疑義解釈が発出され、歯科に係る新たな解釈が示されました(歯科はP3-5)。
医政・行政ニュース
歯科も他人事ではない/「かかりつけ医機能」フリーアクセスの制限に懸念/2.22中医協で議論
歯科も他人事ではない/「かかりつけ医機能」フリーアクセスの制限に懸念/2.22中医協で議論
2月22日の中医協で医科の「かかりつけ医機能」が検討された。検討では、かかりつけ医を介さずに受診した場合に負担増が生じるフランスなどの海外の事例、社保審で議論されているかかりつけ医以外を受診した場合の定額負担などが紹介された。日医の中医協委員からは、ゲートキーパーによる受診抑制に繋がるとして、それらの動きに反対する意見が上げられた。
また、かかりつけ医機能の評価である「地域包括診療料」などの課題として、在宅患者への24時間体制の困難さを指摘する意見が上がった。日医の中医協委員からは、自院ではなく救急医療機関との連携での24時間体制も認めるべきとの意見が出されたが、支払側からは患者を1人の医師ではなく、患者情報を共有化するICTを活用し地域で連携して診るべきとの意見が出された。
「かかりつけ歯科医機能」については今後議論されるが、医科と違い、矯正などを除けばほとんどの疾病を1歯科医師で治療している。今後、どのような議論が展開されるのか、注目される。
◆後発医薬品の使用が増加
また、この日の中医協では、平成28年度改定の特別調査のうち、後発医薬品の使用促進策の調査結果が報告された。診療所の医師ベースで74.6%が一般名処方による処方せんを発行しているなど、促進策が効果を上げているとした。
一方、先発医薬品から後発医薬品に変更しない理由は、患者の希望が最も多かった。希望しないきっかけとしては、効き目が悪くなった経験から後発医薬品に不安があることが最も多かった。
歯科専門委員会を設置/第7回健康日本21(第2次)専門委員会
歯科専門委員会を設置/第7回健康日本21(第2次)専門委員会
厚生労働省の厚生科学審議会地域保健建造増進栄養部会の中に設置されている「健康日本21(第二次)推進専門委員会」の第7回会合が2月17日、同省内会議室で開催された。
今回は、健康日本21の中間評価とその方法について検討が加えられたほか、「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項の中間評価の進め方」などの報告が行われた。
今後は、健康日本21の中間評価と調整しつつ部会や歯科専門委員会を開催していく。2018年の夏季を目途に中間報告を取りまとめる予定。
歯ブラシ中の転倒事故めぐり注意喚起/消費者庁が発表
歯ブラシ中の転倒事故めぐり注意喚起/消費者庁が発表
消費者庁は2月15日、6歳以下の子どもが歯ブラシを使用時に転倒したり、人とぶつかったりしてけがをした事故が、2010年からの6年間で139件に上っていることを公表した。
それによると、このような事故は、特に1歳児が最も多く、さらに全体のおよそ9割の124件が3歳以下によるものと指摘している。具体的には、歯ブラシをくわえたまま転ぶケースが全体の65.5%、ソファからの転落13.7%、人や物にぶつかっての事故10%などとなっている。
消費者庁は、保護者が近くで見守り、床に座らせて歯磨きをさせたり、喉つき防止カバーなど安全対策が施された歯ブラシを選んだりするよう、注意を喚起している。
歯科診療と歯科医師をめぐる意識調査/6割以上が「かかりつけ歯科医院アリ」
6割以上が「かかりつけ歯科医院アリ」
一般社団法人日本私立歯科大学協会はこのほど、10~70歳代の男女1000名に対する「歯科診療および歯科医師に関する意識調査」を実施し、その概要を明らかにした。前回調査は2012年に実施している。
その中で、「かかりつけの歯科医院がある」と答えた人は、64.3%で満足度は80点となっている。
次に、複数回答可と名ている事項については、「かかりつけ歯科医院を選ぶポイント」については、「人柄」が50.5%、「技術」46.7%、「立地」46.4%となっている。これを裏打ちするかのように、「理想の歯科医師は」との質問には、「丁寧な治療」71.8%、「高い技術」68.7%、「人柄が良い・優しい」67.7%との回答が寄せられている。
一方、回答者自身の健康関連項目をみると、「自身の歯や口腔環境に自信がない」が74.1%、「歯科医院のオーラルケア」については、「必要」が91.2%を占めている。
歯科の役割重視し高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上を調査/厚生労働省公表
歯科の役割重視し高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上を調査/厚生労働省公表
厚生労働省はこのほど、「高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上のための取組に関する調査結果」を公表した。
◆調査の内容と背景は・・・
高齢者の口腔と摂食嚥下の機能維持・向上については、高齢者自身にその重要性と予防効果についての認識が深まっているとは言い切れない状況にあり、全国的に予防講座・教室への積極的な参加や要介護高齢者への口腔ケア指導などの早期導入が取り組まれるような状態には達していない。
他方、在宅や施設で介護サービスを受けている重度の要介護高齢者などの摂食嚥下障害の支援に向け、それぞれ地域で介護サービスの担い手と歯科分野をはじめ、様々な職種の専門職が連携したサポート体制をいかに構築していくかが大きな課題となっている。
今回、このような課題の解決に向け、厚労省は地域の住民を積極的に支援している自治体の中から、東京都大田区、同新宿区、千葉県柏市、富山県南砺市、岡山県鏡野町を選定し、地域特性を踏まえた介護予防の事業展開や専門職によるサポートの仕組みづくりの経緯・特色などを調査し、報告書に取りまとめたもの。
同省では、調査結果概要を、以下の図に取りまとめている。
厚生労働省が医務技監を新設へ /次官級ポスト
厚生労働省が医務技監を新設へ /次官級ポスト
厚生労働省は、2017年度の機構改革の一環として「医務技監」の新設を決定した。昨年12月、総務省に対する組織・定員要求により認可された。
医務技監は、医療や保健の技術分野で同省内の関連部局の連携による対応、国際的な保険外交などの重要施策について、専門的な立場、視点から対応していくことが狙いであるという。当然ながら、歯科医療もその範疇に含まれるものと考えられる。関連する問い合わせ窓口は大臣官房厚生科学課となっている。
なお、医務技監はどの省庁でも事務官の最高ポストである「事務次官」と同等の扱いとなる。
保団連主催「今こそストップ!患者負担増」集会に全国から120名参加
保団連主催「今こそストップ!患者負担増」集会に全国から120名参加
保団連は1月26日、衆議院第2議員会館内で「今こそストップ患者負担増!キックオフ集会」を開催し、全国の保険医協会・医会などから120名余りが参加した。開催中の国会の間隙をぬって国会議員も参加し、大野元裕参院議員(民進党)は「者負担の問題は政策と財源とのバランスが重要になってくる。その基本には負担が少なく安心・安全な医療提供ができるようにすべき」と挨拶し、続いて武田良介参院議員(共産党)が「医療問題は必ず財源が議論されるが、現実には捻出可能なのに動きがない」と指摘。また、川田龍平・参院議員(民進党)が「高額療養費制度改悪は、高齢者にとり非常に大きな問題。これは薬価の問題と絡み黙っていてはダメ。とにかく反対・阻止していきたい」と力強く訴えた。
このあと保団連の住江憲勇会長が挨拶に続き、特別ゲストのNPO法人医療制度研究会の本田宏副理事長から、「定年以後、全国各地で政府の社会保障政策、医療制度の改悪への懸念と阻止を訴えていて、2つわかったことがある」とし、具体的には、①昔からの伝統・文化が厳然としてあり、正しいことを言ってもなかなか変わらないこと、②既存の権力との戦いは厳しいが、しなくてはならない―であるとした。
そのほか、保団連の宇佐美宏副会長(歯科代表)が、「アベノミクスは失敗という人は50%を超えている。国民生活を大事にしていくために活動しているが、こうした集会に出席し新たに意思確認することで前を向いていける」とした。
口腔保健推進を社保審医療保険部会で説明/厚労省保険局関係予算関連
口腔保健推進を社保審医療保険部会で説明/厚労省保険局関係予算関連
1月25日、第103回社会保障審議会医療保険部会が厚生労働省内の会議室で開催され、2017年度の同小予算案のうち、保険局関連の主な予算・事業の内容が説明されたほか、今後の医療保険部会の進め方などについて報告、説明が行われ、審議・検討が加えられた。保険局予算の中の新規事業としては、①医療と介護のデータ連結の推進:1.5億円、②新制度の円滑な施行のための財政支援(社会保障の充実):800億円、③革新的な医薬品の最適使用に係る実効性の確保:600万円―などが挙がっているのが注目される。
◆歯科関連予算
それらの中で、特に歯科関連事業の状についてみてみると、健康寿命の延伸に向けた口腔保健の推進のために5億7000万円を計上しており、後期高齢者医療広域連合が実施する高齢者の特性を踏まえた歯科健診の実施支援するほか、政策事業として口腔機能低下や肺炎等の疾病を予防するため、歯・歯肉の状態や口腔清掃状態等をチェックする歯科健診を実施することとし、広域連合に対して国庫補助を行うことになっている。また、健康増進法の観点から、健康診査実施要項に規定されている歯周疾患検診を参考にして、高齢者の特性を踏まえた検査内容を各広域連合で設定する。
また、「高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進」の中で、摂食等の口腔機能低下に関する相談・指導、外出困難者への訪問歯科健診などが予定されている。
歯科と医科歯科連携の必要性を改めて認識/厚労省が第1回全国在宅医療会ワーキンググループを開催/座長に新田國夫氏を選任
歯科と医科歯科連携の必要性を改めて認識/厚労省が第1回全国在宅医療会ワーキンググループを開催/座長に新田國夫氏を選任
厚生労働省の全国在宅医療会議ワーキンググループの第1回会合が1月12日、千代田区六番町の主婦会館プラザエフで開催された。
席上では、まずこのWGの座長選出が行われ、新田國夫構成員(国立市開業、日本在宅ケアアライアンス議長)を座長に選任した。次に、今回特に参考人として招かれた名古屋大学大学院の葛谷雅文教授が「在宅医療に関するエビデンス・在宅医療診療ガイドライン(GL)作成」について説明を加えた。その目的は、「今後の在宅医療の指針」「今後求められる在宅医療の臨床研究課題を浮き彫りにすること」であると指摘。さらに、そのポイントとして「在宅医療の中で行われる治療並びに様々な地域で展開されるサービスの効果について明らかにすること」にある点を明確に打ち出した。
そのほか歯科関連については、地域包括ケア推進における歯科の必要性と医科歯科連携の必要性への理解を求めた上で、在宅療養支援歯科診療所の届出は全国で増加傾向にあるものの約6500施設(全歯科医療機関の約9%)に留まっていることが報告され、その拡充の必要性が報告されている。
歯科医師資質向上等に関する検討会を開催 ―入学定員削減と入学者選抜の厳格化求める意見
歯科医師資質向上等に関する検討会を開催
―入学定員削減と入学者選抜の厳格化求める意見
厚生労働省は11月25日、第3回「歯科医師資質向上等に関する検討会」(座長:江藤一洋医療系大学間共用試験実施機構副理事長)を経産省別館で開催した。
今回は、これまで傘下に設置した①歯科医師需給の問題についてのワーキンググループ、②女性歯科医師の活躍についてのワーキンググループ、③歯科医療における専門性についてのワーキンググループ―の3つのワーキンググループ(WG)での議論・検討を進めてきた内容を事務局がとりまとめ、各座長が報告した。
3つのWGのポイントのうち、「歯科医師需給問題」(座長:森田朗国立社会保障・人口問題研究所長)の主な内容をみると、まず、若年者層では疾患の軽症化に伴う予防や管理の充実と、食べることを含めた口腔機能の発育支援が必要と指摘。さらに、高齢者層は通院可能な高齢者に併せ在宅高齢者に対して適切に歯科医療を提供していく必要がある点を指摘。さらに、近年の歯科大学間で生じている歯科医師国家試験合格率格差をみると、医育機関として質の差が生じていると言わざるを得ないとし、歯科医師の資質に影響を及ぼしかねないと指摘。そして、医育機関の機能と責務を十分発揮できていない一部大学は、入学定員の削減を厳格に行い、厳格な入学者の選抜基準に改めるべきと指摘している。
歯科によるがん対策への取り組みを資料紹介 ―厚生労働省が第62回がん対策推進協議会を開催
歯科によるがん対策への取り組みを資料紹介
―厚生労働省が第62回がん対策推進協議会を開催
厚生労働省は11月24日、第62回がん対策推進協議会(会長:門田守人堺市立病院機構理事長)を同省内会議室で開催した。この協議会には元々歯科のメンバーは所属していないものの、前回の協議会での意見集約資料①次期基本計画の全体目標とがん対策の指標について、②がん医療の充実について―のうち、①の中で、「がん対策における歯科医師の取組について」が紹介されている点が注目された。
それによると、「がん治療における口腔ケアは周術期に限らず重要であり、化学療法、緩和医療が含まれことがあまり認識されていないことを踏まえ、保険診療の項目において、周術期の言葉の使い方の工夫が必要ではないか」と強調している。また、今後とも歯科衛生士の役割が重要であるとの視点から、「歯科衛生士のラウンドは拠点病院で当然に行われるべきでないか」「今後の医療においては、医師以外の職種や専門職メディカルスタッフを含めたチーム医療の構築が非常に大事」などの点を指摘し、学生気でもそれらを教育する必要性も示唆している。
さらに、「がん診療連携歯科医の先生方が拠点病院でどのような形で関与しているのかについての実数を提示した方が良い」「拠点病院のキャンサーボードに歯科医師がどれくらい関わっているかの実数を把握すべき」といった意見が取り込まれている。
疑義解釈が発出されました
11月17日付で「疑義解釈資料の送付について(その8)」が発出されました。
なお、今まで発出されたものにつきましては
「会員向け情報」の「診療報酬改定対策」の「2016年度」をご覧ください。
歯科の初診料と再診料も含む外来時定額負担案を提示/厚生労働省が社保審医療保険部会で
歯科の初診料と再診料も含む外来時定額負担案を提示/厚労省が社保審医療保険部会で
厚生労働省は10月26日、社会保障審議会医療保険部会を千代田区隼人町のグランドアーク半蔵門で開催した。今回の審議・検討の中では、「かかりつけ医」の普及に関して厚労省は具体案として「外来時の定額負担」を示した。この提起について厚労省側は、昨年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015年」(骨太方針2015)の中で、「かかりつけ医の普及からの診療報酬上の対応や外来時の定額負担について検討する」ことが根拠であると説明している。また、昨年12月に経済財政諮問会議が「かかりつけ医普及の観点からの外来時の定額負担導入について、関係審議会等において検討し、2016年末までに結論を得て、その結果に基づいて必要な措置を講ずる(法改正を必要とするものに係る2017年通常国会への法案提出を含む)」と、決定した点も紹介されている。
◆紹介状なし受診の場合の提案内容
紹介状なしで大病院を受診する場合の定額負担導入は、2017年度から「一定規模以上の保険医療機関について定額に徴収を責務とする」とした上で、以下の4項目などをあげており、歯科についても触れている。
- 特定機能病院及び一般病床500床以上の地域医療支援病院については、現行の選定療養野の下で、定額の徴収を責務とする。
- 定額負担は、徴収する金額の最低金額を設定するとともに、初診については5000円(歯科:3000円)、再診については、2500円(歯科:1500円)とする。
- 現行制度と同様に、緊急その他やむを得ない事情がある場合については、定額負担を求めないこととする。その他、定額負担を求めなくてもよい場合を定める。具体的には、「急患の患者」「公費負担医療の対象患者」「無料低額診療事業対象者」「HIV感染者」。さらに、自施設の他の診療科を受診中の患者、医科と歯科の間で院内紹介した患者、特定健診、がん検診等の結果により精密検査の指示がった患者。
- 自治体による条例制定が必要な公的医療機関に」ついては、条例を制定するまでの期間を考慮し、6カ月の経過措置を設ける。
厚労省が医師需給分科会を開催
厚労省が医師需給分科会を開催
厚生労働省は10月6日、同省内会議室で医療従事者の需給に関する検討会傘下の「医師需給問題分科会」(座長/片峰茂氏:長崎大学学長)を開催。医師偏在対策について協議・検討を加えた。今回は、参考人として3名からヒアリング行い、その中の1名の地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏が提案した「専門医の仕組みについて」の趣旨が了承された。
その提案の中では、専門医制度の開始時期を1年延長し2017年度からとなったが、関係学会のうち地域医療の影響の大きい学会については、募集の結果を見て医師の地域偏在が悪化していないか確認する必要があることをしてきしたほか、延期期間中に各都道府県か二次医療圏に「一定程度の幅を持った」各診療科別の「専攻医研修枠」を時間をかけて徐々に設定することなどを指摘している。
かかりつけ歯科医を除外してはいない/厚労省が「かかりつけ医の普及促進」で調査実施へ
かかりつけ歯科医を除外してはいない/厚労省が「かかりつけ医の普及促進」で調査実施へ
―今年度に新規事業として行い来年度の予算要求にも盛り込む
厚生労働省医政局計画課は、今年度の新規期事業として「かかりつけ医による医療提供体制の構築」をスタートさせる。
この事業は、同省が今年度予算の柱の1本として位置づけている“「健康長寿社会」の実現”の中で、安心で質の高い医療・介護サービス提供体制構築の一環として実施されるもの。地域において、「かかりつけ医」を持つことの普及を図り、「かかりつけ医」が予防・健康づくり、病診連携、在宅医療の推進、看取りの対応等を幅広く担っていくモデルを構築することが狙い。
◆今年度は医療提供側から見た業務実態調査を実施
今年度の具体的な事業の中では、医療提供側における「かかりつけ医の業務実態調査」を行うことになっており、現在、具体的な調査内容などを取りまとめており、年内から年明けには実施される予定だ。
事業内容には「かかりつけ歯科医」と明記はされていないが、同省医政局では「一般的に、かかりつけ医といえば内科や外科の医師を思い浮かべるが、歯科医師を除外してはいない」としている。
◆来年度には患者サイドから見た調査を計画
一方、先に財務省に提出された同省の2017年度予算概算要求案の中では、この事業を継続しつつ新たな調査として、「かかりつけ医を利用する患者の状態等の実態調査」を要求している。この調査により、患者がかかりつけ医をどうイメージしているのかを把握する計画だ。同省では、「患者サイドも、かかりつけ医というと内科や外科などが中心になると思われるが、歯科を外すことはない」と重ねて説明している。
同省では、上記2調査を実施後にその結果をもとに、今後のかかりつけ医への取り組み推進に関する検討を加えることも考えており、協議・検討の場となる検討会を設置する考え。
◆注目される「か強診」との関連
今年度診療報酬改定では、特に歯科改定の中で「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」(いわゆる「か強診」)が目玉の1つとなっているが、この同省保険局の動きと、今年度から始まる医政局サイドの調査・検討事業が関係していくのか否か、今後の進捗が注目される。
国民医療費全体に占める歯科医療費割合は6.8%に/厚生労働省が2014年度国民医療費の概要発表
国民医療費全体に占める歯科医療費割合は6.8%に/厚生労働省が2014年度国民医療費の概要発表
厚生労働省は9月28日、「2014年度の国民医療費の概況」を公表した。それによると、14年度に国内で使われた医療費総額は40兆8071億円で、対前年度1.9%増となり、8年連続で過去最高を更新した。厚労省は、その増加要因について、①14年度診療報酬改定影響分が約0.1%、高齢化及び人口減少影響分が約1.0%、医療の高度化による影響分が約0.7%―などと分析している。また、国民1人当たりの平均額は32万1100円になっている。
国民医療費とは、公的医療保険の給付対象となる医療費の総額で、患者の自己負担や公費負担、保険給付の合計金額となっており、保険給付対象外の治療や健康診断、予防接種などの費用は含まれていない。
◆診療種類別医療費
次に、国民医療費を診療種類別で見ると、診療種類別にみると、医科診療医療費は29兆2506億円(対前年度比1.8%増/構成割合71.7%)で、歯科診療医療費は2兆7900億円(同1.9%増/6.8%)、薬局調剤医療費は7兆2846億円(同2.4%増/17.9%)となっている。
◆年齢階級別医療費
一方、年齢階級別にみると、0~14歳は2兆4829億円(構成割合6.1%)、15~44歳は5兆2244億円(同12.8%)、45~64歳は9兆1932億円(同22.5%)、65歳以上は23兆9066億円(同58.6%)となっている。人口1人当たり国民医療費をみると、65歳未満は17万9600円、65歳以上は72万4400円となっている。そのうち医科診療医療費では、65歳未満が12万3000円、65歳以上が53万5700円となっている。歯科診療医療費では、65歳未満が1万8300円、65歳以上が3万2500円となっている。薬局調剤医療費では、65歳未満が3万2600円、65歳以上が12万7700円となっている。
◆都道府県別1人当たり医療費の最高は高知県の42万1700円に
他方、3年ごとに発表されている都道府県別1人当たり国民医療費が最も高かったのは高知県の42万1700円で、以下、長崎県の39万6600円、鹿児島県の39万600円が続いている。最も高い高知県は、最も少ない埼玉県の27万8100円と比較すると、1.5倍になっており、医療費の高低はこれまでと同じく「西高東低」となっている。
なお、2015年度の医療費は速報値によると41兆5000億円となっている。
「歯等の健康状態不良」が回答者の3割強も/8020財団の調査研究で明らかに
「歯等の健康状態不良」が回答者の3割強も/8020財団の調査研究で明らかに
「歯や歯肉の健康状態が不良」との問いに、回答者の3割以上が「ある」と回答するなど、一般住民の歯と口腔に関する状況が、このほど公益財団法人8020推進財団(理事長:堀憲郎/日本歯科医師会会長)がまとめたアンケート調査報告書で明らかになった。
これは、同財団の平成27年度調査研究事業「一般地域住民を対象とした歯・口腔の健康に関する調査研究」の報告書から明らかになったもので、調査対象は全国から五千名を抽出、うち49.3%に当たる2465名から回答を得ている。
◆「気になる」状態は年齢層で異なる
その中で、主な内容をみると、まず主観的な口腔の健康状態として「歯や歯肉の健康状態が不良」と回答したのは31.3%と全体の3割を超えている。また、口腔状態で気になることについては20歳代と30歳代では「歯並び」となっているが、40~60歳代は「口臭」、70歳代では「口の渇き」とする回答が目立つなど、年齢層により「気になる点」が異なっている。
口腔衛生に関しては、1日の歯磨き回数について「3回以上」は23.5%、「2回」は54.5%、「1回以下」は21.9%で、2回が全体の半数強で最多となっている。
◆歯や歯ぐきが原因で12%が仕事に支障経験
また、「過去1年間で歯や歯ぐきが原因で仕事に支障を来したことがあるか」との問いに、12.6%が「ある」と回答し、「仕事が忙しかったり、休めなかったりして、なかなか歯科医院に行けないことがる」では37.2%が「はい」と回答している。
◆定期歯科健診は6カ月以内が51%
一方、歯科診療所の受診状況では、最後の受診が「1年以内」が63.6%となっているが、年齢がかさむにつれて1年以内の歯科診療所受診者数割合は多くなっていく。その受診理由は、「治療のため」64.4%、「定期健診のため」24.8%、「治療及び定期健診のため」10.7%となっている。
なお、全体の78.0%が「かかりつけ歯科医がる」と答えている点も注目される。
歯科医療に関する意見も提起/厚労省が在宅医療及び医療・介護連携WG開催
歯科医療に関する意見も提起/厚労省が在宅医療及び医療・介護連携WG開催
―歯科口腔保健法の法的担保も再確認
厚生労働省の「在宅医療及び医療・介護連携ワーキンググループ」(座長:田中滋/慶大名誉教授)の第2回会合が、去る9月2日、同省会議室で開催され、「在宅医療に関する見直しの方向性」「高齢化に伴い増加する疾患への対応」について、協議・検討を加えた。このうち、在宅医療関連見直しの方向性では、①目標設定、②指標、③施策―と、論点が3項目に整理され論議が進められた。
これらのうち、特に歯科問題も含まれた「指標」では、事務局が資料提起して、在宅医療に必要な医療機能を確実に確保していくため、各医療機能との関係が不明瞭なストラクチャー指標を見直しした上で、医療サービスの実績に着目した指標を充実する必要があることに着目。さらに、新たな指標の例として、①在宅患者訪問診療料、往診料を算定している診療所・病院数、②24時間体制を取る訪問看護ステーションの数、③歯科訪問診療料を算定している診療所・病院数―などが紹介され、メンバー内の意見のやりとりの中で、在宅医療で歯科介入が有効であることは臨床的に分かっていることや、介護対応により歯科保健が患者への意識付けが生まれてくることが話題となった。
さらに、第2のテーマである「高齢化に伴い増加する疾患への対応」に議論が移ると、現在各都道府県で進められている医療計画作成で必要とされる法律が再確認され、①健康増進法、②高齢者の医療の確保に関する法律、③がん対策基本法、④歯科口腔保健の推進の関する法律、⑤介護保険法、⑥障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律―が改めて確認され、④により歯科の法的担保が再確認された。
医務総監の新設を要求/厚生労働省が内閣官房人事局に提出
医務総監の新設を要求/厚生労働省が内閣官房人事局に提出
内閣官房内閣人事局は9月6日、各省庁から要求が出されている平成29年度機構・定員等要求についついて、主な要求事項を取りまとめ明らかにした。
その中で、「主なもの」として取り上げられているのは、外務省、厚生労働省、防衛相、総務省、環境省の5省の要求内容。
このうち厚労省が提出しているのは「医務総監の新設」。これは、医療・保険の重要施策に関するトップマネジメントを強化するために新設しようというもので、これまで医政局で行っていた研究開発関連事業、健康局が行っていた個別疾患対策、医薬・生活衛生局が行っていた医薬品や医療機器の研究開発、保険局が行っていた診療報酬・薬価改定などの業務を縦割りではなく横断的に執り行うことが目的という。医務総監のポストは医系技官が務めることとなっており、次官級ポストのため既存の局・部・課などのポストがどのように変動するのか、あるいはしないのかが注目される。米国の公衆衛生部門のトップの「サージョン・ジェネラル」がモデルといわれている。
歯科関連の税制改正盛り込む/厚生労働省が「平成29年度税制改正要望事項」 ―かかりつけ歯科医関連も盛り込む
歯科関連の税制改正盛り込む/厚生労働省が「平成29年度税制改正要望事項」
―かかりつけ歯科医関連も盛り込む
厚生労働省は9月1日付で「平成29年度税制改正要望事項」をとりまとめ、財務省、国税局に提出した。全体は、①子ども・子育て、②健康・医療、③医療保険、④介護・社会福祉―など8本となっている。「社会保険診療報酬にかかる非課税措置の存続」など、医業匂い御手不可欠な存在となっている非課税措置を今回も盛り込んでいるほか、以下のような注目点も盛り込まれている。
◆かかりつけ関連も要望
8本柱のうちの1本である「健康・医療」の中では、今年度税制改正大綱に基づき「医療にかかる消費税の課税の在り方の検討」を行う。
さらに、「かかりつけ医機能及び在宅医療の推進にかかる診療所の税制措置の創設」を盛り込んだ。これは、かかりつけ医あるいはかかりつけ歯科医としての診療体制、または在宅医療に必要な診療体制をとる診療所に関係する不動産について、税制上の措置を創設するというもの。
◆背景と狙い
この背景には、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目処に、病床の機能分化・連携を進め、国民一人一人ができる限り住み慣れた地域で安心して生活を継続することを可能とするため、厚労省では地域医療構想の推進、地域包括ケアシステムの構築、医科歯科を含めた多職種連携に取り組むことになっている。そして、国民が地域で日常的な医療を受け、また、健康相談等ができるよう、かかりつけ医・かかりつけ歯科医の普及・定着を進め、在宅で医療を受けられる体制を充実させるため、この特例措置を創設して、地域において患者の健康状態を継続的に診療していく診療所の普及を図り、国民の健康増進・生活の質の向上、医療提供体制の機能分化・連携を進めていこうというのが狙いとなっている。
厚生労働省がかかりつけ歯科関連で税制改正要望
厚生労働省がかかりつけ歯科関連で税制改正要望
厚生労働省は来年度予算概算要求案策定とともに、2017年度の税制改正要望および機構・定員要求案を8月31日に取りまとめた。
税制改正要望では、診療報酬への事業税非課税措置の存続など、毎年継続して要求されている事項のほか、特に来年度については「かかりつけ医機能及び在宅医療の推進に係る診療所の税制措置の創設」を盛り込んでいる。具体的には、かかりつけ医もしくはかかりつけ歯科医としての診療体制、または在宅医療に必要な診療体制をとる診療所に関係する不動産について、税制上の措置を創設するというもの。
厚労省としては、2025年問題や地域包括ケアシステム構築に向け、地域で日常的な医療を受けたり健康相談ができるよう、かかりつけ医、かかりつけ歯科医の普及と定着を図ること、および在宅医療体制の充実を図ることが狙い。また、地域で患者の健康状態を継続的に診療して行く診療所の普及、健康増進と生活の質の向上を図るとともに、医療提供体制の機能分化と連携も進めたい考え。
歯科保健課が歯科大機能転換 ―厚生労働省が2017年度予算概算要求案に盛り込む
新規政策/厚労省歯科保健課が歯科大機能転換
―厚生労働省が2017年度予算概算要求案に盛り込む
厚生労働省の2017年度予算概算要求案の概要が8月31日、明らかになった。それによると一般会計の要求額は31兆1217億円で対前年度予算比2.7%増となっている。要求額のうち高齢化などに伴ういわゆる“自然増”分は上限が6400億円に設定されている。また、要求額のうち年金や医療に関する経費は29兆1060億円となっているほか、政府全体で予算を重点的配分する優先課題推進枠分として2167億円を要求している。
今後、国会での政府予算案決定に向け、年末まで財務省との交渉が行われる。
◆歯科保健関連新規事業は7本
歯科保健関連政策を担当している医政局歯科保健課の要求内容をみると、新規政策として、①歯科大学等機能転換・活用促進モデル事業、②歯科衛生士に対する復職支援・離職防止等推進事業、③歯科情報の活用および標準化普及事業、④臨床研修活性化促進特別事業、⑤歯科補綴物製作過程等の情報提供推進事業、⑥歯科医療の展開に向けた協議・検証事業、⑦歯科医療事故情報収集等事業―の7事業が盛り込まれている。
◆機能転換は2歯科大で実施/定員削減が条件
これらのうち、歯科大等機能転換事業は、歯科大学などで学生に対応している教員ほかの人員体制や実習場所等を、卒業生等に対する技術修練や女性歯科医師の復職支援等に転換・活用しようというもので、定員削減を条件に2大学で実施しようというもの。要求額は3億9488万円となっている。
また、補綴物製作過程情報提供事業は、患者との対面機会がほとんどない歯科技工士の認知度を向上させるほか、製作者や製作過程に関する情報を患者に提供しようというもの。歯科衛生士離職防止事業は、歯科衛生士不測の改善の観点から新人や離職者に対して研修や復職支援を行うこととしている。
社保審医療部会で高額医療費や後期高齢者窓口負担について議論開始
参院議員選挙と歯系候補者
参院議員選挙での歯系候補者の状況
―今後の動向が注目されるそのほかの医療職種の当選者
7月10日の参院議員選挙の結果が本日7月翌11日、明らかになった。歯科医療界から関心が集まっていた候補者の状況は、関口昌一候補当選89.9万票、山田宏候補当選14.4万票、西村まさみ候補落選3.6万票となり、関口氏は4選を果たし、山田氏は初当選を果たした。
また、今回の選挙で医療関係団体からの推薦を受けて当選を果たした候補者は、自見英子候補(日本医師会推薦)20.4万票、藤井基之候補(日本薬剤師会推薦)13.6万票、高階恵美子候補(日本看護協会推薦)17.4万票、小川活巳候補(日本理学療法士協会推薦)12.5万票、宮島喜文候補(日本臨床検査技師協会推薦)11.8万票となっており、今後の動向が注目されている。
参院議員選挙での歯系候補者の状況/今後の動向が注目されるそのほかの医療職種の当選者
参院議員選挙での歯系候補者の状況
―今後の動向が注目されるそのほかの医療職種の当選者
7月10日(日)の参院議員選挙の結果が本日7月翌11日、明らかになった。歯科医療界から関心が集まっていた候補者の状況は、関口昌一候補当選89.9万票、山田宏候補当選14.4万票となり、関口氏は4選を果たし、山田氏は初当選を果たした。西村まさみ候補は3.6万票で、再選を果たすことができなかった。
◆他の医療関係職種候補者の状況
また、今回の選挙で医療関係団体からの推薦を受けて当選を果たした候補者は、自見英子候補(日本医師会推薦)20.4万票、藤井基之候補(日本薬剤師会推薦)13.6万票、高階恵美子候補(日本看護協会推薦)17.4万票、小川活巳候補(日本理学療法士協会推薦)12.5万票、宮島喜文候補(日本臨床検査技師協会推薦)11.8万票となっており、医科歯科連携、多職種連携の視点を考慮し、今後の動向が注目されている。
歯科も視野に入れた在宅医療を議論へ/厚労省が在宅医療検討に本腰
歯科医療情報の標準化の検討進める/歯科医療機関の電子カルテ情報を身元確認に活用
進む歯科医療情報の標準化で検討行う/歯科医療機関の電子カルテ情報を身元確認に活用
歯科関連検討会を相次ぎ開催/厚生労働省
歯科関連検討会を相次ぎ開催/厚生労働省
本年3月、厚生労働省の歯科関連の各種検討機関が活発な動きを呈した。
年度末ということもあり、たとえば「歯科診療情報の標準化に関する検討会」ではワーキング・グループレベルではあるものの、歯科医療の専門性について初めて議論し、今後の行方が注目されるほか、「歯科医国家試験制度改善検討会」では報告書を取りまとめ発表している。
ここでは、最近の歯科関連検討会などの進捗状況をかいつまんで紹介したい。
◆歯科医師国試験改善検討会が報告書/多数回受験者の問題は結論避け別途検討へ
医道審議会歯科医師分科会の中に設置されていた「歯科医国家試験制度改善検討会」(部会長:田上順次・東京医科歯科大学副学長、部会長代理:矢谷博文・大阪大学歯学部大学院教授)が3月29日、厚労省内で開催され、これまでの議論を集約する形で報告書をとりまとめ、発表した。その中では、現行の歯科医師国家試験をめぐり、①出題内容:出題基準、出題内容、②出願方法等:出題数・出題構成、出題形式、③合格基準:必修問題、一般問題と臨床実習問題、禁忌選択肢数、必要最低点、④公募問題―などに触れている。
特に注意が必要なのは、①の「出題基準」と③の「合格基準」。
このうち、まず出題基準をみると、「将来を見据え、社会情勢の変化に合わせて、“高齢化等による疾病構造の変化に伴う歯科診療の変化に関する内容」が重要であると指摘し、さらに「地域包括ケアシステムの推進や多職種連携等に関する内容」における歯科が占める重要性に言及。口腔機能の維持向上や摂食機能障害への歯科診療、さらに、医療安全やショック時の対応、職業倫理などに関する内容充実を図ることが必要と訴えている。次に、出題内容については、「歯科医師臨床研修において、指導歯科医の下で、診療に従事するのに必要な知識及び技術を問う水準とすべき」と指摘している。
さらに合格基準に関しては、①必修問題の得点、②一般問題及び臨床実地問題の出題領域に応じた領域別の得点、③禁忌選択肢数及び必要最低点―の各視点から言及している。一般問題と臨床実地問題に関しては、問題難易度による合格状況の変動を防ぎ、一定の地域や技能を持つ受験者が基準を満たせるよう「平均点と標準偏差値を用いた相対基準で評価を行っている」としている。
一方、禁忌選択肢数に関しては、「禁忌肢を含む問題は出題を行わない」とした上で、安心・安全な歯科医療を提供する上で必要な知識は、今後も内容充実を図り出題を継続する考え方を示している。
他方、多数回受験者への対応については、一定数の多数回受験者の存在を重くみて、これは「緊急性を要する課題である」との認識を示したうえで、引き続き厚生労働科学研究などを活用して別途、検討することとし、早急な結論を控え、課題として先送りとした。
◆歯科診療情報の標準化に関する検討会がワーキンググループを開催
次に、「歯科診療情報の標準化に関する検討会」(座長:住友雅人日本歯科医学会会長)が3月23日に同省内で開催され、「歯科診療情報の標準化に関するデータセット(案)」について議論・検討を加えている。2015年度モデル事業の報告では、新潟県歯科医師会におけるモデル事業が報告され、厚労省、新潟県歯科医師会事務局の瀬賀吉機氏と厚労省関係者の説明、報告が行われた。
その中で厚労省からは、これまでの実証事業の経緯と展望、これまで行ってきたモデル事業を説明。さらに、2016年度モデル事業として、①標準データセットに基づくレセコンプログラムの標準仕様書の策定、②ベンダー各社に標準仕様書を周知し、それをもとにレセコン用プログラムの開発推奨を図る、③レセプトデータの保存方法検討―などを実施し、データの利活用についても全国的に展開したいことを説明した。
論点整理も行っており、①レセコンに搭載するデータセット、②データの保存方法、③レセプトデータ以外のデータ保存、④複数の医療機関を受診する患者の扱い、⑤自由診療の扱いを提示―などを提起。引き続き今後も議論を重ねていくこととした。
一方、瀬賀氏も新潟県歯のモデル事業の進捗状況を説明し、①歯科情報の保存、②診療所以外のメリット、デメリットを明示するなどした。
◆歯科医療の専門性ワーキンググループを開催
また、3月24日には歯科医師の資質向上等に関する検討会内の「歯科医療の専門性ワーキンググループ」(座長:西原達次・九州歯科大学学長)が同省内で開催され、歯科医療の専門性をめぐり議論・検討を行った。
事務局からは、「医師における総合診療医に相当する歯科医師」についての資料をもとに、説明が加えられ、議論を行った。
その中では、歯科医師のイメージに関して、①地域包括ケアの中で活躍できる、②ハイリスク型患者に対応できる、③医療安全、倫理、感染対策を徹底している、④かかりつけ歯科医―など、さまざまになっていることが指摘された。
今後は、歯科は医科とは違う要素が含まれていることを踏まえたうえで、専門性や臨床研修などを議論する必要性が認識された。