年別アーカイブ: 2016年

★2016年度診療報酬改定「新点数説明会」に必ずご参加を★

★2016年度診療報酬改定「新点数説明会」に必ずご参加を★

中央社会保険医療協議会総会(以下、「中医協」/会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)本日2月10日(水)、塩崎恭久厚生労働大臣に対し、2016年度診療報酬改定についての『答申』を提出しました。当協会では現在、歯科診療報酬改定に関して深く読み込み、その内容に関しての分析、協議・検討を加えています。

◆改定内容をふんだんに盛り込んだ「日本で一番早く開催される説明会」は当協会の新点数説明会だけです・・

ところで、今次改定の施行に備え、当協会では「2016年度診療報酬改定新点数説明会」を開催します。テキストには、現在編集中の「2016年改定の要点と解説」を使用します。きちんと編集したテキストを用い、厚労省の告示や最新の通知などをも取り込んだ新点数説明会は、国内で最も本格的な内容で、最も早く開催されるも診療報酬改定と新点数に関する説明会です。改定時にあわせて開催していますが、毎回1500人に及ぶ参加者があります。下記に、第1回から5回までの全日程をご紹介しますので、ぜひ、ご参加ください。

◆今回の新点数説明会は一味違います

今回開催する新点数説明会は、これまでとは一味違います。

まず第1に、より多くの方がご参加できるよう、第2・3回は3月27日の日曜日に開催、しかも午前、午後のダブルヘッダー開催を企画しました。さらにこの日は、託児(保育)サービスの利用ができます。

また、これまで「赤ちゃんがいるから新点数説明会に行かれない。何とかなりませんか…」との声が多数あり、今回はその声に応えるために、≪小学館集英社プロダクションHAS≫による託児(保育)サービスをお願いしましたので、こちらもぜひ、ご利用ください。

 

【2016年度改定新点数説明会のご案内】

 

第1回新点数説明会文京シビック小ホール地図

◆日時 3月23日(水)

◆受付 16時30分~

〇第1回新点数説明会    (説明会場へのご案内) 17時45分頃を予定しています。

                                           (開演)                    18時30分~21時

   ※レセプトコンピュータ等展示会は16時30分~19時

◆会場 文京シビック大ホール(1802席)

◆交通 東京メトロ丸ノ内線・南北線後楽園駅、都営地下鉄三田線・大江戸線春日駅下車すぐ

 


 

第2・3回新点数説明会

◆日時 3月27日(日)

よみうりホール

◆受付 9時30分~

〇第2回新点数説明会       (説明会会場へのご案内)  9時30分を予定しています。

                                            (開演)                        10時~12時30分

   ※レセプトコンピュータ等展示会は9時30分~15時

〇第3回新点数説明会       (説明会会場へのご案内) 13時頃を予定しています。

                                            (開演)

  13時30分~16時

◆会場 よみうりホール(1100席)

◆交通 JR山手線有楽町駅「国際フォーラム口」すぐ。東京メトロ有楽町線有楽町駅・都営地下鉄三田線日比谷駅「D4 出口」より徒歩6分

*この第2・3回新点数説明会では、託児サービス(予約制)が利用できます。必ず事前にご相談ください。

 


 

第4回新点数説明会渋谷区文化総合センター「大和田」:カラー版

◆4月21日(木)「在宅医療」

◆受付 16時30分~

〇第4回新点数説明会       (説明会場へのご案内) 17時45分頃を予定しています。

                                            (開演)                    18時00分~21時

   ※レセプトコンピュータ等展示会は16時30分~19時

◆会場 渋谷区文化総合センター大和田4階「さくらホール」(729席)

◆交通 JR・東急・東京メトロ渋谷駅下車徒歩5分

 

 


 

第5回新点数説明会

◆4月26日(火)

なかのZEROホール

◆受付 16時30分~

〇第5回新点数説明会       (説明会場へのご案内) 17時45分頃を予定しています

                                            (開演)                    18時30分~21時

   ※レセプトコンピュータ等展示会 16時30分~19時

◆会場 なかのZERO大ホール(1292席)

◆交通 JR中央線・総武線中野駅、東京メトロ東西線中野駅「南口」より徒歩8分

 

 

♥必ずお読みください・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

説明会の当日は、1000人を超える会員やスタッフの参加が見込まれます。会場では、協会係員の指示をお守りください。

1.会員の方のご参加について
 ☆「会員本人」および「会員の診療所スタッフ」の参加費は、会員証持参の1名無料で、2人目からは1人1,000円となります。
 ☆説明会では、「2016年改定の要点と解説(右図参照)」をテキストとして使用します。会員へは登録先に3月22日(火)頃に1冊送付致   しますので、必ずご持参ください。お忘れになった場合や同伴者で必要な方は、テキスト代の費用が別途1,000円かかりますのでご了   承ください。
 ☆紫色の会員証(有効期限が2017年6月末日のもの・右図参照)を必ずご持参ください。ご提示がない時、入場が遅れる場合やご入場で  きない場合がありますのでご注意ください。紛失された場合は、再発行(費用1,270円)の手続きをお早めにお申し出ください。
 ☆また、例年、受付が大変込み合い、スタッフの方が遅れてくる場合などの個別のご対応が難しい状況が続いております。全員揃った上  でご入場頂くよう、ご協力をお願い致します。


2.未入会員の方のご参加について
未入会員の方は、1説明会参加につき、参加費30,000円となります。事前の入会お手続きをお勧め致します(当日の入会手続きで不  備が生じた場合は、未入会員の参加となります)。


3.託児サービスのご利用方法について
3月27日(日)のよみうりホールでの説明会では託児サービスがご利用できます。(利用料金:1000円)。
 ご利用は、就学前の会員のお子様に限ります。ご利用希望者には申込書を送らせていただきます。必ず事前にご相談くださ い。

【お問い合わせ先】

入会・参加・託児サービスについて:組織部、内容について:社保学術部 TEL  03-3205-2999

きき酒 いい酒 いい酒肴⑰ 年に一度の楽しみ ボジョレー・ヌーボー

きき酒 いい酒 いい酒肴⑰ 年に一度の楽しみ ボジョレー・ヌーボー

11月近がくなると、「ボジョレー・ヌーボー予約開始」という宣伝や特設コーナーが設けられます。フランスの新酒ワインですが、イタリアでは新酒ワインを「ヴィーノ・ノヴェッロ」、オーストリアでは「ホイリゲ」と呼び、それぞれ10月30日、11月11日に解禁されます。ボジョレー・ヌーボーとは、フランスのブルゴーニュ地域のボジョレー村で作られる新酒(ヌーボー)のことですが、歴史的に古くからあったそうです。
収穫したばかりのガメイ種(ブドウの種類のひとつ)から造られるワインは、1800年代から日常のお酒としてボジョレー周辺の地元住民を中心に楽しまれていた「地酒」です。1951年、フランス政府によって公式に11月15日を解禁日とされたのを期に、パリのレストランを中心にブームになりました。そして1970年代に入ると、日本を含め世界中に知られることとなりました。

⑰ヌーヴォー
◆もともと解禁日は聖人の日
現在、ボジョレー・ヌーボーの解禁日は毎年11月の第3木曜日ですが、もともとサン・マルタンの日という聖人の日である11月11日でした。その後11日は、無名戦士の日に変更されてしまったため、サン・タルベールの日である11月15日に解禁日を移しましたが、フランス政府が1984年に、「11月の第3木曜日」という、毎年変動する解禁日に設定しました。

◆炭酸ガスでの醸造でフレッシュに
ボジョレー・ヌーボーは、単なる新酒だけではなく、造り方の上でも大きな特徴があります。それは「マセラシオン・カルボニック」「炭酸ガス浸潤法」という醸造方法です。
通常は収穫したぶどうを破砕しますが、マセラシオン・カルボニック法では、破砕せずステンレスタンクに上からどんどん入れてしまいます。タンクの下の方のぶどうは重さでつぶれ、果汁が流れ出て自然に発酵が始まり、炭酸ガスが生成されます。酵素の働きによってリンゴ酸が分解され、アルコール、アミノ酸、コハク酸などが生成されます。タンニンが少ない割には色が濃く、渋みや苦味が少なくなります。炭酸ガスによって酸化が防止されるのでワインがフレッシュに仕上ります。

◆魚介類と合わせて楽しむ
不思議と肉よりも魚介類に合うのです。ガメイというブドウは、ワインにすると黒胡椒のようなスパイシーな香り、そして、赤い色のベリー系果実の香りがします。
パリのレストランでは、この季節ならではの生牡蠣に黒胡椒を少しかけてボジョレーと合わせるそうです。和食では、脂ののった秋刀魚の塩焼きがスパイシーな香りに合います。ベリー系のお菓子も赤い果実のような香りに合います。
なんとなく飽きられていた感じもする解禁日ですが、せっかく年に1度のお祭りみたいなものなので、楽しみたいですね。
(早坂美都/広報・ホーム   ページ部員/世田谷区)

きき酒 いい酒 いい酒肴⑯ 重陽の節句「菊酒」

きき酒 いい酒 いい酒肴⑯ 重陽の節句「菊酒」

まだまだ暑い日が続きますが、暦の上では、そろそろ秋の行事がはじまるころです。
旧暦の9月9日は、五節句のひとつ「重陽の節句」です。菊を用いて不老長寿を願うことから別名「菊の節句」といいます。
五節句とは、江戸時代に定められた5つの式日(現代でいう祝日)をいい、1月7日の人日の節句(七草粥)、3月3日の上巳の節句(桃の節句/雛祭り)、5月5日の端午の節句、7月7日の七夕の節句、9月9日の重陽の節句をさします。

早坂先生9月号写真

◆重陽の節句には長寿繁栄を願う
古来より、奇数は縁起の良い陽数、偶数は縁起の悪い陰数と考え、その奇数が連なる日をお祝いしたのが五節句の始まりで、お祝いとともに厄祓いもしていました。中でも一番大きな陽数(九)が重なる9月9日を、陽が重なると書いて「重陽の節句」と定め、不老長寿や繁栄を願う行事をしてきました。
主なものとして菊酒、菊湯、菊枕、菊合わせなどがあります。
菊酒は、本来は菊をお酒に漬け込んで作りますが、お酒に菊の花びらを浮かべてみるだけでも、風流な気分が味わえます。
菊湯は、湯船に菊を浮かべます。冬至の柚子湯のような感じです。
菊枕は、本来菊を詰めた枕で眠り、菊の香りで邪気を祓うのですが、菊の花びらを枕元においてもいいと思います。
菊合わせとは、菊を持ち寄って優劣を競います。菊まつりや菊人形展のことです。
 
◆食用菊には時節柄抗菌作用も
重陽の節句の食べものの代表が食用菊です。「もってのほか」の名前の由来は、「天皇の菊の御紋を食べるとはもってのほか」「もってのほか(想像以上に)美味しい」と言われています。
おひたし、お吸い物、サラダなどに使われ、お刺身の盛り付けの黄色い菊は、優れた抗菌作用で食中毒防止の役割もあります。また、江戸時代から重陽の節句に栗ごはんを食べる習わしがあり、「栗の節句」とも呼ばれています。
診療に追われる日々を送られているかと思いますが、忙しいときほど、古くからの日本の美しいならわしを楽しむのもよろしいかと思います。
(早坂美都/広報・ホーム  ページ部員/世田谷区)

歯科医師需給問題WGを開催/歯科医師1人当たり患者は14.1人 など議論

歯科医師需給問題WGを開催/歯科医師1人当たり患者は14.1人 など議論

厚生労働省は1月29日、歯科医師の資質向上に関する検討会傘下の「歯科医師の需給問題に関するワーキンググループ」(座長:森田朗国立社会保障・人口問題研究所長)を金融庁内の会議室で開催した。前回、委員から示された「歯科診療所従事歯科医師1人あたり患者数は14.1人」の数字について、議論が展開された。また、全国の29歯科大学の最上位と最下位とでは学力差が10倍もあり、これが実習に影響するのではないか、なども指摘された。

地域包括ケアシステム研究会を開催!

「食」を中心に、歯科から関わりを!

  1月21日(木)19:00より協会会議室にて、地域包括ケアシステム研究会「歯科が地域包括ケアシステムにどう関わるか」を開催し、会員・スタッフなど33名が参加した。講師は当協会理事の橋本健一氏、地域包括支援センター管理者の櫻井信幸氏、地域包括支援センター管理者の佐藤志穂子氏の3名が務めた。

 橋本氏は、地域包括ケアシステム(以下地域包括ケア)が求められる背景や概要を説明。2016年度診療報酬改定で議論している内容にも触れた。地域包括ケアに対する歯科の関わりとして、歯科はもっと自ら外に出て働きかけ、訪問歯科診療や専門的口腔ケアの重要性などの情報を発信していかなくてはならないと呼び掛けた。

 櫻井氏は、地域包括支援センターの業務と役割について解説を行った。地域包括支援センターは主任福祉士・主任ケアマネジャー・保健師の3職種が配置されていることにより、介護に関する相談が一カ所で解決できることが一番のメリットであると述べた。また、行政やボランティアと広く連携しており、在宅介護高齢者への力強い味方であるとした。

 佐藤氏は介護保険の問題点や地域包括ケアを構築していく上での課題について、2014年度介護保険改定により現場は大変混乱している。基本チェックリストに基づいて介護予防の受け入れを行っているが、医療の関わりが薄いことに不安を感じていると述べた。また、地域包括ケアについては、医師・歯科医師・薬剤師の連携が欠かせないとし、グループワークなどにもっと慣れ、積極的に関わってほしいと述べた。歯科との連携については、歯科は食べるということにもっと目を向けてほしい。食べたいものを食べることが人間の生きていくための基本だと思う。食支援は歯科とリハビリが中心になると思うので、ぜひ取り組んでほしい。また、ケアマネジャーには歯科が関わることの必要性や口腔ケアの重要性が伝わっていない。歯科が関わると何が変わるのか、どのような効果があるのかを症例などを交えながら分かりやすく伝えてほしいと訴えた。さらに、予約診療が中心である歯科では、予約の間違いや1日に何度も来院されるなど、認知症の患者の早期発見が出来ると思う。認知症が疑われる患者には、さりげなく地域包括支援センターを案内してほしいと呼び掛けた。

 講演後のディスカッションでは、「どのようなきっかけで介護職と関わればよいか」「勉強会や地域ケア会議に参加するにはどうすればよいか」「歯科訪問診療を必要としている高齢者を知る方法はないか」「病院からの退院時に歯科が関わる方法はあるか」などの質問が出された。講師陣から「まずは地区のお祭りや勉強会などに顔を出し、地域の一員として関わってほしい」「地区ごとのケアマネジャーの集まりなどがどこでもあると思う。また、地域ケア会議への参加は地域包括支援センターに相談しても良いと思う。歯科訪問診療が出来るとアピールするのではなく、具体的に何が出来るかを教えてほしい」「患者や家族は歯科訪問診療を知らない。希望があった場合はかかりつけ医と連絡をとるよう案内することが多い。通院している患者へのアピールや来院が途絶えている患者への連絡など、きめ細やかなフォローをしてほしい。」「退院時のカンファレンスは時間がない中で行われることが多い。制度として改善を求めていく必要があると思う。」などの回答があった。

 最後に講師陣から、時代が大きく動く中で、多職種の連携は重要となる。特に歯科は「食」を中心としたネットワークが作れると思う。職種間の壁を少しずつなくし、利用者のQOLを上げられるよう、連携をとっていきたいとまとめられた。

 アンケートでは「できるだけ地域に出ていき、地域包括ケアの一員として、歯科を通して支援を行っていきたい」「歯科からのアプローチのヒントが得られた」「歯科医師は地域包括ケアに対して“どう関わればいいの?”ではなく、専門職として“こんな支援の方法もある”と提案していけると思う」などが寄せられ、「歯科がどう関わるか」のヒントが得られた研究会となった。

今夏参院選の自民党公認の医療関係候補者の動向

今夏参院選の自民党公認の医療関係候補者の動向

今夏に行われる参議院比例区・都道府県選挙区選挙の公認候補の動きが活発になってきた。すでに日本医師会、日本薬剤師会、日本看護協会、日本理学療法士協会、日本診療放射線技師協会、日本臨床検査技師協会が候補者を立て、自由民主党の公認を受けている。日本歯科医師連盟は、日歯連盟迂回献金事件を受け、この参議院選での候補擁立は行わないことを決めている。

◆自民公認医療関係候補

現在、自民党が公認している医療関係候補者は以下の通り。

・日本医師会                      自見英子氏:新・東海大学医学部卒・39歳、比例

・日本薬剤師会                  藤井基之氏:現2期・東京大学薬学部卒・68歳、比例

・日本看護協会       高階恵美子氏:現1期・東医歯大医学部保健衛生学科卒・52歳、比例

・日本理学療法士協会       小川活巳氏:新・64歳

・日本診療放射線技師会 畦元将吾氏:新・57歳

・日本臨床検査技師会     宮島喜文:新・64歳

理事会声明 「平和に逆行する北朝鮮の核実験に抗議する」

理事会声明

「平和に逆行する北朝鮮の核実験に抗議する」

 

1月6日正午、北朝鮮は初の水爆実験を行ったと発表した。北朝鮮による核実験は2013年2月に続き4回目となる。

このような核実験は、核なき世界実現への取り組みと、人々の平和及び安全に対する明らかな脅威である。

広島、長崎での原爆投下は一瞬にして20万人以上の人々の命を奪うとともに、生き残った被爆者は、原爆症による後遺症に苦しみ続けている。このような惨禍を再び繰り返すような核実験の行為は断じて許せない。

昨年は戦後70年の節目を迎え、11月3日の国連総会第一委員会では、核兵器廃絶決議案が156ヶ国と多くの国の支持の下に採択され、国際社会全体で核兵器廃絶への思いをいっそう強めた。

今回の核実験は、国際的な平和を目指す上で重要となる北東アジアの非核化に逆行するものであり、ASEAN諸国間での武力衝突を避けるには、北朝鮮が核兵器を放棄することが必須条件である。

私たちは国民のいのちと健康を守る、唯一の被爆国の歯科保険医の団体として、いかなる理由があろうとも、すべての核兵器と核実験に反対する。

 

2016年1月14日

東京歯科保険医協会

第19回理事会

理事会声明 「平和に逆行する北朝鮮の核実験に抗議する」

理事会声明

「平和に逆行する北朝鮮の核実験に抗議する」

1月6日正午、北朝鮮は初の水爆実験を行ったと発表した。北朝鮮による核実験は2013年2月に続き4回目となる。

このような核実験は、核なき世界実現への取り組みと、人々の平和及び安全に対する明らかな脅威である。

広島、長崎での原爆投下は一瞬にして20万人以上の人々の命を奪うとともに、生き残った被爆者は、原爆症による後遺症に苦しみ続けている。このような惨禍を再び繰り返すような核実験の行為は断じて許せない。

昨年は戦後70年の節目を迎え、11月3日の国連総会第一委員会では、核兵器廃絶決議案が156ヶ国と多くの国の支持の下に採択され、国際社会全体で核兵器廃絶への思いをいっそう強めた。

今回の核実験は、国際的な平和を目指す上で重要となる北東アジアの非核化に逆行するものであり、ASEAN諸国間での武力衝突を避けるには、北朝鮮が核兵器を放棄することが必須条件である。

私たちは国民のいのちと健康を守る、唯一の被爆国の歯科保険医の団体として、いかなる理由があろうとも、すべての核兵器と核実験に反対する。

 

2016年1月14日

東京歯科保険医協会

第19回理事会

歯科関連事項の内容を見る/次期改定に関する中医協資料の中で明記

歯科関連事項の内容を見る/次期改定に関する中医協資料の中で明記

 

昨日1月13日に厚労省内で開催された中医協では、医療機器の保険適用、DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応などについて協議・検討を加えた。その中で、これまでの議論を整理した資料として「現時点の骨子」を配布し、内容を再確認した。同資料の中に明記された歯科関連事項を以下に抜粋して紹介する。

 

◆周術期口腔機能管理を推進する上で、医療機関相互の連携等が重要であることから、以下のような見直しを行う。

(1)悪性腫瘍手術等に先立ち歯科医師が周術期口腔機能管理を実施した場合に算定できる周術期口腔機能管理後手術加算について、周術期における医科と歯科の連携を推進するよう評価を拡充する。

(2)病院における周術期口腔機能管理を推進する観点から、歯科を標榜している病院に係る歯科訪問診療料の要件を見直す。

(3)がん等に係る放射線治療又は化学療法の治療期間中の患者に対する周術期口腔機能管理料について、対象患者及び対象期間を見直すとともに、当該患者に対する周術期専門的口腔衛生処置を評価する。

 

◆医科と歯科の連携による栄養サポートの推進を図るため、院内及び院外の歯科医師が、栄養サポートチームの一員として診療を実施した場合を評価する。

 

◆地域包括ケアシステムの中で地域完結型医療を推進する上で、定期的かつ継続的な口腔管理により口腔疾患の重症化を予防し、歯の喪失リスクの低減を図る、かかりつけ歯科医の機能を評価するため、以下のような見直しを行う。

(1)エナメル質初期う蝕に対する定期的かつ継続的な管理を評価する。

(2)歯周基本治療等終了後の病状安定期にある患者に対する定期的かつ継続的な管理を評価する。

(3)口腔機能の低下により摂食機能障害を有する在宅患者に対する包括的な管理を評価する。

 

◆歯科における効率的で質の高い在宅医療の提供体制を確保するため以下のような見直しを行う。

(1)在宅を中心としつつ、地域の病院等とも連携して歯科訪問診療を実施している歯科診療所を評価する観点から、在宅かかりつけ歯科診療所加算の施設基準及び名称の見直しを行う。

(2)口腔機能が低下し摂食機能障害を有する患者に対する口腔機能の管理について、包括的な評価を行う。

(3)歯科訪問診療料について、歯科訪問診療の実態に即したものとするため、以下のような見直しを行う。

 ①同一建物で1人に対して歯科訪問診療を行う場合において、患者の全身状態等により診療時間が20分未満となる場合の評価を見直す。

 ②同居する同一世帯の複数の患者に対して診療をした場合等、同一の患家において2人以上歯科訪問診療を行った場合の評価を見直す。

 ③歯科訪問診療を行う歯科医療機関と「特別の関係」にある施設等に訪問して歯科訪問診療を行った場合の評価を見直す。

(4)同一建物において同一日に複数の患者に対して歯科訪問診療を行った場合等について、歯科訪問診療料の適正化を行う。

(5)歯科訪問診療で求められる診療の重要性及び困難性を考慮し、歯科訪問診療で行う処置等について評価を見直す。

(6)歯科の標榜がない病院に入院中又は介護保険施設に入所中の患者に対して、歯科訪問診療を行う歯科医師が栄養サポートチーム等に加わり、その評価に基づいて歯科訪問診療を行った場合を評価する。

 

◆口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進。

(1) 患者にとって安心・安全な歯科外来診療を行うための総合的な環境整備に係る取組を推進する観点から、歯科外来環境体制加算について、初診時及び再診時の評価を見直す。

(2)全身的な疾患を有する患者に対する歯科医療の充実を図る観点から、以下のような見直しを行う。

 ①全身的な疾患を有する患者の歯科治療を行う際に、治療内容等の必要に応じてバイタルサインのモニタリングを行った場合を評価する。

 ②糖尿病を有する患者の歯周病治療において、歯周組織の炎症の改善を図り、歯周基本治療をより効果的に行う観点から、歯周基本治療に先行して局所抗菌剤の投与が可能となるよう、医科と歯科の連携を含めて、歯周疾患処置の算定要件を見直す。

(3)口腔疾患の重症化を予防し、歯の喪失リスクを低減する観点から、以下のような見直しを行う。

 ①エナメル質初期う蝕の積極的な再石灰化を促進し、う蝕の重症化を予防する観点から、フッ化物塗布の適応の見直しを行う。

 ②歯周病の重症化を予防する観点から、歯周基本治療等終了後の病状安定期にある患者に対する管理である歯周病安定期治療の算定要件を見直す。

(4)各ライフステージの口腔機能の変化に着目して、以下のような見直しを行う。

 ①有床義歯又は舌接触補助床を装着した患者に対して、口腔機能の客観的な評価を行うため、咀嚼機能検査等を実施した場合を評価する。

 ②口唇口蓋裂患者に対するホッツ床等の口腔内装置の装着を行った患者に対して当該装置に係る調整及び指導等を実施した場合を評価する。

(5)歯科固有の技術の評価について、以下のような見直しを行う

 ①マイクロスコープ(歯科用実体顕微鏡)及び歯科用3次元エックス線断層撮影を用いて歯の根管の数及び形態を正確に把握した上で根管治療を実施した場合を評価する。

 ②歯科疾患管理料を含む医学管理等において、文書提供等の要件を見直し、実態に即した評価を行う。

 ③抜歯手術について、抜歯部位に応じた評価となるように難抜歯の評価を見直す。

 ④補綴時診断料、平行測定検査等について、臨床の実態に即した評価となるよう見直す。

 ⑤義歯新製から6か月以内に実施する有床義歯内面適合法について、有床義歯修理の評価と整合性を図る。

 ⑥歯科用アマルガム等、歯科医療技術の進歩に伴い実施頻度が減少している技術及び新たな材料の普及により使用頻度が減少している特定保険医療材料について、廃止を含めて見直す。その他、歯科医療の推進に資する技術については、医療技術評価分科会等の検討を踏まえつつ、適切な評価を行う。

厚労相が次期診療報酬改定を中医協に諮問

厚労相が次期診療報酬改定を中医協に諮問

塩崎恭久厚生労働大臣は本日1月13日、中央社会保険医療協議会(田辺国昭会長/以下「中医協」)に対し、「平成28年度診療報酬改定について」を諮問した。

諮問された内容のうち数値をみると、診療報酬本体+0.49%で、各科ごとの改定率は、医科+0.56%、歯科+0.61%、調剤+0.17%となっている(下記参照)。

中医協はこの諮問を受けて必要な協議・検討作業に入り、来月中旬頃を目途に塩崎厚労相に対して「答申」を行う。その間、中医協はパブリックコメントの募集を行うとともに、今月22日(金)には埼玉県さいたま市内のホテルで公聴会を開催し、次期改定に関する意見聞き取りを行う。

中医協諮問②率550pix

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

諮問所の改定率部分のダウンロードはここをクリック

労働基準条件に関する調査の実施」への対応/機関紙2016年1月1日号(№550号)より 

労働基準条件に関する調査の実施」への対応/機関紙2016年1月1日号(№550号)より 

質問① 当院に労働基準監督署から「労働基準条件に関する調査の実施について」という用紙が送られてきた。調査日が指定されており、併せて裏面の「自主点検票」を記入の上、事前にFAXを送ることとされているが、出席しなければならないのか。また、なぜ当院に調査が入ったのか。

回答① 従業員を雇用する事業所においては労働基準関係法令に則した労務管理を行わなければなりませんが、適正な労働条件の調査ですので、代表者または労務担当責任者の出席が必要です。ただし、診療日などで指定された日時の出席が困難な場合は、事前にその旨の連絡を入れ調整してください。協会では、現在新宿労働基準監督署が管轄する新宿区、中野区、杉並区の歯科診療所に定例調査として実施されていることを把握しています。

 

質問② 当院は、パートタイム3名、フルタイム2名を雇用している。調査日当日の持参物に、表の11項目を提示されたが、これについて。

回答② 下記の表をご覧いただきたい。主な持参物として、表の④の「就業規則」に関しては、10名以上の従業員を使用する診療所は作成して従業員の代表の意見書を添付し、所轄労基署長に届出する必要があります(労基法第89条、90条)。⑨の労働条件通知書は、従業員を雇い入れる際に労働条件を明示するために作成し、配布して下さい。⑩の労働者名簿は、1名でも従業員を使用すれば作成が必要です。必要事項は、「氏名、性別、生年月日、従事する業務の種類、住所、雇入れ年月日、退職年月日、履歴(職歴)」です。用紙の雛形は、厚生労働省やインターネットからダウンロード可能です(※)。⑪の健康診断個人票は、雇い入れ時と定期健康診断の結果を指します。事業主は、従業員に対し1年に1回健康診断を実施することが義務づけられており、その結果に基づき、健康診断個人票の5年間の保存義務が課されています(労働安全衛生法第66条、労働安全衛生法規則第43条、44条)。

なお、パートタイムの方の定期健康診断に関しては、「1週間の所定労働時間が同じ事業所で同種の業務に従事する通常の従業員に比べ4分の3以上である者」などの条件があります。

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歯科医療点描⑤ 不合理・不公正な消費税/ 益税・損税は税の公平性を逸脱

不合理・不公正な消費税/ 益税・損税は税の公平性を逸脱

軽減税率の範囲を巡って「消費税」が連日の紙面を賑わせた。改めて思うのだが、これほど不合理、不公平な税金は珍しい。 

税金は原則、公平でなくてはならない。ところが、1989年に導入された日本の消費税は、明らかに損をする業種、得をする業種を生んでいる。

物を売買する時、売り上げ額にかかる消費税は買う人が売る人に払い、売る人は受け取った消費税から自分の仕入時に払った消費税を引いた分を国に納める。最後に買う人(消費者)は、今なら価格の8%を余分に払う。 

ところで、なぜか税金や授業料、医療費等が非課税になった。その他、外国で売られる輸出製品は原理的に消費税を取れない。

医療界の窓口の日本医師会は、医療費が上がると患者が減るから非課税がいいと誤解していたようだ。医師会は消費税の仕組みを理解しておらず大蔵省(当時)は特に説明しなかった。おそらくは医療費改定での対決のシッペ返しだったのではないだろうか。この結果、医療機関は薬や器具を買う時に消費税を払うが、非課税なので患者からは取れず、持ち出す破目になった。 税金や授業料は自由に値上げできる。しかし、公定価格の医療費は自由にならない。似た立場の輸出産業には、国は輸出振興策として消費税分を還付する「戻し税」制度を用意した。結局、医療機関が一番の「損税」を抱え込むことになった。

逆の「益税」もある。手続き簡素化を名目に商店が消費者から受け取った税金を概算で済ませ、しかも小規模店は納税を免除した。軽減税率の導入時には計算機器類が間に合わず、益税が増えるもやむなし、とされている。サラリーマンは給料から所得税を天引きされているが、いわば小企業は天引きした税金をそのままいただいてもよい、という制度だ。諸外国ではきちんと計算して納税する仕組みを作っている。教育が普及し、真面目だった日本人のレベル低下はひどい。

国は診療報酬の改定で医療機関の損税を補填している建前だ。しかし補填は一部分に過ぎないし、第一、医療機関ごとに異なる税額を一律の加算で補えるはずがない。

高額の医療機器が多く、建設費のかかる大規模病院ほど損税額は大きい。薄利の病院に次の消費税2%増は厳しい。医療誌『ロハス・メディカル』は「消費税の危険なワナ、良い病院が潰れる!」と、特集(201512月号)で警告している。

ともかく、益税・損税は税の公平原則を逸脱し国民をバカにしているとしかいいようがない。損税の解決法も医療費の課税か、戻し税のような制度の新設しかありえない。

私は何年か前から同じ主張をくり返しているが医療界の幹部は物分かりがよいのか悪いのか、いつの間にか政府と妥協し、問題は先送りになっている。

医療ジャーナリスト 田辺功

「東京歯科保険医新聞」201611日号7面掲載

 

【略歴】たなべ・いさお/1944年生まれ。68年東京大学工学部航空学科卒。同年朝日新聞社入社。2008年、朝日新聞社を退社後、医療ジャーナリストとして活躍中。著書に「かしこい患者力―よい病院と医者選び11の心得」(西村書店)、「医療の周辺その周辺」(ライフ企画)「心の病は脳の傷―うつ病・統合失調症・認知症が治る」(西村書店)、「続 お医者さんも知らない治療法教えます―こんな病気も治る!」(西村書店)ほか多数。