年別アーカイブ: 2019年

注目される歯科関連の議論/第200回臨時国会が開会

 

注目される歯科関連の議論/第200回臨時国会が開会 

10月4日から第200回国会(臨時国会)が開会する。先の内閣改造で、新たな厚生労働大臣には加藤信勝氏(厚労大臣就任は2度目・自民党前総務会長)。厚生労働副大臣には稲津久氏(衆議院議員・公明党)、橋本岳氏(衆議院議員・自民党/元厚労副大臣)の2氏。政務官に小島敏文氏(衆議院議員・自民党)、自見英子氏(参議院議員・自民党)の2氏を配している。2018年、2019年の各骨太方針で、歯科医療の重要性が繰り返し指摘されている中、今臨時国会でどのような議論が行われるか、注目されるところだ。

 

歯科医師臨床研修制度改正ワーキンググループを開催/議論集約に向け検討

 

歯科医師臨床研修制度改正ワーキンググループを開催/議論集約に向け検討 

厚生労働省は9月30日、第9回歯科医師臨床研修制度の改正に関するワーキンググループ(座長/一戸達也東京歯科大学教授)を同省内会議室で開催した。その中では、①歯科医師臨床研修度の研修内容、②臨床研修施設・指導体制の見直し―などの現状や問題点を取り上げるとともに、これまでの議論集約に向けた検討を行った。

構成員から強い要望が出ていた「施設・指導」に関連しては、歯科大学や病院歯科、歯科診療所などの各施設の特徴を踏まえての期待感も示された。また、臨床研修の協力型施設の概要なども紹介された。

 

2019年10月1日以降の酸素単価の変更について

 酸素の点数は、前年1月から12月までに購入した酸素の対価及び容積から「単価」を算出し、結果を地方厚生(支)局長に届出した上で、算定します。

 2019年10月1日から2020年3月31日まで算定する酸素の「単価」については、2018年1月1日から同年12月31日までの間に購入した酸素の対価に108分の110を乗じて算出するため、2019年10月1日から酸素の価格に変更が生じる場合があります。

 計算をした結果、単価に変更が生じる場合は、10月以降は変更後の単価にて算定して下さい。

                   記

 

1.酸素の単価の変更イメージ

例:離島等以外・小型ボンベ の場合で、2018年1月~12月の購入実績が、

  購入対価10,389円・購入容積4,500リットルだった場合

①2019年4月1日~9月末まで

:10,389円÷4,500リットル=2.31円

②2019年10月1日~2020年3月末まで

:{10,389円×(110/108)*1}÷4,500リットル=2.35円*2

*1:購入対価は、小数点第1位を四捨五入して算出する。

*2:単価は、小数点第3位を四捨五入して算出する。

⇒10月からの単価が、2.31円から2.35円に変更される。

 

2.酸素の単価の上限額

 

2019年9月末まで

2019年10月以降

離島等以外

離島等

離島等以外

離島等

1.定置式液化酸素貯槽(CE)

2.可搬式液化酸素容器(LGC)

3.酸素ボンベの場合

(1)大型ボンベ

(2)小型ボンベ

0.19円

0.31円

 

0.41円

2.31円

0.28円

0.46円

 

0.62円

3.09円

0.19円

0.32円

 

0.42円

2.36円

0.29円

0.47円

 

0.63円

3.15円

                                       以上

12月1日よりハイブリッドコートⅡが保険収載

9月25日に開かれた中央社会保険医療協議会総会(中医協)にて、ハイブリッドコートⅡ(サンメディカル株式会社)の保険収載が了承された。12月1日より保険請求できる。

中医協で示された資料によると、本製品は、象牙細管の封鎖又は歯質と修復物、補綴物等との界面の封鎖に用いる歯科用シーリング・コーティング材。本製品を用いて、生活歯歯冠形成を行った歯に対し、象牙細管の封鎖を目的としてコーティング処理を行った場合に、30点を算定できる。

具体的な取り扱いは、今後通知される予定となっている。

第3回~女性会員交流会~

今年で3回目となる女性会員交流会を開催します。昨年に引き続き、今回も“和”をテーマにお料理、お飲み物を楽しみ、さらに、女性会員同士の“和”も広げたいと思います。初めての参加者でもすぐに打ち解け、診療や医院の経営などお仕事の話から、育児・介護などライフスステージに関わる不安や心配、さらに趣味や習いごとなど何でもざっくばらんに語り合える交流会です。美味しいお料理とお酒を囲んで、楽しいひと時を一緒に過ごしましょう♪

 

※朗報※京都の老舗 銘酒「玉乃光」が楽しめます。玉乃光の蔵元さんより貴重なお話を伺いながら、京野菜を始め、京都ならではの食材を使ったお料理とのマリアージュを味わうことができます。

 

日 時:10月19日(土) 午後6時~8時30分

会 場:旬菜寿司割烹 二色 (千代田区神田錦町3-28 学士会館1F)

対象者:女性会員限定(お子様同伴の場合は事前にお申し出下さい)

参加費:10,000円

定 員:15名(定員になり次第締切となります)

交 通:都営三田線/都営新宿線/東京メトロ半蔵門線「神保町」駅下車A9出口から徒歩1分、東京メトロ東西線「竹橋」駅下車3a出口から徒歩5分、JR中央線/総武線「御茶ノ水」駅下車御茶ノ水橋口から徒歩15分

要予約:電話03-3205-2999(担当:組織部)  

厚生労働大臣に加藤勝信氏/厚労大臣は2回目の就任/今後の動向には充分な注意が必要な「全世代型社会保障改革検討会議」

 

厚生労働大臣に加藤勝信氏/厚労大臣は2回目の就任/今後の動向には充分な注意が必要な「全世代型社会保障改革検討会議」 

911日、内閣改造が行われた。医療界に重要な影響を及ぼす厚生労働大臣には加藤勝信氏(衆議院議員、岡山5区、自民党総務会長)が就任した。厚労大臣就任は今回で2回目となる(201783日~2018102日)。昨晩のマスコミ会見では、2020年診療報酬改定を前にしているものの、診療報酬改定や医療政策に関する具体的内容についてのコメントはなく、「医療、年金、介護、子育て、児童虐待、障害者雇用を始めとした雇用政策、働き方改革、さらには健康・予防づくりといったすべての世代が安心できる社会こそ諸制度の改革に積極的に取り組む」と述べるにとどまっている。

ただ、安倍首相が行った記者会見では、「全世代型社会保障改革検討会議」を設置し、来週、初会合を開催するとの発言があり、その点についての記者からの質問については、「医療、年金、介護、働き方改革などがあり、担当大臣として西村大臣と連携を図り、一つひとつ答えを出していきたい」と述べている。

新大臣就任に合わせ、これから副大臣、政務官の人選が行われるが、厚労省の場合、厚生担当副大臣、労働担当副大臣に誰が就任するのか、そちらにも注目する必要がある。

 

「歯援診」への考慮を指示する内容明記/厚労省が在宅医療・介護連携ワーキンググループを開催

「歯援診」への考慮を指示する内容明記/厚労省が在宅医療・介護連携ワーキンググループを開催

厚生労働省は9月6日、「第9回在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」を同省内会議室で開催した。

今回は、第7次医療計画における在宅医療を見直す関係から、参考人を招いて在宅歯科医療提供体制の確認・報告・議論が行われた。歯科医療界からは、日本歯科医師会副会長の佐藤保氏が欠席となったため、その代理として日歯常務理事の小玉剛氏が出席した。

席上、厚労省医政局歯科保健課から、在宅歯科医療に関する数値目標の指標例の考え方などが呈示された。課題としては、①医科歯科連携の推進、②歯科医療と介護との連携・歯科医療機関の連携、③要支援・要介護に関わる高齢者に係る他職種との連携―などが指摘された。

さらに、今後必要となる検討事項としては、(1)訪問歯科診療を実施している・病院数も重要だが、より充実している在宅療養支援歯科診療所を考慮すべきはないか、(2)訪問歯科に関しては、帯同する歯科衛生士の活用把握が必要で、歯科訪問料の歯科訪問診療補助加算の算定を検討してもいいのではないか、(3)在宅歯科医療の基本構造として、在宅歯科医療に関する連携拠点数が考えられるのではないか―などが明示された。

 

10月改定早見表

 10月より消費税増税に伴う初・再診料や実勢価格改定に伴う材料価格及び薬価が改定となります。それにより、①初・再診料及び歯科訪問診療料、②歯科用金属、③特定保険医療材料、④薬価及び⑤居宅療養管理指導が改定されます。

 主な改定点数を表に掲載しますので、下記よりご覧ください。なお、会員の方につきましては「東京歯科保健新聞2019年9月1日号・2面」に掲載をしております。

 

地域医療部長談話「大規模災害に備え、歯科医院の十分な体制整備を」 (機関紙2019年9月1日号<№594>2面掲載)

 

 地域医療部長談話大規模災害に備え、歯科医院の十分な体制整備を (機関紙2019年9月1日号<№594>2面掲載)

2011311日に発生した東日本大震災は、大きな地震による直接的な被害に加え、津波や福島原発事故等により、大きな被害をもたらした。東京でも震度35の揺れが起き、交通機関が麻痺し、多くが帰宅困難者となり、物流にも影響が見られた。

協会は20114月~8月にかけ、宮城県石巻市周辺の避難所における医療・保健活動や現地の歯科医療に繋げる活動、歯科医療ニーズの収集等、計十回の歯科医療支援活動を行った。発生から3週間経過していたが、避難所は被災者でいっぱいであった。ライフラインはまだ復旧しておらず、水は自衛隊、電気は大型発電機によって供給されていた。口腔衛生状態の不良は肺炎やインフルエンザ等の呼吸器感染症を起こしやすくなることが多いとされており、被災地における口腔清掃、口腔管理は非常に重要である。

近年日本では、大きな災害が立て続けに起こっており、今後も各地で大規模な災害が起こる可能性は高い。今まで、被災地を支援する立場にあった私たちが、被災者になることも十分考えられる。

災害時には、医療従事者として、医療提供体制の整備を優先して行う必要がある。併せて、自分自身や家族、スタッフ、診療所を守ることも大切である。その上で、地域医療へと役割を拡げていけるものと考える。ゆえに、日頃から十分な心構えと準備、地域や行政等との連携体制の構築も重要である。

東京医科歯科大学の中久木康一氏は、歯科医院での災害対策について、「自院のリスクを知る」ことと「災害時における歯科医療従事者に求められる役割」を日頃から意識することが大切であると指摘している。首都中枢機能への影響が懸念される首都直下地震ならびに関東から九州の広い範囲で強い揺れと高い津波が懸念される南海トラフ地震が発生する確率が今後30年以内に70%と高い数字で予想されている現在において、大変重要な指摘である。

関東大震災が発生した91日は防災の日である。改めて、災害対策を見直すに大変いい機会である。災害は防げるものではないが、備えることはできる。いつ起きてもおかしくない大規模災害に備え、歯科医院でも十分な体制整備について考え、備えて欲しい。

当協会では、今後も災害対策に関し、機関紙やHPを通じ、情報発信や研究会の開催などに取り組んで行く。その取り組みのひとつとして、中久木康一氏の執筆による「災害対策」に関する内容で20199月号機関紙より連載企画を行う。ぜひ、お読みいただきたい。

201991

東京歯科保険医協会

地域医療部長

横山靖弘

 

理事会声明「口腔機能に関するガイドラインと診療報酬での評価を求める」(機関紙2019年9月1日号<No.594>6面掲載)

 

理事会声明「口腔機能に関するガイドラインと診療報酬での評価を求める」(機関紙2019年9月1日号<No.594>6面掲載) 

歯科疾患実態調査などから、小児う蝕の減少や高齢者の残存歯数の増加などが既に起きている。これらは、歯科の果たす役割が形態の回復から口腔機能の管理へとシフトしつつあることを示している。健康寿命の延伸、低栄養や筋肉の低下の問題解決には、口腔機能が低下している高齢者の機能を維持・回復させることが重要である。また、その対極にある口腔機能の発達に遅れがある小児に機能を獲得させることについても取り組むべきものである。

こうした中、2018年度診療報酬改定で、小児を対象とした口腔機能発達不全症と高齢者を対象とした口腔機能低下症の管理が保険収載された。しかし、収載されて1年以上が経ち、協会は研究会など通して周知してきたが現場で広がっている実感はない。口腔機能の重要性が国民に広く浸透できていないことや、「治療時間や経費がかかるのに評価が低い」、「診断後に具体的には何をしたらよいのかが明らかでなく、取り組みにくい」など患者に提供する上での課題もあり、普及していかないのが現状だ。このままでは、口腔機能発達不全症や低下症の患者が、必要な管理を受けられずに見過ごされてしまうだろう。

解決するためには、「口腔機能低下症に関する基本的な考え方(平成303月)」などに加え、医療機関の実態に即したより分かりやすく管理方法を示したガイドラインの発出が早期に求められる。また、診断に必要な検査や管理を、診療報酬でさらに評価し、対応できる医療機関を増やすことも必要である。

この声明は、口腔機能の発達不全症・低下症である患者に必要な医療を提供することを目的に、ガイドラインの発出と、診断および管理に関する診療報酬の更なる評価を求めるものである。

201991

東京歯科保険医協会理事会

 

2019年10月診療報酬改定通知が発出

 

厚労省より2019年10月の診療報酬改定に係る通知が発出されました。

(1)初診料・再診料及び歯科訪問診療料、(2)金パラ等の貴金属、(3)特定保険医療材料、(4)薬剤料の一部改定が行われます。

詳細は協会機関紙9月号に掲載予定です。

 

 

【主な改定項目とその差】

(歯初診届出医療機関)

歯科初診料      237点 → 251点(+14)

歯科再診料       48点 →  51点(+ 3)

歯科訪問診療料1  1036点 →1100点(+64)

歯科訪問診療料2   338点 → 361点(+23)

歯科訪問診療料3   175点 → 185点(+10)

 

FMC(金パラ)

 小臼歯       821点 → 876点(+55)

 大臼歯       967点 →1044点(+77)

 

前装MC(金パラ)

 前・小臼歯    1632点 →1700点(+68)

 

インレー(金パラ)

 前・小臼歯(単純) 309点 → 327点(+18)

 前・小臼歯(複雑) 521点 → 557点(+36)

 大臼歯(単純)   365点 → 391点(+26)

 大臼歯(複雑)   608点 → 656点(+48)

 

CAD/CAM冠

 小臼歯      1485点 →1489点(+ 4)

 大臼歯      1723点 →1733点(+10)

 

※厚労省HP「令和元年度診療報酬改定について」に通知が掲載されています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00026.html

予約受付中!若手歯科医師向け学術ベーシック講座

●「第1回:デンチャーのベーシック」

講師:山本鐵雄 氏(東京歯科保険医協会 副会長)

日時:8月24日(土) 午後7時~午後9時

義歯を装着して、しばらくしたら患者がフェードアウトしていたという経験はありませんか?きっと、その患者さんは、今よりもより良い義歯を求めて他の歯科医院を探しているでしょう。恐らく、皆さんの義歯に関する知識は学生と変わらないと思います。排列する時には歯槽頂間線の法則、下顎の床後縁はレトロモラーパッドを覆うことが大切だと本気で思っているんでしょうか?今回のベーシック講座では、臨床にこだわった考え方やテクニックについてお話ししたいと思います。一緒に補綴の王道を歩みましょう。(講師より)

●「第2回:基本的な歯周治療の考え方」

講師:加藤開 氏(東京歯科保険医協会 副会長)

日時:9月28日(土) 午後7時~午後9時

日々の診療において歯周病の治療はごく当たり前にスケーリング等を行っています。日々行っている歯周治療の基本的な考え方と必要性についてもう一度見直してみませんか?歯周基本治療において、日々の診療での治療の進行過程や治療の期間の間隔等、疑問に思うことや治療の必要性について一緒に考えてみましょう。歯周病の診断と治療方針について歯周基本治療のポイントを押さえて解説します。(講師より)

~会場~

東京歯科保険医協会・協会会議室

住所:新宿区高田馬場1-29-8 いちご高田馬場ビル6階

交通:JR山手線戸山口、西武新宿線戸山口、東京メトロ東西線3番・5番出口より徒歩5分

~対象者~

40歳代までの会員限定(ご本人のみ)

~参加費~

各回4,000円

~定 員~

各回30名(定員になり次第締切)

~要予約~

☎03-3205-2999(担当:社保・学術部)

 

共済部長談話「保険医への休業時の公的保障を求める!」 (機関紙2019年8月1日号<№593>2面掲載)

共済部長談話「保険医への休業時の公的保障を求める!」 (機関紙2019年8月1日号<№593>2面掲載)

全国保険医休業保障共済会(以下、「休保共済会」)は、201981日付で保険医休業保障共済制度(以下、「休保制度」)の約款改定を行い、制度が改善された。

過去、休保制度は2006年の保険業法改定により、募集停止しなくてはならなくなった。これに対し、当協会の会員を始め、全国から制度存続への強い要望が出され、全国保険医団体連合会(以下、「保団連」)を中心に、署名活動、国会要請などの運動を行った結果、2013年に保険業法が再改定された。これは、一定の要件を満たせば認可を受け、以前と同じ制度を継続できるというものである。保団連は要件の一つである休保共済会を設立し、認可特定保険業者として認可を受け、制度を包括移転することで、募集再開を達成した。その後、全国から寄せられた要望を踏まえ、休保共済会を中心に制度改善の議論を行ってきたが、改定には金融庁の認可が必要であり、多くの時間が必要であった。

そもそも休保制度は、病気により長期療養を余儀なくされた開業保険医が、休業中に公的保障を受け取ることができず、生活に困窮し、果ては生活保護に頼らざるを得なかったことを契機に発足した制度である。開業保険医は公的医療を国民に提供しているにもかかわらず、休業時の公的保障がないため、長期休業時には生活に支障をきたしてしまう。さらに状況によっては閉院せざるを得なくなり、本人だけでなく、従業員の生活にまで支障をきたす可能性すらある。また、閉院は通院している患者の治療中断を招き、転院再治療や患者が治療を放置することで医療費の拡大につながるなど、地域医療にも大きな影響を与える。そのため、病気にかかっても療養することを選択できず、不幸な結果になってしまったケースもある。

本来であれば、公的医療を提供し、国民の健康を守っている開業保険医に対して、国は公的保障を用意し、安心して診療に従事できる環境を整えるべきである。協会、保団連は開業保険医の休業に対する不安を解決するための公的制度の確立を長らく求めてきたが、その実現には至っていない。

今後も保団連、全国の保険医協会・医会と協力し、地域医療を守る会員が安心して診療ができるよう、休保制度の充実に努めるとともに、改めて国に対し、休業時の公的保障の確立を求める。

201981日 

東京歯科保険医協会共済部部長

川戸二三江

 

~TBI&PMTC・デブライドメント~  

患者さん一人ひとりの口腔の健康を維持するために必要なことは、“セルフケア”と“プロフェッショナルケア”の両立です。本講演では、すぐに実践できるセルフケア(TBI)のポイントとプロフェッショナルケア(PMTC・デブライドメント)について具体的にお話します。昨年に引き続き、いくつかの症例についてワークシートを用いた実践的な演習も行い、動画で実際のPMTC・デブライドメントを見ていただきながら学んでいただくなど、参加型の講習会にしたいと思います。                                             (講師より)

 

 

講演内容

[第一部]

★ TBIで大切なこと
★  歯科衛生過程とは?
★  セルフケア指導演習
・患者さんへの声かけ
・セルフケア製品の選び方
・症例別イメージトレーニング

[第二部]

★  PMTC再考
★  動画でわかるPMTCとデブライドメント
★  歯周治療とメインテナンス(SPT)
★  有病者・ドライマウス・周術期の口腔ケア
★  メインテナンスを継続させるために

 

日 時:25日()  午前10時~午後4時
会  場: ワイム貸会議室 高田馬場
住  所: 新宿区高田馬場1-29-9 TDビル3F
交  通:JR、東京メトロ東西線
西武新宿線高田馬場駅下車徒歩5分
参加費 : 1人 8,000 円 (昼食代込)
対  象: 歯科衛生士
定  員:70名
要予約 :03-3205-2999(担当:経営管理部)

 

♬嬉しいおやつタイムあり♬

 

 

 

チラシTBI

歯科医療関係者も今後の動向には注意が必要/今後控えている各種選挙

歯科医療関係者も今後の動向には注意が必要/今後控えている各種選挙 

参院議員選挙が7月21日に投開票が行われ、歯科医師を含む医療関係職種からの立候補者の当選・落選から10日が経過した。明日、8月1日から臨時国会が開催される予定だが、すでに医療界では2020年診療報酬改定に向け、9月以降、中医協ほか関連検討機関で協議・検討が行われる。

一方、来年の東京都知事選挙、再来年の東京都議会議員選挙、3年後の2022年に参議院選挙。さらにその間、2021年に任期満了を迎える衆議院選挙も行われるため、今後も選挙に関する動向には注意が必要だ。

 

歯科医師の島村大氏が当選し2期目へ/第25回参議院選挙投開票終わる

歯科医師の島村大氏が当選し2期目へ/第25回参議院選挙投開票終わる 

参院議員選挙の投開票が7月21日に行われた。歯科界としては、全国比例候補の比嘉なつみ候補と神奈川県選挙区の島村大候補が立候補していたが、島村候補は当選(917,058票・1位当選:定数4)という結果となった。

なお、今回の参議院選挙における医療関係職種からの立候補者12氏のうち、当選したのは以下の9氏。 

【比例】

◆医師

・梅村聡:日本維新の会/元

・羽生田俊:自由民主党/現職

・小池晃:日本共産党/現職

・塩見俊次:立憲民主党/新人

◆薬剤師

・本田顕子:自由民主党/新人

◆看護師

・石田昌宏: 自由民主党/現職 

【選挙区】

◆歯科医師

・島村大:自由民主党/現職/神奈川

◆医師

・古川俊治:自由民主党/現職/埼玉

・小松裕:自由民主党/新人/長野

 

「21世紀にふさわしい歯科改革提言 2019年版」を発刊しました/ぜひご一読ください

 

「21世紀にふさわしい歯科改革提言 2019年版」を発刊しました/ぜひご一読ください

この度協会は「21世紀にふさわしい歯科改革提言」を改訂し、新たに2019年版として発刊しました。この2019年版では、不十分な社会保障制度が安心・安全な歯科医療の提供に問題を生じさせていることを指摘しつつ、歯科医師が果たす役割が以前とは変わってきたことを盛り込んでいます。

今までの歯科治療は、う蝕を削って詰めるなど「形態の回復」といわれる修復や補綴治療が中心でした。しかし近年、厚生労働省の検討会でも示されているように、小児におけるう蝕の減少や高齢者における残存歯数の増加などがみられることから、今後は全世代で咀嚼などの口腔機能を維持管理する、すなわち「口腔機能管理」が重要視されています。換言すれば、「口腔機能管理」が必要な患者が増えるので、社会的にそれらの患者に対応できる歯科医師が求められてきます。

また、このような歯科医療のニーズの変化は、患者の口腔内だけではありません。高齢者が増えることで歯科医院に通院できない患者も多くなり、自宅や施設で療養している患者にも歯科医療を届けることが必要になります。したがって、「訪問診療をしてほしい」というニーズが今後は増えてくるでしょう。患者や家族をはじめ、訪問診療をしている医師やケアマネージャーなどの他の多くの職種から寄せられるこういった要望に応えることが大切になってきます。2019年版では、それらを踏まえた提言をまとめています。

皆様の臨床現場の状況に各々違いがあるとは思いますが、歯科医療の大きな変化の中で、各歯科医療機関が各地域で果たす役割について考える契機になれば幸いです。

 

なお、歯科の役割を十分に発揮させるためには、それを阻むものを改善させたり、診療報酬などで十分評価することが必要です。協会はそのために厚生労働省への要請をはじめ、積極的に諸活動を行ってまいります。

 

歯科医師からは2氏が立候補/第25回参議院議員通常選挙が公示

 

歯科医師からは2氏が立候補/第25回参議院議員通常選挙が公示 

25回参議院議員通常選挙の公示が74日(木)に行われ、21日(日)の投開票日まで18日間の選挙活動が始まった。各候補とも、選挙事務所を構え、4日には出陣式を行うなどし、その後はターミナル・ステーション前のロータリーや、往来の多い交差点などで立会演説を行うなど、活発な選挙活動を繰り広げている。

4日時点で当協会でチェックしたところ、医療関係職種の医師、歯科医師、薬剤師、看護師からの立候補者は12氏。その内訳は、歯科医師は2氏、医師8氏、看護師1氏、薬剤師1氏となっている。

今秋10月に予定されている消費税の税率10%への引き上げ問題はもとより、憲法改正問題、安全保障問題、外交問題、さらに当協会の第47回定期総会の記念講演で講師の橋本健二氏(早稲田大学人間科学学術院教授)が指摘した格差と貧困の問題などが大きな争点になるものと考えられる。

なお、立候補者は以下の通り(順不同、敬称略)。

【比例】

◆歯科医師

・比嘉奈津美:自由民主党/新人

◆医師

・梅村聡:日本維新の会/元

・羽生田俊:自由民主党/現職

・小池晃:日本共産党/現職

・塩見俊次:立憲民主党/新人

・浜田聡:NHKから国民を守る党/新人

◆薬剤師

・本田顕子:自由民主党/新人

◆看護師

・石田昌宏: 自由民主党/現職

 

【選挙区】

◆歯科医師

・島村大:自由民主党/現職/神奈川

◆医師

・古川俊治:自由民主党/現職/埼玉

・小松裕:自由民主党/新人/長野

・玉田憲勲:無所属/新人/広島

 

参加しよう 東京保険医協会の研究会・講習会

参加しよう

東京保険医協会の研究会 &講習会

◆東京歯科保険医協会と東京保険医協会(鶴田幸男会長/以下、「医科協会」)では、医科歯科連携活動の一環として、双方で開催する講習会、研究会等の一部について相互に参加できるように企画しています。

◆今回もその一環として、医科協会から以下の講習会、研究会への参加について「御案内」がありました。ご希望の方は、直接、医科協会の担当までご連絡ください。その際、当協会の会員であること、会員番号をすぐに確認できるよう、ご準備をお願いいたします。

◆一見、歯科医師、歯科医療、歯科医学とは関係が薄いように感じられる講習会もあると思いますが、時代とともに広がりつつある医療の範疇に含まれるもの。生きることや健康問題への関連性が強い事項。さらに、それらに大きな影響を及ぼす環境問題なども含まれており、広く医療人としての知識のみならず見識を広げ、認識を新たにするためにも、受講されることをお勧めいたします。

【湿潤療法研究会】

・テーマ ①熱傷治療に専門医は不要、②褥瘡のラップ療法 

・日 時 7月6日(土)午後3時から

・会 場 TKP東京駅日本橋カンファレンスセンター

・参加費 無料

☆下記、中央講習会の案内PDFご希望の方はここをクリック!!

 

 

【中央講習会】

・テーマ 今、話題の麻疹と風疹について考える

・日 時 7月8日(月)午後8時から

・会 場 東京保険医協会セミナールーム

・参加費 無料

【循環器研究会】

・テーマ 大災害の時一般住民に多発する静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)の予防と治療

・日 時 7月17日(水)午後7時45分から 

・会 場 東京保険医協会セミナールーム

・参加費 無料

☆下記、中央講習会&循環器研修会の案内PDFご希望の方はここをクリック!!

 

【救急医療シンポジウム】

・テーマ 地域包括ケアとあるべき救急搬送の姿

・日 時 7月20日(土)午後3時から

・会 場 東京保険医協会セミナールーム

・定 員 70名

・参加費 無料

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【水道民営化問題学習会】

・テーマ 水道事業再公営化をめぐる世界の動き

・日 時 7月30日(火)午後7時45分から

・会 場 東京保険医協会セミナールーム

・定 員 80名

・参加費 無料

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第47回定期総会記念講演/「格差問題は最大の政治的争点」と高橋健二教授が指摘

 

格差問題は最大の政治的争点

―早稲田大学教授の橋本健二氏が総会記念講演で訴える

第47回定期総会第2部の「記念講演」では、昨年暮れに「アンダークラス/新たな下層階級の出現」を出版した早稲田大学人間科学学術院教授の橋本健二氏からご講演をいただいた。テーマは「新しい階級社会と健康格差」。社会学者としての観察眼と洞察力、豊富な経験とデータ解析に基づき、現代日本社会の階級構造と「アンダークラス」の出現、そして今後について持論を展開した。司会は、再任直後の坪田有史会長が務めた。

 

◆アンダークラスの誕生

橋本氏は、まず用語としての「格差」に触れ、「日常用語となっており、『格差社会』や『健康格差』など多様に用いられている」と説明。さらに、現代社会の新たな階級構造を①資本家階級、②新中間階級、③労働階級、④旧中間階級―に分け、特に③にメスを入れ、「高度経済成長期の日本では、1970年代半ばには階級による違いが小さい『非階級社会』、『1億総中流化社会』が出現した。しかし、1980 年頃から格差が拡大し始めた」と強調。その原因は、「非正規労働者の激増と労働者階級の二極化」であるとし、橋本氏の2015年のSSM調査に基づく独自データを基に、双方の2005 年と2015 年の個人年収と世帯年収を比較・分析した上、「労働者階級に新たに〝アンダークラス〟が出現した」と指摘。アンダークラスを「パート主婦を除く非正規の労働者階級」と定義した上で、その歴史的な発生経緯、経済面や健康面の実態などを紹介した。

 ※注:SSM調査とは:正式名称は「社会階層と社会移動全国調査」。1955年に第1回を実施。以後、10年間隔で各種団体が実施。2015年調査は日本学術振興会の研究助成で日本の生活と格差問題究明に向け「人生のあゆみと格差に関する全国調査」をテーマに実施。研究代表は東京大学大学院人文社会系研究科の白波瀬佐和子教授。

◆アンダークラスと社会の方向

さらに、アンダークラスは失業者、無業者とともに最下層階級を形成している現実を浮き彫りにし、「格差が大きいことは社会にさまざまな弊害をもたらす」とし、具体例として、①社会的コストの増大、②富裕層・中間層を含むすべての人々の生活の質が低下する、③格差が固定化し、貧困層とその子どもたちの才能が埋もれる、④消費が低迷し景気が後退する―などを挙げた。さらに、総合研究開発機構(NIRA)の試算を引用し、「就職氷河期の就職難は、非正規労働者と無業者を191.7 万人増加させた。このうち77.4 万人は65歳になった時点で生活保護受給者になる。その費用は17.7 ~19.3 兆円」 と指摘。その事態を回避するための具体的な「可能な政策プラン」として、①労働時間の短縮とワークシェアリング、②最低賃金の引き上げ(金額をEU 並み水準へ)、③生活保護制度の改善(資産条件の緩和:100万円までの預金を認める)、④基礎年金を税方式にする―の4政策の実施を提唱し、労働環境や賃金の改善、社会保障制度の拡充と改善を訴えた。 

◆アンダークラスの健康格差と口腔状態

一方、アンダークラスの健康問題については、内閣府の全国調査結果などで作成した独自データを紹介。20~50歳男性の平均身長と平均体重は、アンダークラスが169.4cm、65.8㎏で、資本家階級をそれぞれ3.8㎝、7.1㎏下回るとし、「この差は統計学的にも有意だ」と指摘した。さらに、①都道府県別の貧困率と小中学生のむし歯発生率、②家庭の経済状態と中学生の歯磨き週間、③家庭の就業状態と中学生の歯磨き習慣―の3点に触れ、①に関しては、「貧困率が高い県ほどむし歯の発生率も高いが、東京都は貧困率が高い割合であるものの、むし歯発生率は低いようだ」とし、さらに②と③については、1日2回以上の歯磨き習慣は、非貧困層が68.3%なのに対し、生活保護受給世帯では36.1%にとどまっている。また、家庭の就業状況がアンダークラス世帯の場合、1日2回以上の歯磨き習慣は55%以上に対し、正規雇用共働き世帯は71%以上となっている点などを指摘した。 

◆支持政党との関連

そのほか、アンダークラスと支持政党、政策内容の関心度などにも言及し、各政党の「格差拡大」の認識の違いを明確化した上で、「格差問題は最大の政治的争点」と指摘し、「格差縮小・貧困の解消を争点に、政治改革へ幅広い団結を」と訴えた。

さらに、誰もが何らか要因でアンダークラスに陥る可能性があることに注意を促すとともに、アンダークラスの人々に共感する視点からの社会の見直しが必要であることを示唆し、結びとした。

質疑応答では、教育の無償化、生活保護制度、最低賃金の額、人口減少と日本の将来などについてのやり取りが行われた。

 

第47回定期総会を開催/坪田有史会長を再任

 

第47回定期総会を開催/坪田有史会長を再任

協会は6月16日、中野サンプラザにて2018年度第47回定期総会を開催した。総会には役員、一般会員ら44名が出席、委任状を含めると1042名の出席となり、総会成立要件である会員数の10%を超え、総会は成立した。

今総会は役員改選にあたり、規約に則り総会で理事21名と幹事2名の合計23名を選出し、理事の中から会長および副会長を総会後の理事会で互選した。会長には坪田有史氏が再任、副会長に川戸二三江氏が新任された。

☆新たな役員一覧は下記をご覧いただきたい。

◆各議案を承認

冒頭、挨拶に立った坪田有史会長は、前会長の事業を引き継ぎブラッシュアップしてきたとして、①会員サービスの充実、②「21世紀にふさわしい改革提言2019年版」の発行と活用、③1年間で過去最高の会員増となった会員数の維持を図ること、-を主な活動と今後の取り組み課題に挙げ、2期目に向けての抱負を語った。

続いて早坂美都理事から関係団体や議員からの祝電を披露、その他多数のメッセージが寄せられたことを紹介した。議長には橋村威慶氏(江東区)、副議長に島倉洋造氏(千代田区)が選出され、議事が進められた。

総会議事では、加藤開副会長が「2018年度活動報告」を提案、半田紀穂子理事が「2018年度決算」を報告。浅井武彦監事が「会計監査報告」と「会務報告」を行い、討議のうえ、承認された。

続いて、馬場安彦副会長が「2019年度活動方針」を、半田紀穂子理事が「2019年度予算案」を提案し、質疑討論のうえ、いずれも承認された。続いて、新監事に藤野健正氏を選任、事務局長も承認された。

最後に浅井武彦監事の今期での退任が紹介された。浅井監事には感謝状と花束が手渡され、これまでの長きにわたる協会活動をめぐる挨拶をいただいた。

◆質疑の模様と決議採択

 活動報告および活動計画に関する質疑の中では、「監査が一日で終了しているが、資料が膨大なので四半期ごとに実施するなど対応を検討してはどうか」、「診療報酬の点数が高いことを理由に集団的個別指導に呼ぶのはおかしい。協会は廃止に向けて運動をしているが、現在はどのような状況か」、「協会として災害対策への取り組みをどのように考えているか」、「来年診療報酬改定があるが、具体的な方針について執行部の考えを聞きたい」、「診療報酬の引き上げ要求と患者の窓口負担が増えることについてどう考えるか」という五つの質問・意見が寄せられ、執行部が答弁した。

最後に、橋本健一理事が「決議」を読み上げ、賛成多数で採択された。

 

2期目の会長就任に当たり、今後の抱負を語る坪田有史会長

 

 

また、総会記念講演では早稲田大人間科学学術院教授の橋本健二氏が「新しい階級社会と健康格差」をテーマに講演し、現代日本におけるアンダークラスの形成過程と現在の問題、および近未来におけるその存在などについて説明。これまでに把握されているデータ、アンケート結果などをもとに貧困問題と健康格差や子どもの虫歯の関係などについて触れた。

なお、総会に寄せられた各界からのメッセージの一覧、「総会決議」を以下に掲載する。

講演中の早稲田大学人間科学学術院の橋本健二氏

記念講演会場の様子

 

メッセージ一覧全文の閲覧とダウンロードはここをクリック!!

 

 


 

第47回定期総会「決議」(機関紙2019年7月1日号(№592)1面掲載)

第47回定期総会「決議」(機関紙2019年7月1日号(№592)1面掲載)

決 議

政府は、年金受給開始年齢の引き上げなどを目的に、新たに「全世代型社会保障」を打ち出した。しかし、「改革工程表2018」には、後期高齢者の窓口負担や薬剤自己負担の引き上げなど、国民に負担を強いる社会保障の改悪項目が並んでおり、「全世代型社会保障」の推進は、さらなる受診抑制を招くことが危惧される。今目指すのは、お金の心配をせずに必要な医療が受けられる制度的保障である。

10月には消費税増税が予定されている。消費税は元々社会保障財源として導入された。しかし、消費税増税の裏で法人税や所得税の減税が行われており、それらの補てんに充てられているため、消費税が社会保障の財源とはなっていない。さらに、診療所経営を圧迫する損税問題も改善しておらず、社会保険診療へのゼロ税率導入は必要不可欠である。少なくともこれらの諸問題が改善しないならば、消費税増税は行うべきではない。

また、2018年診療報酬改定で院内感染防止対策として歯初診の施設基準が導入された。しかし、その評価は低くとどまっており、次期改定でコストに見合う点数設定にすることが求められる。また、高点数医療機関に対する個別指導は、患者に必要な医療の提供をためらわせる。安心安全な医療を支えるためには、それらも早期に改善すべきである。

平和で豊かな社会があってこそ歯科界の要求を実現させることができる。戦争やテロは命を奪い、経済的貧困は歯科受診を妨げる要因になる。

私たちは、政府が推し進めている国民1人当たりの社会保障費を削減する動きや、患者への安心安全な医療の実現を妨げる動きに断固反対し、国民の生活と歯科医療のより一層の充実に向けた運動を国民とともに力を合わせ、実現するために、以下の要求を国民、政府及び歯科保険診療に携わる全ての方に表明する。

 

 

一.少なくとも現行の社会保障を後退させず、世界の国々が模範とする日本の社会保障制度や自治体が実施する歯科保健に関する事業などを更に充実させること。

一.これ以上の患者負担増計画は中止し、医療保険や介護保険の自己負担を引き下げ、公費助成を充実させること。

一.院内感染防止対策は評価されたがコストに見合っていないなど低い歯科の診療報酬の問題を改善するため、国や厚生労働省は歯科診療報酬を更に引き上げること。

一.損税などの問題を解決しないなかでの消費税増税に、断固反対する。

一.高点数の保険医療機関を対象とした個別指導を行わないこと。

一.私たち歯科医師は、命と健康や平和を妨げるすべての動きに反対する。

 

2019年6月16日

東京歯科保険医協会

第47回定期総会

歯科医療と歯科診療報酬の改善を求め総決起集会が開催

歯科医療と歯科診療報酬の改善を求め総決起集会が開催 

「保険で良い歯科医療を」全国連絡会の主催による「“保険でより良い歯科医療を求める”6.6歯科総決起集会」が本日、6月6日、参議院議員会館内で開催された。全国から330名の歯科医療関係者が参加し、協会からは役員4名が参加した。また、国会会期中でしかも7月の参議院選挙を控えている中にもかかわらず、与野党の衆参両院の議員も多数激励に駆けつけた。各議員の挨拶では、すでに全身の健康には歯科が大きくかかわっていることは政官界では常識になっており、歯科医療の重要性に関する理解と共感を表明する声が相次いだ。