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社保・学術部長談話「歯科用貴金属の安定した供給と情報開示を」機関紙2019年2月1日号(№587)3面掲載

社保・学術部長談話「歯科用貴金属の安定した供給と情報開示を」

1月16日の中医協総会は、6カ月ごとの歯科用貴金属の変動幅がプラス・マイナス5%を超えなかったため、今年四月の随時改定は行わないことを決定した。報告された資料によると、歯科鋳造用金銀パラジウム合金の今年四月の試算価格は1498円(昨年10月は1458円)で変動率2.7%に留まるなど、いずれの歯科用貴金属の価格も変動幅が五%を超えておらず、4月の随時改定を行わないこととした。

昨今の市場価格、購入価格は値上がりをしており、変動状況を見る限り、改定があってもおかしくなく、実際の感覚と乖離があるように思える。

この乖離はなぜ生まれるのか。そもそもの仕組みを紐解くと、随時改定は歯科用貴金属の素材(金、パラジウム、銀)の価格変動幅が前回の告示価格のプラス・マイナス5%を超えた場合に、診療報酬改定時以外に6カ月毎に見直しを行うもので、4月の随時改定の場合は、前年の7月から12月の6カ月間が算出期間の対象と言われている。その際には、金、銀、パラジウムの日別価格データの平均値を求め、各材料の含有率に応じて価格の上下幅を算出している。

しかし、昨年10月に5%を超える変動がなく随時改定が行われなかったため、その場合は直近で改定がされた2018年4月の告示価格を基準に2018年1月から12月の12カ月分でプラス・マイナス5%の変動が生じたのかを判断する。これがわれわれ開業医の現場感覚との乖離が生じた原因である。

ただ、根本的な問題は、投機対象であるパラジウムが保険医療材料となっているため、市場価格変動で歯科保険医療機関の経営に大きな影響が生じている点である。このようなことがないよう、厚生労働省の責任で買い取り、管理・確保し、医療機関が金パラの市場価格を気にせず安心して診療できるようにするなど、安定した価格で供給を可能とする公的な仕組みを構築することが必要である。

また、2018年4月に行われた改定は、前年の10月頃に実施された、特定保険医療材料ごとに市場価格を調査する「特定保険医療材料価格調査(非公開)」にて、材料価格を決定しており、歯科用貴金属の調査結果も同様に非公開である。

現在、大きな問題となっている「毎月勤労統計調査」の例もあるので、医療においてもブラックボックスとなっている情報を公開することも必要である。保険で良い歯科医療ができるように。

2019年1月25日

東京歯科保険医協会

社保・学術部長 

加藤 開

歯科からも構成員が参加する訪日外国人旅行者等の医療提供検討会が第2回会合

歯科からも構成員が参加する訪日外国人旅行者等の医療提供検討会が第2回会合

厚生労働省は1月25日、「訪日外国人旅行者等に対する医療の提供に関する検討会」(座長:遠藤弘良/聖路加国際大大学院公衆衛生学研究科長)の第2回会合を同省内会議室で開催した。歯科医療界からは、日本歯科医師会常務理事の三井博晶氏が構成員として参加している。

今回は、①外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関、②医療通訳の現状と課題、③外国人患者の医療通訳へのアクセス、④医療通訳に求められる質、⑤「グローバルコミュニケーション計画」の取組状況(総務省 国際戦略局)、⑥医療通訳団体等連絡協議会について(日本医師会)、⓻医療通訳者の派遣団体について、⑧医療通訳や翻訳ディバイス等に関する論点整理と今後の方向性―などの資料を事務局のみならず、構成員や参考人からも提供され、これらをもとに協議・検討を加えた。

医師研修の必修化も盛り込む見込み/厚生労働省が「オンライン指針」の見直しで検討会設置

医師研修の必修化も盛り込む見込み/厚生労働省が「オンライン指針」の見直しで検討会設置

厚生労働省は1月24日、ベルサール神田で「第1回オンライン診療の適切な実施に関する指針見直しに関する検討会」(座長:山本隆一・一般財団法人医療情報システム開発センター理事長)を開催した。同検討会では、厚労省が昨年3月に策定して通知した現行の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を見直しに向けた協議検討を行い、本年5月に改定する予定だ。

ICT技術の進展に合わせ、情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)が発達・普及してきているなかにあって、適切な遠隔診療の普及が行われるためには、その医療上の必要性・安全性・有効性等が担保される必要がある。「新しい経済政策パッケージ」(平成29年12月8日閣議決定)においても、遠隔診療について「必要なルールを包含するガイドラインを整備」し、今年度内に取りまとめ公表することとされている。このため、厚労省では、遠隔診療を行うにあたり必要なルールについて検討し、今年度内にガイドラインの策定を行うことを目的として、この検討会を設置したもの。

具体的な検討事項は、①遠隔診療の定義・名称、②遠隔診療を実施する際の必要性・安全性・有効性を担保するために求められるルール、③前記①と②を包含した遠隔診療に関するガイドラインの策定―などとなっている。

また、この日の協議の中で事務局側から「指針の見直し項目案」も提示されており、その内容は、①「オンライン受診勧奨」と「遠隔健康医療相談」の再整理、②初診対面診療の例外/同一医師規定の例外等、⓷診療計画の保存等、④本人確認の徹底、⑤過去処方した医薬品の再処方、⑥研修の必修化―などとなっている。

歯科技工士養成・確保検討会が第5回会合を開催/いわゆる院内・1人・大手各ラボの現状や課題について説明と報告受け議論

歯科技工士養成・確保検討会が第5回会合を開催/いわゆる院内・1人・大手各ラボの現状や課題について説明と報告受け議論

厚生労働省は1月17日、同省内会議室で第5回「歯科技工士の養成・確保に関する検討会」(座長:赤川安正/昭和大学客員教授)を開催した。

今回は、歯科技工所の種類や規模別に、いわゆる院内ラボ、1人ラボ、大手ラボから、現状や課題などについて説明、報告を受け、メンバーによる議論を行う形をとった。

院内ラボについては伊藤晃仁氏(マロニエコーポレーション有限会社)、1人ラボについては傅寳弥里氏(アルモニア代表)、大手ラボについては陸誠氏(株式会社コアデンタルラボ横浜代表取締役)が、それぞれの立場からの報告と説明を行った。3氏からの報告後、メンバーによる協議・検討が行われた。

社保審医療保険部会が開催/オンライン問題めぐり意見集まる

社保審医療保険部会が開催/オンライン問題めぐり意見集まる

厚生労働省は1月17日、第117回社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫/国立社会保障・人口問題研究所所長)を全国都市会館で開催した。

今回は、①2019年度予算案(保険局関係)の主な事項について、②「新経済・財政再生計画 改革工程表2018」について、③「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案(仮称)」―などについて審議・検討を加えた。

具体的な検討では、③の「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案(仮称)に議論が集まり、特に、オンライン資格確認の導入、オンライン資格確認や電子カルテ等の普及のための医療情報化支援基金の創設、審査支払機関の機能の強化などに関しての意見が続いた。

歯科用貴金属の2019年4月改定はされず

歯科用貴金属の2019年4月改定はされず

歯科用貴金属価格の素材(金、パラジウム、銀)価格の変動幅がその時点の告示価格の±5%を超えた場合に、診療報酬改定時以外に6ヶ月毎に見直しを行うものですが、今回は5%を超えなかったため、改定が行われませんでした。

2019年1月16日中医協総会

 

 

歯科用貴金属価格の随時改定について(平成31年4月)

 

 

認知症対応型IoTサービスなどの報告受け議論/厚労省が保健医療分野 AI 開発加速コンソーシアムを開催

認知症対応型IoTサービスなどの報告受け議論/厚労省が保健医療分野 AI 開発加速コンソーシアムを開催

厚生労働省は1月16日、第4回保健医療分野 AI 開発加速コンソーシアム(座長:北野宏明/ ソニーコンピュータサイエンス研究所社長・所長)を同省内会議室で開催した。

今回は参考人を招いて、AIを活用した医療・介護現場での実践事例として、①AIを用いた診療支援、②AIを活用した認知症対応型loTサービス、③介護分野におけるAIの実践―などが報告され、メンバーによる議論を行った。

なお、この組織は、昨年7月23日に設置され初会合を開催している。

 

3/6院内感染防止対策講習会

院内感染防止対策講習会

初診料の注1の施設基準である

「院内感染防止対策講習会」を開催します。

 

第5回 院内感染防止対策講習会

◆日 時 2019年3月6日(水)午後7時30分~8時40分

◆受 付 午後7時00分~

◆会 場 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール(定員535名)

                   〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町23-21

◆講 師 東京歯科保険医協会「院内感染防止対策委員会」講師団

◆対象者 会員本人のみ(ご本人以外の参加はできません)。

    ※未入会の先生は事前に入会手続きが必要です。資料請求はこちら 

◆参加費 1,000円(修了証代込み)

講習会開始時間を過ぎての入場、途中退席の修了証は発行できませんので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

※修了証は、当日配布します(事前予約済みの会員の方)※開始直前のお申込みは印刷の都合上、後日郵送となります。

 

お申込みはこちらへ

 

渋谷区文化総合センター大和田アクセスマップ


徒歩でお越しの方渋谷駅から徒歩5分


お車でお越しのお客様へ

文化総合センター大和田には専用駐車場はございません。
お車でお越しのお客様は周辺の一般コインパーキングをご利用ください。

 

 

 

 

★注意事項★

講習会へのご参加は会員本人のみとなります。お連れの方、代理の方は入場することができませんので、ご注意ください。

参加費は1,000円(修了証代込み)。当日、受付でのお支払いです。

 

 

※参加申込み後、ご都合によりキャンセルになる場合は、お手数ですが協会までご連絡ください。

※既に外来環やか強診の講習会を受講し、院内感染防止対策の講習会が含まれている場合には、受講は不要です。ただし、4年以内に受講したものに限ります。

※「基本診療料の施設基準に係る届出書(別添7)」、「歯科点数表の初診料の注1に係る施設基準に係る届出添付書類(様式2の6)」を既に届け出していて、「院内感染防止対策の研修に係る届出書添付書類(様式2の8)」のみ届け出を猶予している場合は、2019年3月末までに講習会を受講して届け出をする必要があります。

※2018年5月にお届けした冊子「絵で見る 色で分かる 歯科の院内感染対策」をご持参ください。参考資料としてお使いいただけます。

【御礼】待合室キャンペーン締め切りのご案内

【御礼】待合室キャンペーン締め切りのご案内

昨年10月から行ってきました「待合室キャンペーン~クイズで考える私たちの医療~」の応募締切のご案内です。

(2019年1月15日当日消印有効)

今年度は、昨年度のキャンペーンを超えるたくさんご応募いただきまして、誠にありがとうございました。

今後、保険医団体連合会にて抽選を行いまして、当選発表につきましては、景品送付をもって代えさせていただきます。

なお、ご記入いただきました個人情報は、景品の抽選・発送以外の目的では使用いたしません。

そのほか、ご不明な点がございましたら協会事務局までお問合せください(Tel03-3205-2999)。

「糖尿病・歯周病医科歯科連携手帳」をご活用ください!

医科歯科連携の促進にご利用下さい!!

「糖尿病・歯周病医科歯科連携手帳」保団連版 発行のお知らせ

 この手帳の目的は、医科歯科双方で糖尿病及び歯周病のリスクチェックを行い、未治療、治療中断、治療不十分の患者さんの治療を促すことです。

 また、歯科で「糖尿病(治療)リスクとしての歯周病健康度評価」を、医科で「糖尿病の病状評価」を定期的に記入することで、医師、歯科医師、患者の3者で、それぞれの病状の把握に活用いただけます。

歯科記入ページ

医科記入ページ

 

 サイズはB6より少し小さい手帳サイズ、フルカラー24ページで、お薬手帳などと一緒に持ち歩けます。歯周病の症例写真や糖尿病との関係、関連する合併症などのイラストも掲載されており、歯周病と糖尿病の関係について、患者さんがイメージしやすいものとなっています。

 

 医科歯科連携の促進のため、ご希望の東京歯科保険医協会の会員には無料でお送りいたします。協会(担当:医科歯科連携委員会 TEL:03-3205-2999)までご連絡下さい。

 

 医科歯科連携手帳の活用法については、こちらの記事をご覧ください。(クリックすると記事が開きます)

高橋進吾氏が公認辞退

高橋進吾氏が公認辞退

自民党は9日、今夏7月に実施される参議院選挙をめぐり、すでに公認していた2氏の「公認辞退」を了承した。公認辞退をしたのは、比例区の高橋進吾氏と、群馬選挙区の山本一太氏の2氏で、高橋氏は健康上の理由。

年頭所感

年頭所感

「アクションを起こさず現状のままではさらに厳しい時代が」

 一年半前の20176月の総会の日に会長を拝命し、二回目の年頭所感として新年のご挨拶をさせていただきます。まず日頃から会員の先生方には当会々務に対してご理解とご協力をいただき心から感謝申し上げます。

 昨年の年頭所感で当会々員数は5277名(2017121日現在)と報告させていただきました。その後、4月の2018年診療報酬改定の施設基準の要件などを背景として、協会創立以来、過去最高の会員数5708名(18121日現在)と一年間で多くの先生方に入会していただきました。この会員増の一因には、多くの既会員の先生方からのご紹介がありました。この場を借りて先生方のご協力に、厚く御礼申し上げるとともに、引き続き宜しくお願い申し上げます。

 さて、東京歯科保険医協会の規約には、「歯科保険医の経営・生活ならびに権利を守り、国民の歯科医療と健康の充実および向上を図ること」を目的とすると明記しています。将来を展望すると、人口減少と歯科疾病の構造変化、そして政府による社会保障費の抑制、高齢者の窓口負担増などによって、歯科保険医を取り巻く環境はさらに厳しいものとなると懸念しています。東京都でも、2025年をピークに人口減少が見込まれており、全国的にみると現在約68000の歯科医療機関がその数を維持することは困難でしょう。また既に、一施設当たりの医業収入は減少し、逆に物価は上昇し、人件費などの経費も増えています。昨年末には歯科医療機関の倒産が多かったことが発表され、その傾向は今後さらに進むと分析されています。現状のまま何もアクションを起こさなければ、歯科医業にとって、さらに厳しい時代が来てしまい、その結果、患者、国民に適切な歯科保健医療を提供することが出来なくなることが懸念されます。

 当会は、会員の先生方の日常診療をサポートすること、将来に備えるための共済事業の管理・運営、また経営面の専門的なアドバイスなどは重要な会員サービスと考え、特に事務局が総力を挙げて取り組んでいます。さらに将来を考え、歯科医療費の総枠拡大、患者負担の軽減、歯科技工における問題、東京都が全国で最低値である一歯科医療機関当たりの歯科衛生士数の改善、歯科医師国家試験の合格者数とその質の問題、そして医科歯科連携の推進など、歯科医療を取り巻く諸問題に対して、国会議員、都議会議員あるいは行政側などへの要請や懇談を行っています。そして、会員の訴えや要望を各方面に届け、改善を図ることを協会活動の大きな柱と考えて積極的に行っています。そのため、八年前に発行した「二十一世紀にふさわしい歯科改革提言」を現状に合わせて改変し、協会活動でのツールとして活用するため、今春に発行する予定です。

 一方、会員無料サービスのつであるデンタルブックも順調に充実を図っており、日々の保険請求のアシストとともに、直接、会員の先生方にタイムラグのない情報を発信する目的を達成しつつあります。今後、さらに多くの会員にデンタルブックへの会員登録をしていただき、そのメリットを臨床の現場で活用していただきたい。

 また、当会々務に参画していただける会員を随時募集しております。私も初めは一会員でした。会務に少しでも興味がある方は、事務局までぜひご連絡ください。

 本年も会員の皆様のご支援、ご協力を賜りますよう何卒、宜しくお願い申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   東京歯科保険医協会

    会長 坪田有史