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政策委員長談話「歯科の役割が発揮できず、細かすぎて混乱を生む改定」/機関紙2018年3月1日号(№576)1面掲載

 

政策委員長談話「歯科の役割が発揮できず、細かすぎて混乱を生む改定」

◆コストを考慮しない院内感染防止対策の評価

 次期改定では、院内感染防止対策の施設基準を新設するが、初・再診料や歯科訪問診療料などの基本診療料を算定するために、施設基準の届出を必要としたのは問題である。包括して評価するのではなく、別項目を作り評価すべきだ。

 2007年7月18日、中医協診療報酬基本問題小委員会での「平成18年度医療安全に関するコスト調査業務」では、外来患者1人1回あたりの院内感染防止対策に必要なコストは、有床診療所並みの268.16円とされている。今回の引き上げはそれには遠く及ばない額であり、さらなる引き上げを要求する。

◆継続管理できない患者を生むか強診・歯援診見直し

 地域包括ケアシステムの構築のため診療情報連携共有料が新設された。これにより、患者の服薬状況などの情報提供を医科に依頼しやすくなった。医科歯科連携を推進する観点から、協会が繰返し厚労省へ要望した内容の反映であり、評価したい。

 しかし、か強診や歯援診は、施設基準に、訪問診療、SPTおよびエナメル質初期う蝕の管理などの算定実績や多職種連携に係る会議への参加などの地域連携に関する実績が追加され、要件が一段と厳しくなった。届出をできるところとできないところの差がはっきりし、選別が図られた。 

 2年の経過措置があるとはいえ、改定前のか強診や歯援診の歯科医療機関が全て新しい要件を満たせるかは不透明である。特に、新しいか強診の施設基準を届出できない場合は、SPT(Ⅱ)で診ていた患者の継続管理ができなくなり、国に対策を求める。

◆口腔機能管理加算のハードルが高く患者に提供できない

 また、口腔機能の評価として老化などにより口腔機能が低下した患者に対する口腔機能管理加算が新設された。疾病構造の変化に対応した評価ではある。しかし、答申で示された算定要件は、学会の診断基準より厳しく舌圧検査、咬合圧検査、咀嚼能力検査などを行うことが必須条件とされている。高価器材の購入を施設基準や算定要件にする手法には違和感を覚える。学会の基準を超えた過度なハードルを課し、患者に提供できない問題を生むことには反対である。

◆医療費削減をやめ役割が発揮できる改定を

 全身麻酔下で手術を行う場合は口腔管理がスタンダードになりつつあるなど、歯科が果たすべき役割が大きくなっている。改定では医科歯科連携が評価された。

 しかし、医療費削減政策で歯科の改定率はわずか0.69%に留まっており、その結果新しい項目ができても算定要件には高いハードルが課せられ、多くの医療機関では取り組めなくなるなど歯科の役割が発揮しづらい改定内容になっている。また、点数表も細かく複雑になり、混乱を生じかねない。

 本談話は、必要な患者に歯科医療を提供する視点から、適切な改定を求めるものである。

2018年3月1日

東京歯科保険医協会

 政策委員長 松島良次

 

2017年度 託児(保育)サービスのご案内

 

 

 

 

 

 

小さなお子様がいらっしゃる会員の方々も、新点数説明会に参加ができるよう、一部の会場内に託児所を設けています。託児(保育)サービスをご利用される皆様がより良い環境で説明会に参加されることを願っております。

 

1.対象および定員

①会員のお子様

②生後6ヶ月~6歳(未就学児)

③定員は15名です(定員となり次第、締切りとさせていただきます)。

 

2.開設日および時間

下記期日に託児所を開設致します。託児(保育)サービスのご利用時間・会場場所をご確認の上、会場受付までお越しください。

【開設日】 

①3月27日(火) /託児所:なかのZERO大ホール(3Fの楽屋4)

②3月29日(木) /託児所:文京シビック大ホール(B1Fの楽屋8)

 

【利用時間】  

16:30~21:00

※会場受付後、専用ブースへお越しください。係りの者がご案内いたします。

 

3.利用料金

お一人様につき1,000円となります。料金は、当日受付でお支払いください。

 

4.ご利用方法

①託児(保育)サービスの利用には、事前予約が必要です。

ご希望の方は、3月15日(木)までに協会へご連絡(03-3205-2999)ください。

 

②ご利用者について

利用申込書・同意書をお送りいたしますので、必要事項をご記入の上、当日直接託児所にお持ちください。なお、利用申込書は当日のお子様のご様子を知るため、また、保護者様よりお預けいただくことの同意も兼ねた書類です。個人情報の取扱には十分留意すると共に、該当する託児サービス以外では使用いたしません。

 

③お子様の健康状態

微熱であっても発熱がある場合や、伝染または感染するおそれのある病気の場合はご利用できません。なお、投薬等の医療行為も行なっておりませんので予めご了承ください。

 

④お引渡しについて

お預かりの際に、保護者の方にはお引渡しカードをお渡しいたします。セキュリティの都合上、お迎え時にはお引渡しカードを必ずご持参ください。なお、お預けに来られた保護者様とは異なる方のお迎えになる場合は、事前にお申出ください。

 

5. 持参物

当日は、別途お送りする「利用申込書・同意書」および「サービス利用のてびきをご覧の上、ご持参ください。

(参考)

利用申込書、替え用オムツ、おしりふき、ハンドタオル、お着替え(下着など)、お飲み物

必要に応じておやつ【乳幼児用のビスケットやスナック類に限る(未開封・冷蔵不要のもの)】

※お荷物はすべてに記名しひとつにまとめてご持参くださいますようお願いいたします(哺乳瓶への記名もお願いいたします)。

※調乳は保護者の責任下においてお願いをしております。

※会場の関係で、使用済みのおむつはお持ち帰りいただきますので、予めご了承ください。

 

6.キャンセル

キャンセルにつきましては、①は3月26日(月)、②3月28日(水)の12:00までに協会まで連絡ください。

 

7.保育サービス運営

運営は㈱小学館集英社プロダクションHASに委託しております。

 

8. 保険対応

小学館集英社プロダクションHASでは、万が一の事故に備えて、保育サービス業総合補償制度(賠償保険・損害保険)に加入しております。

 

9. お問い合わせ先

東京歯科保険医協会 組織部まで

TEL:03-3205-2999  FAX:03-3209-9918

〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-29-8 いちご高田馬場ビル6F

 

平成30年度 介護報酬改定へのパブリックコメント提出!

このたび、地域医療部では、平成30年度介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正等に関する意見(パブリックコメント)を提出しました。

提出した意見は下記の2本です。

今後も改定の動向に注視し、問題点等を指摘していくことで、先生方がより良い医療・サービスが提供できるよう、活動していきます。

 

意見1.混乱を招く「単一建物居住者」の考え方の導入に反対する

【理由】 
 今改定では、居宅療養管理指導費に対する単位区分について、「同一建物居住者」から「単一建物居住者」の考え方への変更が示されているが、在宅療養患者は、体調が不安定であり、必ずしも計画通りに歯科診療が実施できるわけではなく、一月単位での単位区分は困難である。一カ月経過後に区分の変更がある場合、窓口負担の不足や過剰返金などが想定され、トラブルを招く原因にもなる。
 そもそも、必要な管理を適切に行っている以上、全ての患者で同一の評価を行うべきであり、同一建物や単一建物の人数に応じた単位区分には反対である。

 

意見2.2018年4月以降も、介護報酬の紙媒体による請求を認めること

【理由】 
 介護報酬の請求を2018年4月以降も紙媒体で行うためには、2018年3月末までに届出を行うことが求められている。2018年4月以降に新しく居宅療養管理指導を実施する場合は、紙媒体での請求が認められないとされている。
 しかし、歯科で算定できる単位は、居宅療養管理指導のみであり、月に数件の算定である歯科医療機関が大半である。伝送や電子媒体のシステムを整えるためには手間やコストがかかる。地域包括ケアシステムの構築に伴い、在宅歯科医療が求められる中、紙媒体での請求の拒否は方針と逆行するのではないか。
 特に2018年4月以降に開業する場合は、紙媒体で請求を行いたくても届出を行う機会すら与えられない。
 介護サービス提供にあたって居宅療養管理指導は不可欠であり、2018年4月以降も紙媒体による請求を認めるべきである。

日本顎咬合学会指導医研修会に参加して/参加印象記(千代田区/濱克弥)

日本顎咬合学会指導医研修会に参加して/参加印象記(千代田区/濱克弥)

2月18日、日本顎咬合学会の指導医研修会に参加した。ここでは、その時の概要などを紹介したい。

「食べる・生きる・喜ぶ~超高齢社会で歯科医師が行うべきことから」をテーマに講演とシンポジウムを開催。海外の学術雑誌にも多数のエビデンスを発表している神奈川歯科大学教授の山本龍生氏は、高齢者の追跡調査で歯が少なく義歯を未使用の場合、20歯以上の者より認知症発症リスクは実に1.9倍になること、歯が少ない者の転倒リスク等、高精度のデータを示した。

国際医療福祉大学教授の竹内孝仁氏は、介護の世界、特に寝たきり状態は全身にさまざまな問題を引き起こすことや、「活動性」をキーワードとする自立支援を介護の柱とし、義歯などでしっかり噛ませると大きな回復がみられることを強調。

続いて、臨床現場で撮影された動画を用いた報告が行われた。大分県開業の河原英雄氏の手技を引き継いだ複数の歯科医師が、脳血管障害や認知症で口から食べることが困難になり、歩行が不自由な患者さんの義歯を調整し、リンゴやピーナッツを食べられるまで改善させ、表情が好転、会話や自立歩行ができるまで回復させた。今後も歯科では機能評価が重視される中、われわれ自らがその重要性を示すことが「歯科界」、ひいては「国民の幸せ」に寄与することにつながる。

シンポジウムでは、「慎重にデータを分析する中で、これほど歯数の回復が全身に影響があるのか正直、心配だった。本日、臨床例やデータを多数見て、自分の研究結果は臨床の通りだったと実感した」と話す山本氏の発言が印象的だった。会場からも、「臨床で症例を積み重ね、それを学会が裏付ける。さらに歯科団体が国民の利益になるよう国にアピールする。未曾有の超高齢社会に向けて、歯科界の団結がこれまで以上に求められる」との発言があった。今後の協会活動への大事な示唆ともなった。

(千代田区/濱克弥)

左は日本顎咬合学会顧問の菅野博康氏。中央が筆者。右は協会の松島良次副会長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右は日本顎咬合学会理事長の上田秀朗氏

右は日本顎咬合学会前理事長の上濱正氏

 

 

 

 

与野党の衆参両院4議員と直接懇談/2.15国会行動を実施

 与野党の衆参両院4議員と直接懇談/2.15国会行動を実施

協会は本日2月15日、衆参両院の国会議員4氏と直接懇談を行った。懇談したのは衆議院議員では、越智隆雄氏(自民党)と歯科医師出身の渡辺孝一氏(自民党)、初鹿明博氏(立憲民主党)の3氏および参議院では、大野元裕氏(民進党)となっている。

今回の懇談は、今次診療報酬改定についての中医協「答申」が加藤厚生労働大臣に提出され、これまでの働きかけや今後の診療報酬改善への方向などを議論し、さらに歯科本体は0.69%増とはなったものの、決して充分な引き上げではないこと、これからの協会の診療報酬改善要望などを説明するために行ったもの。協会からは、坪田有史会長と中川勝洋理事、橋本健一理事が参加した。

なお、国会会期中のため、議員とは直接懇談できなかったものの、以下の21議員には、要請書を秘書に託した。(敬称略、順不同)

【衆議院議員】

◆自 民 高鳥修一、辻清人、白須賀貴樹、木原誠二、鴨下一郎、安藤高夫、鈴木隼人、萩生田光一、加藤勝信、橋本岳

◆公 明 高木みちよ

◆希 望 長島昭久

◆立 憲 山花郁夫、海江田万里

【参議院議員】

◆自 民 尾辻秀久、島村大、山田宏、中川雅治、武見敬三

◆民 進 牧山ひろえ

◆共 産 山添拓

渡辺孝一氏(自民党衆議院議員/歯科医師出身)

越智隆雄氏(自民党衆議院議員)

初鹿明博氏(立憲民主党衆議院議員)

大野元裕氏(民進党参議院議員)

医科系メディアから見た歯科医療界⑪ 歯科界の存在感を示せなかった診療報酬改定の顛末/「要望」ではなく「提案」が欲しい

歯科界の存在感を示せなかった診療報酬改定の顛末/「要望」ではなく「提案」が欲しい

 次期診療報酬の本体プラス改定のキーマンは安倍晋三首相、麻生太郎副総理兼財務相、横倉義武日本医師会会長の3人だった。

今年6月の日医会長選で4選を目指す横倉会長にとって、前回改定(本体プラス0.49%)を上回るアップ率の確保はまさに至上命題であり、「最低0.6%増」を要求していた。

昨年秋の総選挙で組織を挙げて自民党を支援した横倉氏を、安倍首相は官邸に招き、「しっかりお礼をさせていただきます」と述べている。 

横倉氏は同じ福岡県出身の麻生氏とも気脈を通じており、麻生氏から電話で伝えられた「0.55%増」という数字の政治的メッセージを汲み取り、矛を収めた。その数字は、保険料の企業負担分増を嫌う財界が主張していた「0.5%増」との間を取ったものである。

▼首相との形式的な懇談

日本歯科医師会と日本歯科医師連盟も昨年12月中旬、首相官邸を訪れたものの、わずか15分ほどの、まるで供一見さん僑扱いのごとき懇談では、今回の本体プラス改定に貢献したとは思えない。

国会議員に対しては、日歯は昨年11月下旬、国民歯科問題議員連盟総会で「健康寿命の延伸に向けて」と称する要望書を提出した。「歯科医療や口腔健康管理による医療の財政面での効果」を説くのはいいのだが、後半「歯科界の抱える現状の課題」として経営状況の厳しさを縷々挙げており、読む側に経営能力について疑問を持たれかねない。最後に、同時改定に向けた要望事項として、①必要な改定財源の確保、②在宅歯科医療のさらなる推進、③医科歯科連携、多職種連携の推進―の3項目を掲げているが、漠然としている感は否めない。「要望」ではなく、厚労族はもとより現場経験のある厚労省幹部が食い付きたくなるような具体的な「提案」を出すべきではなかったか。

▼主導権握れない検討会

前回改定で導入された「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」に関しては、次期改定で「かかりつけ歯科医」、「かかりつけ歯科医機能」という呼称や点数新設が、その定義や法律上の位置付けとは関係なく、点数表に新設され、歯科界内外から疑問の声があがっていた。

 懸案の「かかりつけ歯科医」については、厚労省の「歯科医師の資質向上等に関する検討会」が昨年12月下旬にまとめた「歯科保健医療ビジョン」中間報告で言及されており、「歯科診療所は、歯科医療の前提として医療安全等を担う義務がある」と明記された。それもあって、次期改定で感染防止対策が新たに設けられたのだろう。同ビジョンは歯科保健医療の提供体制の目指すべき姿を描いている。重要なビジョンなのに、構成員14人中、歯科医療機関経営者はわずか3人。主導権を握れず、現場の実状に沿った内容を盛り込めなかったようだ。

改定の前哨戦となった提言の段階で、すでにやり込められていたのではないだろうか。

 

筆者:元「月刊 集中」編集長 鈴木義男

「東京歯科保険医新聞」201821日号6面掲載

医科歯科連携研究会 開催しました!

2018年2月4日(日)飯田橋レインボーホールにて、医科歯科連携研究会2017を開催し、医師、歯科医師、スタッフなど164名が参加しました。

歯科からは神奈川歯科大学の三辺教授から「知っておきたい!歯周病と全身疾患のただならぬ関係」のタイトルで、最新の歯周病治療について、たくさんの資料を交えながら講演いただきました。

医科からは、神戸大学の岩田教授から「抗菌薬適正使用とはないか」のタイトルで、抗菌薬の使用方法について、目からウロコが落ちるような講演をいただきました。

お二人の講演を踏まえたパネルディスカッションでは多数の質問が会場から出されました。

プログラムの最後には、参加者同士の名刺交換を行い、参加者同士の交流を深めることができました。

アンケートでは、「患者さんに全身疾患と歯周病の関連性を上っ面で説明していたため、今回のお話しをきけて良かった」「抗菌薬の使い方を間違っていたことを深く学んだ」などの感想が寄せられました。

歯科技工パンフレット「日本の歯科技工を守ろう」を保団連が作成

 

歯科技工パンフレット「日本の歯科技工を守ろう」を保団連が作成

全国保険医団体連合会(保団連)はこのほど、日本の歯科技工に関する元凶と問題点などを的また「日本の歯科技工を守ろう/歯科医師、歯科技工士の厳しい現実」を作成した。この冊子は、保団連が2016年度に実施した「歯科技工所アンケート」の集計結果を踏まえ、全国の保険医協会会員向けに取りまとめたもの。

その中では、①口腔機能の回復を支える技工物、②より良く噛みより健康に生きる、③技工物を作る現場が大変、④矛盾の根源にある低歯科医療費政策―などの事項を示し、説明を加えている。本文は11ページからなり、内容は簡潔に取りまとめられている。

特に、歯科技工士の離職・減少に歯止めをかけるためには、超高齢社会では口から健康を支える歯科技工を守る視点から、歯科技工物の保険点数を抜本的に引き上げる必要性を強調。実際に、保団連がいま取り組んでいる「保険でよい歯科医療の実現」の方向として、①保険点数の引き上げ、②保険範囲の拡大、③窓口負担の大幅軽減―の3本を三位一体で政府に求めていることを紹介している。

なお、巻末では保団連の訴えを「私たちの要求」として以下の5項目を掲げている。

(1)歯科の低医療費政策をやめること

(2)労働時間と原価計算に基づく製作技工・保険点数の決定プロセスを透明化すること

(3)歯科技工士に適切な技工料が手渡るような実効性のある取引ルールを明確化すること

(4)そのために歯科医療費を少なくとも毎年1300億円増強すること

(5)患者窓口負担を大幅に軽減すること

第111回歯科医師国家試験が3日から2日間実施

第111回歯科医師国家試験が3日から2日間実施

2月3日と4日の2日間、第111回歯科医師国家試験が実施される。合格発表は3月19日となっている。東京は、昨晩から降雪があったものの、きょう2日の正午頃にはほぼやみ、夕方5時過ぎには雪も雨も止み、電車もほぼ順調に動いている。

昨年12月1日に厚生労働省が公表した試験会場は以下の3カ所。前年までは1カ所であったが、今回は3カ所に分散されている。

【第111回歯科医師国家試験東京会場3カ所】

◆CIVI研修センター秋葉原:千代田区神田須田町1-5-10 相鉄万世橋ビル

◆TKP東京駅日本橋カンファレンスセンター:中央区八重洲1-2-16 TGビル別館

◆TOC有明:江東区有明3-5-7

歯科診療所ベランダより撮影/東京の夜空で皆既月蝕観測

歯科診療所ベランダより撮影/東京の夜空で皆既月蝕観測

1月31日夜、3年ぶりの皆既月蝕が起き、東京都内でも観察することができました。この日、東京の夜空では、月は午後8時48分頃から左下から欠け始め、9時51分頃から1時間以上にわたり月蝕が続きました。

ジョージア国出身の「栃ノ心」関が大相撲初場所で優勝/母国の歯科技工士資格持つ

 

 

ジョージア国出身の「栃ノ心」関が大相撲初場所で優勝/母国の歯科技工士資格持つ

東京・両国の国技館で開催され14日目を迎えた大相撲初場所の27日、西前頭3枚目の「栃ノ心」関(30歳/春日野部屋/本名:レヴァニ・ゴルガゼ、ジョージア国出身)が初優勝した。栃の心はグルジア国の「歯科技工士」資格を取得している。平幕の優勝は2012年夏場所の旭天鵬以来6年ぶりのこと。また、春日野部屋所属の力士の優勝は1972年初場所の栃東以来、46年ぶりのこととなる。

栃ノ心は2006年、18歳の時に春場所で初土俵を踏んだ。08年夏場所で新入幕。2013年の前頭11枚目の時、名古屋で右ひざを負傷しするなどの試練を乗り越え、今回の初優勝を果たした。

「栃の心」関の優勝を報じる28日(日)スポーツ新聞1面

 

歯科について政策として真剣な対応が必要/「2018年度診療報酬改善/保険でよい歯科医療の実現を求める署名提出集会」が開催

 

歯科について政策として真剣な対応が必要/「2018年度診療報酬改善/保険でよい歯科医療の実現を求める署名提出集会」が開催

本日1月25日、衆議院議員会館内で「2018年度診療報酬改善/保険でよい歯科医療の実現を求める署名提出集会」が開催され、全国から歯科医師、医師、歯科技工士、歯科衛生士、患者ほか170名が参集。協会から中川勝洋理事、橋本健一理事が参加した。

昨年から実施されていた同署名は全国で31万3917筆を集めた。国会会期中の合間をぬって、衆参両院の与野党議員30名以上が駆け付け挨拶。続けて各協会役員が議員に署名を手渡した。

開会の挨拶を行った「保険で良い歯科医療を全国連絡会」の雨宮真希人会長(歯科技工士)は、「歯科を取り巻く環境は厳しく、歯科医院経営への悪影響を及ぼしている。歯科技工士や歯科衛生士にも歪みが出ている。技工士の労働環境は悪化をたどるだけで、改善は進まず、今後の展望を見出せない。いつでも、どこでも、誰でも、経済的不安なく、歯科診療を受けられるよう、さらに歯科医師、歯科衛生士、患者と連携して頑張っていく必要がある」と訴えた。

全国から170名余りが参加した

続いて、参加者から歯科医療の現状と次期診療報酬改正の注意点、歯科技工士の過酷な労働実態、歯科衛生士雇用問題などの報告を受け、討議を行った。

特に注目されたのは、保険適用拡大を願う会の小尾直子代表からの報告。自身のご子息の歯科矯正体験をもとに、小児の歯科矯正に保険適用の拡充を求める運動を開始した経緯を説明。市議会へ請願活動も行っていくうちに、全国から賛同の意が届き、「地味であり、また市議会への対応などの難しさを改めて実感したが、請願が採択に至っている。歯科診療には素人でも、多くの人との協力、話す場所を提供していただいたことに感謝しています、今後も新たな展開をしていきたい」と報告した。午後には、厚労省で説明する時間も確保していた。

 閉会に当たり、保団連の宇佐美宏歯科代表(副会長)は、「歯科診療所の収益増がなければ、歯科を支える歯科技工士と歯科衛生士の雇用・待遇などにも影響が出る。患者にとって良質な歯科医療を提供できなくなりつつある。診療報酬改定で歯科はプラス0.69%だったが、これでは歯科界の改善には至らない。歯科について政策として真剣な対応が必要になことを各議員が理解し、政治をしてほしい」と強調した。

閉会の挨拶に立つ保団連の宇佐美宏歯科代表

歯科医療拡充に向けさらなる歯科診療報酬の充実を要請/国会議員への要請行動を実施/本日25日の午前中に与野党3議員と直接懇談実現

 

 

歯科医療拡充に向けさらなる歯科診療報酬の充実を要請/国会議員への要請行動を実施/本日25日の午前中に与野党3議員と直接懇談実現

 

協会は本日1月25日、国会議員に対して2018年度歯科診療報酬改定に関する要請行動を行った。橋本健一理事と中川勝洋理事が参加した。

次期診療報酬改定については、麻生太郎財務大臣と加藤勝信厚生労働大臣が昨年12月に改定率を本体でプラス0.55%(歯科はプラス0.69%)に決定している。しかし、この改定率では、そのすべてを再診料に充当させたとしても、再診料を約6点引き上げた額に当たるだけで、今後の必要な歯科医療を提供するには充分とはいえない。そこで、今後も引き続き、地域包括ケアシステムのスムーズな施行、国民から期待される歯科医療の実現に向け、歯科診療報酬の拡充を求めるため、関係議員への要請を行ったもの。

午前中は、国会議員会館において与野党あわせて26名の衆議院議員を訪問し、国会会期中のさなかにもかかわらず、3議員と直接懇談が実現し、他の議員各氏については秘書各氏に要請文を託した。

26議員の内訳は以下の通り(敬称略、訪問順)。

【懇談のできた議員:3氏】

山花郁夫(立憲・東京)、初鹿明博(立憲・東京)、木原誠二(自民・東京)

【秘書対応:23氏】

三ツ林ひろみ(自民・埼玉)、尾辻かな子(立憲・大阪)、末松義規(立憲・東京)、柿沢未途(希望・東京)、長谷川嘉一(立憲・群馬)、若宮けんじ(自民・東京)、西村ちなみ(立憲・新潟)、橋本岳(自民・岡山)、高木みちよ(自民・東京)、越智隆雄(自民・東京)、牧原秀樹(自民・東京)、塩崎恭久(自民・愛媛)、高鳥修一(自民・新潟)、平将明(自民・東京)、太田昭宏(公明・東京)、長島昭久(希望・東京)、菅直人(立憲・東京)、渡辺孝一(自民・東京)、辻清人(自民・東京)、海江田万里(立憲・東京)、大島敦(希望・東京)、松本文明(自民・東京)、井上信治(自民・東京)

山花郁夫議員

初鹿明博議員

木原誠二議員

個別改定項目を提示~院内感染防止対策の施設基準の新設、新規技術の導入など~/中医協

  本日の中央社会保険医療協議会(中医協)に、次期改定に関する個別改定項目(その1)が提示された。

 歯科に関しては、かかりつけ歯科医機能強化型診療所(か強診)の施設基準の見直し、院内感染防止対策として初診料・再診料への施設基準の導入、歯科外来診療環境体制加算(外来環)の施設基準の見直しや診療情報の共有に対する評価の新設など、広範囲に改定が行われる。

 口腔機能管理の評価では、歯科疾患管理料の加算点数として、小児口腔機能管理加算と高齢者を対象とした口腔機能管理加算が新設された。全身的な疾患を有する患者に対する評価では、歯科治療総合医療管理料(Ⅰ)が廃止され、歯科疾患管理料の加算点数として総合医療管理加算が新設された。また、咀嚼能力検査、咬合圧検査、精密触覚機能検査、高強度硬質レジンブリッジなど新しい検査、技術項目も示された。

 在宅医療に関しては、急性対応加算が廃止されて、歯科訪問診療料に包括されるほか、外来で受診していた患者が通院困難となり歯科訪問診療に移行した場合に算定する歯科訪問診療移行加算(新設)などが評価された。訪問歯科衛生指導料については、複雑なもの、簡単なものによる区分が廃止され、新たに「単一建物診療患者」という考え方が導入された。

 なお、2月7日には答申がされる予定である。

 協会では3月末に会員を対象にした新点数説明会を開催する。ぜひ、スタッフの皆さんと一緒にご参加頂きたい。

 ご案内は協会の機関紙またはホームページ(/wp/event/12037/)でお知らせしている。

※参考 中医協(2018年1月24日)http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000191961.html

 ○個別改定項目(その1)について 総-1(PDF:1,709KB)

歯科医師から「か強診」の改善私案含め意見陳述/中医協が地方公聴会を開催

 

歯科医師からか強診の改善私案含め意見陳述/中医協が地方公聴会を開催

中医協(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)の地方公聴会が1月19日、東京ベイ幕張ホールで開催された。中医協の仕組みの上では総会となっているこの公聴会では、千葉県内の医療提供者他合計10名が意見陳述した。10人の内訳は医療提供者5人(医師2人、歯科医師1人、薬剤師1人、看護師1人)、保険者、地方自治体、企業経営者、患者、連合が各1名となっている。

歯科医師からの意見発表は、千葉県長生郡長南町の毛取健至氏が行った。毛取氏は、歯科の地域完結型医療への参加促進の必要性を指摘した上で、か強診について歯科検診や学校検診への参加することを求めた。また、歯科衛生士問題にも言及し、歯科衛生士を雇用できない実情を考慮して、か強診や医管の施設基準のあり方の見直しを求め、その改善に向けた一案として、「例えば、か強診なら、地域の保健所の歯科衛生士との連携でも可」とする考えなどを説明した。そのほか、次期改定との関連では、①歯科金属の価格変動が激しいため、メタルフリーを推進してほしい、②継続管理をすると、1初診1回の点数が算定できない問題の解決を、などを挙げた。

なお、今回の公聴会での意見も考慮し、中医協は来る2月7日に加藤勝信厚生労働大臣に次期診療報酬改定についての「答申」を行う予定だ。

 

歯科診療報酬改定への協会の対応や「学校歯科治療調査」への取り組みに注目/第5回メディア懇談会を開催

 

歯科診療報酬改定への協会の対応や「学校歯科治療調査」への取り組みに注目/第5回メディア懇談会を開催

協会は本日1月12日、協会会議室で2017年度第5回メディア懇談会を開催した。2008年3月の第1回開催域腕は、通算66回目の開催となる。司会は広報・ホームページ部長を務める早坂美都理事が務め、地域医療部長でもある馬場安彦副会長が参加した。メディア側の参加は5社・5名。

今回の話題は、①1月1日付「2018年会長年頭所感」、②1月1日付「政策委員長談話」、③次期歯科診療報酬改定に関する現時点の主な特徴、④2018年度新点数説明会の紹介と取材案内、⑤協会実施の「学校歯科治療調査」の現状、⑥2018年度第46回定期総会の開催日と会場、および取材案内―などとした。

◆歯科感染対策

政策委員長談話とも密接に関係してくる次期歯科診療報酬改定に関しては、歯科感染対策をめぐる新たな施設基準と初・再診料の関係、歯科感染対策と米国商工会議所の関連などについての発言が続いた。中でも「患者サイドに立った場合、感染対策の関連で初・再診料に高低ができた場合、患者は感染対策をとっている初診料が高い歯科診療所に通うとは限らない。安いほうへ行く患者もかなり出てくるのではないか」「米国商工会議所が、以前から日本の歯科に対し、罰則付きの感染対策をとるよう求めている」「感染対策をめぐり、国内で個々の診療所に対応することと、対外的に示すことは違う」などが注目された。

◆学校歯科治療調査

その他、協会が実施し、現在集計を急いでいる「学校歯科治療調査」についても議論が巻き起こり、都内では、原則、高校生までは無料で歯科を受診できるのに、受診しない生徒がいることについて関心が集まった。その中では、正確な集計以前ではあるものの「ネグレクトではないのか」などの意見があがった。

◆その他

なお、2018年度第46回定期総会は来る6月10日(日)に中野サンプラザで開催する。詳細は決まり次第、本誌、あるいはホームページで周知を図る。

2018年度診療報酬改定を中医協に諮問/加藤厚労大臣が本日12日に中医協総会で

 

 

2018年度診療報酬改定を中医協に諮問/加藤厚労大臣が本日12日に中医協総会で

厚生労働省の加藤勝信大臣は1月12日、同省2階講堂で開催された中医協総会で、懸案となっていた2018年度診療報酬改定を諮問した。総会では、10日に提示された「平成30年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)」について検討を加え、おおむね了承した。同省では、この整理(案)に関するパブリックコメントを募る準備に入ったほか、今月19日に開催する中医協公聴会を迎える予定だ。

なお、中医協から加藤厚労大臣への答申は、2月中旬の見込みだ。

加藤厚労大臣から中医協への諮問書PDFダウンロードはここをクリック

加藤厚生労働大臣からの諮問書

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆改定骨子の整理案における歯科に関する主な内容

この改定骨子の整理案の中で、特に歯科医療関連内容をみると、院内感染防止対策に伴う初・再診料の引き上げ、口腔機能低下に対する加算の新設、訪問歯科衛生指導料の見直しなどを打ち出している。

注目されていた初診料と再診料のあり方をめぐっては、引き上げ方針を示すとともに、院内感染防止対策についての新たな施設基準を設け、その診施設基準の届出を行わない場合には、初・再診料を減算するとしている。

口腔機能低下への対応では、機能不全著しく継続的管理が必要な患者に対する評価加算を新設する考え方が明記された。

一方、医科歯科連携推進の観点からは、歯科診療を行う上で必要な診療情報や処方内容等の診療情報を「かかりつけ歯科医とかかりつけ医との間で共有した場合の評価をそれぞれ新設する」方針を打ち出している。また、診療情報提供料(Ⅰ)のシカイリョ右記間連携加算を算定できる歯科医療機関に歯科訪問診療を実施する歯科医療機関を追加することとし、対象患者に摂食機能障害を追加する考え方を打ち出している。

そのほか、「か強診」の施設基準が見直されるほか、歯科訪問診療料、在宅患者等急性歯科疾患対応加算などの加算の見直しなども打ち出されている。

 

医科系メディアから見た歯科医療界⑩ 開業医にも求められているパラダイムシフト/医科に先行する歯科の「開業」

開業医にも求められているパラダイムシフト/医科に先行する歯科の「開業」

 次期診療報酬改定については、全体の改定率はマイナス、人件費などに充てる本体部分はプラスとすることで決着した。財務省は本体もマイナス改定を求めていたが、安倍政権を支持する日本医師会のプラス改定の主張を政権が受け入れた。

ところで、改定率も重要だろうが、長期的なトレンドに目を向ける必要がある。それは、人口と財政と技術の変化である。

◆長期的なトレンドに注視する必要が

人口は、少子高齢化により税や社会保険料を払う世代が減少する一方、高齢化で急性期より慢性期の疾患が増える傾向にある。対策として、地域包括ケアシステムの構築が進められている。

財政では、法人税収の大幅減収に伴い、社会保障費の安定的財源として消費税に頼らざるを得ない状況だ。201910月に、消費税率を現在の8%から10%へ引き上げることが予定されているが、教育無償化の財源を社会保障費のカットで捻出すれば、社会保障が圧迫されるだろう。

技術では、AI(人工知能)やICT(情報通信技術)を活用し、がんゲノムや再生医療などの基盤を整備、コストなどを最小限に抑制できる体制作りが進められている。

少子高齢化についていえば、高齢化で医療ニーズが増える一方、医療に従事する働き手が減少する。その結果、医療機関では採用難となる。

◆社会の変化踏まえた経営者としての課題

トレンドとしては病院数が減少し、診療所数は微増している。医師数は国家試験により新規参入数はあまり変わらないので、病院に就職できない医師が増え、開業したり大型診療所に就職するケースが増える可能性がある。開業医や大型診療所のトップは社会の変化を見据え、医療マーケティング、ブランディング、採用やマネジメント、自由診療などが重要課題となる。

医科で今後起きそうな事態は、歯科ではすでに起きているだろう。元々、総合病院で働く歯科医師はほとんどおらず、開業がキャリアパスのメインとなっている。「予防」や「審美」の観点から、自由診療も進んでいる。医科の開業医にとっては供お手本僑になるだろう。

以前、『集中』で取材した医療法人社団ナイズの白岡亮平理事長は、医科の開業医の成功例だ。32歳で開業。38歳の現在、診療所を都内5カ所に展開、ICTを活用したりして多拠点運営を成功させている。「社会に適応した診療所は、患者さんの納得を得られ、社会保障制度的にも妥当性のある医療を提供でき、かつ継続可能性の高い経営をしている」と話す。開業医にもパラダイムシフトが求められている。

 

筆者:元「月刊 集中」編集長 鈴木義男

「東京歯科保険医新聞」201811日号5面掲載

医科系メディアから見た歯科医療界⑨ 普段からの付き合いが物を言う外部を巻き込んだ活動/政治的解決が必要な問題が多いが故に

普段からの付き合いが物を言う外部を巻き込んだ活動/政治的解決が必要な問題が多いが故に

医療界をリードしている人物は誰か。政府、厚生労働省が医療政策におけるカウンターパート(対応相手)と見ている人物は誰か。それは日本医師会(日医)の横倉義武会長というのが衆目の一致するところだろう。日医と病院団体は、以前は関係が疎遠な時期もあったが、現在は緊密な関係を築いている。

◆安倍首相や他業界とも親密な横倉日医会長

日医の横倉会長は日本歯科医師会(日歯)、日本薬剤師会(日薬)とともに称される「三師会」をもリードし、記者会見を主導したり、学術大会で積極的に発言したりしている。

また、安倍晋三首相とメールのやり取りができる個人的な関係を築いていることでも知られる。2018年度診療報酬改定についても、安倍首相と面会し、医師らの技術料に当たる本体部分のプラス改定を求めている。

一方、歯科界を牽引している人物は誰か。政府、厚労省が歯科医療政策におけるカウンターパートと見ている人物、歯科医師であれば誰もが思い浮かべる人物は誰か。それは、日歯の堀憲郎会長か。

堀会長は日医の横倉会長のように安倍首相と面会したことがあるのだろうか。横倉会長の後塵を拝することなく、歯科診療報酬のプラス改定に向け、首相に働きかけなければいけない立場のはずだが、ここ数年、歯科界を駆けめぐった状況では、それは難しいと思われる。

◆貴会の対外活動もより一層の奮闘を

安倍首相は2014年、当時の大久保満男日歯会長らと会食しているが、その際、高齢社会における歯科医療の役割を力説していた高木幹正・日歯連会長(当時)は、翌2015年に政治資金規正法違反で逮捕され、現在、公判中の身である。逮捕の数カ月前には、日歯会長にも就いていた。

このような状況では、日歯側から首相側にコンタクトをとることは、かなり難しいものと考える。まして、2004年に続く2度目の日歯連事件だ。

次期診療報酬改定をめぐる議論が大詰めを迎えている。貴会でもホームページで「診療報酬の引き上げと患者窓口の軽減を求める要請署名」の協力を求めている。しかし、会員の署名は一割ほどしか集まっていないと聞く。会員の危機意識、関心はどうなっているのか。坪田有史会長に求心力が求められる時である。国会議員や厚生労働省などとの日常的な付き合いや駆け引き。会員や市民との接触は、これまでにも増して、強くすることが必要なのではないか。

会長以下、自院を経営しながらの協会活動であることは承知している。各種の活動には自ずと限界があるものと察する。しかし、それでもあえて、今後のより一層の奮闘を求めたいところだ。

 

筆者:元「月刊 集中」編集長 鈴木義男

「東京歯科保険医新聞」2017121日号6面掲載