医政・行政ニュース

歯科医師の立候補者は5氏/与党3氏と野党2氏

歯科医師の立候補者は5氏/与党3氏と野党2氏

10月10日、衆議院総選挙立候補者が公示され、総選挙がスタートした。その中で、歯科医師の立候補者は5氏となっているが、自民党からは前職の3氏が立候補している。白須賀貴樹氏(千葉13区・2回・東歯大卒)、比嘉奈津美氏(九州ブロック・1回・福岡歯科大)、渡辺孝一氏(北海道ブロック比例・2回・北海道医療大学歯学部卒)の3氏が再選を目指す。

また、野党からは2氏が立候補している。長谷川嘉一氏(群馬3区・新・日本歯科大学卒)が立憲民主党から初めて立候補したほか、かつて民主党時代に衆議院議員当選経験を持つ水野智彦氏(千葉13区・1回・明海大歯学部卒)が希望の党から立候補した。

都議会で「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」が可決・成立/努力義務規定にとどまる/来年4月から施行へ

都議会で「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」が可決・成立/努力義務規定にとどまる/来年4月から施行へ

東京都議会は10月5日、「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」を賛成多数で可決した。2018年4月から施行される。この条例は、都議会の都民ファーストの会と公明党の共同提案の形をとっている。小池百合子都知事は、都知事選挙の際の公約としてこの条例成立を掲げていた。また、政府の受動喫煙法案が先送りになっている状況を先取りする形となっている。

具体的な内容は、家庭内での受動喫煙防止が中心となっているほか、「子供は自らの意思で受動喫煙を避けることが困難で、保護の必要性が高い」ことを明記し、子供がいる室内や車内で喫煙しないことなどを求めている。ただし、罰則規定は設けず努力義務規定にとどまっている。

なお、日本禁煙推進医師歯科医師連盟は本年2月、「受動喫煙対策に小規模での一部を原則禁煙の例外を検討」に対し反対声明を出しているほか、昨年12月、藤原久義氏(禁煙推進学術ネットワーク理事長)、横倉義武氏(日本医師会会長)、堀憲郎氏(日本歯科医師会会長)、住友雅人氏(日本歯科医学会会長)、高久史麿氏(日本医学会会長)の5氏は連名で「2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に向けて屋内完全禁煙とする包括的受動禁煙防止法・条約制定の要望書」を取りまとめ、安倍首相ほか関係大臣・知事あてに提出している。

それでも吸いたい。やっぱり吸いたい

 

社保審医療保険部会が開催/歯科医療界からは日歯の遠藤秀樹常任理事が参加

社保審医療保険部会が開催/歯科医療界からは日歯の遠藤秀樹常任理事が参加

第107回社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫/学習院大学経済学部教授)が10月4日、厚労省内で行われた。

今回の協議・検討テーマは、①次回の診療報酬改定に向けた検討、②骨太2017、経済・財政再生計画改革工程表の指摘事項、③平成28年度の医療費・調剤医療費の動向(報告)―など。

このうち①の次期改定に向けた検討では、改定への基本認識、視点、方向性などを議論し、資料提示された中には、「次期診療報酬改定に向けた基本認識、視点、方向性等について」が含まれており、「人生100年時代を見据えた社会の実現」「どこに住んでいての適切な医療・介護を」安心して受けられる社会の実現」「制度の安定性。持続可能性の確保と医療・介護現場の新しい働き方の推進」が開設されている。

基本的視点として①地域包括ケアシステムの構築と医療機能分化・強化・連携の推進、②新しいニーズにも対応できる安心・安全で、質の高い医医療の実現・充実、③医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進、④効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続性可能性の向上―の4点が提示された。

議論の中では、先に閣議決定された「骨太方針2017」で、歯科健診の導入に関する施策推進が打ち出されており、このことが今回の議論の中にも影響した。

なお、同部会の歯科医療界からは、歯科医療界からは遠藤秀樹氏(日本歯科医師会常任理事)が構成員となっている。

歯科医師の立候補予定者は現時点では4名/現職3、新人1

歯科医師の立候補予定者は現時点では4名/現職3、新人1

10月22日に衆議院選挙が行われる。歯科医師からの立候補予定者は、自民党前職の白須賀貴樹氏(千葉13区・当選2回・東歯大卒)、比嘉奈津美氏(九州ブロック・当選1回・福岡歯科大)、渡辺孝一氏(北海道ブロック比例・当選2回・北海道医療大学歯学部卒)の3氏が再選を目指す。

また、新たに長谷川嘉一氏(群馬3区・新・日本歯科大学卒)が立憲民主党から初立候補を予定している。

現時点では、歯科医師の立候補は4氏となっている。

高橋英登日歯連盟会長が社会保障充実政策を求める/武見敬三議員勉強会の来賓挨拶で訴える

自民党参議院議員で医系議員の武見敬三氏は9月25日、自ら主催する「敬人会夕食勉強会」を都内のホールで開催した。

来賓挨拶では、横倉義則氏(日本医師会会長)、山本信二氏(日本薬剤師会会長)に続き、歯科医療界から日本歯科医師連盟会長の高橋英登氏が挨拶に立った(下写真)。その中で高橋氏は、1989年から実施された8020運動の成果を紹介しつつ、歯科疾患と全身との関係が明らかになりつつある現状を説明するとともに、最近の経済状況や求人倍率の好転などを指摘しつつ、「社会保障の充実の政策」を強くい訴えた。

そのほか、河北博文/東京都病院協会会長、尾崎治夫/東京都医師会会長らもあいさつに加わった。

引き続き、武見議員による講演「我が国の保健外交と武見の役割」が行われた。その中で、政治家としての今後の挑戦課題に言及し、①国際的危機管理体制の確立、②ユニバース・ヘルス・カバレッジ、③アジア健康構想の実現―の3項目を掲げた。ただ、次期診療報酬改定を前にしての動向や、日本国内における医療関連問題への言及が少なかった感は否めず、また、議員自身の個人的根見解などは、紹介されなかった。

医療への消費税課税検討など盛り込む/2018年度税制改正要望書を財務省に提出

医療への消費税課税検討など盛り込む/2018年度税制改正要望書を財務省に提出

厚生労働省は8月31日、財務省に対して2018年度「税制改正要望」を提出した。要望の柱は、子ども・子育て、健康・医療、医療保険、介護・社会福祉、雇用、生活衛生その他―の7項目となっている。

これらの中で、医療、歯科医療に特に深い関連があるものを拾うと以下のような状況である。なお、◆印下の説明文は、同省作成のまま引用している。

【健康・医療】

◆医療に係る消費税の課税のあり方の検討(消費税、地方消費税)

医療に関する消費税などの税制のあり方については、消費税率が10%に引き上げられるまでに、抜本的な解決に向け、適切な処置を講ずることができるよう、税制上の措置について、医療保険制度における手当のあり方の検討などと併せて、医療関係者、保険者などの意見を、特に高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘も踏まえ、平成30年度税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得る。

◆医療機関等の設備投資等に関する特例措置の創設(所得税、法人税等)

控除対象外消費税の負担が医療機関等の設備投資を抑制する一因となっているとの指摘がある中、国民に必要な医療を効果的・効率的に提供していくための設備投資などは進めていく必要がある。このような中で、医療に関する諸費税の問題が抜本的に解決されるまでの間、都道府県で策定された医療計画などに資する固定資産税を医療機関等が取得した場合に、税制上の特例措置を創設する。

◆社会保険診療報酬にかかる非課税措置の存続(事業税)

社会保険診療の高い公共性に鑑み、診療報酬に係る事業性の非課税措置を存続する。

◆医療法人の社会保険診療報酬以外部分に係る軽減措置の存続(事業税)

人口減少による地域機能の衰退と医師の高齢化などを踏まえ、地域の保健・医療・介護を支える個人解説医療機関の事業承継の円滑化のため、税制上の所要の措置を講ずる。

◆社会医療法人・特定医療法人の認定要件の見直し(所得税、法人税、法人住民税、事業税、固定資産税等)

医療・介護をめぐる社会情勢の変化の中で、地域医療の中核的存在である社会医療法人の認定要件(社会保険診療収入などの対象)について、見直しを行う。

◆国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的とした、たばこ税の税率引き上げ(たばこ税、地方たばこ税)

国民の健康の観点からたばこの消費を抑制するため、たばこ税および地方たばこ税の税率を引き上げる。

【医療保険】

◆国民健康保険法の改正に伴う税制上の所要の措置(国民健康保険税)

国保法等の一部を改正する法律の施行に伴い、税制上の所要の措置を講ずる。

◆国民健康保険税の課税限度額の見直し及び低所得者に係る国民健康保険税の軽減判定所得の見直し(国民健康保険税)

①国保税の基礎課税額、後期高齢者支援金等課税額及び介護納付金課税額の限度額の見直しを行う。

②低所得者に対する国保税の軽減措置の対象となる世帯の軽減判定所得について、経済動向などを踏まえ、所要の見直しを行う。

◆国民健康保険税の軽減判定に用いる被保険者の所得の算定方法の見直し(国民健康保険税)

国保税に係る軽減措置の判定に用いる被保険者の所得について、一部、住民税上の金額を用いることができるよう、算定方法の見直しを行う。

【介護・社会福祉】

◆介護医療院の創設等に伴う税制上の所要の措置

介護医療院の創設等に伴い、税制上の所要の措置を講ずる。

歯科健診で2事業を盛り込む/2018年度厚労省歯科医療関連概算要求案を見る

歯科健診で2事業を盛り込む/2018年度厚労省歯科医療関連概算要求案を見る

厚生労働省は8月25日、「2018年度厚生労働省予算概算要求案」を自民党厚生労働部会で提示し、同31日に正式に公表した。高齢化の進展によって社会保障費の自然増分は6300億円に上っており、一般会計概算要求額は31兆4298億円で過去災害規模となった。これは、対前年度当初予算比2.4%増となっている。また、要求額が30兆円を超えたのは6年連続となっており、今後の財務省とのやり取りが注目される。

今回の概算要求案の中で、特に同省医政局歯科保健課所管の歯科医療関係の要求内容を紹介する。

◆歯科健診めぐり新規政策2事業を要求

「歯科保健医療の充実・強化」の一環として、健康寿命の延伸に向けた歯科口腔保健の推進を図るため、新規施策として①歯科健康診査推進事業:歯科健康診査推進等事業、検査方法等実証事業、②歯科医療機関による歯科口腔保健機能管理等研修事業―の2事業を盛り込んでいる。

◆地域の全歯科疾患患者を受け入れる拠点診療所整備を支援でも新規政策

また、「8020運動・口腔保健推進事業」では、継続事業として①口腔保健推進事業、②8020運動推進特別事業、③歯科口腔保健支援事業―の3事業を引き続き進める。

さらに、「歯科保健サービスの効果実証事業」「医療提供体制施設整備交付金」の2事業も引き続き推進する。後者は新規事業で、“地域拠点歯科診療所施設整備事業”を創設する予定だ。診療に困難を伴う障害者の患者などを含め、地域医療におけるすべての歯科疾患患者の受け入れを可能にする歯科の拠点診療所の施設整備への支援を行うことが柱となっている。

◆歯科医療の情報化をさらに推進の構え

一方、これまで継続している「歯科医療分野の情報化の推進」について、さらにテコ入れを行う。具体的には歯科情報の利活用と標準化推進普及事業として、標準化された歯科情報の普及に向け、歯科情報の利活用に関するモデル事業を行い、その有用性を実証しようというものだ。なお、同省では去る7月19日、「歯科情報の利活用及び標準化普及に関する検討会」を設置し、その初会合を開催しており、同検討会での今後の検討内余が反映される形になる。

◆歯科関連医療従事者の資質向上に向け新規2事業を計画

歯科医療にとって欠かせない歯科技工士。この歯科技工士養成施設に対して厚生労働省歯科保健課は重い腰を上げ、2018年度予算概算要求案の中で「歯科技工士養成施設活性化事業」を新規要求した。これは、歯科技工士養成施設に所属する学生が参画し、歯科技工士養成活性化会議の設置と学生確保推進コーディネーターを配置して、学生確保などの具体的な方策を協議・検証するために必要となる経費について、支援して行こうというもの。また、いま1つの新規政策として「災害派遣医療チーム要請支援事業(歯科分)」の新規要求も行っている。これは、DMATの活動終了後、被災地の医療機能が回復するまでの間の医療支援などを担う民間の医療チームに所属する歯科医師や歯科衛生士などの医療従事者の養成、養成研修に必要な経費を支援しようというもの。なお、新規2事業のほかに継続事業として①歯科衛生士に対する復職支援・離職防止等推進事業、②歯科医療関係者感染症予防講習会、③歯科技工士実習施設指導者等養成講習会、④予防・在宅歯科医療等対応教員養成講習会、⑤歯科補てつ物製作過程等の情報提供推進事業、⑥歯科医療の展開に向けた協議・検証事業―の6事業が、継続要求されている。

◆臨床研修関係

厚生労働省歯科保健課では、2018年度の「歯科医師臨床研修関係費」として継続事業として4事業を引き続き進める。具体的には、①歯科医師臨床研修費、②歯科医師臨床研修指導医講習会、③臨床研修活性化推進特別事業、④臨床研修病院募集情報システム事業経費(歯科分)―の4本となっている。

◆保険局所管事業は2本が柱

厚生労働省の2018年度予算概算要求案の中で、医政局歯科保健課とは別に、保険局内で扱っている歯科保健関連2事業が継続実施されるが、2事業とも大幅増額を要求している。2事業とも高齢者医療課の担当で、概要は、以下の通り。

≪健康寿命の延伸に向けた歯科口腔保健の推進≫

・後期高齢者医療の被保険者に関する歯科健診:後期高齢者医療広域連合が実施する高齢者の特性を踏まえた歯科健診について支援を行うもの。

≪高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進≫

・広域連合で地域の実情に応じて地域包括支援センター、保健センター、歯科診療所などを活用し、課題に応じた専門職、つまり歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士、保健師などが、対応の必要性が高い後期高齢者に対して実施する相談や訪問指導などについて支援を行う。具体的には、①口腔に関する相談・指導、②外出困難者への訪問歯科健診―となっている。

◆歯科医療でのへき地医療確保や安全確保は例年並み要求に

厚生労働省医政局歯科保健課が担当している「へき地歯科医療確保」「歯科医療安全の確保・向上」に関する3事業は、例年並みの規模が概算要求案に盛り込まれている。具体的には、①へき地歯科巡回診療者運営費、②離島歯科診療班派遣運営費、③歯科医療事故情報収集等事業―の3事業となっている。

◆厚労省医政局所管の補助対象事業

一方、歯科保健課が所属する医政局が所管している補助金を用いる事業も、例年並みの2事業が要求されている。具体的には、①医療提供体制推進事業費補助金によるもの:歯科医療安全管理体制推進特別事業、②医療施設等設備整備費補助金によるもの:へき地歯科医療関係の設備整備事業―の2事業となっている。

◆総合確保基金の柱は3本

厚生労働省の2016年度予算概算要求案から開始された「地域医療介護総合確保基金による医療・介護提供体制改革」、いわゆる「基金事業」の規模は2018年度の場合602億4400万円となっており、医政局歯科保健課では3事業を想定し、その実施に見合う財源の確保を目指す。3事業とその具体的な内容は以下の通り。

Ⅰ、病床の機能分化・連携

・地域医療支援病院やがん診療連携拠点病院等の患者に対する歯科保健医療の推進

Ⅱ、在宅医療(歯科・薬局を含む)の推進

・在宅歯科医療の実施に関する拠点・支援体制の整備。

・在宅歯科医療連携質と在宅医療連携拠点や地域包括支援センター等との連携の推進。

・在宅歯科医療を実施するための人材の確保支援など。

Ⅲ、医療従事者等の確保・養成

・医科・歯科連携に資する人材養成のための研修の実施など。

歯系2議員が自民厚労部会長代理に/白須賀・石井両議員

歯系2議員が自民厚労部会長代理に

今月3日、第3次安倍改造内閣が発足し、その後、副大臣と政務官などの人事が決まったが、昨日22日、自民党の厚生労働部会の部会長1名、部会長代理3名の人事が正式に決まった。部会長代理には歯系議員の参議院議員の石井みどり氏、衆議院議員の白須賀貴樹氏の2氏が就任した。自民党厚労部会の部会長、部会長代理は以下の4氏。

◆部  会  長 橋本 岳氏 :衆院議員、岡山4区

◆部会長代理 鬼木 誠氏 :衆院議員、福岡2区

                             白須賀貴樹氏:衆院議員、千葉13区

           石井みどり氏:参院議員、全国比例

巨星墜つ/100歳を超えなお生涯現役として医学界発展に尽力した日野原氏に対し心から敬意と感謝を表するとともにご冥福をお祈り申し上げます

巨星墜つ/100歳を超えなお生涯現役として医学界発展に尽力した日野原氏に対し心から敬意と感謝を表するとともにご冥福をお祈り申し上げます

 

巨星墜つ。

7月18日、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明氏が、呼吸不全のため亡くなった。105歳であった。葬儀は7月29日、青山葬儀所で行われた。

日野原氏は医業にとどまらず、多種多様な講演会活動、地域貢献活動に携わってきた。日野原氏は、1911年に山口県で生まれ、1937年に京都帝国大医学部を卒業。1941年に東京の聖路加国際病院に内科医として勤務を始めた。1992年には同病院院長、96年には理事長に就任。2005年には文化勲章を受章した。

日野原氏は、1951年から1年間留学した米国のエモリー大学医学部で、患者の人格や考えや意見、生き方そのものを尊重する「全人医療」を学びとり、帰国後は看護師育成を中心に精力的に取り組んだ。また、1954年には病気の早期発見と早期治療の実現を目指し、日本の民間病院では初の「人間ドック」を開設。また、「生活習慣病」という呼称を新たに考え定着させ、予防医療にも力を注がれていたことは記憶に新しいところ。そのほか、終末期医療の充実に向け、日本初の独立型ホスピスの創設にも携わった。

一方、小中学生を対象とした命の尊さを伝える活動として「いのちの授業」を全国で展開。また、自立して生きる新しい老人の姿を「新老人」と命名し、75歳以上の自立した老人で組織する「新老人の会」を設立した。

著作活動にも熱意を注ぎ、200冊におよぶ著作がある。特に2001年に出版した『生きかた上手』は社会的にも注目を集め、200万部を超えるミリオンセラーとなったほか、絵本『葉っぱのフレディ』のミュージカル向け脚本を執筆するなど、執筆活動は広範囲にわたった。

日野原氏はエピソードにも富み、1970年に赤軍派がハイジャックした日航機『よど号』に偶然、乗客として乗りあわせたほか、1995年の地下鉄サリン事件の際は、聖路加国際病院院長として、直ちに被害者の無制限受け入れを行い、率先して治療拠点としての役割を果たすとともに、被害拡大防止に尽力した。

100歳を超えなお生涯現役として医学界発展に尽力した日野原氏に対し、心から敬意と感謝を表するとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。

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※なお、当協会の機関紙2010年5月号(第477号)では、当時98歳を迎えていた日野原重明氏のインタビュー記事を掲載しております。下記をご参照ください。聞き手は、藤野健正理事(当時、広報部長)で、場所は聖路加国際病院理事長室内。

下記インタビュー記事のダウンロードはこちら

歯科の昨年6月審査決定レセプトは1695万9657件に/厚労省が2016年「社会医療診療行為別統計」を発表

歯科の昨年6月審査決定レセプトは1695万9657件に/厚労省が2016年「社会医療診療行為別統計」を発表

厚生労働省は7月25日、2016年「社会医療診療行為別統計」の結果を発表した。レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)に蓄積されている2016年6月審査決定レセプトの全数を集計対象としており、医科8291万1306件、歯科 1695万9657件、保険薬局 5138万9690件となっている。

歯科の診療状況を見ると、1件当たり点数は1237.9点(対前年比0.8%増)、1日当たり点数は680.0点(同1.9%増)となっている。

1日当たり点数の構成割合は、「初・再診」12.8%(同0.2%減)、「医学管理」が10.4%(同0.2%減)、「処置」が19.1%(同0.5%増)といった状況だ。

歯科の中で注目される「歯冠修復および欠損補綴」をみると37.3%となっており、前年が37.7%であり、微減傾向を示していることがわかる。

この統計は、診療報酬改定実施の前年に取りまとめ、発表されており、発表後の秋には詳細なデータが公表されることもあり、翌年4月施行の診療報酬改定の基礎資料として利活用され、いわゆる「影響率」の計算の基礎データになっている。

歯科医師資質向上検討会が第5回会合開催/歯科保健医療ビジョンに盛り込む論点で協議・検討

歯科医師資質向上検討会が第5回会合開催/歯科保健医療ビジョンに盛り込む論点で協議・検討

厚生労働省は7月12日、「歯科医師資質向上等に関する検討会」(座長:江藤一洋医療系大学間共用試験実施機構副理事長)の第5回会合を開催した。

今回のテーマは「医科歯科連携の推進」についてで、参考人として髙久史麿氏(地域医療振興協会会長・自治医大名誉学長)、川越正平氏(あおぞら診療所長)、小松本悟氏(足利赤十字病院長)の3氏が招聘され報告を受けた。

厚労省側から、「歯科保健医療ビジョン」策定に向けての主な論点が示され、「今後の歯科保健医療の需要」をめぐってライフステージと医療提供施設の各サイドからの需要に関する論点整理が行われ、紹介された。

次に、「あるべき歯科保健医療の提供体制」をめぐっては①かかりつけ歯科医の役割・機能、②あるべき歯科医師像、が取り上げられ、「具体的な医科歯科連携方策や歯科疾患予防策」について、これまで行ってきた協議・検討の論点整理が報告され、併せて参考人の報告を受けた。特に髙久氏は、「歯周病と生活習慣病の関係」を報告し、「口腔細菌が係る心血管障害」「骨粗鬆症と歯周病」「肺炎と歯周病」などについて報告したほか、法制度化について注目されている喫煙影響問題に言及し、糖尿病、肥満、高脂血症、早期低体重などとの関係について報告した。

ただ、委員の中からは医科では医科歯科連携の認識が十分とはいえない点が指摘され、参考人から医科サイドの原因として、医学部では歯科のことは学ばないこと、口腔機能のを軽視していたこと、病院では歯科は必要ないとの感覚があったこと、などが挙げられた。

その他にもかなり熱のこもった議論が展開されたが、それらを取りまとめる形で座長の江藤氏が「歯科保健医療ビジョン」に今回の意見盛り込みや、「医療計画」の中に医科歯科連携の必要性を明記することに努力することを約束した。

厚生労働省が幹部人事を発表/7月11日発令

厚生労働省が幹部人事を発表/7月11日発令

厚生労働省は7月11日、事務次官や新たに創設した「医務技監」などを含む幹部人事異動を発令した。

政府高官レベルとなる厚生労働事務次官には、老健局長を務めていた蒲原基道氏が就任した。

また、今年度の厚労省機構改革の目玉となっている事務次官級扱いの「医務技監」にはこれまで保険局長を務めていた鈴木康裕氏が就任した。医務技監の役割を示す厚労省発表資料を参考までに下記に掲載する。

なお、歯科技官の幹部人事異動は行われていない。

◆1983年(58年)入省組が事務次官を支える形に

局長人事では、①保険局長:鈴木俊彦氏(元・年金局長)、②医政局長:武田俊彦氏(同医薬・生活衛生局長)、③年金局長:木下賢志氏(同内閣官房内閣審議官)、となっており、1983年(昭和58年)入省組が就任した。そして、厚労省大臣官房長には樽見英樹氏はそのまま留任したが、樽見氏も58年入省組であり、58年入省組の4氏がそろって厚労省幹部に就任したことになる。

なお、医薬・生活衛生局長の武田俊彦氏の後任には、日本年金機構理事を務めていた本真司氏が就任。医政局長を務めていた神田裕二氏は退職した。

今回の厚労省幹部人事は、1982年(昭和57年)入省の蒲原事務次官を、1983年(同58年)入省の鈴木保険局長、武田医政局長、木下年金局長の新3局長に留任の樽見官房長を加えた4局長で支える形となった。

【主な幹部の略歴】

  • 事務次官(老健局長)蒲原基道(かもはら もとみち)1982年(昭和57年)東大法卒、旧厚生省へ。官房長を経て16年から老健局長。佐賀県出身、57歳。
  • 医務技監(厚労省保険局長)鈴木康裕(すずき やすひろ)84年(同59)慶大医卒、旧厚生省へ。防衛省衛生監、16年厚労省保険局長。神奈川県出身、57歳。
  • 厚生労働審議官(職業能力開発局長)宮野甚一(みやの じんいち)82年(同57)早大政経卒、旧労働省へ。総括審議官、16年職業能力開発局長。千葉県出身、58歳。
  • 医政局長(医薬生活衛生局長)武田俊彦(たけだ としひこ)83年(同58)東大法卒、旧厚生省へ。政策統括官、16年医薬 生活衛生局長。岩手県出身、57歳。
  • 健康局長(技術総括審議官)福田祐典(ふくだ ゆうすけ)85年(同60)筑波大医学専門学群卒、旧厚生省へ。生活衛生 食品安全部長、16年技術総括審議官。長野県出身、58歳。
  • 医薬生活衛生局長(日本年金機構理事)宮本真司(みやもと しんじ)84年(同59)一橋大法卒、旧厚生省へ。東北厚生局長、16年日本年金機構理事。長野県出身、56歳。
  • 職業安定局長(中央労働委員会事務局長)小川誠(おがわ まこと)83年(同58)一橋大経卒、旧労働省へ。統計情報部長、16年中央労働委員会事務局長。静岡県出身、56歳。
  • 雇用環境均等局長(総括審議官)宮川晃(みやかわ あきら)83年(同58)東大法卒、旧労働省へ。職業能力開発局長、16年総括審議官。東京都出身、57歳。
  • 子ども家庭局長(雇用均等児童家庭局長)吉田学(よしだ まなぶ)84年(同59)京大法卒、旧厚生省へ。内閣審議官、16年雇用均等 児童家庭局長。愛知県出身、55歳。
  • 老健局長(審議官)浜谷浩樹(はまや ひろき)85年(同60)東大法卒、旧厚生省へ。15年審議官。北海道出身、54歳。
  • 保険局長(年金局長)鈴木俊彦(すずき としひこ)83年(同58)東大法卒、旧厚生省へ。社会 援護局長。15年年金局長。愛知県出身、57歳。
  • 年金局長(内閣審議官)木下賢志(きのした けんし)83年(同58)一橋大経卒、旧厚生省へ。審議官、15年内閣審議官。千葉県出身、58歳。
  • 人材開発統括官(政策統括官)安藤よし子(あんどう よしこ)82年(同57)東大教養卒、旧労働省へ。雇用均等 児童家庭局長、15年政策統括官。東京都出身、58歳。
  • 政策統括官(審議官)藤沢勝博(ふじさわ かつひろ)84年(同59)京大経卒、旧労働省へ。愛知労働局長、16年審議官。大阪府出身、55歳。
  • 政策統括官(厚労省総合政策政策評価審議官)酒光一章(さかみつ かずあき)83年(同58)東大経卒、旧労働省へ。財務省審議官、16年厚労省総合政策 政策評価審議官。東京都出身、56歳。

板橋区内の愛歯技工専門学校が生徒募集を中止し閉校へ

板橋区内の愛歯技工専門学校が生徒募集を中止し閉校へ

東京都板橋区所在の愛歯技工専門学校が「生徒募集の停止のお知らせ」の案内を掲載するとともに、平成31年3月をもって閉校することになった。

その説明としてホームページでは、「ご関係の皆様には、日頃より本学の教育にご支援を賜り、感謝を申し上げます。さて、弊校は大正14年の開校以来、皆様にご愛顧頂いて参りましたが、諸般の事情により平成30年度以降の学生の募集を終了し、平成31年3月をもって閉校する運びとなりました。突然の学生募集の終了でご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げる次第でございます。略儀ではございますが、まずは書中をもちまして学生募集終了のお詫びとご挨拶を申し上げます」としている。

歯科医師国家試験の出題基準を改定/「新基準」による国試実施の注意点も別途に喚起

歯科医師国家試験の出題基準を改定/「新基準」による国試実施の注意点も別途に喚起

厚生労働省は7月3日付で2018年(平成30年)3月に実施される「第111回歯科医師国家試験」の日程、内容などを取りまとめ公表した。また、それに続く7月5日付で、この第111回歯科国試から新たに運用される注意事項を「※受験予定の方へ重要なお知らせ」として文書を取りまとめ公表した。

◆出題基準改定の根拠

2018年(平成30年)版歯科医師国家試験出題基準に基づいて、歯科医師国試問題出題数や出題構成の見直しなどを行うことが柱。歯科医師国家試験出題基準は1985年の策定以来、歯科医療や歯学教育の変化や内容などにあわせ、4年ごとに見直しについての検討を加え、必要な改定を継続して加えている。2018年版歯科医師国試出題基準の改定に関しては、昨年3月29日に厚労省の「歯科医師国家試験制度改善検討部会」がとりまとめた“報告書”の中で示された提言を踏まえたものとされ、改定出題基準は2018年度2月3、4日に実施される第111回歯科医師国家試験から採用、施行される。

第111回歯科医師国試日程等資料はここをクリック

◆具体的な改定内容

それによると、第111回歯科医師国家試験の出題数は、①必修問題80題、②一般問題(総論)100題、③一般問題(各論)80題、④臨床実地問題100題、の合計360題となている。これに合わせ、受験者への配慮も行い、解答時間も見直されることになっている。

また、これまでの必修問題、一般問題、臨床実地問題に分かれていた出題構成については、各問題冊子に必修問題、一般問題、臨床実地問題を均等に出題する形に見直しされる。

さらに出題形式は、現在の出題形式に加え、①必要に応じて5つの選択肢から3つの正解を選択する「X3タイプ」、②5つの選択肢から4つの正解を選ぶ形式「X4タイプ」、③治療手順などを解答させる非選択形式の「順序問題」、を使用する予定という。

なお、厚労所が示した「※受験予定の方へ重要なお知らせ」は以下の通り。

東京都議会議員選挙の開票結果

東京都議会議員選挙の開票結果

7月2日、東京都議会選挙の投開票が行われた。社会的にも注目された127議席に関する結果は、①都民ファースト49、②公明23、③自民23、④共産19、⑤民進5、⑥無所属6(都民ファースト推薦)、⑦ネット1、⑧維新1、となった。

そのほか、都議の中で注目されていた医系関連候補者の状況をみると、小金井市(定数1)で都民ファーストの辻野栄作氏(北大医学部卒)が医師として唯一当選している。

医療や社会保障制度を含め経産省若手が公式資料作成

医療や社会保障制度を含め経産省若手が公式資料作成

経済産業省の課長補佐等の若手と事務次官で構成する「次官・若手プロジェクト」は、このほど、同省の基幹審議会「産業構造審議会」に公式資料として「不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」を提出した。その内容が業界、財界のみならず、医療、福祉、社会保障関係者の間でも注目されている。

この資料に対する意見はさまざまであるが、こと社会保障制度に関しては、若手世代か高齢者世代かといった議論よりも、国民が納得する形で、今後の社会保障費を客観的で冷静に試算し、その財源をどう工面し工夫するか、税制問題をどうするかなどが必要なのではないか。

◆人生100年型社会の医療費引合いに

この資料では、これまでに政府が策定してきた諸制度について、昭和の標準モデルを前提に作られているとし、「今後は、人生100年、二毛作三毛作が当りまえ」と指摘。さらに「手厚い年金や医療も、必ずしも高齢者を幸せにしていない」としている。

さらに日本の健康、医療、福祉について2016年までの資料をもとに各国の健康寿命を提示し、日本は74.9歳で、英国71.4歳、ドイツ71.3歳、米国69.1歳を抜いていることを紹介し、「健康に過ごせる老後は、どんどん伸びている」と強調している。しかし、この健康寿命による「長生きした後」については、「人生最後の1カ月に莫大な費用をかけてありとあらゆる延命治療が行われる」点に関しては、国民医療費の約2割が80歳以上の医療費であり、その多くが入院医療費であると指摘。「現状では病院以外で最後を迎えるという選択肢はほとんどない」とした上で、「終末期の自分」の選択を迫る。そしてそこで、米国の現状を引き合いに出し、「米国では、本人の意向を踏まえたケア提供により病院で亡くなる人が減少」と付言している。

◆日本の社会保障費に着目

一方、社会保障制度について、「際限なく医療・介護・年金等にどんどん富をつぎ込むことに、日本の社会はいつまで耐えられるのだろうか」とし、フローチャート上で「社会保障費はシーリング外の“当然増”経費」と念を押した上で、“古い価値観と固着化した輝かしい制度の束をどう変えていくか”と前置きし、以下のように図示している。

  • 医療保険↔死ぬまで最高水準の医療を本人の希望にかかわらず誰にでも・・・→延命治療は本人の意思に応じて
  • 年金・介護保険↔高齢者は国/現役世代に支えられるもの・・・→子どもや教育に最優先で成長投資

◆新たな社会保障増を試作

これらの検討の上に立ち、「一律に年齢で“高齢者=弱者”とみなす社会保障をやめ、働ける限り貢献する社会へ」移行する必要性を示唆し、社会保障制度は、年齢による一律の区分を廃止し、個人の意欲や健康状態、経済状態等に応じた負担と給付を行う制度にしてはどうかと提言している。

口腔の健康と生活習慣・社会環境改善の現状検討/健康日本21第二次専門委員会で

口腔の健康と生活習慣・社会環境改善の現状検討/健康日本21第二次専門委員会で

厚生労働省は29日、厚生科学審議会地域保健建造増進栄養部会内に設置している「健康日本21/第二次推進専門委員会」(座長:辻一郎/東北大学大学院教授)を航空会館で開催した。会合では、現在進められている「社会生活を営むために必要な機能の維持・向上に関する目標」「健康を支え、守るための社会環境の整備に関する目標」「栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善に関する目標」などについての現状が報告され、検討が加えられた。

これらのうち③歯科関連事項については、資料に沿って①口腔機能の向上、②歯の喪失防止、③歯周病を有する者の割合、④幼児・学齢期のう蝕のない者の増加、⑤過去1年間に歯科検診を受診した者の増加、等が紹介されている。

口腔機能管理推進など「骨太の方針2017」の内容を紹介/社保審の障害者部会で

口腔機能管理推進など「骨太の方針2017」の内容を紹介/社保審の障害者部会で
 
厚生労働省は6月26日、社会保障審議会障害者部会(部会長:駒村康平/慶応義塾大学教授)を全国都市会館で開催した。今回の会合では障害者総合支援法施行に関連する諸事項を取り上げ議論が展開された。
ただ、配布資料の中には、6月9日に閣議決定された「骨太の方針2017」の障害保健福祉部関係で明記された「社会保障④:健康増進・予防の推進等」のダイジェスト版が配布され、「口腔の健康は全身の健康にもつながることから、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者に対する口腔機能管理の推進など歯科保健医療の充実に取り組む」のセンテンスが紹介された。
当日行われた議論は、①障害者の望む地域生活、②障害児支援のニーズの多様化へおきめ細かな対応、③サービスの質の確保・向上に向けた環境整備―の3本を柱に行われた。
なお、他の社会保障審議会傘下の専門部にも該当することであるが、この障害者部会のメンバーにも歯科医療界からの代表は含まれていない。

東京都歯科医師会の新会長に高橋哲夫氏

東京都歯科医師会の新会長に高橋哲夫氏

東京歯科医師会代議員が6月22日、千代田区四谷の日本歯科医師会館で開催された。今回は、高橋哲夫会長の任期満了に伴い、これまで副会長を務めていた山崎一男氏が新たな会長に選出された。そのほか、新副会長3名、理事13名、監事3名が選出された。

日本歯科医師会代議員会で堀氏が会長再選・信任され2期目へ

日本歯科医師会代議員会で堀氏が会長再選・信任され2期目へ

6月15、16日の2日間にわたり、第185回日本歯科医師会代議員会が日歯会館で開催され、堀憲郎氏が会長として再選・信任され、堀執行部2期目がスタートした。

また、来賓として、歯科医師でもある自民党の白須賀貴樹衆院議員、島村大参院議員のほか、高橋英登日本歯科医師連盟会長、住友雅人日本歯科医学会会長らが挨拶を行った。

かかりつけ歯科医に関し厳しい意見や指摘相次ぐ/中医協総会で

かかりつけ歯科医に関し意見や指摘も相次ぐ/中医協総会で

厚生労働省の中央社会保険医療協議会(田辺国昭会長)の総会(第352回)が本日5月31日、同省2階講堂で開催された。

今回は、2016年度診療報酬改定に関する「診療報酬改定結果検証部会」からの報告と歯科医療をめぐる報告が行われた。歯科に関しては、①歯科医療を取り巻く現状、②地域包括ケアシステムの構築推進、③口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応―について事務局側から説明が行われた。その中では、人口10万対歯科医歯数の経年的推移、国民医療費に占める歯科医療費の推移、最近の高齢者の在宅医療の状況などが報告、説明された。

続けて、病院が増えると病院内に歯科を設置する病院も増えるのではないか、との意見も提起され、病院内の歯科と他の診療科との連携が図られる可能性や、病院歯科と院外の歯科との連携が進む可能性が示唆された。

また、地域包括ケアシステムの報告に入るところで「かかりつけ歯科医」に議論が集まった。医院の間からは、「いつも行っている歯科医とかかりつけ歯科医との違いについての整理が十分とは言えない点や、かかりつけ歯科医機能強化型診療所の施設基準を設けることの必要性をとう意見などが提起された。さらに、「か強診をつくることには、最初から反対だった」といった意見や、か強診を作った後から後付けのように議論することへの不満を示唆する意見が続いた。

なお、「地域包括ケアシステムの推進」の課題そのものに関しては、①2016年度新設の「かかりつけ歯科医機構強化型歯科診療所」においては、それ以外の歯科診療所よりも地域の在宅医療・介護を担う施設等と連携を行っている割合が高かった、②周術期口腔機能管理は、病院併設の歯科を中心に算定され、全体の約3割が実施しているが、300以上の病院の約半数で実施されている、③2016年度新設の歯科医師連携加算(栄養サポートチーム加算)については、栄養サポートチーム加算を算定している病院の約3割が算定されていた、④歯科診療外来環境体制加算の施設基準の届出は年々増加し、2015年で全体の約16%―などが提起されている。

そのほか、去る5月22日に開催された第4回「歯科医師の資質向上等に関する検討会」(江藤一洋座長)での議論内容も紹介された。

かかりつけ歯科医を医政局検討会が協議・検討/歯科医師資質向上等に関する検討会が第4回会合を開催/歯科保健医療ビジョン策定に向け検討開始

かかりつけ歯科医を医政局検討会が協議・検討/歯科医師資質向上等に関する検討会が第4回会合を開催/歯科保健医療ビジョン策定に向け検討開始

厚生労働省は5月22日、同省内で第4回「歯科医師資質向上等に関する検討会」(座長:江藤一洋・医療系大学間共用試験実施機構副理事長)を開催した。昨年11月以降開催されていなかった同検討会ではあるが、

本年4月6日に同省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」が報告書を取りまとめたこと、さらに3月17日の第110回歯科医師国家試験合格発表後のデータ解析なども終了したことも背景にあると思われる。それらを背景に今回は、「今後の歯科保健医療の需要を踏まえたあるべき歯科保健医療の提供体制(歯科保健医療ビジョン)の策定にむけた検討」が取り上げられた。

また、江藤座長の要望で、同検討会傘下の①歯科医師需給の問題、②女性歯科医師の活躍について、③歯科医療における専門性―の3ワーキンググループの検討状況の報告も行われた。

◆かかりつけ歯科医師が議論の俎上に

一方、上記の歯科保健医療ビジョンの検討の中で「かかりつけ歯科医」に関する議論が展開された。1996年の旧・厚生省健康政策局時代に、「歯科保健・福祉のあり方に関する検討委員会」が行った答申の中で、かかりつけ歯科医の考え方が提示されたが、今回の検討会では、新たに「現時点におけるかかりつけ歯科医のイメージ」を示した。医政局内の検討の場で、かかりつけ歯科医のイメージなどが正式に示されたのは、これが初めてのこと。新たに示したイメージでは、かかりつけ医の具体的役割として、①訪問診療を実施していない場合は、実施歯科医療機関と連携すること、②予防活動を通じた地域住民の口腔の健康管理を行うこと—などが新たに盛り込まれている。

次期診療報酬改定に関する議論は、保険局所管の中医協で検討されることになるが、今回医政局で議論された内容、論点を含めた審議・検討が行われることが予想される。

検討会開始3分前の会場内の様子

東京歯科大学の上條教授の研究が第三者提供承諾案件に/厚労省がレセプト情報等の提供に関する有識者会議開催

東京歯科大学の上條教授の研究が第三者提供承諾案件に/厚労省がレセプト情報等の提供に関する有識者会議開催

5月17日、厚生労働省の「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」(座長:山本隆一/一般財団法人医療情報システム開発センター理事長)が開催され、①「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の改正」に関する対応、②第三者提供の現状についての報告―を中心に議論が行われた。

このうち①については、「現行の行個法における個人情報の定義」「個人情報の提供」「有識者会議での審査」「NDB第三者提供」「改正行個法におけるNDB第三者提供の位置づけ」5項目について説明が行われた。

詳細な説明は避けるが、今回、歯科領域からの第三者提供承諾案件が資料配布され、東京歯科大学教授の上條英之氏による「長期の歯のメンテナンス治療による生活習慣病と医療費適正化並びに就業と歯科疾患への影響に関する研究」、日本歯科総合研究機構研究員の恒石美登利による「歯科治療状況と医療受療動向との関連調査」の2件を含む137件が紹介された。

歯科領域を医療・介護同時改定で重視/厚労省の第2回意見交換会で

歯科領域を医療・介護同時改定で重視/厚労省の第2回意見交換会で

厚生労働省は19日、2018年度の診療報酬と介護報酬の同時改定に向け、「第2回医療と介護の連携に関する意見交換会」を開催した。同時改定は6年サイクル巡ってくるもので、前回は本年3月22日に開催されている。

この意見交換会は、従前から指摘されているように、団塊の世代が75歳以上になる「2025年問題」に対応するための体制や受け皿づくりや、医療と介護の連携促進を図ることが目的で開催されたもので、医療については中医協、介護に関しては社保審の関連委員が出席した。

◆歯科領域が「連携」の視点から重視される

今回の意見交換会では、資料として①リハビリテーション、②関係者・関係機関の調整・連携―の2点が示された。

このうち、②の中では、特に歯科に関する事項が「歯科医療機関と介護施設の連携」として取り上げられている点が目を引く。重度の歯周病が糖尿病のリスクファクターとなること、口腔衛生管理が要介護被保険者などの誤嚥性肺炎の発症を低下させることなどに触れている。

なお、2025年における75歳以上の人口は18%を超えることが推計されており、ここに端を発する各種の問題に対し、厚生労働省は診療・介護報酬同時改定の中で「地域包括ケアシステム」を構築して対応する方針だ。

意見交換会の歯科関連部分資料PDFダウンロードはここをクリック

 

歯科を含めたチーム医療を位置づけ/第3期がん対策推進基本計画/厚生労働省のがん対策推進協議会で

歯科を含めたチーム医療を位置づけ/第3期がん対策推進基本計画/厚生労働省のがん対策推進協議会で

厚生労働省の「がん対策推進協議会」(会長:門田守人/堺市立病院機構理事長、会長代理:山口健/静岡県立がんセンター長)が4月13日、厚生労働省内の会議室で開催された。

今回の会合では、新たに策定する「第3期がん対策推進基本計画」についての骨子案が提示された。さらに、構成メンバーの中の桜井なおみ氏(CSRプロジェクト代表理事)、若尾直子氏(NPO法人がんフォーラム山梨理事長)、道永麻里氏(日本医師会常任理事)、松村淳子氏(京都府健康福祉部長)が参考資料を配布し、ポイントの説明・報告を行った。

その中で桜井氏は、全体目標として①がん予防の充実、②患者中心の良質・的確ながん医療の実践、③尊厳を持ち、安心して暮らせる社会構築―の3本の柱を打ち出した。さらに、②の個別目標の1項目としてとして「チーム医療の実践(がんリハビリテーション・歯科衛生・栄養学などを含む)めたチーム医療の実践」を明示し、周術期における口腔衛生の確保や口腔ケアの必要性を示唆した。そのほか、「稀少がん医療提供体制の充実」「がんと診断された時からの緩和ケアの推進・心のケアの充実」なども指摘している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なお、がん対策推進協議会の構成メンバーには歯科関係者は含まれていないため、櫻井氏の指摘は非常に大切であり、今後の協議・検討の動向が注目される。

歯科関連内容も掲載/厚生労働省がホームページに「保険診療における指導・監査」コーナーを新設

歯科関連内容も掲載/厚生労働省がホームページに「保険診療における指導・監査」コーナーを新設

厚生労働省はこのほど、同省ホームページに「保険診療における指導・監査」のコーナーを新設した。掲載されているのは、①集団指導用資料:保険診療の理解のために(平成28年度版)、②特定共同指導・共同指導における指摘事項:平成27年度の主な指摘事項、③関係法令等:根拠規定、指導大綱・監査要綱、指導・監査の流れ、④指導・監査の実施状況:平成27年度、⑤保険診療に関する照会先:地方厚生局都道府県事務所一覧、となっており、ダウンロードできるようになっている。

同省ホームページを「政策について > 分野別の政策一覧 > 健康・医療 > 医療保険 > 保険診療における指導・監査」の順に検索する。

第110回歯科医師国家試験合格者を発表/厚生労働省では低層棟2階大講堂で閲覧用名簿

第110回歯科医師国家試験合格者を発表/厚生労働省では低層棟2階大講堂で閲覧用名簿

 厚生労働省は本日3月17日午後2時、第110回歯科医師国家試験および第111回医師国家試験の合格者を発表した。

それによると、今回の歯科医師国試は出願者数3691名、受験者数3049名で、合格者数は1983名、合格率は65.0%であった。前回と比べ合格者数では10名増、合格率では1.4ポイント増となっている。

今回は、2月4、5日の2日間にわたり、北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、福岡県で実施され、歯科医学と口腔衛生に関し、歯科医師として必要な知識や技能が出題された。

他方、医師国試をみると、合格者数8533名、合格率は88.7%となっている。

なお、厚労省本省では、低層棟2階の大講堂を会場にして合格者名簿閲覧窓口が設けられ、同期生同士、親子で訪れる姿が多数見られた。ある親御さんからお話を伺うと、「本人から合格間違いナシと言われてはいたけど、名簿で名前が活字になっているのを見てホッとしました。ひとまず、銀座で息子と祝杯をあげます」と胸をなでおろし、安どした表情であった。また、カップルで訪れた合格者から話を伺うと「実家は高崎市です。高校生の時、市内の歯科で治療を受け、その時の印象がとても強く、自分もそのような先生になりたいと思い歯科医師を志しました」と、心強いひと言をいただいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

訪問診療の届出

 2017年4月診療分以降に、歯科診療所が

歯科訪問診療料1~3を算定するためには、

施設基準の届出が必要になりました。

 一般の歯科診療所や訪問していない歯科診療所の場合は

歯科訪問診療料の注13に規定する基準(以下「注13」)を、

2016年4月前から在宅療養支援歯科診療所(歯援診)を

届出している歯科診療所の場合は、新様式での歯援診の

再届出が必要です。(なお、病院の場合は、いずれの届出も不要です)

 未届出のままでは、2017年4月診療以降の歯科訪問診療料が初診時は234点、再診時は45点に

引き下げられます。訪問を行っているまたは今後予定している歯科診療所は必ず届出をしてください。

 なお、締め切りは2017年4月10日です。(3月末から延長されました)

◆1.施設基準の届出方法◆

施設基準の届出は、各書類を正副2通関東信越厚生局東京事務所へ持参または郵送します。

届出後は、関東信越厚生局東京事務所より副本が返送されます。

<書類の送付先>

〒163-1111

東京都新宿区西新宿6-22-1新宿スクエアタワー11階

関東信越厚生局東京事務所・審査課

電話:03-6692-5119

 

◆2.届出書類(ダウンロードで入手できます)◆

(1)歯科訪問診療料の注13に規定する基準の届出書類(下記①と②を正副2通提出)

注13(別添2のダウンロードはコチラ)

注13(様式21の3の2のダウンロードはコチラ)

 *別添2の「届出番号」は、記載は不要です。

 *様式21の3の2の「歯科訪問診療の患者数」が0名、「歯科訪問診療を実施した患者数の割合」が

  0でも、注13は届出できます

(2)在宅療養支援歯科診療所(歯援診)の届出書類(下記③と④を正副2通提出)

歯援診(別添2のダウンロードはコチラ)

歯援診(様式18のダウンロードはコチラ)

*別添2の「届出番号」は、記載は不要です。

*様式18の「1.歯科訪問診療の割合」が0.95未満の場合は、様式18の9~13は無記入でも届出できます

*2016年4月改定前に歯援診である医療機関で、研修の受講歯科医師に変更がない場合、

 修了書の写し又は届出の副本の添付は不要です。この場合は、届出書類の「講習の内容等」の欄に、

 最初に届出した際の「受理年月日」(様式の副本に押印されている年月日)を「歯援診受理○年○月○日」

 と記載します。受講歯科医師名、研修名、受講年月日、研修の主催者の記載は、不要です。

*なお受理年月日」が不明な場合は、届出書類の「講習の内容等」の欄に

 「歯援診算定開始○年○月○日」という形で「算定開始年月日」を記載します

 (「算定開始年月日」は、地方厚生(支)局のホームページの「施設基準の届出状況」   

  http://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/chousa/kijyun.htmlより確認できます。)

 

◆参考:施設基準の書類の記載イメージ◆

注13の記載イメージ(ログインとパスワードが必要です)

歯援診の記載イメージ(ログインとパスワードが必要です)