提供に欠かせない人の確保と設備投資に影響が出始めている実態が明らかになっている。
個人立診療所の全国平均では医業収益が0.3%、医業・介護費用が0.4%増加し、前年並みの損益差額を確保している。保険収益の増加は見られないが、自費収入が1.5%の伸びを見せるなどしている。
ところが、東京23区分では様相が大きく異なる。
まず、医業収入では、保険診療収入がかろうじて0.3%のプラスであったものの、自費収入がマイナス5.3%、健康診断などの収入がマイナス4.3%と、大きく落ち込んだ結果、収入全体では1.2%のマイナスとなった。支出では減価償却費がマイナス10.6%、歯科技工料などの委託費がマイナス4.9%などと減少した。給与費は率ではマイナス2.5%であったが、実額では36万8000円の減少であった。収入が減少した分を、支出を切りつめることでかろうじて収支バランスを保っている格好となった。大幅な減額となった給与費は、歯科衛生士をはじめとしたスタッフの雇用確保が困難であることを示している。人件費が高い東京で、安心安全の歯科医療を提供することの厳しさが表れた。
今回の発表により、東京の歯科保険医療機関は、経費節減によって歯科医療提供を維持しており、構造的な経営状態の悪化はまったく改善されていないことが明らかになった。もう個人の努力による経営改善は限界を超えていることは明らかである。
調査結果には表れていないが、消費税の損税の問題も深刻である。1歯科医療機関当たり年間80万円ともいわれる損税は今後さらに大きくなり、さらに経営を圧迫することが予想される。消費税ゼロ税率による改善は喫緊の課題だ。
12月には次期診療報酬の改定率が閣議決定される。中医協でも全身的な疾患を有する患者への対応の評価が議論されている。そのためには歯科衛生士などスタッフの充実は欠かすことができない。もしマイナス改定が実施されるならば、安心安全の歯科医療提供がさらに困難となることは明らかである。改めて次期診療報酬改定は大幅な技術料のプラス改定を求めるものである。
2015年11月27日
東京歯科保険医協会
政策委員長 中川勝洋

歯科の課題強くアピール/医療団体連絡会議がプラス改定求め緊急行動

歯科の課題強くアピール/医療団体連絡会議がプラス改定求め緊急行動

全国の医療従事者や患者で構成する医療団体連絡会議は11 月19 日、国会内で「11・19診療報酬のプラス改定を求める緊急行動」を行ない、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、歯科技工士、歯科衛生士220名が参加。協会からは、森元主税理事、橋本健一理事、山本道枝顧問が参加した。

集会では、まず保団連の斉藤みち子副会長がこの集会開催の趣旨を説明し、さらに歯科医療危機打開のための診療報酬引き上げと患者窓口負担大幅軽減の必要性を訴えた。

◆歯科問題について保団連の田辺副会長が報告

特に歯科問題に関しては、保団連歯科担当の田辺隆副会長が、医科歯科連携の重要性、中医協でも審議・検討が加えられている歯科訪問診療にも言及し、「制度の抜本的改善が不可欠」と指摘した。また、補綴に関しては、今後の超高齢化社会進行から増加が予想されるものの、診療項目の中では高点数設定のため、受診抑制が働くのではないか、との懸念を表明。さらに、「高齢者に優しい歯科医療の提供が求められている」とした。

◆保団連近畿ブロック歯科技工所アンケートの中間集計も報告

そのほか、保団連近畿ブロック歯科技工所アンケートの中間報告が行われ、不採算部門として義歯関連とインレーや全部鋳造冠を上げた上で、「それへの対応が急務」とし、その解消には「歯科診療報酬アップによる経営安定」が必要であると訴えた。

集会は最後に「診療報酬のプラス改定を求める緊急アピール」を採択して閉会した。

なお、会場には民主党の牧山ひろえ参院議員、田中直紀参院議員、小宮山泰子参院議員。共産党の田村智子参院議員、畑野君枝衆院議員。自民党の三宅伸吾参院議員が駆け付けた。

 

地域を守る歯科医院をめざして。歯科に求められる医療安全講習会開催

歯科外来診療環境体制加算・在宅療養支援歯科診療所・医療安全の講習会

2015年11月1日(日)10時~16時、エムワイ貸会議室高田馬場にて開催し、79名が参加しました。

DSC03838地域包括ケアシステムの構築が進むなか、要介護高齢者や有病者が在宅で療養するようになり、外来・歯科訪問診療ともに求められる歯科医療は多様化していきます。先日開催された中医協でも、今後より一層の高齢化が進展する中で、住民のニーズに応えるために、地域包括ケアにおける歯科医療の提供体制の構築が必要とされています。そのようなニーズに対応できる医療機関の担保として、歯科外来診療環境体制加算や在宅療養支援歯科診療所などの施設基準に注目が集まっています。また、複数疾患を抱える患者が増加するにつれ、医院の安全管理、感染症対策も怠ることはできません。

これまでは歯科外来診療環境体制加算と在宅療養支援歯科診療所、医療安全は全て別々の講習会として開催してきましたが、重複している範囲も多く、1度の講習会で必要な知識を出来るだけ網羅したいという声に応え、1日で2つの施設基準に必要な内容と医療安全の知識が得られる講習会としてリニューアルさせました。

DSC03795はじめに、「歯科外来診療環境体制加算と有病者・高齢者の歯科治療に必要な基礎知識」として、明海大学歯学部病態診断治療学講座 口腔顎顔面外科学第2分野教授の坂下英明氏に講演いただきました。遭遇することの多い感染症の対策や感染予防、医療事故や医療訴訟について実例を交えて解説しました。医療事故には十分気をつけることは大切だが、委縮診療になることは避けてほしいと前置きし、実際起きてしまった場合は、隠さない、ごまかさない、逃げ出さないことが大切としました。また、偶発症に対する緊急時の対応では高齢者へ留意点についても触れ、医師との事前相談を怠らないようにと呼びかけました。DSC03801

その後昼休みを利用し、AEDやパルスオキシメーターなど医療安全に欠かせない器具の展示を行いました。また、AEDは人形を用いた実習も行い、多くの先生に体験いただくことができました。DSC03803

午後は高齢者歯科医療を中心に講演を行いました。はじめに挨拶に代えて馬場安彦地域医療部長により、「求められる歯科訪問診療 歯援診の役割」の題で、歯科をとり巻く全体の状況と高齢者の現状、地域包括ケアシステム、歯援診の果たすべき役割について説明しました。DSC03813

次いで、首都大学東京大学院人間健康科学研究科教授の繁田雅弘氏からは「高齢者の心身の特性と支援」として、高齢者を取り巻く身体と精神の加齢変化や多くの高齢者に見られるうつ病の特徴を説明しました。また、近年爆発的に増加し、対応が求められる認知症を丁寧に説明しました。認知症は種類によって特徴が異なり、対応も変わることを説明し、シンプルな説明と笑顔で対応することを心がけてほしいと呼び掛けました。

DSC03836

最後に当協会理事の森元主税氏から「口腔機能の管理」について、実際の歯科訪問診療の実例に基づいて管理計画の立案や多職種との連携、具体的な機能訓練の方法まで解説しました。その中で、多職種連携について、多職種を理解することで連携、信頼が生まれるとし、連携を築くためには自ら動くことが必要だと説明しました。また、管理計画・訓練については患者本人の残存能力や介護力を考慮し、無理をしないことが大切とし、最後の時までそばに寄り添う歯科治療を心がけてほしいと結びました。

アンケートでは「今後も継続して参加したい」という声が多く寄せられました。地域包括ケアシステムは全ての歯科医院に関わるものです。これからの歯科医療を担うために、施設基準の届出に関わらず、有病者・高齢者の知識を取り入れて頂きたいと思います。協会では来年度も医療安全や施設基準に関わる講習会を開催予定です。今後の開催予定は、決定次第HPや機関紙などでお知らせします。ぜひご参加下さい。

 なお、今回受講された先生方へは11月中旬に修了証を発送いたします。

保団連医療研究集会開催!

DSC03710  10月10、11日に都市センターホテル(東京)において、第30回保団連医療研究フォーラムが開催され、全国から医師・歯科医師・スタッフ・一般市民など併せて434名が参加した。当協会からは10名が参加した。

10日は、保団連の住江憲勇会長と次回主務地を代表して京都府保険医協会の飯田哲夫理事より挨拶が行われた。また、2015年4月~5月に全国の会員から30%無作為抽出しご協力いただいた、「骨粗鬆症治療薬等と顎骨壊死・顎骨骨髄炎 実態・意識調査」の結果報告がされた。顎骨壊死・顎骨骨髄炎患者は、医科で3.8%が経験しているのに対し、歯科では17.3%が経験していた。医科では診療科によって経験の有無に差があり、泌尿器科、整形外科が多く経験していた。顎骨壊死・顎骨骨髄炎の薬物使用割合は医科・歯科ともにビスフォスフォネート経口薬が約6割であった。次いでビスフォスフォネート注射薬が医科では13.5%、歯科では27.2%であった。歯科では顎骨壊死・顎骨骨髄炎患者の経験があると、休薬の依頼が増加し、薬の使用状況をより確認する傾向が示された。今回の実態調査から予防的投薬、治療薬効果のエビデンスや休薬の必要性、患者とのコミュニケーションなど多彩な問題点が浮き彫りにされ、今後さらに取り組みをしていきたいと締めくくった。

その後、黒坂黒太郎氏と矢口周美氏によるコカリナとミニハープの演奏が行われた。コカリナは木で作られたオカリナで、3.11関東大震災の一本松で出来たコカリナ、国立競技場の檜で出来たコカリナ、広島原爆を体験した榎で出来たコカリナの3種類を平和への祈りを込めて披露された。コカリナによって音色が異なり、心に訴えるものがあった。

特別企画は映画「いしゃ先生」予告上映と脚本家のあべ美佳氏による講演が行われた。予告上映では、主演の平山あや氏からのビデオメッセージも流され「撮影を通じて、志田先生の病院にかかれない人を無くしたいという思いが伝わってきた。この思いをみんなに伝えていきたい」と語られた。あべ氏は志田周子医師の生涯を紹介し「患者は医師に過剰な期待を寄せることがある。医師は患者の命を守る、地域住民は先生の生活を守ることをしっかりやっていかなくてはならない。地域の医師不足解消のために、何ができるのか。これからも一緒に考えていきたい。」と述べた。

DSC03727

記念講演は戦後70年―人間として言うべきこと―と題して、俳優の宝田明氏が講演。小学校5年生までハルピンで過ごした経験を紹介しながら「戦争は非戦闘民であっても人生を狂わされる。戦争は憎しみ、憎悪しか残さない。夢・希望・愛全てを奪いさるものでしかない」と述べた。また、安保法案についても触れ「戦後70年守り続けて、育ててきた“戦力は持たない”という理念を為政者とその周りによってタガが外されてしまった。そういう政権を日本が作ってしまった」と強く批判した。最後にゴジラは被爆者の一人であり、世界に向けた核廃絶のメッセージが込められていると紹介し、平和を守り続けることが我々の使命であると、平和への願いの歌を披露し、幕を閉じた。

11日の午前は分科会が開催され、歯科診療の研究と工夫の第3分科会で、きょうどう歯科医院歯科助手の渡邊理美氏が「患者さんとのコミュニケーションを深める広DSC03742報紙づくり」をテーマに、患者とのコミュニケーションを深める上での広報紙の役割について、きょうどう歯科医院での取り組みを報告した。広報紙では①患者さんの目線で②患者さんのことを③患者さんにもかいてもらうの3点を意識していると紹介し、患者参加型の広報紙作成をすることによって、患者の職業や生活の背景、趣味などをより理解できたり、院内イベントを企画するきっかけになるとした。また、スタッフもそれぞれの立場でできるだけ患者とコミュニケーションをとろうと積極的になることで、より深い信頼関係が築けるとまとめた。

午後からは、「患者本位の診療体制を構築する」「大震災と医療・社会保障」「本来の高齢者医療に立ち返る」の3つのシンポジウムが開催され、二日間に及ぶ医療研究集会が終了した。

歯科医療点描③ 編集長に抗議文が届き…。昔の、そして今のフッ素観を聞いてみたい

編集長に抗議文が届き…。昔の、そして今のフッ素観を聞いてみたい

歯科報道で私の一番の心残りは「フッ素」問題だ。世界の多くの国々では、虫歯予防目的で水道水のフッ素化を実現している。飲料水に1ppm程度のフッ素が加わっただけで日本人の歯はずっと健康に保てたはず、との思いが消えない。

1976年6月、私は全国版の家庭面の連載「虫歯をなくそう」でフッ素を取り上げた。水道水への添加は、国際歯科連盟やWHO(世界保健機関)も認める最も有効・安全な予防法で、新潟大学予防歯科の境脩・助教授らが次善策として「フッ素うがい」を県内の小学校で実施していることを紹介した。 

これに食品添加物の有害性指摘で著名な高橋晄正・東大講師が異を唱えたが、実は科学的な理由からではなかった。新潟の消費者団体の集会で、柳沢文徳・東京医科歯科大学教授がよく知らずにフッ素を危険だと断定し、新潟大の歯科医師に嘲笑された。

柳沢さんが親友の高橋さんに泣きついたことがきっかけで、高橋さんがフッ素論文から危険性を示唆するデータを集め、危険論を構築した。

人工の添加物は人間データがなく、動物に大量に食べさせて、しかも百倍もの安全率を掛けて推定する。ところが、天然水に含まれる高フッ素地域の住民は歯が着色・障害される斑状歯になる。WHOなどは、他の病気の発生率などのデータを総合的に検討して安全と判断した。

一方、動物実験で見る限りは、フッ素は添加物と比較にならないほど危険性は高い。 また、高橋さんは論文データを再計算したりして、米国で水道にフッ素を添加した都市とそうでない都市の一部年齢層では「フッ素の発がん性は否定できない」ことを見つけたりした。高橋さんは私にはっきり「僕は科学弁護士だから」と話した。

著名なスター評論家の高橋さんが雑誌や本でフッ素有害論をくり返した影響は大きく、消費者運動家や教師には未だにフッ素を危険視する人が少なくない。私も何度かフッ素を記事にしたが、編集局長にたくさんの抗議文が届き、ついには編集局幹部から「フッ素について書くのはもうやめてくれ」と言われたことも思い出す。

現場の歯科医師もフッ素には冷淡だった印象がある。「虫歯が減ったら困るからね」との声はよく聞いた。

いつか何らかの機会に、東京歯科保険医協会の先生方の、昔の、そして今のフッ素観を聞いてみたいところだ。

 

医療ジャーナリスト 田辺功

「東京歯科保険医新聞」2015111日号6面掲載

 

【略歴】たなべ・いさお/1944年生まれ。68年東京大学工学部航空学科卒。同年朝日新聞社入社。2008年、朝日新聞社を退社後、医療ジャーナリストとして活躍中。著書に「かしこい患者力―よい病院と医者選び11の心得」(西村書店)、「医療の周辺その周辺」(ライフ企画)「心の病は脳の傷―うつ病・統合失調症・認知症が治る」(西村書店)、「続 お医者さんも知らない治療法教えます―こんな病気も治る!」(西村書店)ほか多数。

 

『世界が食べられなくなる日』上映に160人が参加

『世界が食べられなくなる日』上映に160人が参加

「何を食べればよいのか」などの疑問点に安田節子氏が的確に回答

11月7日(土)、渋谷区の渋谷区総合文化センター大和田「伝承ホール」で、今年度2回目の自主上映会『世界が食べられなくなる日』を開催し、会員と一般の方々合わせて160名が参加した。

今回は、上映後に映画内容などを中心に質疑応答を行うことを重視。食、遺伝子組み換え作物、放射線の食物への影響などに詳しい「食政策センター ビジョン21」の代表を務める安田節子さんを招いて参加者の疑問点に充分に応えることとした。司会は、協会の竹田正史理事が務めた。

松島会長による協会の活動内容紹介に続き、上映開始。作品はフランス語編集のため字幕スーパーとなっているが、場面が2011年3月の福島第1原子力発電所事故に移ると、日本語がそのまま収録されているため、字幕を気にすることなく映画に見入ることができた。118分の上映時間は瞬く間に過ぎ、ラストシーンの福島の納付が手を振る姿の余韻が残る中で質疑応答に入った。

◆さまざまな質問に安田氏が回答

11.7自主上映会:安田氏250oixCIMG4812続く質疑では、「日頃、食材を選ぶとき、楽観的にしていないと生きていけない、と思って暮らしてきたが、映画を見て、ここまで来ると“何を食べていけばいいのか”という素朴な疑問を考えざるを得ない」「日本で、なるべく安全な食べものを手に入れるには、どうすればいいのか」「現在の食の問題について非常に考えさせられたが、私たち自身は、これからどうすればいいのか。何をすればいいのか」「食材を選ぶ際、どの地域の産物を選べばいいのか」など、さまざまな質問が出されたが、講師の安田節子氏(写真右)によりてきぱきと、質問者を十分納得する回答が出された。

◆アンケートの状況

終了後に回収したアンケートでは、遺伝子組み換え作物(GM作物)を給餌されたラットに全身の25%以上の大きさの腫瘍(がん)が発症したシーン、GM作物を扱う農民や荷揚げする港湾労働者のがん発症率が高いことを紹介するシーン、GMだけでなく農薬・化学肥料・食品添加物などへの疑問…、などが非常に印象的だったとの声が多かった。また、メディアではなかなか紹介されないドキュメンタリー映画を、今後も上映してほしいとの声も多数あった。

なお、安田氏提供の資料をご覧になりたい方は、下記をクリックしていただきたい。

安田氏提供資料を閲覧、ダウンロードされたい方はこちらをクリック

知らなかったでは済まされない 医院経営のいろは!

歯科医師は、歯科医療のエキスパートです。しかし、開業すれば事業主、スタッフを雇用すれば雇用主、そして、税金を納める納税者としての立場にも置かれています。日々変化する歯科医療の知識はもちろん、その他の知識と実務が要求されます。また、近年、患者さんやスタッフの意識も大きく変化し、対応を間違えたためにトラブルに発展するケースも見受けられます。昨今の現状を一日で勉強する機会を設けました。会員の先生に必要で有益な内容満載です。

 

 

 加藤社労士 写真

 

 

 

講師:加藤深雪氏(社会保険労務士)

【プロフィール】

特定社会保険労務士、株式会社第一経理。企業や医療機関の人事労務コンサルティングを手掛け、中小企業大学校講師や保険医団体の顧問社会保険労務士も務める。日経メディカル連載記事「院長を悩ます職員トラブル大研究」執筆。

 講演内容:スタッフ採用の際のポイントや労働基準法の基礎的なルール、診療所向けの補助金、日経メディカルに掲載された実際あったトラブル

 

 

荒川税理士写真★

 

 

 

講師:荒川俊之氏(税理士)

【プロフィール】

税理士法人税制経営研究所 共同代表社員(副所長)。

立教大学を卒業後、都内個人税理士事務所を経て、当該法人に2000年6月27日入所。

最近では「歯科医院の経営・税務・会計(清文社発行)」、「円満な相続と相続税対策(旬報社発行)」を出版している。

講演内容:最近の税務調査の注意点、マイナンバー制度、節税対策

 

 

  濱副会長 写真★

講師:濱克弥氏(東京歯科保険医協会副会長)

【プロフィール】

2011年から協会の副会長、2013年から経営管理部長(旧経営・税務・スタッフ教育部)を兼任。医療法人の理事長を務めながら、開業医目線を大切に歯科界の改善のために活動している。経営に関して、協会内外でも講演多数。

講演内容:東京の歯科開業医が今置かれている現状と問題点

 

 

日時:12月6日(日)10:00~16:00

会 場:東京歯科保険医協会 会議室

参加対象:会員の先生限定

(ただし、会員の配偶者など共同で経営している立場の方は参加可能)

定 員:50名

参加費:5,000円(昼食代込)

※要予約 経営管理部まで

 

 

無料自主上映会『世界が食べられなくなる日』にご参加を

無料自主上映会『世界が食べられなくなる日』にご参加を

◆東京歯科保険医協会では、来たる11月7日(土)に、無料自主上映会『世界が食べられなくなる日』を開催します。

◆今回の企画は、本年4月に『モンサントの不自然な食べもの』上映後、参加者の多数の方々から「今回のような、あまり知られていないが内容の良い作品をぜひ見たい」との声がかなり聞かれたため、また、協会では従来から、口を通じて食することの大切さについて“口は食べることの入り口”との視点から食、食育、食と健康を歯科医療の重要な分野と位置付けていることから、今回の『世界が食べられなくなる日』の上映会を開催することとしたものです。

世界が…②世界が…③

◆定員は200名で、参加は会員の先生方はもとより、どなたでも無料で参加できます。上映開始時間は11月7日(土)の午後7時で、開場は午後6時30分となっております。会場の「伝承ホール」は、映写設備、映画上映設備に優れ、車いすの方向けスペース2席、小さなお子さん連れの方のための個室1室も配備されており、どなたでも安心してご覧になれます。

 

◆なお、今回は上映終了後に、遺伝子組み換え食品や福島第1原子力発電所事故に伴い強い関心を読んでおります放射線と食品に関する質問を受ける質疑応答も行います。そのため、遺伝子組み換え食品、食品と放射線の関係・安全性に関して幅広い知識と見識、現実的対応の仕方に詳しいヤスデ節子先生をお招きし。質疑への回答をお願いしています。「一体、何を食べればいいのか…」「安心して食べられる食品はどうすれば手に入るのか」「食品に関する安全、安心の本当の意味を知りたい」など、素朴な疑問でも構いませんので、ご質問ください。

◆なお、無料自主上映会のご案内は以下の通りです。

 

【無料自主上映会『世界が食べられなくなる日』のご案内】

  • 内 容: モンサントの不自然な食べもの」に続き、今回も“食の安全”に真正面から取り組んだ2012年フランス製作のドキュメンタリー映画です。遺伝子組み換え食品の健康影響にメスを入れるとともに、福島第1原発事故にもカメラを回しており、農作物への放射線影響について、福島県の農家に足を運び、日本の報道機関とは違った視点からメスを入れており、日本にも関係する内容 となっています。
  • 日 時: 11月7日(土) 午後6時30分開場

                                                         午後7時上映開始予定

  • 講 師: 安田節子 氏(「食政策センター ビジョン21」主宰、NPO法人「日本有機農業研究会」理事)
  • 安田節子氏

    安田節子氏

  • 司 会: 竹田正史 氏(協会理事/協会機関紙で映画紹介“PRECIOUS TIME”執筆中)
  • 会 場: 渋谷区文化総合センター大和田「伝承ホール                                              住所:渋谷区桜丘町23-21
  • 交 通: JR・東急・東京メトロ線「渋谷」駅徒歩8分
  • 対象者: 会員とご家族、スタッフ、患者さん、一般の方、どなたでも無料入場可。
  • 定 員: 200名
  • 参加費: 無料
  • 要予約: 電話 03―3205―2999(担当:運動本部)

※協会特製PR用チラシは、こちらをクリックしダウンロードできます。

歯科医療点描② 記者にとっての患者体験は… 。患者になった記者から/医師は患者のことを分かっていない

記者にとっての患者体験は… ―患者になった記者から/医師は患者のことを分かっていない

私にとって昨年は「晴天の 霹靂 」の年だった。春の健康診断の内視鏡検査で胃がんが見つかり、6月に全摘手術を受けたからだ。近い身内にがんはなく、和食党。喫煙歴も二十代の10年だけ。半数ががんになるという記事を書いた時も、自分は残りの半数と確信していた。

広告局からの頼まれ仕事で、10年以上もアメリカンファミリー社共催のがんセミナーの司会をしながら、がん保険には加入していなかったほどだ。福岡でのセミナーに、ご自身が胃がん手術を受けた外科医を招いた。「胃は食物を一時的にためる袋。なくてもなんともない、と患者に説明してきたが、いやあ、受けてみたら大違い」との言葉を覚えている。

その通り。医師は患者のことを分かっていない。私は手術後、食事が十分に食べられないことが最大の障害だが、医師からは具体的な指導はほとんど得られていない。今でも空腹感が乏しく、あまり食欲を感じない。入院中は激しいシャックリが出て、摂食も咀嚼も嚥下も困難になり、食事を中断したことがある。胃からの食欲増進物質が失われたから、のどのつかえで納豆などネバネバ食がいい、などはいずれも患者会の本で初めて知った。今も食道のびらんでのどが常に痛む。症状を抑える薬もあまり効かず、一時しのぎの鎮痛剤が離せない。鎮痛剤を飲んでいても食事中にじんわり痛み、食べたくなくなることもある。食道がんが気がかりだが、医師は「大丈夫ですよ」でお終いだ。私は内心、手術はしたくなかったのだが、記者にとって患者体験はマイナスではないとも考えた。

2003年に日野原重明先生監修の『患者になった医師からのメッセージ』(自由国民社刊)の編集を手伝った。結核で挫折した日野原さんはインタビューで、患者の本当の気持ちを理解できるようになるには「医学生や看護師は死なない程度の病気をするといい」と話していた。それなら仲介役の記者も同じかも知れない、と。私もこれまで何人かの胃がん患者を取材した。今回の体験で、患者が医師にいえるのは一割とすれば、記者にもせいぜい三割程度だったか、と思うようになった。患者の身体的な苦痛や心境は、聞くより、読むよりずっと辛いことを実感した。 

はからずもなってしまったからには、「患者になった記者」は、より患者のための医療を実現すべく努力したいと決心している。

医療ジャーナリスト 田辺功

「東京歯科保険医新聞」2015年(平成27年)101日号6面掲載