年別アーカイブ: 2021年

医薬情報ネットワークの基盤の在り方を検討

 厚生労働省は1110日、「医薬情報ネットワークの基盤に関するワーキンググループ」をオンラインで開催した。同ワーキンググループは、健康・医療・介護情報利活用検討会の検討事項のうち、全国的な医療情報ネットワークの基盤に関する議論を行うため設置されたもの。

 データヘルス改革に関する工程表に従って、医療情報ネットワークの基盤の在り方(主体、費用、オンライン資格確認等システムや政府共通基盤との関係、運用開始時期等)や、技術的な要件について、2022年度までに結論を得る。

 同日は医療情報の活用の現状や、電子カルテ情報と交換方式の標準化などをテーマに議論し、医療現場で必要な情報を共有すべきか意見交換が行われた。

 ワーキンググループでは2021年度中に、①電子カルテ情報の標準化と地域医療情報連携ネットワークの現状、②中央に集約して共有する医療情報と施設間などで交換する医療情報の検討、③医療情報の共有・交換に関する手続きと方式の検討、④電子カルテの普及方策と情報化支援基金の要件などの検討―について論点を整理する。

過去最高の44兆3895億円/厚生労働省が「2019年度国民医療費」を発表

厚生労働省は9日、「2019年度国民医療費」(確定値)を発表した。国民医療費全体の金額は対前年度比2.3%増の443895億円となり、前年度を上回る過去最高額となっているほか、国民1人当たりでは2.5%増の351800円となり、過去3年で見ると、ともに過去最高額となっている。その背景には、高齢化進展、医療の高度化などがあるものとみられる。また、国民医療費が40兆円を超えるのは7年連続となっている。各メディアの報道によると、厚生労働省は、新型コロナ禍の影響に関しては、「2019年度は、本格的に感染が拡大する前だったため、その影響はない」としている。

◆歯科医療費は構成比6.8%で3150億円に

今回の国民医療費を診療種類別にみると、医科診療医療費は319,583億円(構成割合72.0%)、そのうち入院医療費は168,992億円(同38.1%)、入院外医療費は15591億円(同33.9%)となっている。

また、歯科診療医療費は3150億円(同6.8%)、薬局調剤医療費は78,411億円(同17.7%)、入院時食事・生活医療費は7,901億円(同1.8%)、訪問看護医療費は2,727億円(同0.6%)、療養費等は5,124億円(同1.2%)となっている。

対前年度増減率をみると、医科診療医療費は2.0%の増加、歯科診療医療費は1.9%の増加、薬局調剤医療費は3.6%の増加となっている。

65歳以上の医療費は27629億円に

そのほか、年齢階層別に国民医療費を見ると、65歳以上の高齢者の総額が27629億円で全体の約6割を占めた。1人当たりでは65歳未満が191900円だったのに対し、65歳以上は754200円で4倍近い水準となっている。

次期診療報酬改定 周術期、重症化予防などの改善を要望

 協会は1025日、厚生労働省に対し、診療報酬に関する要望を行った。厚労省側は保険局医療課の大平貴士課長補佐が対応した。

 地域包括ケアシステムで重要な役割を果たす周術期等口腔機能管理について、協会は保険収載当初から患者向けのポスターを作成するとともに、毎年講習会を開催して推進してきた。しかし、問診時に手術予定がわかっていても依頼文書がないことが多く、管理料を算定できない事例が起きている。依頼文書を求めるにしても手術まで時間がないことから、依頼文書に係る算定要件の緩和を求めた。

 口腔疾患の重症化予防については①口腔機能低下症の診断に必要な検査が一部しか評価されていない点、②根面齲蝕のフッ化物塗布が在宅患者にしか認められていない点を指摘し、対象拡大を求めた。また、CAD/CAM冠に関して、①永久歯代行である乳歯に対してHJCは適応だがCAD/CAM冠は適応外になっている点、②支台歯が分割抜歯または歯根分割されている場合の扱いが通知に明記されていない点を指摘。また、新規材料の保険収載では、それらの取り扱いも明記するよう求めた。

薬剤師国会議員は3名に

2021年10月31日に投開票が行われた衆議院議員総選挙で渡嘉敷奈緒美氏、松本純氏が落選したのに伴い、薬剤師議員は今回初当選した逢坂誠二氏のほか、参議院議員の本田顕子氏、藤井基之氏の3人となった。日本薬剤師会の山本信夫会長は、専門誌にコメントを寄せており、「薬剤師が国会で主張する声が小さくなるという意味では影響は大きい」との見方を示している。また、来年の参議院選挙では日本薬剤師連盟の組織内候補として神谷政幸氏が参院選の出馬を予定していることに関しては、「次の神谷選挙に向けて、状況をしっかりと受け止め、どうしたらうまくいくのか、何が足りなかったのかを分析したい」と述べ、準備を進める考えだ。

渡辺孝一氏が4回目の当選果たす/2021年10月31日の第49回衆議院選挙

昨日、1031日に行われた第49回衆議院選挙で、歯科医師の国会議員、いわゆる歯系議員として立候補していた渡辺孝一氏が4回目の当選を果たした。また、同じく歯系議員として立候補していた長谷川嘉一氏は、惜しくも及ばなかった。

渡辺孝一(わたなべ・こういち)氏は、19571125日生まれ64歳。東日本学園大学卒(現:北海道医療大学)卒。所属政党は自由民主党で、今回の衆議院選挙で当選4回目。選挙区は、比例北海道ブロックとなっている。

◆衆参両院の歯系議員4名はすべて与党自民党議員

なお、現在、歯系議員は衆参両院合わせ、以下の5氏となっているが、すべて自民党議員となっている。

【衆議院議員】

①渡辺孝一(わたなべ・こういち):東日本学園大学卒(現:北海道医療大学)

1957年1125日生まれ56歳/選挙区:比例北海道ブロック/政党:自民党

【参議院議員】

②島村大(しまむら・だい):東京歯科大学卒

1960年811日生まれ53歳/選挙区:神奈川選挙区/政党:自民党

③関口昌一氏(せきぐち・まさかず):城西歯科大学(現・明海大学)歯学部卒

1953年64日生まれ60歳/選挙区:埼玉県/政党:自民党

④比嘉奈津美(ひが・なつみ):福岡歯科大学卒

1958年103日生まれ63歳/選挙区:比例代表/政党:自民党

【受付終了】11月25日(木)開催 2021年度医事相談研究会

テーマ
「もしかして、歯科心身症?? その傾向と対策」

申込はこちらから

https://forms.gle/DCHMwfTczaVsRX1o6

 従来から、通常の歯科処置では解決しない頑固な歯痛や咬合・義歯の違和感、あるいは口腔乾燥感や味覚異常などを呈する患者群は「歯科心身症」と呼ばれてきた。このような患者診療では、歯科の特異性から精神科や心療内科との連携も容易ではなく、よく説明して歯科処置をしても、逆に差し控えても、患者との関係がこじれてくることが多い。

 今回は、このような患者さんの特徴と上手な対応の仕方、そして必要な歯科処置を施す際の注意点などについてお話ししたい。
(講師より)

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●日 時:2021年11月25日(木)19:00~20:40(予定)
●講 師:豊福 明 氏(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 歯科心身医学分野 教授)

    *プロフィールやご略歴はこちらから*

    *著書「5分でできる 明るい歯科心身医学」はこちらから*

●会 場:ワイム貸会議室 高田馬場4階「Room4A」 & web併用(Zoomウェビナー)
     ワイム貸会議室 高田馬場のアクセスマップはこちらから
●定 員:会場6名(申し込み順)、Zoomウェビナー500名
●対象者:(会員限定 ※未入会の場合はご入会が必要です)
●参加費:無料
●要予約:Webからお申し込みください。(11月17日(水)までにお申し込みをお願いします)
     https://forms.gle/DCHMwfTczaVsRX1o6
●担当部:医事相談部

【2021-22年】年末年始休診案内ポスター

―休診案内ポスター ダウンロードのご案内―

年末年始の休診日にご使用いただける『休診案内ポスター』をご用意いたしました。

ご入用の方は、お好みのデザインをダウンロードのうえご使用ください。

郵送をご希望の方は、会員優待ページからお申し込みください。

【A4 縦ver.】◆A4サイズの用紙に印刷してご使用ください。

【A4 縦ver.】◆A4サイズの用紙に印刷してご使用ください。

【A4 横ver.】◆A4サイズの用紙に印刷してご使用ください。

【A4 横ver.】◆A4サイズの用紙に印刷してご使用ください。

【A4 持ち運びver.】◆縮小印刷をご利用のうえ、診療所の受付などでお配りください。

 

待合室キャンペーン「歯科医療の充実・改善の願いを国に届けよう!」

(10月11日(月)現在)

45筆の署名が届きました。もうすぐ50筆です。

<頂いたご意見>

・歯科はクラスターを出すこともほとんどなく、COVID-19をのりきっています。現場の努力も必要ですが、診療報酬の評価が絶対に必要です。10%以上の引き上げを求めます。

・初診料、再診料は医科と歯科で差がある根拠が理解に苦しむ。とりわけ感染防止に関しては、同様な配慮と対策をしているのに。

・特に後期高齢者の窓口負担2割については、満心の怒りをこめて抗議します。さらなる受診抑制を招き、国民の健康増進を後退させることはもちろん、医療機関にも壊滅的なダメージを与えます。

 歯科医療は、「感染症の予防」「基礎疾患のある患者の重症化予防」など全身の健康にとっても重要であると指摘されています。しかし、新型コロナ感染への不安などのために歯科医療機関への受診控えが進み、患者・国民の口の中の状況は悪化しています。
 歯科医療機関では、以前から感染症防止対策を徹底していますが、現在の感染拡大下ではこれまで以上の対策が求められており、現在の低い診療報酬体系では医院経営はより厳しいものとなっています。窓口負担の引き下げや診療報酬の引き上げなど医療への国の予算を増やすことは、患者と医療従事者みんなの願いです。
 協会は、全国の保険医協会と協力し、全国10万人強の医師・歯科医師の会員と共に、よりよい医療を求めるため医師・歯科医師署名、患者署名に取り組みます。また、患者さんに、楽しみながら医療の大切さを学べるクイズ企画も実施しています。ぜひ、ご協力をお願いします。(会員の方には、月間保団連10月号:10月5日(火)頃送付でもお届けしています。)

歯科医師のWEB署名はこちらをクリック

 

 

 

患者さんの署名用紙などの注文をされる

会員の方は、こちらをクリック

 

関連活動

「クイズで考える私たちの医療(WEB申込)」(下記バナーをクリックしてください)

 

 

 

 

 

 

 

新春号特別企画<写真作品の募集>

 

◆東京歯科保険医新聞では、2022年新春の紙面を彩る会員読者の写真の募集をしています

 写真のテーマは『希望』です。2020年から新型コロナウイルスが世界的に流行し、私たちは生活様式の変化を余儀なくされました、終息にはまだ時間を要すると思われますが、しかし、その中でも、必ず「希望」はあるはずです。新春の紙面を飾る「希望」を表現した写真作品の投稿を期待しています。皆さまからのご応募をお待ちしております。

▽締め切り 11月30日必着

▽応募方法 

E-mail もしくは郵送でご応募ください。

E-mail:info@tokyo-sk.com

郵送先:〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-29-8

宛先:東京歯科保険医協会 広報・ホームページ部

▽作品

写真データは1MB以上。写真プリントの場合、サイズは2L判(白黒またはカラープリント)。必ず作品名を明記してください。写真とともに「作品名」「氏名」「地区」を掲載いたします。

ご応募いただいた写真データ等はご返却いたしません。なお、掲載する写真は、厳正な審査を経て決定いたします。

【受付終了】11月3日(水・祝)開催 2021年度医科歯科医療安全講習会

テーマ
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)そしてインフルエンザ等その他の感染症の動向」

申込はこちらから
https://forms.gle/WTFaK7mRfha3SmoA8

新型コロナウイルスの対応に苦慮されていることと思います。
協会では医療機関での感染対策に関する講習会を、東京保険医協会と共同で開催いたします。
開催時点での最新の情報を交えた講習会の予定です。ぜひご参加ください。
なお、当講習会は医療法に定められた年2回受講が必要な医療安全管理のための講習会に該当します。
歯科初診料注1の施設基準の講習会には該当しませんのでご留意ください。

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●抄録:「本抄録提出の2021年9月中旬、国内におけるCOVID-19のいわゆる第5波は、急速に新規感染者数が減じている。このまま落ち着いてくれることを期待したい一方、リバウンドあるいは再流行についても予断は許さないところである。また本年は小児RSウイルス感染症のいつにない流行が見られたりしたが、今冬のインフルエンザの動向も気になるところである。11月の講習会においては、これらについてその時点での状況を含めてご紹介する予定である。」
●日 時:2021年11月3日(水・祝)14:30~16:00(予定)
●講 師:岡部信彦氏(医師・川崎市健康安全研究所 所長・内閣官房参与)
●会 場:東京保険医協会セミナールーム & web併用(Zoomウェビナー)
     https://www.hokeni.org/introduction/access.html
●交 通:JR線(山手線・中央線・総武線・埼京線)新宿駅南改札下車:徒歩9分
     都営大江戸線都庁前駅A3出口下車:徒歩7分
     都営新宿線新宿駅6番出口下車:徒歩4分
     小田急線・京王線新宿駅西改札下車:徒歩15分
●定 員:会場30名(申し込み順)、Zoomウェビナー500名
●対象者:東京歯科保険医協会および東京保険医協会の会員、会員医療機関のスタッフ
     (上記以外の方は*を参照ください)
●参加費:無料
●要予約:Webからお申し込みください。
     https://forms.gle/WTFaK7mRfha3SmoA8
●担当部:経営管理部

*「東京歯科保険医協会および東京保険医協会の会員、会員医療機関のスタッフ」以外の参加者は、道府県保険医協会の会員の方ご本人に限ります。参加形態はZoomウェビナーのみになります。お申し込みの際には主催側より所属協会に会員確認させていただきますのでご了承ください。

東京歯科保険医新聞2021年(令和3年)10月1日

こちらをクリック▶東京歯科保険医新聞2021年(令和3年)10月1日 第619号

1面】

1.東京都2022年度予算要請

2.2022年度 厚労省概算要求案/医療費国庫補助10兆円超に

3.新春号特別企画/写真投稿募集

4.ニュースビュー

5.「探針」

2面】

6.随時改定Ⅰ/金パラ・銀合金・メタルコア引き上げへ

7.中医協総会/歯科用貴金属 随時改定に改善の意見も

8.生活保護指定医療機関/動画視聴方式による指導を実施

9.人口骨「レボシスIJ」が9月から保険適用に

10.東京都議会各党 要請内容に理解を示す

11.最新の歯科医療情報等を発信/東京歯科保険医協会HP

3面】

12.インボイス発行事業者の登録は10月開始

13.新規開業医講習会に23名が参加

14.根管治療成功の秘訣を紹介

15.通信員便り No.114

4面】

16.経営・税務相談QA No.386

17.9月末で新型コロナ特例加算は終了

18.認知機能と口腔機能/相関関係の解明を目指す

19.法律相談、経営&税務相談

5面】

20.研究会・行事案内

67面】

21.インタビュー 建築家・渡邉義孝さん

8面】

22.教えて!会長!!Vol.51

23.保険医年金 予定利率変更(20227月より)のお知らせ

24.「診療」と「経営」の「二刀流」/共済制度

25.歯科保険医協会にぜひご入会ください/組織部

26.歯科情報をお知らせします/Facebook

9面】

27.症例研究/2021年9月1日より新規保険収載 磁性アタッチメントを用いた有床義歯

10面】

28.連載/私の目に映る歯科医療界

39.理事会だより

30.協会活動日誌 20219

11面】

31.都立病院等独法化の中止求める

32.金パラ原価割れの改善を求める署名 わずか1週間で754

33.歯周病・認知症研究の講演開催

34.国の予算を増やし、次期改定ではプラス改定を

35.会員優待サービス

12面】

36.第3回メディア懇談会を開催

37.神田川界隈/私が考える金パラ逆ザヤ問題解消法

38.「歯科医師によるワクチン接種業務」に従事して

 

 

 

【受付終了】10/28開催:地域医療研究会について

【テーマ】

生涯、口から食べるための支援

~システムづくりからミールラウンドまで~

【概要】

今日、地域包括ケアシステムの構築が、国の喫緊の課題とされています。その中でも、特に、「生涯、自分の口で食べられること」が高齢者にとっての大きな喜びであり、それを可能にする地域づくりが求められています。演者が、長年、行政歯科医師として、「口から食べるためのまちづくり」を行ってきた事例と、現在、療養型の病院で、ミールラウンドをしながら感じている、医科・歯科および多職種連携についてお話します。

【日時】

2021年10月28日(木)19時~21時

【講師】

矢澤 正人 氏(医療法人永寿会 陵北病院 歯科)

【会場】

Zoomウェビナー(Webシステム)を用いたライブ配信または東京歯科保険医協会会議室

【定員】

ウェビナー 500

協会会議室 18名(先着順)

【参加費】

無料(会員限定※未入会の場合はご入会が必要です)

【要予約】

↓↓↓Googleフォームからお申込みください↓↓↓

https://forms.gle/7J9XWi1e5B7LBCHB9

※ウェビナーの登録案内は、別途お申込者に通知します。

原則、感染拡大防止の観点からウェビナーでのご参加をお願いします。

【問合せ】

03-3205-2999(地域医療部)

【教えて!会長!! Vol.51】2022年度 診療報酬改定に向けて

― 2022年4月の「2022年度診療報酬改定」まで6カ月ですが、改定はどうなりそうですか。

坪田有史会長:現在までに、中央社会保険医療協議会総会(以下、「中医協」)で、「歯科用貴金属価格の随時改定について」「歯科医療(その1)」「在宅(その1) について」が議論され、9月15日に「診療報酬改定に係る議論の中間とりまとめについて」で中医協委員から出された主な意見がとりまとめられています。
8月4日の中医協で厚生労働省側は、「歯科医療に係る歯科診療報酬上の評価について」として、下記のようにまとめています。
これらの論点を受けての中医協委員の発言を踏まえ、私見を述べさせていただくと、以下のようになります。

▼かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)や在宅療養支援歯科診療所(歯援診)の役割
 や要件が、行政側の目指している地域包括ケアシステムの推進に対して十分でないとの意見があ
 り、現在の施設基準などの見直しが行われる可能性があります。
▼歯科側は、さらなる重症化予防や口腔機能の継続管理について評価を求めていて、一定の成果は
 認識されている。しかし、治療と予防の境界線を明瞭にすべきとの意見があり、将来の歯科医療
 を考えれば、継続管理の重要性をさらに訴える必要があります。
▼歯科矯正治療は、原則保険給付外ですが、小児の口腔機能の改善を含め、必要性が認められ、保
 険での矯正治療の適用範囲拡大が議論される可能性があります。
▼歯科用貴金属の代替材料について、現時点ではその範囲は限定的であるため、さらなる代替技
 術・材料への推進が必要とされています。今回の改定には難しいですが、PEEK材などの研究を産
 学臨の協働により進め、高いレベルでのエビデンスを構築した上で保険適用が望まれます。

 紙面の都合上、そのほか多くを記せませんが、行政側が明確に決めていることは、まだないと考えています。今後、「歯科医療(その2)」などの中医協の議論に注視する必要があります。

― より良い改定になるためにできることはありますか。

坪田:協会は、今月から保団連が全国で行う「疲弊した医療提供体制を立て直す診療報酬改定を求める医師・歯科医師要請署名」に賛同して会員の先生方に署名をお願いします。より良い改定を求めるため、日々歯科医療を提供している先生方のご意見をぜひお寄せください。多くの先生方の声を集め、行政・立法側に要請しますので、よろしくお願い申し上げます。

             東京歯科保険医協会 会長 坪田 有史
(東京歯科保険医新聞2021年10月号8面掲載)

「#いのちまもる医療・社会保障立て直せ!10・14総行動」を開催

「#いのちまもる医療・社会保障立て直せ!1014総行動」が1014日、日比谷応援内の「野音」で開催された。協会からは、保団連副会長を務める森元主税理事と事務局が参加した。コロナ禍の中、感染対策を施して準備した会場には関係者が約200参加した。

その中で協会の森元理事が発言し、新型コロナ新規感染者数は減少しているものの、医療機関の受診控えや介護の利用控えが続いていること、子どもの健康管理などにも悪い影響を及ぼしていることなどを指摘。さらに、「長年の低医療費政策、医師数抑制策によって脆弱になった医療提供体制の立て直し、診療報酬の大幅な引き上げが必要だ」と締め括った。

なお、昨年に引き続き、新型コロナ対策のため集会動画配信も実施し、協会の坪田有史会長、中川勝洋・橋本健一・半田紀穂子各理事が参加した。集会には、日本医師会の中川俊男会長、日本歯科医師会の堀憲郎会長からのメッセージが紹介された。

 

 

第1回在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ

 厚生労働省は10月13日、第1回在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループをオンライン開催した。本ワーキンググループは、今後の高齢化の進展や地域医療構想により、病床の機能分化・連携による受け皿としての医療需要増大に対して、在宅医療を効率的に提供できる体制を構築するために、介護との連携を含めた今後の在宅医療の在り方等について、具体的に検討するために設置されたもの。
 第1回ワーキンググループでは、①第8次医療計画における在宅医療及び医療・介護連携の体制整備の取組について、②その他在宅医療及び医療・介護連携に係る施策の実施に必要な事項―について検討した。
 今後は「在宅医療の基盤整備」「患者の状態に応じた、質の高い在宅医療提供体制の確保」「災害時や新興感染症拡大時における在宅医療の提供体制」について検討していく。
 なお、同ワーキンググループの座長には、田中滋氏(公立大学法人埼玉県立大学理事長)を選出した。
 構成員は以下の通り。(敬称略)
大三千晴(徳島県美波町福祉課長)、荻野構一(日本薬剤師会常務理事)、長内繁樹(大阪府豊中市市長)、角野文彦(滋賀県健康医療福祉部理事)、佐藤保(日本歯科医師会副会長)、島田潔(全国在宅療養支援医協会常任理事)、鈴木邦彦(日本医療法人協会副会長)、髙砂裕子(全国訪問看護事業協会副会長)、田中滋(埼玉県立大学理事長)、田母神裕美(日本看護協会常任理事)、中林弘明(日本介護支援専門員協会常任理事)、増井英紀(全国健康保険協会本部企画部長)、松本吉郎(日本医師会常任理事)、馬屋原健(日本精神科病院協会常務理事)、本見研介(全国介護事業者協議会理事)

東京医科歯科大、2学部附属病院が統合 トータル・ヘルスケアを目標に

◆東京医科歯科大学病院が発足

国立大学法人東京医科歯科大学が、医学部附属病院と歯学部附属病院を統合し、10月1日から東京医科歯科大学病院として新たに発足した。

「知と癒しの匠を創造し、人々の幸福に貢献する」という理念に基づき、医療提供や歯科医師の育成、研究・開発などを行ってきた同大学。今後の高齢社会の進行による疾病構造の変化や、新型コロナウイルス感染症パンデミックのような新たな傷病の出現を見据え、口腔疾患と全身疾患の区別なく、トータル・ヘルスケアを実現することを大学の目標に定めた。

そして、東京医科歯科大学病院では「世界最高水準のトータル・ヘルスケアを提供し人々の幸福に貢献する」ことを標榜。医科、歯科を問わない診療科間の協力を可能にすることで、より高度で安全な医療提供に努めていく。

▼詳細はこちら

お知らせ | 東京医科歯科大学歯学部附属病院 (tmd.ac.jp)

私の目に映る歯科医療界⑦ アンケートデータは有効な武器になる/中長期課題は国民を説得できる方策の構築を

アンケートデータは有効な武器になる/中長期課題は国民を説得できる方策の構築を

本年8月末、厚生労働省から2020年度の概算医療費が発表された。その金額は42.2兆円で、前年度比で1.4兆円、率で3.2%の減少となった。16年度以来5年ぶりの減少で、減少幅も大きかったことが特徴だ。

その主因は、新型コロナウイルス感染拡大による患者の受診控えだ。 診療分野別に見ると、外来と入院を合わせた医科は31.3兆円(前年度比3.8%減)、調剤7.5兆円(同2.7%減)に対し、歯科は3.0兆円(同0.8%減)となっている。

Ⅰ.概算医療費は歯科微減もコロナの打撃は小さくない

この数字だけを見れば、歯科へのコロナのダメージは浅いように見えるが、そんなことはない。受診した延患者数(受診延日数)は7%近くも減少していて、1日あたりの診察点数・1件当たりの点数の伸びでカバーしているのが実態だ。歯科診療所の経営は楽でないが、報道の仕方次第では、国民の受け止めも違ってくる。

9月1日の日経新聞の1面記事は、「医療費最大の1.4兆円減」と大きく打った大見出しに加え、「コスト抑制の余地映す」との小見出しがついている。記事本文も識者の声を混じえながら、コロナ受診控えとは別に、医療費の助成が大きな小児科などを例に挙げながら、過剰診療の可能性があることなどを指摘している。不要不急の受診を抑え、医療費抑制の取り組みの必要性を強調する内容になっている。うがった見方をすれば、概算医療費の減少からは、過去に無駄な診療があったことが分かったとも読み取れる記事になっている。 これを完全否定する必要はないが、必要な治療を遅らせてしまっていないかなどの受診控えのマイナス面にも目を向けてほしかった、というのが率直な思いだ。

Ⅱ.コロナ感染の影響実態映す東京歯科保険医協会アンケート

そうした中、たまたまコロナ感染症の影響などを尋ねた東京歯科保険医協会の会員アンケートの集計結果が出ているのを知り、ホームページに載っている詳細な内容を拝見した(概要は91日付けの当機関紙にもグラフ付きで報じられている)。

2021年4月の1年前との比較だが、医業総収入が増加したとの回答が43%で、減少したとの34%を少し上回っている。最新の概算医療費のデータは213月までの1年間の動きをまとめていて、対象年月の違いから正確な対比はできないが、増加組と減少組がかなり拮抗するとの貴協会の回答は、歯科の概算医療費微減とほぼ足並みを合わせた動きのように推察できる。

貴協会の今回のデータで興味深かったのは、訪問診療の動きだ。1年前と比べて増加したと回答した会員が21%を占め、減少したとの回答割合30%を下回っている。外来患者数は1年前に比べ増加したとの回答が43%、減少したとの回答34%を上回っていて回復の兆しが見えるのと違って、立ち直りが鈍い傾向が見て取れる。居宅にせよ、介護等施設住まいにせよ、訪問診療の主顧客である高齢者や介護業者などが、コロナ感染を恐れる等の理由から歯科での訪問診療を手控えしている様子が、このデータ結果の背後にうかがえる。

もうひとつ、このアンケート実施がよかったのは、新型コロナ感染拡大の患者への影響を会員の歯科医師などに聞いている点だ。

直接診察している歯科医師の目から見た回答は、コロナ禍を知る上で国民にとっても非常に貴重だ。概算医療費の数字上の動きからは決して分からない患者への影響を知る、つまり先述の日経記事に欠けている視点を補う上でも重要なデータといえるからだ。

回答総数586件のうち、回答が多かった順に挙げると、歯周病の悪化が378件、う蝕の進行が303件、義歯の脱離・不適合168件と続いている。

「感染拡大の影響で検診の自粛や受診控えが見られるため、来院時には悪化しているケースが多くなっている」「高齢者の(来院)中断から再開までの期間が長くなり予後不良になるケースが目につく」など、患者の症状悪化につながる悪影響を指摘する会員歯科医師の声の、まさにオンパレードとなっていて、実に興味深かった。

Ⅲ.国民向けにいかにうまく伝えられるかが課題に

患者治療に携わる歯科医師からの生の声、医療現場に根差した実際の諸データが、年末に向け本格化する中医協の議論にも、政治家や厚労省などへの陳情・要求する上でも、強力な武器になることは間違いない。

歯科技工士、金パラ逆ザヤ、今回のコロナ感染拡大の影響などタイムリーなアンケートを実施し、公開してきた貴協会の努力には敬意を表するが、さらに一歩進んで、これを国民にどううまく伝えられるかも検討されてはどうか。

中長期での医療費増加の解決は、日本の大きな課題だ。国民の中にも歯科を含めて医療費に過剰診療要素があり、診療報酬の引き下げを漠然と支持する空気があることも事実だ。これには正確な情報不足に起因する部分も少なくない。そのためにも、低く抑えられてきた歯科診療報酬のアップが、歯科医師の利益というだけでなく、国民にとっても歯科治療の質向上の観点から必要なことを、厚労省や政治家、中医協の委員など従来のインナーサークルだけでなく、最終的な費用負担者である国民からも納得してもらうこと、さらにはその前門になるメディアにも理解を深めてもらうことが、どうしても必要になる。

◆困難な課題だが歯科医療界を挙げ…

困難な課題だが、歯科医療界を挙げて、真正面からここにぶつかることからしか道は開けないはずだ。

筆者:東洋経済新報社 編集局報道部記者 大西 富士男

2021年(令和3年)101日号10面掲載

第4回歯科医療提供体制等に関する検討会

 厚生労働省は107日、第4回 歯科医療提供体制等に関する検討会(座長:須田英明(東京医科歯科大学医歯学総合研究科名誉教授)をオンラインにより開催した。各地域におけるサービスの過不足について、統計調査やアンケート結果等によって評価を行ったうえで不足しているサービスの充実を図れるか、また、かかりつけ歯科医の充実度等についてどのような指標で可視化が図れるかについて、第3回検討会の意見を踏まえ議論した。

 「歯科医療機関の機能分化と連携」と「かかりつけ歯科医の機能」

  前検討会は、構成員から「地域で必要な歯科の診療内容を吟味し、それに対応できる診診連携、病診連携の状況を見る必要がある」「『連携』について、具体的に『いつ』『誰が』『何を』等を検討することが重要。客観的に評価可能な指標や基準があるとよい」「地域によって、今後どのような歯科医療が必要となるかを評価する指標が必要」などの意見が上がっていた。

 今回は、前回の議論等を踏まえ、①各地域におけるサービスの過不足について、統計調査やアンケート結果等によって評価を行ったうえで、当該評価結果に基づき、不足しているサービスの充実を図るべきであると考えるが、病診連携、診診連携、医科歯科連携等に係るニーズに対する過不足等について、どのような指標で見える化を図ることができるか、②かかりつけ歯科医の充実度等について、どのような指標で見える化を図ることができるか―などについて、検討が加えられた。

 地域における障害者(障害児)への歯科医療提供体制

  また、地域における障がい者(障がい児)への歯科医療提供体制も論議し、①通院や受療が困難な地域の障がい児・者等への歯科保健医療サービス、②各地域におけるサービスの過不足について、統計調査やアンケート結果等の評価に基づき、各地域で不足しているサービスの充実を図るべきだが、地域の障がい児・者等への歯科保健医療の充足状況の把握が進まない理由としては何か、③地域の障がい児・者等への歯科保健医療の充実度等は、どのような指標で見える化できるか―などが論点とされ、構成員に意見が求められた。

歯系議員の渡辺・島村両議員が大臣政務官に就任/10月6日の臨時閣議で決定

10月4日の岸田内閣の発足に伴い、政府は6日に臨時閣議を開催、各省庁担当の副大臣と政務官を決定した。副大臣は26人で、その中で女性は1人となっている。また、副大臣は同じく26人で、女性は1人となっている。

その中で、特に歯科医療界との関連から注目されるのは、歯科医師で国会議員を務める、いわゆる「歯系議員」の渡辺孝一衆議院議員が総務大臣政務官、島村大参議院議員が厚生労働大臣政務官と内閣府大臣政務官を兼任することになった点であろう。内閣府大臣政務官の立場は、行政全体の運営への知識、経験、見識などが求められる。

渡辺氏は3期目。東日本大学(現北海道医療大学)歯学部卒業。北海道の岩見沢市長を務めた経験をもつ。その後、比例北海道で出馬し、2012年に初当選。その後、防衛大臣政務官などを務めた経験を持つ。

島村議員は2期目。東京歯科大学卒業。参院神奈川県選挙区で2017年に初当選。その後、参院厚労委員会委員長などを務めた経験を持つ。

ちなみに、岸田新内閣における厚生労働大臣以下の陣容は、以下の通り。なお、厚生労働大臣政務官に医系議員と歯系議員が就任するのは初めてのこと。

◆厚生労働大臣

・後藤茂之衆議院議員:長野県選挙区4区/6期・自民党

◆厚生労働副大臣

・古賀篤衆議院議員:福岡3区/3期・自民党

・山本博司参議院議員:比例代表/2期・公明党・再任

◆厚生労働大臣政務官

・大熊和英衆院議員:比例近畿ブロック(大阪府第10区)

2期・自民党・聖マリアンナ医大卒・医師

・島村大参議院議員:神奈川県選挙区/2期・自民党・東京歯科大卒・歯科医師

岸田新内閣の厚生労働大臣に後藤茂之氏が就任/旧大蔵官僚出身

岸田新内閣の厚生労働大臣に後藤茂之氏が就任/旧大蔵官僚出身

自民党の岸田文雄総裁は、10月4日召集の臨時国会で第100代首相に指名され、新内閣を発足させた。

その中で、医療や福祉、新型コロナウイルス対策など社会保障制度を所管する厚生労働大臣には、自民党内で新型コロナウイルス感染症対策本部の座長を務め、元法務副大臣の経歴も持つ後藤茂之氏(65歳)が就任した。

後藤氏は、旧大蔵省出身で長野4区選出。当選6回。自民党内では、新型コロナウイルス感染症対策本部座長のほか、厚生労働部会長、社会保障制度調査会事務局長、社会保障制度調査会介護委員長などを務めた経験を持つ。そのほか、衆議院厚生労働委員長や国土交通大臣政務官、法務副大臣なども務めた経験を持つ。

なお、現在の歯科医療界では、2022年度診療報酬改定問題に留まらず、金パラ問題、コロナ禍対策など緊急的な課題のほか、医科歯科連携、歯科医師需給問題、IT化対応、生涯を通じた歯科健診問題、歯科技工士と歯科衛生士を巡る諸問題など、解決すべき問題が山積している。

【受付終了】12月8日(水)開催:これから始める歯科訪問診療講習会について

【概 要】

「歯科訪問診療に取り組みたいけど、あと一歩が踏み出せない」という先生のために、実際に歯科訪問診療を行っている講師団から、症例写真等を用いての現場の様子、医療・介護報酬の請求方法、必要な道具など歯科訪問診療の実際をお話します。今回は、歯科訪問診療未経験の先生を対象に「居宅への歯科訪問診療」に焦点を当てた内容になっております。少しでも歯科訪問診療の必要性やこれから積極的に取り組みたいとお考えの先生は、是非ご参加ください。

【日 時】

12月8日(水)19時~21時

【講 師】

・保険請求編 沢崎 和久 氏(町田市開業/さわざき歯科医院)

・臨床編 池川 裕子 氏(葛飾区開業/出張歯科 四つ木)

【会 場】

Zoomミーティング

【対象者】

歯科訪問診療未経験の会員(ご本人のみ)

【参加費】

3,000円(「歯科訪問診療の手引き」冊子代込)

【定 員】

20名

【要予約】

↓↓↓お申し込みは、以下のURLをクリックしてください↓↓↓

https://forms.gle/RCWyq419rZK1GPx5A

【受付終了】11月18日(木)開催:第3回学術研究会について

【テーマ】

パーシャルデンチャーに強くなる理論と実践

【概要】

重老齢社会となった今、パーシャルデンチャーの需要はますます多くなっている。一方、有病高齢者の増加やデジタル技術の発展に伴い歯学教育で学習すべき項目が増え、従来の有床義歯のカリキュラムは縮小される一方であり、「義歯が苦手」という話もよく耳にする。今回はパーシャルデンチャーの設計を中心にその考え方と臨床での対応を分かりやすく実践的に整理したい。日常臨床で役立つ引き出しを少しでも増やせれば幸いである。

【日時】

2021年11月18日(木)19時00分~21時00分  

【講師】

谷田部優 氏(千駄木あおば歯科 院長/東京医科歯科大学歯学部 臨床教授)

【会場】

Zoomウェビナーを用いたライブ配信または協会会議室

【定員】

Zoomウェビナー:500名

協会会議室:18名(先着順)

【参加費】

無料(会員限定※未入会の場合はご入会が必要です)

【要予約】

↓↓↓お申込みは以下のURLをクリックしてください↓↓↓

https://forms.gle/B245deRFzeN6tVHL8

認知機能と口腔機能  相関関係の解明を目指す<日本補綴歯科学会 日本老年精神医学会>

 日本補綴歯科学会(馬場一美理事長)と日本老年精神医学会(池田学理事長)は9月3日、共同で「認知機能と口腔機能に関する医科歯科連携研究プロジェクト」を発足し、同月7日に調印式とプレスセミナーが行われた。このプロジェクトは、「ECCO(エコ)プロジェクト」という略称でよばれ、「認知機能」と「口腔機能」に関する相関関係を医科歯科連携により解明し、認知症対策といった社会的問題へ取り組むことを目的としている。


 まずは認知症専門医と歯科医師を対象に、連携状況や課題についてアンケート調査を実施する予定としており、アンケート結果を踏まえて「認知」と「口腔」に関する臨床研究を行うとしている。ECCOプロジェクトによって、超高齢社会で役割が増している補綴治療による患者の健康長寿の延伸実現に向け、共同研究を推進していくと強調している。

「歯科医師によるワクチン接種業務」に従事して/木下 優(品川区開業)

ワクチン接種会場

先日、「歯科医師によるワクチン接種業務」に従事しましたので報告いたします。参加したのは都内の職域接種で、モデルナワクチン2回目接種でした。

◆協会の筋肉内注射実技研修

 協会主催の「新型コロナウイルスワクチン接種のための筋肉内注射実技研修」および「三角筋の詳細解剖解説による正しい筋肉注射と迷走神経反射対策」(講師は、いつき会ハートクリニック院長の佐藤一樹先生)に参加。研修と実習で三角筋ワクチン接種への理解が一層深まりました。

講義内容を反復し、さらに理解を深め、教わったことを現場で確実に実行することに努めた。お嫁にいき、2人のチビちゃんを子育て中の我が娘でリハーサル。上腕部筋肉が母親らしく大変立派にたくましくなっていることを見た時、とても嬉しい気持ちになりました。

◆接種業務当日の模様

 午前9時半から医療従事者のミーティング開始。モデルナワクチン異物混入の質問があった場合の対応など。業務時間は、午前10時から午後5時30分まで。昼休みは1時間。

 被接種者の問診表のチェック、年齢(モデルナは18歳以上) 、右腕接種か左腕接種かをRあるいはLで記載。注射針が抜けやすいので必ず押し込み、保護キャップは右手だけで外せるよう、あらかじめ緩めておきます。被接種者に挨拶とともに、「肩を出して筋肉を確認しますね」と声をかけ、手首に軽く触れ腕を45度外転させます。視診、必要であれば触診を行って三角筋を正確に確認し、その中心で筋肉が一番厚い場所を接種位置とします。私の三横指は約4・5センチなので肩峰から1センチ下から三横指が接種位置と重なります。被接種者の腕は重力に任せて落下させ三角筋を脱力させる。接種位置を中央にして、左手の親指と人差し指薬指で逆Ⅴ字を作ります。右手だけで保護キャップを外し、ペンホールドで表皮に対し90度の角度で、太さ25G、長さ25ミリの針を根元まで穿刺します。痺れがないこと、および注射器の固定を確認し、ゆっくりと最後までしっかり左手の親指でワクチン0・5ccを注入します。抜針後、すぐ針捨てボックスに注射器を捨てる。接種後は、「2回目が無事に終わって本当によかったですね」と声かけを行い、たくさんの笑顔に接することができました。

接種ブース内の様子

 私が担当した接種ブース(歯科医師1名・看護師1名)の接種人数は150名弱。廃棄ワクチン(注射器の落下、ワクチンの液漏れなど)なし、迷走神経反射なしでした。ペアの看護師さんにも恵まれ、終始和やかに笑い溢れる接種ブースで気持ちよく業務することができました。

◆日本でのワクチン接種の現況 

ワクチン接種実技研修の資料

欧米に遅れをとった日本のワクチン接種ですが、9月末には2回目接種終了者が全人口の6割弱になるようです。菅義偉総理の功績はもちろんですが、全国の医療従事者の献身的な働きに加え、日本国民の真面目さと優れた協調性が現在の状況を作り出だしたと考えています。

◆平和な日々が戻ることを…

 1年9カ月におよぶ、この災害。早く平和な日々が戻ることを、切に願っています。(木下 優/品川区開業)

ワクチン接種には娘の協力もあった

 

【受付終了】12月12日(日)開催:施設基準の講習会について

*施設基準の講習会(歯初診、外来環、か強診、歯援診)について*

●日 時:

2021年12月12日(日)

・『歯初診、外来環、か強診、歯援診』13時~18時30分(予定)

・『歯初診、外来環」16時~18時30分(予定)

●講師:

繁田雅弘 氏(東京慈恵会医科大学精神医学講座 教授)

坂下英明 氏(明海大学名誉教授/朝日大学客員教授/我孫子聖仁会病院口腔外科センタ

ー長)

馬場安彦 氏(東京歯科保険医協会 副会長)

森元主税 氏(東京歯科保険医協会 理事)

●内容:

在宅医療・介護等、歯科疾患の重症化予防に資する継続管理(口腔機能の管理を含む)、高齢者の心身の特性(認知症を含む)、院内感染防止、緊急時対応、医療事故、偶発症等

●会場:

ワイム貸会議室高田馬場4Fまたは3F

4F・・・13時~18時30分「歯初診、外来環、か強診、歯援診」

3F・・・16時~18時30分「歯初診、外来環」

●対象者:

会員限定※代理の方の出席は認められません。

●定員:

100名(定員数に限りございますので、お早めに)

※感染拡大防止の観点から、各会場において、定員数を縮小しての開催となります。

●参加費:

「4つの施設基準対応」:¥8,000(修了証代込)

「外来環」「院内感染防止対策」のみ:¥5,000(修了証代込)

●要予約:(以下のURLよりお申込みください)

https://forms.gle/vkrJNvuGm3gkiNcd9

※遅刻・途中退室の場合は、修了証の発行はできません。

※修了証の発行は会員ご本人に限らせていただきます。

【受付終了】12/5(日)新規開業医講習会

緊急事態宣言が発出されたことで、新規個別指導の実施が先送りされています。 2020年以降に開業の先生方は、これから指導を迎えます。

コロナ禍で指導が先送りされている今であればこそ、 保険請求のルールについて学びましょう。 新規開業医講習会は新規指導対策、カルテ記載の留意点などを解説する33年の歴史ある講習会です。

講義内容は

  • カルテ記載・文書提供・レセプト記載の留意点
  • 新規個別指導の際の持ち物や注意点
  • 開業医として知っておきたい保険診療のルール

など、新規指導をこれから控えている先生に知っていただきたい内容です。

会員の先生だけが参加できますが、未入会の先生も、 これを機にご入会いただければご参加いただけます。 ぜひ、お申込みください。

※ご参加の会員の先生方は、感染防止対策のためマスク着用など、  ご自身及び周囲への感染予防の配慮をお願いいたします。 ※新型コロナウィルスの影響により中止・延期の場合があります。

会場となるTAP高田馬場の新型コロナウイルス感染症に対する取り組みについて https://t-ap.jp/room/pdf/covid19_202102.pdf

    日   時:125日(日) 12001700(予定)

    講   師:協会講師団

    会   場:TAP高田馬場 (新宿区高田馬場1-31-18  高田馬場センタービル3F

    定   員:50(会員のみ)

    参加費:13,000

    【お申込みはこちら(Googleフォーム)】

    https://forms.gle/s8ry4QrJeuNkkLyDA

    【問合せ先】 ☎03-3205-2999(担当:組織部) 

    第1回歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会

     厚生労働省は9月30日、歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会を創設しその初会合をオンライン開催し、「『歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会』開催要綱」「歯科技工士の業務のあり方等に関する検討について」「歯科技工におけるリモートワークについて」について議論が行われた。座長には、昭和大学客員教授の赤川安正氏が選出された。

     この検討会は、近年、歯科技工技術の高度化やデジタル化、就業歯科技工士数の減少など、歯科技工士を取り巻く状況の変化を踏まえ、デジタル技術を活用した歯科技工や、チェアサイドでの歯科技工など、歯科技工士の業務の在り方や必要な教育等に関して具体的な検討を行うために設置したされたもの。

     第1回検討会では、歯科技工業の多様な業務モデルに関する研究結果や業務内容の見直しに向けた調査研究、また歯科技工に関する検討会の議論などを振り返り、2021年6月18日に閣議決定した規制改革実施計画の「デジタル化の進展等に対応するための歯科技工業務の見直し」に対応するため、2021年度中に歯科技工士の業務形態について、①歯科技工におけるリモートワークのあり方、②歯科技工所間の連携のあり方―について検討することになっており、今回の議論では、「歯科技工におけるリモートワークを行う場所、リモートワークを行う者についてどう考えるか」「歯科技工においてリモートワークが想定される業務として、どのような業務が考えられるか」「歯科技工におけるデジタルデータの情報管理や、歯科技工所と歯科医療機関とのデジタルデータの授受方法についてどう考えるか」などを取り上げた。2022年度中に①歯科技工士の業務について(チェアサイドにおける業務についても含む)、②業務の検討に応じた教育内容等について―を検討する。

     構成員は以下の通り。(敬称略)

    【構成員】赤川安正(昭和大学客員教授)、扇照幾(OAK Dental Studio)、大島克郎(全国歯科技工士教育協議会会長)小畑真(弁護士法人小畑法律事務所代表弁護士)、尾松素樹(公益社団法人日本歯科医師会)、陸誠(株式会社コアデンタルラボ横浜代表取締役社長)、杉岡範明(公益社団法人日本歯科技工士会会長)、馬場一美(公益社団法人日本補綴歯科学会理事長)古畑公治((株)デントライン インターナショナル)、三代知史(公益社団法人日本歯科医師会)、柳澤智仁(東京都多摩立川保健所 歯科保健担当課長)

    【専門委員】野﨑一徳(大阪大学歯学部附属病院医療情報室室長)、松井哲也((株)ハーテック・デンタルサービス)、山下茂子((株)Dental Digital Operation

    「歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会」を設置し初会合を開催/厚生労働省

    厚生労働省は9月30日、「歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会」を設置し、その初会合をオンラインにより開催した。

    超高齢社会を迎える中で、患者に対して質の高い歯科医療を提供するためには、義歯等の歯科補てつ物が適切に提供される体制を構築することが重要であり、歯科医師と歯科技工士のより密接な連携が求められる。また、近年、歯科技工技術の高度化やデジタル化、就業歯科技工士数の減少など、歯科技工士を取り巻く状況は大きく変化している。

    こうした状況を踏まえ、デジタル技術を活用した歯科技工や、チェアサイドでの歯科技工など、歯科技工士の業務の在り方や必要な教育等に関して具体的な検討を行うため、同検討会が設置されたもの。

    ◆検討事項

    具体的な検討内容は、①歯科技工士の業務に関すること、②歯科技工士業務に関連する教育内容について、③その他、歯科技工士に関すること―の3項目となっている。

    ◆メンバー

    なお、検討会のメンバーは以下各氏

    赤川安正:昭和大学客員教授、扇照幾:OAK Dental Studio、大島克郎:全国歯科技工士教育協議会会長、小畑真:弁護士法人小畑法律事務所代表弁護士、尾松素樹:公益社団法人日本歯科医師会、陸誠:株式会社コアデンタルラボ横浜代表取締役社長、杉岡範明:公益社団法人日本歯科技工士会会長、馬場一美:公益社団法人日本補綴歯科学会理事長、古畑治:(株)デントラインインターナショナル、三代知史:公益社団法人日本歯科医師会、柳澤智仁:東京都多摩立川保健所歯科保健担当課長、野﨑一徳:大阪大学歯学部附属病院医療情報室室長、松井哲也:(株)ハーテック・デンタルサービス、山下茂子:(株)Dental Digital Operation