医政・行政ニュース

第113回歯科医師国家試験の合格者を発表/全体合格率は65.6%で合格者数は2107人

第113回歯科医師国家試験の合格者を発表/全体合格率は65.6%で合格者数は2107人

―私大新卒合格率では岩手医大歯学部がトップに 

3月16日、第113回歯科医師国家試験の合格者発表が行われた。例年であれば東京・千代田区霞が関の厚生労働省の2階低層講堂で名簿張り出し方式による発表と、同省ホームページでの発表を並行して行っているが、新型コロナウィルス感染症対策対策のおひざ元の厚労省「講堂」との配慮から、講堂での発表は取りやめとなった。

今回の合格率は、全体:65.6%、新卒者:79.4%、合格者数は、全体:2107人、新卒:1583人となった。2014年の歯科医師国試以降の傾向として、全体合格率は65%前後、合格者数2000人前後となっていることに変わりはないが、合格者数の百の位が100人を超えたことは注目に値する。

また、私大新卒者の合格率では、岩手医科大学歯学部が昨年の全体61.9%(新卒:40名85.1%)から、全体70.8%(新卒:34名97.1%)をとなり、トップとなった。

なお、今回、歯科医師国試と同日に発表された第114回医師国家試験の合格者を見ると、合格率は、全体:92.1%、新卒:94.9%である。

「応招義務」通知される

 

応招義務通知発出される

 

厚労省より「応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について」とする通知が2019年12月25日に発出されました。

 

東京歯科保険医新聞に通知を整理して掲載しました。

通知は下記からご参照ください。

(通知)応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について

 

2020年診療報酬改定/歯科診療報酬改定率は+0.59%に/厚労省が発表

2020年診療報酬改定/歯科診療報酬改定率は+0.59%に/厚労省が発表

12月17日、厚生労働省は2020年度の診療報酬改定の改定率を発表した。全体では0.46%のマイナスで、診療報酬本体部は0.55%の引き上げとなる。詳細は下記の通り。

◆診療報酬本体 +0.55%

・医  科 +0.53%

・歯  科 +0.59%

・調  剤 +0.16%

※特例として、救急病院における働き方改革対応 +0.08%

◆薬価等

・薬  価 ▲0.99%

・材料価格 ▲0.02%

診療報酬本体がプラス改定になるのは7回連続となる。また、今回は特例として働き方改革に+0.08%をあてられたことが1つポイントになるといえよう。

2020年診療報酬改定は本体価格は+0.55%で調整

2020年診療報酬改定は本体価格は+0.55%で調整 

2020年診療報酬改定について、政府与党は12月13日までに、本体価格は+0.55%(医科・歯科:+0.47%、働き方改革分:+0.08%)、薬価-1%とし、全体としてはマイナス改定とする方向で集成作業に入った。

こうした診療報酬改定の交渉状況であるが、歯科に関しては、12月5日に開催された第 81 回先進医療会議において、告示に掲げられている既存の先進医療に関する検討がされたが、結果として「歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法」、「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」は、その有効性、効率性等が十分に示されていないため、「先進医療から削除する方向で検討することが適当と考える」とし、1213日の中医協総会で改めて報告された。

 

歯科に関する注目事項多数/社保審医療保険部会が2020年診療報酬改定の「基本方針」を確認

歯科に関する注目事項多数/社保審医療保険部会が2020年診療報酬改定の「基本方針」を確認 

厚生労働省は129日、社会保障審議会医療部会医療保険部会を開催し、「2020年度診療報酬改定の基本方針」が確認され、同省は翌1210日にこれを公表した。1128日に開催した前回部会では、その「骨子案」が呈示されていたもので、今回の決定内容は骨子案をおおよそ追認した形だ。

これまでの議論の中では、在宅医療と他職種連携の推進・強化が重視されており、この点については追認されている形であり、基本方針内にも訪問診療、訪問歯科診療、訪問看護、訪問薬剤師管理の重要性が打ち出されている。

特に歯科に関しては、①口腔疾患の重症化予防、②口腔機能低下への対応の充実―などが打ち出されている。具体的には、「歯科医療機関を受診する患者像が多様化する中、地域の関係者との連携体制を確保しつつ、口腔疾患の重症化予防や口腔機能の維持・向上のため、継続的な口腔管理・指導が行われるよう、かかりつけ歯科医の機能を評価」などを明記している。

「骨太の方針2019」では、①エビデンスの信頼性向上、②フレイル対策への歯科の関わり、③介護、障害福祉関係機関との連携、④保険者インセンティブの中で歯科健診の配点割合の増加―などが記されていた。

※2020年診療報酬改定改定の「基本方針」全文のダウンロードはここをクリック

 

 

 

 

歯科における在宅医療等も議論/厚労所が在宅医療・介護連携WGを開催

歯科における在宅医療等も議論/厚労所が在宅医療・介護連携WGを開催 

厚生労働省は1127日、「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(座長:田中滋/埼玉県立大学理事長)の第10回会合を全国都市会館で開催した。今回は、構成員の中で歯科から参加している日本歯科医師会副会長の佐藤保氏が参加できないため、代理として日本歯科医師会常務理事の小玉剛氏が代理として参加した。

その中では、第7次医療計画における在宅医療の中間見直しの方向性を巡って議論が展開され、①退院支援、②急変時の対応、③看取り、④訪問歯科診療―などが俎上に乗った。

さらに、現状把握に向け、在宅歯科医療における医療機関、多職種の連携体制を評価、歯科衛生士による医療提供体制の評価引き上げが行われた。事例としては、①在宅歯科診療に関する連携拠点点数、②訪問口腔衛生指導を実施している診療所・病院数、③在宅で活躍する栄養サポート(NST)と連携する歯科医療機関数、④歯科衛生士を帯同した訪問歯科診療を受けた患者数、⑤訪問口腔衛生指導を受けた患者数―などを列記している。

 

 

歯科医療機関やかかりつけ歯科医に関する内容盛り込む/社保審医療保険部会が「診療方針基本方針(案)」を提示

歯科医療機関やかかりつけ歯科医に関する内容盛り込む/社保審医療保険部会が「診療方針基本方針(案)」を提示 

厚生労働省は11月21日、全国都市会館で社会保障審議会医療保険部会を開催した。今回の議案は、①診療報酬改定の基本方針、②後期高齢者医療の保険料の賦課限度額、③被用者保険の適用拡大、④任意継続被用者保険制度―の4本。

これらのうち、①の中では注目されていた2020年診療報酬改定の「基本方針骨子(案)」が呈示された。その柱は、①改定にあたっての基本認識、②改革の基本的視点と具体的方向性、③医療機能の分化・強化、連携と包括ケアシステムの推進、④将来を見据えた課題―の4本となっている。

その中で、特に歯科に関する注目される部分を拾うと、②の中で、「歯科医療機関を受診する患者像が多様化する中、地域の関係者との連携体制を確保しつつ、口腔疾患の重症化予防や口腔機能の維持・向上のため、継続的な口腔管理・指導が行われるよう、かかりつけ歯科医の機能を評価」としている点が重要だ。続いて、「口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応の充実、生活の質に配慮した歯科医療の推進」などにも言及している点が注目される。

 

 

歯科医師臨床研修をめぐり議論深める/「歯科医師臨床制度研修制度の改正に関するワーキンググループ」が第10回目の会合開く

歯科医師臨床研修をめぐり議論深める/「歯科医師臨床制度研修制度の改正に関するワーキンググループ」が第10回目の会合開く 

厚生労働省は1115日、「歯科医師臨床制度研修制度の改正に関するワーキンググループ」(座長:一戸達也東京歯科大学教授)の第10回目の会合を新橋TKPカンファレンスセンターで開催した。このワーキンググルーは、歯科医師臨床制度研修制度の研修内容のほか、臨床研修施設、指導体制の見直しなどについて検討しているもの。今回の会合では。事務局から①連携型施設の指定基準を見直し、②歯科診療の研修を実施する施設として協力型施設2(仮)―などが示され、検討が加えられた。

 

 

歯科技工士の業務範囲なども議論/第7回歯科技工士養成・確保検討会を開催

歯科技工士の業務範囲なども議論/第7回歯科技工士養成・確保検討会を開催 

厚生労働省は10月31日、新橋TKPカンファエンスセンターで、第7回「歯科技工士の養成・確保に関する検討会」(座長:赤川安正/昭和大学客員教授)を開催した。

席上、事務局から「これまでの議論の整理と今後の方向性について(案)」が提示され、協議・検討が加えられた。さらに、資料に基づき、歯科技工士の養成の現状、教育年限、就業規則作成、歯科技工士の業務範囲・拡大などについて議論が深められた。

 

台風19号の被災者に係る医療・介護

 台風19号の被災者に関する保険診療及び介護保険の取扱いについて、お知らせします。

被災者は被保険者証が無い場合でも受診ができ、

2020年1月まで窓口負担の支払い無しで受診できます。

対象者などの取扱いは下記の通りです。ダウンロードいただきご活用ください。

 なお、本内容は10月25日まで発出された通知で作成されています。

1.対象者や請求方法

(1)対象患者や請求方法はコチラをクリック

2.参考:窓口負担金が支払猶予となる対象患者(東京都以外を含む全対象者)

(1)保険診療はコチラをクリック(2019年10月28日付)

(2)介護保険はコチラをクリック(2019年10月28日付)

注目される歯科関連の議論/第200回臨時国会が開会

 

注目される歯科関連の議論/第200回臨時国会が開会 

10月4日から第200回国会(臨時国会)が開会する。先の内閣改造で、新たな厚生労働大臣には加藤信勝氏(厚労大臣就任は2度目・自民党前総務会長)。厚生労働副大臣には稲津久氏(衆議院議員・公明党)、橋本岳氏(衆議院議員・自民党/元厚労副大臣)の2氏。政務官に小島敏文氏(衆議院議員・自民党)、自見英子氏(参議院議員・自民党)の2氏を配している。2018年、2019年の各骨太方針で、歯科医療の重要性が繰り返し指摘されている中、今臨時国会でどのような議論が行われるか、注目されるところだ。

 

歯科医師臨床研修制度改正ワーキンググループを開催/議論集約に向け検討

 

歯科医師臨床研修制度改正ワーキンググループを開催/議論集約に向け検討 

厚生労働省は9月30日、第9回歯科医師臨床研修制度の改正に関するワーキンググループ(座長/一戸達也東京歯科大学教授)を同省内会議室で開催した。その中では、①歯科医師臨床研修度の研修内容、②臨床研修施設・指導体制の見直し―などの現状や問題点を取り上げるとともに、これまでの議論集約に向けた検討を行った。

構成員から強い要望が出ていた「施設・指導」に関連しては、歯科大学や病院歯科、歯科診療所などの各施設の特徴を踏まえての期待感も示された。また、臨床研修の協力型施設の概要なども紹介された。

 

2019年10月1日以降の酸素単価の変更について

 酸素の点数は、前年1月から12月までに購入した酸素の対価及び容積から「単価」を算出し、結果を地方厚生(支)局長に届出した上で、算定します。

 2019年10月1日から2020年3月31日まで算定する酸素の「単価」については、2018年1月1日から同年12月31日までの間に購入した酸素の対価に108分の110を乗じて算出するため、2019年10月1日から酸素の価格に変更が生じる場合があります。

 計算をした結果、単価に変更が生じる場合は、10月以降は変更後の単価にて算定して下さい。

                   記

 

1.酸素の単価の変更イメージ

例:離島等以外・小型ボンベ の場合で、2018年1月~12月の購入実績が、

  購入対価10,389円・購入容積4,500リットルだった場合

①2019年4月1日~9月末まで

:10,389円÷4,500リットル=2.31円

②2019年10月1日~2020年3月末まで

:{10,389円×(110/108)*1}÷4,500リットル=2.35円*2

*1:購入対価は、小数点第1位を四捨五入して算出する。

*2:単価は、小数点第3位を四捨五入して算出する。

⇒10月からの単価が、2.31円から2.35円に変更される。

 

2.酸素の単価の上限額

 

2019年9月末まで

2019年10月以降

離島等以外

離島等

離島等以外

離島等

1.定置式液化酸素貯槽(CE)

2.可搬式液化酸素容器(LGC)

3.酸素ボンベの場合

(1)大型ボンベ

(2)小型ボンベ

0.19円

0.31円

 

0.41円

2.31円

0.28円

0.46円

 

0.62円

3.09円

0.19円

0.32円

 

0.42円

2.36円

0.29円

0.47円

 

0.63円

3.15円

                                       以上

12月1日よりハイブリッドコートⅡが保険収載

9月25日に開かれた中央社会保険医療協議会総会(中医協)にて、ハイブリッドコートⅡ(サンメディカル株式会社)の保険収載が了承された。12月1日より保険請求できる。

中医協で示された資料によると、本製品は、象牙細管の封鎖又は歯質と修復物、補綴物等との界面の封鎖に用いる歯科用シーリング・コーティング材。本製品を用いて、生活歯歯冠形成を行った歯に対し、象牙細管の封鎖を目的としてコーティング処理を行った場合に、30点を算定できる。

具体的な取り扱いは、今後通知される予定となっている。

厚生労働大臣に加藤勝信氏/厚労大臣は2回目の就任/今後の動向には充分な注意が必要な「全世代型社会保障改革検討会議」

 

厚生労働大臣に加藤勝信氏/厚労大臣は2回目の就任/今後の動向には充分な注意が必要な「全世代型社会保障改革検討会議」 

911日、内閣改造が行われた。医療界に重要な影響を及ぼす厚生労働大臣には加藤勝信氏(衆議院議員、岡山5区、自民党総務会長)が就任した。厚労大臣就任は今回で2回目となる(201783日~2018102日)。昨晩のマスコミ会見では、2020年診療報酬改定を前にしているものの、診療報酬改定や医療政策に関する具体的内容についてのコメントはなく、「医療、年金、介護、子育て、児童虐待、障害者雇用を始めとした雇用政策、働き方改革、さらには健康・予防づくりといったすべての世代が安心できる社会こそ諸制度の改革に積極的に取り組む」と述べるにとどまっている。

ただ、安倍首相が行った記者会見では、「全世代型社会保障改革検討会議」を設置し、来週、初会合を開催するとの発言があり、その点についての記者からの質問については、「医療、年金、介護、働き方改革などがあり、担当大臣として西村大臣と連携を図り、一つひとつ答えを出していきたい」と述べている。

新大臣就任に合わせ、これから副大臣、政務官の人選が行われるが、厚労省の場合、厚生担当副大臣、労働担当副大臣に誰が就任するのか、そちらにも注目する必要がある。

 

「歯援診」への考慮を指示する内容明記/厚労省が在宅医療・介護連携ワーキンググループを開催

「歯援診」への考慮を指示する内容明記/厚労省が在宅医療・介護連携ワーキンググループを開催

厚生労働省は9月6日、「第9回在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」を同省内会議室で開催した。

今回は、第7次医療計画における在宅医療を見直す関係から、参考人を招いて在宅歯科医療提供体制の確認・報告・議論が行われた。歯科医療界からは、日本歯科医師会副会長の佐藤保氏が欠席となったため、その代理として日歯常務理事の小玉剛氏が出席した。

席上、厚労省医政局歯科保健課から、在宅歯科医療に関する数値目標の指標例の考え方などが呈示された。課題としては、①医科歯科連携の推進、②歯科医療と介護との連携・歯科医療機関の連携、③要支援・要介護に関わる高齢者に係る他職種との連携―などが指摘された。

さらに、今後必要となる検討事項としては、(1)訪問歯科診療を実施している・病院数も重要だが、より充実している在宅療養支援歯科診療所を考慮すべきはないか、(2)訪問歯科に関しては、帯同する歯科衛生士の活用把握が必要で、歯科訪問料の歯科訪問診療補助加算の算定を検討してもいいのではないか、(3)在宅歯科医療の基本構造として、在宅歯科医療に関する連携拠点数が考えられるのではないか―などが明示された。

 

10月改定早見表

 10月より消費税増税に伴う初・再診料や実勢価格改定に伴う材料価格及び薬価が改定となります。それにより、①初・再診料及び歯科訪問診療料、②歯科用金属、③特定保険医療材料、④薬価及び⑤居宅療養管理指導が改定されます。

 主な改定点数を表に掲載しますので、下記よりご覧ください。なお、会員の方につきましては「東京歯科保健新聞2019年9月1日号・2面」に掲載をしております。

 

2019年10月診療報酬改定通知が発出

 

厚労省より2019年10月の診療報酬改定に係る通知が発出されました。

(1)初診料・再診料及び歯科訪問診療料、(2)金パラ等の貴金属、(3)特定保険医療材料、(4)薬剤料の一部改定が行われます。

詳細は協会機関紙9月号に掲載予定です。

 

 

【主な改定項目とその差】

(歯初診届出医療機関)

歯科初診料      237点 → 251点(+14)

歯科再診料       48点 →  51点(+ 3)

歯科訪問診療料1  1036点 →1100点(+64)

歯科訪問診療料2   338点 → 361点(+23)

歯科訪問診療料3   175点 → 185点(+10)

 

FMC(金パラ)

 小臼歯       821点 → 876点(+55)

 大臼歯       967点 →1044点(+77)

 

前装MC(金パラ)

 前・小臼歯    1632点 →1700点(+68)

 

インレー(金パラ)

 前・小臼歯(単純) 309点 → 327点(+18)

 前・小臼歯(複雑) 521点 → 557点(+36)

 大臼歯(単純)   365点 → 391点(+26)

 大臼歯(複雑)   608点 → 656点(+48)

 

CAD/CAM冠

 小臼歯      1485点 →1489点(+ 4)

 大臼歯      1723点 →1733点(+10)

 

※厚労省HP「令和元年度診療報酬改定について」に通知が掲載されています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00026.html

歯科医療関係者も今後の動向には注意が必要/今後控えている各種選挙

歯科医療関係者も今後の動向には注意が必要/今後控えている各種選挙 

参院議員選挙が7月21日に投開票が行われ、歯科医師を含む医療関係職種からの立候補者の当選・落選から10日が経過した。明日、8月1日から臨時国会が開催される予定だが、すでに医療界では2020年診療報酬改定に向け、9月以降、中医協ほか関連検討機関で協議・検討が行われる。

一方、来年の東京都知事選挙、再来年の東京都議会議員選挙、3年後の2022年に参議院選挙。さらにその間、2021年に任期満了を迎える衆議院選挙も行われるため、今後も選挙に関する動向には注意が必要だ。

 

歯科医師の島村大氏が当選し2期目へ/第25回参議院選挙投開票終わる

歯科医師の島村大氏が当選し2期目へ/第25回参議院選挙投開票終わる 

参院議員選挙の投開票が7月21日に行われた。歯科界としては、全国比例候補の比嘉なつみ候補と神奈川県選挙区の島村大候補が立候補していたが、島村候補は当選(917,058票・1位当選:定数4)という結果となった。

なお、今回の参議院選挙における医療関係職種からの立候補者12氏のうち、当選したのは以下の9氏。 

【比例】

◆医師

・梅村聡:日本維新の会/元

・羽生田俊:自由民主党/現職

・小池晃:日本共産党/現職

・塩見俊次:立憲民主党/新人

◆薬剤師

・本田顕子:自由民主党/新人

◆看護師

・石田昌宏: 自由民主党/現職 

【選挙区】

◆歯科医師

・島村大:自由民主党/現職/神奈川

◆医師

・古川俊治:自由民主党/現職/埼玉

・小松裕:自由民主党/新人/長野

 

歯科医師からは2氏が立候補/第25回参議院議員通常選挙が公示

 

歯科医師からは2氏が立候補/第25回参議院議員通常選挙が公示 

25回参議院議員通常選挙の公示が74日(木)に行われ、21日(日)の投開票日まで18日間の選挙活動が始まった。各候補とも、選挙事務所を構え、4日には出陣式を行うなどし、その後はターミナル・ステーション前のロータリーや、往来の多い交差点などで立会演説を行うなど、活発な選挙活動を繰り広げている。

4日時点で当協会でチェックしたところ、医療関係職種の医師、歯科医師、薬剤師、看護師からの立候補者は12氏。その内訳は、歯科医師は2氏、医師8氏、看護師1氏、薬剤師1氏となっている。

今秋10月に予定されている消費税の税率10%への引き上げ問題はもとより、憲法改正問題、安全保障問題、外交問題、さらに当協会の第47回定期総会の記念講演で講師の橋本健二氏(早稲田大学人間科学学術院教授)が指摘した格差と貧困の問題などが大きな争点になるものと考えられる。

なお、立候補者は以下の通り(順不同、敬称略)。

【比例】

◆歯科医師

・比嘉奈津美:自由民主党/新人

◆医師

・梅村聡:日本維新の会/元

・羽生田俊:自由民主党/現職

・小池晃:日本共産党/現職

・塩見俊次:立憲民主党/新人

・浜田聡:NHKから国民を守る党/新人

◆薬剤師

・本田顕子:自由民主党/新人

◆看護師

・石田昌宏: 自由民主党/現職

 

【選挙区】

◆歯科医師

・島村大:自由民主党/現職/神奈川

◆医師

・古川俊治:自由民主党/現職/埼玉

・小松裕:自由民主党/新人/長野

・玉田憲勲:無所属/新人/広島

 

歯科医療と歯科診療報酬の改善を求め総決起集会が開催

歯科医療と歯科診療報酬の改善を求め総決起集会が開催 

「保険で良い歯科医療を」全国連絡会の主催による「“保険でより良い歯科医療を求める”6.6歯科総決起集会」が本日、6月6日、参議院議員会館内で開催された。全国から330名の歯科医療関係者が参加し、協会からは役員4名が参加した。また、国会会期中でしかも7月の参議院選挙を控えている中にもかかわらず、与野党の衆参両院の議員も多数激励に駆けつけた。各議員の挨拶では、すでに全身の健康には歯科が大きくかかわっていることは政官界では常識になっており、歯科医療の重要性に関する理解と共感を表明する声が相次いだ。

 

 

 

 

日本歯科医学会が会長選挙行う/住友氏が4選果たす/任期は2年

日本歯科医学会が会長選挙行う/住友氏が4選果たす/任期は2 

日本歯科医学会は6月3日、第100回臨時評議員会を開催した。今回は、次期会長選挙が行われた。立候補していたのは、現会長の住友雅人氏、東北大学大学院教授の佐々木啓一氏の2名。評議員68名による投票の結果は、住友氏45票、佐々木氏22票、無効1票で、住友氏が4回目の当選を果たし、引き続き2年間の会長職に就任した。

 

歯科もかかわる健診・検診結果の活用を議論/第4回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会〝健康診査等専門委員会〟が開催

歯科もかかわる健診・検診結果の活用を議論/第4回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会〝健康診査等専門委員会〟が開催

厚生労働省は5月24日、厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会内に設置されている「健康診査等専門委員会」(委員長:辻一郎東北大学大学院医学系研究科教授)の第4回会合を三田共用協所で開催した。ただ、歯科分野メンバーの髙野直久氏は欠席している。今回は、「健康診査の結果等に関する情報の利活用」に検討を加えたほか、今後の同専門委の進め方についても協議した。

健診の中でも特に注目されているのは特定健診。特定健診の項目には、身体測定、診察、血圧、生化学検査、血糖検査、がん検診・生体検査などがあるが、最近の政府の動向としては、マイナンバーカードの普及率が低迷している中、普及拡大方策の一環として、マイナポータルなどの活用によるPHR(Personal Health Record)サービスなどを導入しようとする動きがある。

生涯を通し、健診には胎児期健診、出生時期健診、幼児期健診、学校健診、学校歯科検診、職場健診、特定健診、がん検診、老人健診などがある。それらについては従来から、①保管が連続性に欠けている、②同一人物の各種データが分散している、③疾患発見時での活用が難しい―などの点が示唆されており、その改善の必要性も指摘され続けている。ただ、各種健診データの集約、その保管、活用に関しては、個人の最重要なプライバシーであること、情報流出対策はどうなるのかなど、従来から重要課題が指摘されており、国民が納得できる対策は示されていないのが現実で、同委の今後の動向も注目されよう。

歯科医師と患者の関係をめぐりオンライン診療を議論・検討

歯科医師と患者の関係をめぐりオンライン診療を議論・検討

厚生労働省は3月29日、千代田区平河町の全国都市会館で「第3回オンライン診療の適切な実施に関する指針見直しに関する検討会」(座長:山本隆一/医療情報システム開発センター理事長)を開催した。今回は、医科分野だけでなく歯科分野のオンライン診療をめぐる議論・検討が行われている。

厚労省医政局医事課は、昨年3月に「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を公表したが、歯科医師に関しては具体的な明示はされてなかった。これを前提に、取りまとめられた資料が呈示され、「歯科診療にでは、う蝕処置のように医療施設で患者に直接行う処置が多いが、一方で、発達過程において正常な口腔機能獲得ができていない小児や、加齢などにより口腔機能が低下した高齢者に対する指導管理と歯科医師による指導管理に対するニーズが高まっている」とし、歯科でも継続的指導管理が必要な患者に対するオンライン診療が検討されていることを踏まえながら「現実には、歯科医師がオンライン診療する場合の取り扱いが不明確である」と指摘している。

さらに、想定される歯科におけるオンライン診療の観点から、①Dentist to P with Doctor:在宅医療を行っている患者に対して食支援で医師・歯科医師等の多職種が関与している場合において、医師の診療時に、必要に応じて歯科医師が口腔機能・口腔衛生に関する指導管理を行う場合。②Dentist to P with Dentist:①のケースにおいて、歯科医師の診療時に必要に応じて医師が指導管理を行う場合。③Dentist to P with Dentist:在宅医療を行っている患者に対する口腔機能管理を行っている場合に、主治の歯科医師だけでなく必要に応じて当該領域を専門にする歯科医師が診療を行う場合―を示した。

さらに、歯科衛生士の関係についてDentist to P with DHとして触れ、「歯科衛生士は、歯科診療の補助をなすことを業とすることができるとされていることから、Dentist to P with Dental Hygienist の形態が想定される」とし、具体例として、口腔衛生管理が必要ま患者に対し、歯科医師の指示により、在宅や歯科医師がいない病院や施設等で歯科衛生士が口腔衛生管理等を行う場合を提起している。

※検討会資料のうちしか関連部分のダウンロードはここをクリック!!

保険者による健診・保健指導等検討会が第31回会合を開催/マイナポータルの特定健診への活用で具体案提示される

保険者による健診・保健指導等検討会が第31回会合を開催/マイナポータルの特定健診への活用で具体案提示される

厚生労働省は3月30日、全国都市会館で「保険者による健診・健保指導の等に関する検討会」(座長/多田羅浩三・日本公衆衛生協会会長)の第31回会合開催した。今回の検討項目を①特定健診データの保険者間の引継ぎ、マイナポータルを活用した特定健診データの閲覧、②後期高齢者医療制度の保健事業(現状報告)」―とし、協議・検討を行った。

その中では、マイナンバーカードのインフラを活用する「マイナポータル」をめぐり、特定健診データを本人に還元する方策も提示され、①特定健診データ等の保険者間の効率的な照会・提供の仕組み、②保険者から支払基金へのデータの効率的な登録方法、③特定健診情報ファイルの個人単位被保番対応、④匿名化前データの登録方法、⑤健診実施機関から支払基金経由で特定健診データ等をオンライン資格確認等システムに登録する方法、⑥保険者が現在保有している特定健診データベースとの役割分担―などが提示された。

なお、マイナポータルに関する詳細は、内閣府のホームページをご覧ください。

https://www.cao.go.jp/bangouseido/myna/index.html

歯科の在宅医療提供で整理案を議論/厚生労働省が第2回在宅歯科医療の提供等検討会を開催

歯科の在宅医療提供で整理案を議論/厚生労働省が第2回在宅歯科医療の提供等検討会を開催

厚生労働省は3月26日、第2回目の「在宅歯科医療の提供体制等に関する検討会」(座長:古屋純一/東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科地域・福祉口腔機能管理学分野教授)を経済産業省別館会議室で開催した。今回は事務局から、これまでの議論の内容を整理した「在宅歯科医療提供体制の充実に向けた議論の整理(案)」を取りまとめ、提示した。

今回の議論はこの整理案をベースに行われ、①はじめに、②在宅歯科医療に関する現状と課題、③在宅歯科医療に係る数値目標の設定状況について、④今後検討が必要な事項について―を順次取り上げた。

「在宅歯科医療検討会整理(案)」PDFのダウンロードはここをクリック!!

 

歯科インプラントの相談事例を公表/国民生活センター

歯科インプラントの相談事例を公表/国民生活センター

国民生活センターは3月14日、「あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか-なくならない歯科インプラントにかかわる相談-」を公表した。

同センターでは、歯科のインプラント治療により被害を受けたという相談が増加していることから、必要な情報を収集、分析し、同センターのホームページなども活用して注意を喚起したもの。

同センターによると、歯科インプラント治療で被害を受けたとの相談は、2006年度以降の約5年間で343件寄せられており、増加傾向にあり、その中には、数カ月~数年間にわたって身体症状が続いているとの相談もあるほか、日常生活に影響が出ている相談事例もあるという。

相談の概要では、契約購入金額の回答があった相談228件のうち約7割は50万円以上の契約をしていたことが分かっている。身体症状の継続期間は、記載のある相談204件のうち、7割強が1カ月を超えており、そのうちの4割強は1年以上になっている。身体症状の内容は、歯や口腔の痛み、腫れ、インプラント本体の破損などとなっている。

 

 

「レセプト審査」めぐり会計検査院が厚労省に改善求め意見提出/国保連豪快に不適切事例

「レセプト審査」めぐり会計検査院が厚労省に改善求め意見提出/国保連豪快に不適切事例

会計検査院は3月19日、厚生労働省に対しレセプト審査のチェック項目が25都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)によって不適切な事例があるとして、厚生労働省に対して改善を求める意見提示した。

それによると、検査院が25都道府県国保連を検査したところ、一部でコンピューターを活用したレセプト自動審査を省略し、不適切と疑われる請求を見抜けていない実態を確認したというもの。

レセプト審査には5136の項目があるが、検査した25都道府県国保連が採用している項目の平均数は3940項目となっており、5136項目のすべてを採用している国保連はゼロであったとしている。

実際に、どの項目を選択するのかは、書く国保連が決めることになっているが、このままでは同じ診療内容でも地域によって医療費に地域差が出ることにつながってしまう可能性がある。そのため、検査院は医療費支払いの適正化のため、レセプト審査を所管している厚労省に意見を示し、改善を求めることとしたもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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新たな歯科医師2059名が誕生/第112回歯科医師国家試験合格者を発表

新たな歯科医師2059名が誕生/第112回歯科医師国家試験合格者を発表

厚生労働省は2019年3月18日午後2時、第112回歯科医師国家試験と第113回医師国家試験の合格発表を行った。合格率は、歯科医師が63.7%、医師が89.0%となっている。

第112回歯科医師国家試験は、2019年2月2日と3日に施行された。出願者数3,723人、受験者数3,232人、合格者数2,059人、合格率は63.7%で、前年(2018年)の64.5%と比べ0.8ポイント減少。このうち、新卒者の合格者数は1,587人、合格率は79.4%で、前年の77.9%と比べ1.5ポイント増加した。

第113回医師国家試験は、2019年2月9日と10日に施行された。出願者数1万474人、受験者数1万146人、合格者数9,029人、合格率は89.0%で、前年(2018年)の90.1%と比べ1.1ポイント減少。このうち、新卒者の合格者数は8,478人、合格率は92.4%で、前年の93.3%と比べ0.9ポイント減少した。両国験とも、新卒者の合格率が高かった。

◆今回の歯科医師国試をどう見るか

なお、今回の歯科医師国試について、東京歯科大学歯科医療管理学教授の鳥山佳則氏に講評をお願いした。その内容は、以下の通りである。

歯科医師国家試験をめぐり、注目されるのは全体の合格率であるが、個人的には、新卒者の合格率に注目している。新卒者合格率は約80%、既卒者は約38%と大きな差があるからである。学校別の結果については変動があるものの全体的には例年並みの結果といえる。

出題内容は、厚生労働省の「歯科医師国家試験出題基準」によるが、これは慣例で4年ごとに改定され前回の試験から新基準による出題である。これに関連するものとして、文部科学省が主催し歯科大学関係者により作成された「歯学教育モデルコアカリキュラム」がある。こちらは、不定的に改定されていたが、新出題基準と同じ2017年度から新コアカリキュラムが施行されている。初めての同時改定であり、両者の整合性が図られている。

歯科医師国家試験に対して、多くの意見を聞くが、評価の客観性と迅速な採点が非常に重要である。その点において、マークシート方式は利点が大きいが、万能ではない。また、過去の反省を踏まえてトラブルを起こさないことが重要であり、万一トラブルが起これば他の多くの国家試験にも迷惑がかかることを深く認識する必要がある。