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5月31日までにホームページに掲載すべき事項について

5月31日までにホームページに掲載すべき事項について

2024年度診療報酬改定で保険医療機関は書面掲示することとされている事項について、5月31日までに原則としてウェブサイトに掲載しなければならなくなりました。
掲載すべき項目は以下の通りです。

○ 厚生局に届け出た施設基準
○ 明細書の発行状況に関する掲示
○ 物品の販売等であって患者から費用の支払を受けるものに関する事項(当該費用の支払が法令の規定に基づくものを除く)

○ 保険外併用療養費に関するもの
  ・ 金属床による総義歯に係る費用徴収その他必要な事項
  ・ う蝕に罹患している患者の指導管理に係る費用徴収その他必要な事項
  ・ う蝕に罹患している患者の指導管理に係る費用徴収その他必要な事項
  ・ 長期収載品(後発医薬品のある先発医薬品)の処方

自ら管理するウェブサイトを有しない保険医療機関は対象外です。

デンタルブックでは、院内掲示ポスターがダウンロードできます。
院内掲示ポスターの内容を活用してHPにも掲載してください。
各医院に適したものをダウンロードしてご利用ください。


① デンタルブックにログインし、「デンタル書庫」を選択

 
② 「デンタル書庫」内の「院内掲示ポスター/患者配布チラシ」を選択


③ 必要な施設基準をダウンロードし、ご利用ください。PDFやPowerPointデータなどでもダウンロードできます。

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東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)2月1日

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)2月1日

こちらをクリック▶「東京歯科保険医新聞」2025年(令和7年)2月1日

【新聞2月号】

 【1面】

 .会員の意識と実態調査/7割が「歯科医師にやりがい」

 2.東京歯科 歯科開業医会員年間増加数/2年連続トップ表彰

 3.診療報酬期中改定 4月実施へ

 4.歯科用貴金属の随時改定 3月から引き上げへ

 5.まもなく国会へ署名提出 お手元に残っていませんか?

 6.53回定期総会 日程のご案内

 7.「探針」

 8.ニュースビュー

 

【2面】

 9.重要懸案 オンライン請求猶予届出を巡り 厚労省が再提出方法示す

10.厚生労働省が通知 歯科薬剤の安定供給を指示/協会の要望が反映・実現

11.保団連2425年度第2回代議員会/協会の「会員の意識と実態調査」を推奨

12.お忘れなく!東京都の緊急対策支援金 交付申請期限は210

13.生産性向上・職場環境改善を目指す/一診療所当たり18万円を給付へ

14.2月会員無料相談のご案内

15.訃報

 

【3面】

16.2024年度 会員の意識と実態調査

 

【4面】

17.経営・税務相談Q&A No.425「利用していますか?減価償却の特例~開業医のための確定申告の基本~」

18.2024年分確定申告のポイント(税理士法人税制経営研究所)

19.書籍 保険医の経営と税務 2025年版/会員は1冊無料!2025年度最新の税務対応版を発行!

 

【5面】

20.教えて!会長!!No.91/期中の診療報酬改定

21.理事会だより

22.協会活動日誌

23.通信員便りNo.147

24.共済部だより

 

【6面】

25.研究会・行事ご案内

26.デンタルブックご案内

27.会員優待ご案内

 

【7面】

28.ALS患者追う映画『杳かなる』/「これは当事者だけの問題でしょうか

29.神田川界隈(副会長/山本鐵雄)

30.5回メディア懇談会/保険証 新規発行終了に意見 協会「実調」最終報告に期待の声

 

【8面】

31.都内歯科診療所 厳しい経営明らかに/会員医業収益の最頻値が医療経済実態調査を下回る/次世代のために求められる診療報酬引き上げ

都内歯科診療所 厳しい経営明らかに/会員医業収益の最頻値が医療経済実態調査を下回る

都内歯科診療所 厳しい経営明らかに/会員医業収益の最頻値が医療経済実態調査を下回る

◆次世代のために求められる診療報酬引き上げ

協会が昨年10月に実施した「会員の意識と実態調査」(以下、会員調査)の結果、会員の多くを占める個人立の歯科診療所における医業収益の最頻値は、保険・自費ともに、厚生労働省が20235月に実施した「第24回医療経済実態調査」(以下、実調)の結果を下回っており、東京の歯科診療所の経営は厳しい状況であることが明らかになった。また、将来を担う若手歯科医師のために必要なことについては、約80%が「診療報酬の引き上げ」であると回答している。

今後、次期診療報酬改定の議論が行われ、年末には改定率が決定される見通しだが、技術料を中心とした大幅な診療報酬の引き上げが求められる。

◆東京は保険も自費も医業収益が低い

会員調査には、1,658件(回答率27.6%)の回答が寄せられたが、うち79.8%は個人立の歯科診療所であった。

個人立の歯科診療所における保険診療の年間売上は、図1の通りで、その最頻値は1,800万円~2,400万円(15.1%)であった。実調によると、22年度の保険診療収益の最頻値は約2,522万円と報告されている。調査時期が異なるため単純に比較できないが、24年度の診療報酬改定がプラス改定であったにも関わらず、実調よりも会員調査の最頻値の方が低かった。サンプルの違いはあるにしても、東京の歯科診療所の保険診療収益は全国的に見て低い状況にあると言えそうだ。

同様に、自費診療の年間売上の分布は図2の通りである。最頻値は100万円未満(22.7%)だが、実調では22年度の「その他診療収益」(自費診療収益など)の最頻値は約410万円となっている。会員調査の最頻値の方が低い傾向は変わらず、最頻値だけで見れば東京の自費診療収益も高いとは言えない。

このように、協会の会員調査は、明らかに東京の歯科診療所は経営が厳しいという現状を物語っている。

◆診療報酬引き上げ次世代のためにも必要

協会の会員調査では、若い世代の歯科医師が魅力を感じる職にするために必要なことを聞いているが、個人・法人立などを含む回答結果は図3となった。

最も多かったのは、「診療報酬の引き上げ」(79.6%)で、「経済的な負担軽減」が続いた。さらに、「診療報酬改善で重視すべき内容」についての問いでは、最も多い回答は「保険診療だけで経営が成り立つ点数設定」(65.7%)であり、診療報酬の改善を求める声が一番大きい。

◆総枠拡大の声を国会・行政へ/歯科署名にご協力を

現状を解決するには、診療報酬の大幅な引き上げが必要である。さらに、不合理な算定要件の是正、治療が必要な患者が自己負担を気にせずに歯科診療所に通院できる負担軽減策の実現も必要である。それらの実現には、現場の声を国会や行政に届ける必要がある。協会は、2月から「保険でより良い歯科医療の実現を」求める請願署名を「月刊保団連」2月号に同封して会員にお届けしている。ぜひ、協力をいただきたい。

また、署名用紙の追加、受付用の署名用紙回収箱を無料配布している。希望者は協会運動本部に電話(03-3205-2999)にてお申し込みいただきたい。

<職員の1日密着>Iさんインタビュー(採用情報)

INTERVIEW インタビュー

Iさん/入局7年目(担当:地域医療部、社保・学術部、医事相談部、総務部、ICT戦略化委員会

入局のきっかけは?

前職では家具の販売員としてインテリアの提案と販売の仕事をしていました。大学で社会福祉学を専攻していたので、地域医療や社会福祉に関わる仕事に就き、学んだ知識を活かしたいと思うようになり、転職活動していく中で協会を知ったのがきっかけです。特に、東日本大震災で被災地の歯科医療体制が不十分であるという記事を目にしたことで、協会への興味が深まりました。
前職と業界や仕事内容が全く異なっていたので不安がありましたが、採用面接や面談の際に仕事内容を丁寧に説明していただいたことで不安も払しょくできたので、安心して協会を選ぶことができました。


現在の仕事内容を教えてください。

担当部署は、地域医療部、社保・学術部、医事相談部、ICT戦略化委員会、総務部です。地域医療部はチームリーダーとして、役員の先生方とともに地域医療に関わるさまざまな課題の改善に取り組んでいます。例えば、東京都では子どもの通院時に一部負担金が発生する地域と発生しない地域があります。協会が2023年に実施した学校歯科治療調査では、地域によって子どものむし歯の発生率に差があることが明らかになりました。この結果を踏まえ、子どもたちが安心して歯科医療を受診できる体制を広げるために、養護教諭と歯科医師による意見交換会を開催し、それも踏まえて東京都に対して居住地に関係なく一部負担金なしで受診できるよう要請しました。また、地域に根付く歯科医師を増やす取り組みとして、歯科訪問診療について学べる講習会を企画・運営するなど、地域医療の改善活動を進めています。
社保・学術部および医事相談部では、先生方から日々寄せられる診療報酬に関する相談に電話で対応しています。診療報酬とは、医療機関が患者に提供した医療に対して支払われる対価のことです。診療行為ごとに点数が定められていますが、その仕組みは非常に複雑で分かりにくいものとなっています。そのため、相談対応をはじめ、説明会の開催や行政への働きかけを通じて、会員の先生方がスムーズに診療を行えるよう支援活動と運動を行っています。
ICT戦略化委員会では、会員向けマイページの管理などを担当し、総務では職員が使用するパソコンなどの管理業務を行っています。


入局前後のギャップはありましたか?

入局前はデスクワーク中心の業務を想像していましたが、実際にはデスクワーク以外にも電話相談や講習会の企画・運営、さらには会員の診療所への訪問など、業務内容は多岐にわたっていることにギャップを感じました。業務の中で、会員の方々に対して、どのようにわかりやすく説明できるか、どのようにしたら理解しやすい資料が作成できるかを考えることはやりがいを感じます。


入局して思い出に残るエピソードはありますか?

当協会の設立50周年記念イベントの企画と運営に携わったことです。記念講演の企画や、抽選会などの準備のため、会議や打ち合わせを行い、大変なことも多かったのですが、イベントが無事に終了した時は達成感がありました。電話相談でよくお話しする先生から直接「ありがとう」と言っていただけたことはとても嬉しかったです。感謝の言葉をいただけたことは、とても励みになりました。


応募する方へメッセージを!


当協会は、会員6,000名以上の歯科医師の日々の診療をあらゆる角度からサポートしています。普段、気軽に受診している歯医者さんも診療報酬に関する悩みなど不安を抱えている先生かもしれません。先生たちが安心して診療できるように活動していくことは歯科医療の発展と地域医療を守ることに繋がります。
少しでも当協会に興味を持っていただけた方は、ぜひご応募ください。そして私たちと共に行政を動かしましょう。

 

▲応募はこちらから

Iさんの1日に密着

09:30 AM メールチェックなど
会員からの問い合わせや、共有事項などの確認をします。
10:00 AM 電話相談業務(社保・学術部、医事相談部)
会員の先生から寄せられる保険請求の疑問などに回答します。わからないことは上司に相談し、適切な回答ができるようします。 電話相談
00:30 PM ランチ
高田馬場は美味しいお店がたくさんあります。美味しいご飯を食べてのんびり過ごします。 ランチ
01:30 PM 講習会で使用する資料の最終確認(地域医療部)
今日は夜に講習会が開催されるので講師を務める役員と電話で最終確認を行います。
02:30 PM 動画編集(ICT戦略化委員会)
過去に行われた講習会をオンデマンド配信するため動画編集し、会員ページ(デンタルブック)にアップします。
04:00 PM 設備機器の管理(総務部)
複合機の不具合が起きてしまったので業者を手配して修理してもらいます。
05:00 PM 講習会の設営
最近は会場と動画配信のハイブリッドで講習会を開催することが多いです。カメラやマイクなどを準備します。設営
07:00 PM 講習会スタート
地域に根付く歯科医師を増やすために定期的に開催している歯科訪問診療について学べる講習会です。後日、この講習会を受けて訪問診療を始めたという先生もいました。
09:15 PM 退勤
講習会があると残業になりますが、特になければ定時(PM6:15)で帰って家族と過ごします。

 

職員インタビュー・採用情報(マイナビ転職)

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<職員の1日密着>Sさんインタビュー(採用情報)

INTERVIEW インタビュー

Sさん/入局7年目(担当:組織部・共済部

入局のきっかけは?

きっかけは医療関係の非営利組織を転職先にしたいと考えていたことです。前職が金融機関で、顧客利益より自社利益を優先する営業活動に前向きになれず、純粋に人の役に立てる職種は医療関係であると考えました。また、非営利組織であれば、自社利益を優先せず顧客(会員)の利益を優先した活動ができると考え、求人を探していたところ、当協会の求人を見つけ応募しました。


現在の仕事内容を教えてください。

現在は「組織部」という会員の入退会などに関わる部署と「共済部」の「保険医休業保障共済保険」という制度を担当しています。
「組織部」は会員情報の管理が主な業務ですが、会員の入会促進策や退会防止策などを検討し、各部への連携や旗振りを行うことも重要な業務の一つです。日々、会員の問合せや入退会の傾向から次に取り組むべき活動を検討し、実行しています。
「保険医休業保障共済保険」は文字通り、加入者の休業時の保障を行う制度になっています。担当者としては加入者からの問い合せや、加入希望者への対応に加え、どうすれば加入者が増加するか、など加入促進策の検討・実行を行っています。


入局前後のギャップはありましたか?

事務所の雰囲気は非営利組織の団体ということで、堅苦しい雰囲気を想像していました。入局してみると、少人数で運営しているということもあり、入りたての私にも積極的に意見を発言できることや宣伝物などを作らせてもらえる機会がありました。経験年数や年齢に関わらず、チャレンジできるため、ある種ベンチャー企業のような雰囲気にギャップを感じました。


入局して思い出に残るエピソードはありますか?

コロナ禍で社会全体が機能不全に陥り、当協会も今までの活動ができていなかった中で、医療機関に対し、様々な補助金や支援金が出されました。当時担当していた部署がそういった補助金や支援金の問い合わせを受け付けしていました。会としてのノウハウも何もない中で、自分自身が可能な限り会員に分かりやすく伝わりやすい対応を心がけていました。先輩職員から、当協会会長とベテランの職員が、とても丁寧にわかりやすく会員に対応をしていると言っていたことを教えてもらいました。自分自身の取り組みが間違っていなかったことが実感でき、非常に充実した気持ちになったことがとても印象に残っています。


応募する方へメッセージを!


当協会は団体職員という一見堅苦しい職種に見えるかもしれませんが、自分自身が考えていることや企画していることを発言・発信がしやすい会です。そのため、若いうちから責任がある業務や積極的に発信を行っていきたい方には向いている職種だと思います。逆に、決められたことを決められた時間内に完結する、というような業務や働き方をイメージしている方には向かないかもしれません。

 

▲応募はこちらから

Sさんの1日に密着

09:15 AM 出勤
出勤し、コーヒーを飲んで一息。
09:30 AM 業務開始
業務開始。会員や外部からの問い合わせのメールチェック前日に会議などであったことや様々な事項を上席に報告・共有。
10:30 AM 訪問(組織部)
未入会員の元を訪問。入会を検討している歯科医師に向けて訪問し、協会の説明を行います。(既存会員に共済制度の制度説明を行う日もあります)訪問
00:30 PM ランチ
この日は、訪問先近くでランチ。
01:30 PM 事務所に戻り、郵便物確認(組織部・共済部)
入会申込書が届いていれば新規入会者への連絡、保険医休業保障共済保険関連の到着書類の整備を行います。
02:30 PM 会員情報の整理、対応(組織部)
会員情報の登録・修正作業や会員からの電話に対応。訪問
04:30 PM 役員と電話での打ち合わせ
役員に対して会員数や特徴点の報告を電話で行います。
05:30 PM 会員へ資料送付(組織部・共済部)
入会資料や保険医休業保障共済保険の請求書類等の送付作業を行います。
06:15 PM 退勤
定時で退勤した日は子どもをお風呂に入れています。

 

職員インタビュー・採用情報(マイナビ転職)

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<職員の1日密着>Fさんインタビュー(採用情報)

INTERVIEW インタビュー

Fさん/入局5年目(担当:経営管理部・財政部・総務部・「保険でよい歯を」東京連絡会)

入局のきっかけは?

前職は百貨店のプロモーションに従事し、充実した日々を過ごしていました。しかし、コロナの感染拡大で、状況は一変。百貨店での買い物は不要不急と呼ばれ、集客施策は軒並み中止に…。その一方、医療従事者である親は、コロナ感染者の対応で毎日疲弊の日々でした。コロナ禍が明けるのを待つのではなく、医療業界を支えられる場で働きたいと思い、転職活動を始めました。
当協会の活動は、診療報酬の請求・税務や労務の相談対応、講習会・研究会の企画、共済制度の運営など、多岐にわたります。さらに、歯科医院の経営改善のために、東京都・厚労省などの行政への要請活動もしています。1つに特化せず、多角的な方向から歯科医療業界を支える活動をしている当協会に魅力を感じ、入局を決めました。


現在の仕事内容を教えてください。

経営管理部・財政部・総務部・「保険でよい歯を」東京連絡会を担当しています。なかでも経営管理部はチームリーダーとなり、労務や税務、法律に関する相談対応、スタッフ向けの講習会の企画・運営などを行っています。その他、並行して3つの部署を兼任しており、財政部では小口現金管理、総務部では理事会準備などの庶務、「保険でよい歯を」東京連絡会では、保険でより良い歯科医療実現のために歯科医療従事者や患者さんとともに活動しています。


入局前後のギャップはありましたか?

若手事務局がチームリーダーとなり、課題解決のために歯科医師である役員に理事会にて事務局が提案し説明することに驚きました。自分が考えた内容で歯科医師の「困った」を助けられる可能性があることに、今は魅力に感じています。
また、職員は少数精鋭のため、部署を複数兼任します。複数の業務をしながら、さらに会員からの電話相談も数多く受けるため、はじめはスケジュール・タスク管理に悩みました。特に、各部署の業務量が多いタスクが重なる時は、期限までに遂行できないことや、ミスをしてしまい上司にサポートしてもらうこともありました。


入局して思い出に残るエピソードはありますか?

2023年10月に始まったインボイス制度。複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式です。インボイス制度の対応についての相談は経営管理部の管轄であり私が主担当となりました。国税庁が発出した資料やQ&Aを読み込み、インボイス制度の概要、登録をする必要があるかなどの検討を行いました。そして、歯科医院向けのリーフレットを作成。作成までに、かなりの時間を要しましたが、出来上がったときの達成感は忘れられません。「歯科医院の状況に沿って作成されすごくわかりやすかった。やっと理解することができた」という声もいただき、やりがいを感じました。


応募する方へメッセージを!


みなさんは団体職員にどのようなイメージをお持ちですか?社会貢献度が高く、安定した仕事。定時で帰れて、正確な事務処理が主な仕事。そんなイメージを持つ方もいると思います。
協会は、社会貢献度の高さはありますが、主体性がある人が活躍できます。役員は日中診療をしているため、会議は原則夜の開催です。正確な事務処理を求められる場面もありますが、それ以上に自ら考え、形を創りあげることが求められます。
歯科医師を取り巻く環境は年々悪化しています。物価・人件費高騰、歯科衛生士の採用難、歯科医師の高齢化…他にも数多くあります。会員が「保険で安心してきちんとした診療ができるよう」役員と密にコミュニケーションを取りながら課題改善のため遂行していきます。歯科医療改善に貢献したい方、主体的に考え行動できる方のご応募をお待ちしております!

 

▲応募はこちらから

Fさんの1日に密着

09:30 AM 出勤
出勤後、小口現金照合(財政部)や切手管理(総務部)などの庶務を行います。その後、役員や会員からのメールをチェックし対応します。
10:30 AM 銀行・郵便局へ(財政部・総務部)
銀行や郵便局へ、必要な現金引き出し・1カ月分の切手購入。
00:30 PM お昼休み
お弁当持参派。会議室でお弁当組の同僚とおしゃべりしながら…食べ終わったあとは、気分に合わせ、読書やお昼寝をする日も。 ランチ
01:30 PM 午後スタート!
世話人会の会議運営を行います。(「保険でよい歯を」東京連絡会)この日は、イイ歯デーという街頭宣伝の企画を中心に議論しました。会議後も、役員の先生と直接会える時間は貴重なため、今後の活動について打合せをします。 連絡会
03:00 PM 中途採用業務(総務部)
求人募集の原稿を考えたり、インタビュー原稿の校正や、写真を撮影し編集!
05:00 PM 経費処理(財政部)
出金・入金処理をしたあと、小口現金を照合。 経費
05:30 PM 部署内ミーティング(経営管理部)
進捗状況の確認、電話相談で対応したもので共有すべきことなどを報告します。
06:00 PM 振り返り
当日の業務振り返り、翌日のToDoの整理、メールチェックを行います。
06:15 PM 退勤

 

職員インタビュー・採用情報(マイナビ転職)

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【教えて会長Vol.91】期中の診療報酬改定

【教えて会長Vol.91】期中の診療報酬改定

Q 期中に診療報酬改定があると聞きましたが?

 昨年1225日に開催された中央社会保険医療協議会総会において、「中間年改定の年に行う期中の診療報酬改定について」が議題として提出されました。議題の一つに「歯科衛生士や歯科技工士のタスクシフト、手間への評価の見直し」が含まれていました。新規技術や材料が、年に4回ある期中のタイミング(36912月)で保険適用されたこと(いわゆる「期中収載」)は、過去に何度も経験してきましたが、今回、歯科で「期中改定」が行われたことには驚きました。今までは1989年に消費税(3%)の導入に伴う改定をはじめ、5%に増税された97年、10%に増税された19年、そして健康保険法等改正に伴う94年に「期中改定」が行われています。当然ですが、財源がなければ「期中改定」は不可能ですから、何らかの理由で財源の確保ができたということなのでしょう。

Q 期中改定の中身は?

 歯科衛生実地指導料(実地指)の口腔機能指導加算(口指導)が10点から2点増点の12点、歯科技工士連携加算1(歯技連1)が50点から10点増点の60点、歯科技工士連携加算2(歯技連2)が70点から10点増点の80点になります。改定は4月に施行されます。なお、これらの評価の目的は、歯科衛生士および歯科技工士の待遇改善であり、賃上げに繋げる意図が背景にあります。そのため算定する際には注意が必要です。

Q 口腔機能指導加算とは?

 口指導は、口腔機能発達不全症、または口腔機能低下症と診断した患者に対して、歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が実地指(月180点)とあわせて口腔機能に関する指導を行った場合に加算します。口腔機能発達不全症の患者には正常な口腔機能の獲得を目的とした実地指導を、口腔機能低下症の患者には口腔機能の回復、または維持・向上を目的とした実地指導を行うことが求められます。なお、歯科口腔リハビリテーション料3(歯リハ3:月21口腔につき50点)を算定した同日には、その指導内容が歯リハ3で行った指導や訓練と重複した場合は、口指導は算定できないので注意が必要です。したがって、歯リハ3と口指導で行った指導内容はカルテ記載が必要です(保団連発行「歯科保険診療の研究20246月版」3233120ページ参照)

Q 歯科技工士連携加算1、2とは?

 歯科技工士連携加算(歯技連1)を算定するには、施設基準(表)を満たし、地方厚生局長へ届出を行う必要があります。

【歯技連1

・レジン前装金属冠、レジン前装チタン冠、CAD/CAM冠の製作において、前歯の印象採得時に、歯科医師と歯科技工士がともに対面で色調採得および口腔内の確認などを行った場合に、印象採得料に加算します。

6歯以上のブリッジの咬合採得時に、歯科医師と歯科技工士がともに対面で咬合関係の確認や口腔内の確認などを行った場合、咬合採得料に加算します。

・有床義歯の場合、9歯以上の部分床義歯または総義歯の製作時に、咬合採得または仮床試適の際に、歯科医師と歯科技工士がともに対面で、咬合採得時には咬合関係の確認など、仮床試適時には人工歯の排列位置などを確認した場合に、歯技連1を咬合採得料または仮床試適料に加算します。

※歯技連1の算定は1口腔単位で、算定は1回のみです。

【歯技連2

・歯技連1と同じ条件に加え、歯科医師と歯科技工士がともに情報通信機器を活用して行った場合に印象採得料や咬合採得料に加算します。

※歯技連2の算定も1口腔単位で、算定は1回のみです。

今回、期中に診療報酬を改定することが可能という実例が示されました。これは、不合理な改定内容の改善と今後の「保険でよりよい歯科医療」を求める視点から注目すべきことと考えます。

東京歯科保険医協会

会長 坪田有史

(「東京歯科保険医新聞」2025年2月号掲載)

厚生労働省が通知 歯科薬剤の安定供給を指示/協会の要望が反映・実現

厚生労働省が通知 歯科薬剤の安定供給を指示/協会の要望が反映・実現

厚生労働省は16日、医政局医薬産業振興・医療情報企画課からの事務連絡「歯科診療所等への医療用医薬品の安定供給について(協力依頼)」を関係機関宛に通知した。

これは、スポンゼルの限定出荷が長期に渡り代替品との価格差が大きいこと、および麻酔剤や抗菌薬、解熱鎮痛剤などが入手困難な状況であることから、20249月に協会が厚労省に改善を要望した。その際に、「医薬品の安定的な供給については、医薬産業振興・医療情報企画課にも情報共有しながら対応していきたい」との回答を受けていた。その後、千葉県保険医協会と全国保険医団体連合会も改善を要求。その結果として、今回の事務連絡が通知されたものである。

その中では、歯科診療所では、「歯科治療に用いる医療用医薬品の内、特に解熱鎮痛剤、抗菌薬、麻酔剤(以下、解熱鎮痛剤等)の入手が困難な状況が続いており」と現状分析し、さらに「医療機関や薬局と比較して、歯科診療所の購入が少量であることや購入実績が少ないことから、限定出荷や出荷調整の影響を受けやすい」と考えられることを示した。

また、解熱鎮痛剤を含む医療上必要不可欠な安定確保医薬品などに対しては、供給不足に対応するため、増産に必要な施設整備費などへ緊急的な補助を行うといった対応をするとしている。しかし、状況の改善には、まだ時間を要する見込みであることから、歯科用医薬品卸売販売業者や歯科診療所にも適切な量の供給に協力を求めている。

今回の通知により、今後、歯科薬剤の安定供給が確実に実行されるよう期待したい。協会は引き続き、状況を注視し、対処していく。

<職員の1日密着>Kさんインタビュー(採用情報)

INTERVIEW インタビュー

Kさん/入局4年目(担当:広報・HP部、運動本部、ICT戦略化委員会)

入局のきっかけは?

マスコミ業界2社で経験を積み、広報・PR分野のスキルを活かしながら、社会貢献ができるという視点で、民間団体や学校法人などを中心に転職活動をしていました。協会は、歯科医師の権利を守ることに加えて、国民の歯科医療向上を図ることも理念としています。
人々の生活とは切っても切り離せない医療界で、歯科医師をはじめ、多くの人に貢献できると考え、協会を選びました。また、歯科医療とは全く異なるキャリアであったものの、採用面接では役員の先生や人事の方が私の経験にしっかりと耳を傾けてくださり、理解してくださった感覚があったことも転職を決めたきっかけでした。


現在の仕事内容を教えてください。

広報・ホームページ部、運動本部、ICT戦略化委員会に所属しています。中でも広報・ホームページ部ではチームリーダーとなり、毎月の「東京歯科保険医新聞」発行やホームページの管理・運営、報道機関を対象としたメディア懇談会などの開催などを担っています。
また、並行してその他の2部署を兼任し、運動本部では歯科医療改善に向けた取り組み、ICT戦略化委員会では独自の会員ページの管理などを担当。具体的には、各部署の主チームリーダーをサポートしながら会議の準備運営、資料作成などを行っています。


入局前後のギャップはありましたか?

団体職員と聞くと、いわゆる“カチッ”としたイメージがありましたが、フランクに話しかけてくれる先輩がいたり、仕事のことでも相談しやすい雰囲気があったり、良い意味で驚きました。未経験の業界への転職で戸惑いもありましたが、そうした職場の環境もあり、順応していくことができたと思います。
一方で一般企業と異なり、現役の歯科医師である役員が日中にはオフィスにいないので、電話やメール、会議でお会いする時など限られた機会でコミュニケーションを取る難しさがありますね。大きなプロジェクトを進める場合、月1~2回の理事会で承認を得る必要があるので、先生のコンセンサスを取りながらスケジュールを組んで進めていくことが求められます。


入局して思い出に残るエピソードはありますか?

協会についてPRするため、定期的にメディア懇談会を開催して、報道機関との関係を構築しています。歯科医療専門媒体の方にご参加いただくことが多く、より広く情報発信をすることが課題だと感じていました。そこで関係団体の記者会見や記者クラブなどに足を運び、とにかく記者の方々にご挨拶して回りました。すると数カ月後のメディア懇談会に、全国紙の記者の方がいらっしゃったのです。あの時はとてもうれしかったですね。
協会の考え方や、歯科医療の問題点を我々だけで発信するには限界があります。歯科医療の改善、そして協会の認知拡大も含め、今後も組織内外を巻き込みながら取り組んでいきたいです。


応募する方へメッセージを!

協会には約6,000人もの会員が入会していますが、年月を重ねるうちに自分の名前を覚えてもらえたり、自分宛に電話がかかってきたり、時には先生から意見を求められたり。診療所にいるはずの先生方をとても近くに感じることがあります。先生方はほかでもなく “協会に話したい”お困りごとをお持ちで、その課題解決をサポートして、「ありがとう」「助かったよ」と言っていただけることはこの上ない喜びです。
一方で、例えば「学校歯科治療調査」の取り組みでは、都内の小・中・高全校を対象に子どもたちのむし歯の状況を調べ、その結果をもとに国や行政に要請します。自分たちの仕事を通じて子どもたちのむし歯が減る可能性があるのです。そんなふうに、健康な国民生活にも寄与する取り組みができることが協会業務のやりがいです。
そして、これらの諸課題を解決していく方法は、自分の経験やスキル次第で十人十色と感じています。私のように医療業界未経験の方でも、それぞれの個性を発揮できるはずですので、ぜひ一緒に歯科医療改善という大きな課題にチャレンジしましょう。

▲応募はこちらから

Aさんの1日に密着

09:30 AM 出勤後、メールチェック&部署内ミーティング
役員や業者からのメールをチェック。部署内のミーティングでは、課題や会議の準備状況の確認などを行います。 メールチェック
10:30 AM PRポスターデザイン(運動本部)
運動本部で取り組む活動のPRポスター作成。Illustratorを用いて自らデザインも!
00:30 PM ランチ
数人でランチへ…仕事からプライベートまで同僚とコミュニケーション! ランチ
01:30 PM 役員と電話で進捗共有
役員は現役の歯科医師!診療所の昼休みなどを利用して、情報共有しています。
02:30 PM 会員の診療所に取材へ(広報・ホームページ部)
歯科医療の問題点などを「東京歯科保険医新聞」で取り上げるため、取材対象の先生に交渉。診療所まで赴き、取材します。
04:00 PM 紙面編集(広報・ホームページ部)
企画・取材・編集・校正…毎月発行の「東京歯科保険医新聞」の編集期間は大忙し。 編集作業
06:00 PM 最新ニュースを会員にお届け(ICT戦略化委員会)
会員の先生にメールマガジンを配信し、歯科医療に関わる最新のニュースをお届け。
06:15 PM 退勤
定時で退勤する日は、サウナやランニングでリフレッシュ!

 

職員インタビュー・採用情報(マイナビ転職)

▼東京歯科保険医協会 採用情報に戻る

2024年分確定申告のポイント(税理士法人税制経営研究所)

2024年分確定申告のポイント(税理士法人税制経営研究所)

2月17日から2024年分所得税確定申告の受付が始まります。今回の申告で注意すべき所得税改正点および留意点のうち、主なものは次の通りです(詳細は「保険医の経営と税務(2025年版)」をご参照ください)。

(1) 定額減税

24年分の所得税については、その年分の合計所得金額が1,805万円以下の場合、確定申告の際に所得税の額から定額減税額が控除されます。控除額は次の金額の合計額です。

・本人分3万円

・同一生計配偶者または扶養親族一人につき3万円

確定申告書第一表「令和6年分特別税額控除」欄に人数と定額減税額の金額を記入の上、配偶者や扶養親族について定額減税を適用する場合には、第二表「配偶者や親族に関する事項」の「その他」欄に「2」と記入してください。

(2) 電子帳簿保存法

領収書・請求書などをメールやEDI(電子データ交換/Electronic Data Interchange)、クラウドなどの電子データで受領した場合には、「電子取引」に該当し、2411日以降、そのデータを電子保存することが必要となりました(紙に出力しての保存は不可)。なお、「電子帳簿」「スキャナ保存」については、これまで通り書面での保存が原則で、電子保存については任意です。

(3) 申告書控えの収受印押なつ廃止

2511日以降、税務署に確定申告書などを書面により提出した場合には、申告書の控えに収受日付印の押なつが行われないこととなりました。郵送により申告書を提出する際は、提出用のみを送付し、控えについてはご自身で提出年月日の記録・管理をしてください。

(4) 少額減価償却資産の必要経費算入制度の延長

青色申告書を提出している事業者は、購入金額が1台につき30万円未満の資産を取得した場合、全額が必要経費となる制度(年間合計300万円まで)の適用期限が2年間延長され、26331日まで適用されることとなりました。

(5) 国等から助成金等が支給された場合の取り扱い

① 非課税となるもの

2024年度新たに住民税非課税世帯等となる世帯への給付金

・定額減税しきれないと見込まれる方への給付金(調整給付)

② 事業所得の雑収入となるもの(消費税は対象外)

・新型コロナウイルス感染症特別利子補給制度に関する利子補給金

・東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金等、自治体による物価高騰対策補助金等

・マイナ保険証の利用人数の増加量に応じた一時金

・オンライン資格確認等の導入に必要となる資格確認端末の購入等に係る補助金

※収入計上時期は支給決定時です。ただし、経費を補填するために交付を受ける助成金などについては、その支出が発生した年分の収入とされます。また、補助金等により固定資産を取得した場合には、国庫補助金等の総収入金額不算入制度(いわゆる圧縮記帳)を適用することにより課税の繰り延べをすることができます。

(6) その他の留意点

① 金属売却収入

歯科金属や金歯・撤去冠などの歯科スクラップを金属業者へ売却した場合、忘れないよう雑収入に計上してください。

② 賃上げ税制

青色申告書を提出している事業者が一定の条件を満たした上で、前年より給与などの支給額を1.5%以上増加させた場合、給与など増加額の15%から最大40%を所得税額から控除することができます。ただし、税額控除額は、所得税額の20%が上限となります。

103万円の壁について

25年から、いわゆる103万円の壁が123万円となり、課税最低限が引き上げられる予定です。なお、25年1月からの給与所得の源泉徴収税額表の変更はなく、年末調整で所定の調整が行われる見込みです。

★経営管理研究会(2024年11月28日開催)をオンデマンド配信中

なお、協会では、「定額減税 押さえておきたい確定申告のポイント~そして賃上げ促進税制~」をテーマとして開催した経営管理研究会(20241128日開催)をオンデマンド配信しています。デンタルブックの協会制作動画コーナーよりぜひご覧ください。

生産性向上・職場環境改善を目指す/1診療所当たり18万円を給付へ

生産性向上・職場環境改善を目指す/1診療所当たり18万円を給付へ

昨年125日に開催された社会保障審議会医療保険部会で、2024年度補正予算に「医療分野の生産性向上・職場環境改善等による更なる賃上げ等の支援」が盛り込まれた。

▼ベースアップ評価料の届出が条件

これは、ベースアップ評価料の届出をしている1歯科医療機関あたり経費相当分の給付金として18万円を支給するものだ。具体的な申請方法や申請期限は、今後示される予定。詳細がわかり次第、デンタルブックメールニュースなどで知らせる。

なお、本年1月から、ベースアップ評価料(Ⅰ)専用届出様式が簡素化されている。概要は以下の通り。

【対象施設】

・生産性の向上に資する設備導入等の取り組みを進める医療機関等(ベースアップ評価料届出医療機関に限る)

【交付額】

18万円/施設

【生産性向上に向けた取り組みのイメージ】

ICT機器の導入による業務の効率化

・タブレット端末、離床センサー、インカム、WEB会議設備等の導入

 →職員間の情報伝達の効率化(チーム医療の推進)

・床ふきロボット、監視カメラ等の導入

 →清掃業務、院内監視業務等の効率化

・タスクシフト/シェアによる業務の効率化

・医師事務作業補助者・看護補助者の配置↓医師・看護師の業務効率化(診断書作成、病室内の環境整備や看護用品の整理等)

※新たに配置する際に必要な経費の他、既に雇用している職員の人件費に充てることが可能

【施策のスキームなど】

Ⅰ 医療機関は都道府県に交付申請し、都道府県は国に所要額を交付申請

Ⅱ 国は都道府県を通じて医療機関に所要額を交付決定し、都道府県が医療機関に交付

Ⅲ 医療機関は速やかに都道府県に実績報告

Ⅳ 都道府県が国に実績報告を行い、国は交付額を確定して都道府県に通知

診療報酬期中改定/4月実施へ

診療報酬期中改定/4月実施へ

1月29日に行われた中央社会保険医療協議会(中医協)総会に「中間年改定の年に行う期中の診療報酬改定」として、歯科に関連して歯科衛生士や歯科技工士のタスクシフト・手間への評価が答申された。その中で歯科関連については、歯科衛生実地指導料の口腔機能指導加算、歯科技工士連携加算がそれぞれ4月から引き上げられる(表参照)。

今回答申されたのは、①入院時の食費の基準の見直し、②歯科衛生士や歯科技工士のタスクシフト、手間への評価の見直し、③長期収載品の選定療養化や医薬品供給不安に伴う服薬指導の評価の見直し―の3項目。特に②では、高齢化の進展などにより歯科診療のニーズが増加している中、歯科診療所などで、より専門的な業務を行う歯科衛生士、歯科技工士を確保し、限られた人材で歯科医療を効率的に提供する観点から、歯科衛生士、歯科技工期中改定表 4月以降の点数引き上げ士の業務に関わる評価の見直しが盛り込まれている。

昨年1225日の大臣折衝を踏まえ、緊急的に対応すべきものとして「地域での希少な医療資源を有効活用する観点から、口腔機能指導や歯科技工士との連携に係る加算について上乗せ加算を講ずる」とされた。

重要懸案/オンライン請求猶予届出を巡り厚労省が再提出方法示す

重要懸案/オンライン請求猶予届出を巡り厚労省が再提出方法示す

会員から「オンライン請求の猶予届出が不受理となった」との問い合わせが多数寄せられている。全国の保険医協会・医会からも同様の状況が報告されているため、全国保険医団体連合会(保団連)は昨年1226日、オンライン請求猶予届出の再提出に関する厚生労働省要請を実施した。以下に、届出の再提出の方法などを紹介するので、参考にしていただきたい。

厚労省はオンライン資格確認の体制整備の機会に乗じて、医療機関の請求方法を「20249月末までに原則オンライン請求に移行」とし、光ディスクなど(以下、電子媒体)で請求する医療機関については「猶予届出書兼オンライン請求への移行計画書(以下、猶予届出書)」の提出が必要としていた。 ところが、電子媒体での請求を続けるための猶予届出書を提出したにもかかわらず、「オンライン請求に移行できない理由」に該当しないとして、支払基金から電話があり、返戻される事案が東京を含む全国で確認されていた。

そこで、保団連が電子媒体で請求する医療機関からの猶予届出書の再提出要請を撤回することなどを求めて、改めて厚労省要請を実施した形だ。

その結果、「移行できない理由」を記載する際は、その具体的な理由を付け加えて記載することが付記された。例えば、「患者減少のため、今後の費用負担など経営上の理由で導入困難」や「高齢のためセキュリティ上の不安から導入困難」などがあげられる。

「レセプト枚数が極端に少ない」や「1年後に廃院を検討中」「高齢のため一人で対応している」など、さらに具体的な理由がある場合は「備考欄」に記入する。

また、猶予届出書の更新期日は2025年9月末まである。様式には、移行の目安時期の記載が必要となる。移行計画は「イ.来年*3月末までの時期」または、「ウ.来年*9月末までの時期」のどちらかを選択することになるが、残りの期間を鑑みると、「ウ」の選択が現実的である(*猶予届出書は2024年内に提出したものであるため、「来年=2025年」を指す)。

東京歯科/歯科開業医会員 年間増加数 2年連続トップ表彰

東京歯科/歯科開業医会員 年間増加数 2年連続トップ表彰

全国保険医団体連合会(以下、保団連)は1月26日、2024〜25年度第2回代議員会を開催した。加盟団体表彰では、歯科開業医会員年間増加数で当協会が全国1位に輝き、保団連の竹田智雄会長から表彰を受けた。2年連続トップでの受賞となり、当協会の坪田有史会長が表彰状を受け取った。

なお、同増加数は当協会以下、岡山県保険医協会、兵庫県保険医協会が上位に続いた。

2024年度会員の意識と実態調査

2024年度会員の意識と実態調査

◆目  的実態調査は5年に一度、会員の経営実態の把握と意識を明らかにし、協会活動の基礎資料とすることを目的として協会が実施。

◆実施方法以下の通り。

①調査対象 東京歯科保険医協会会員(賛助会員除く)6,014  2024930日時点

②調査地区 東京23区・26市・5町・8村の計62地区

③調査方法 調査方法は郵送で調査票を配布し、郵送による返信

④調査期間 202410月1日~ 1031

◆回答状況有効回答数 1,658件、回収率27.57

※前回調査(2019年7~8月) 有効回答数1,002件 回収率17.3

注)数値については小数点第2位以下を非表示にしており、合計しても100%にならない場合があります。

≪調査結果概要≫

1、年代

今回の回答者を年代別に見ると、2019年と比較して「30歳代」(5.4%)は3.3ポイント、「40歳代」(20.2%)は10.7ポイント、「50歳代」(30.7%)は1.2ポイント減少した。その一方で、「60歳代」(30.8%)は9.1ポイント、「70歳代以上」(12.4%)は6.7ポイント増加した。

2、ユニット台数と地域差

ユニットの台数(図1)は、「4台」「5台」「6台以上」を合わせると、23.1%(09年)、24.7%(14年)、29.2%(19年)、31.9%(24年)と、調査の度に増加している。「6台以上」と回答している人の地域を調べると「多摩地区」(13.1%)、「城東地区」(10.2%)、「城北地区」(9.7%)が多かった。また、常勤歯科医師数を見ると、「5人以上」と回答した割合が「多摩地区」(7.9%)、「城東地区」(7.4%)、「城北地区」(5.6%)で多く、1カ月あたりの総点数についても「50万点以上」との回答した割合が「多摩地区」(21.7%)、「城東地区」(15.6%)、「城北地区」(19.0%)で高くなっていた。

3、展望、子どもの将来

歯科医療の将来展望については、19年より「明るい」(26.8%)は9.4ポイント増加したが、同様に「暗い」(46.7%)も7.8ポイント増加した。なお、「明るい」という回答は、09年から調査を行うごとに増加している。

また、子どもを将来歯科医師にしようと思うかについて(図2)は、「思う」(9.5%)よりも「思わない」(22.9%)が多かった。さらに、年代別で見ると、子どもを歯科医師にしたいと「思う」と回答したのは40歳代(15.5%)が最も多く、60歳代(4.7%)が最も少なかった。

4、診療報酬改定の評価

診療報酬改定の評価(図3)は、19年と比較して満足しているとの回答(「大いに満足」「満足」の合計)は7.1ポイント減少した。同じく不満との回答(「大いに不満」「不満」の合計)も23.6ポイント減少した。満足しているとの回答(3.5%)は09年以降では今回が最も少ない。一方で「どちらでもない」(41.5%)は09年以降では最も多く、診療報酬改定が複雑で難解な内容であったことにより、評価できないとの回答が多くなったと考えられる。

年代別(図4)で見ると、診療報酬改定の評価について2030歳代を中心に「どちらでもない」という回答が多くを占めているが、全年代で評価について「大いに満足」「満足」はわずかで、それよりも「大いに不満」「不満」の割合が多かった。

また、不満と回答した理由を年代別に見ると、「算定しても割に合わない」「内容が複雑すぎる」「収入が増える気がしない」が理由の上位に挙がっており、特に「内容が複雑すぎる」は全年代で高い数値を示した。

5、歯周病安定期治療(SPT

歯周病安定期治療(SPT)を算定しているか否かについて(図5)は、19年と比べて「全レセプト枚数の150%未満」(50.0%)は17.4ポイント、「SPTが何か分からない」(2.1%)は0.6ポイント増加した。一方で、「算定していない」(42.3%)は18.6ポイント減少した。

特に「算定していない」(42.3%)は14年以降で最も少なく、算定しているとの回答(「1 50%未満」「50%以上」の合計)は14年以降では最も多かった。算定要件の緩和などにより、算定する医療機関が増加していることが明らかになった。また、年代別に見ると、50歳代・60歳代・70歳以上は「算定していない」との回答が多い。20歳代・30歳代・40歳代はSPTの算定が多かった。

2/27(木)開催 医療安全講習会「歯科医師と歯科衛生士とで学ぶ臨床歯科麻酔学」

★ご予約受付中★

医療安全講習会

「歯科医師と歯科衛生士とで学ぶ臨床歯科麻酔学-全身疾患やストレスによるリスクを回避する3つのポイント-」

2019年は私が記憶するだけでもアナフィラキシーショック,低血圧症,血管迷走神経反射,過換気症候群を立て続けに経験する年となりました.それまで血管迷走神経反射は1/年の経験があるかどうか,アナフィラキシーショックは過去10年間を通して1例も経験がなかったにもかかわらずです.偶発症や合併症は「いつ」「どんな時」に遭遇するか歯科麻酔科医でもわからないものです.そこで今回,患者さんに「安全で快適な歯科医療」を提供する上で大切なチェアサイドで考えるべき3つのポイントについてお伝えさせていただきます.【講師より】

日時:2/27(木) 19:00~21:00

場所:東京歯科保険医協会会議室ならびにZoomウェビナー

講師:雨宮 啓先生

対象:会員ならびに診療所に勤める歯科衛生士

参加費:無料

予約:こちらより お申込みください。

※当講習会は年2回の実施義務である医療安全管理に関する職員研修に含まれます。

〈略歴〉

1999年 東京歯科大学歯学部卒業

2003年 東京歯科大学大学院(歯科麻酔学)修了

2003年 白鳥歯科インプラントセンター勤務

2009年 藤沢歯科ペリオ・インプラントセンター開設

2017年 CDAC(Clinical Dental Anesthesiologist Club)設立

 

〈学会・スタディーグループ〉

日本歯科麻酔学会認定医

日本臨床歯周病学会認定医・指導医

日本歯周病学会歯周病専門医

日本口腔インプラント学会専門医

東京歯科大学非常勤講師(歯科麻酔学講座)

CDAC(Clinical Dental Anesthesiologist Club)代表

 

歯科用貴金属の随時改定 3月から引き上げへ

歯科用貴金属の随時改定 3月から引き上げへ

歯科用貴金属の随時改定が3月から実施される。
金銀パラジウム合金などの告示価格は1グラムあたり3,010円から3,230円に、30グラムあたりでは90,300円から96,900円に引き上げられる。

解説 :保険証の発行終了で起きる2025年問題とは/保険証の有効期限終了と更新手続きの留意点

解 説 : 保険証の発行終了で起きる2025年問題とは/保険証の有効期限終了と更新手続きの留意点

昨年122日、健康保険証の新規発行が終了となった。マイナ保険証の利用率が11月時点で18.52%しかない中での終了である。

これにより、現行の健康保険証の有効期限は最長25121 日までとなり、マイナ保険証がない患者には、今後「資格確認書」が発行されることとなる。マイナ保険証を持っている場合、基本的に「資格確認書」は発行されないため、「資格確認書」が必要であればマイナ保険証の登録解除が必要になる。

また、マイナンバーカードの電子証明書は5年ごとに更新が必要であり、25年度は更新時期を迎える患者が24年度の約2.6倍に増える。今回は、マイナ保険証の登録者が遭遇する25年の注意点を解説する。

最長1年は保険証使える不安なら解除リーフを現在の健康保険証は、24122日以降も有効期限が切れるまでは利用できる(図1)。よって、マイナ保険証に切り替えたくない場合は、保険者に対して登録解除の申請を行う。

協会は、保険者ごとの健康保険証の有効期限およびマイナ保険証の登録解除方法を解説した患者向けの「マイナ保険証解除リーフレット」を、会員に無料配布している。マイナ保険証に不安がある患者さんには、ぜひ窓口で配布していただきたい(ご注文は電話03―3205―2999まで)。

◆電子証明書の更新案内到着時の注意点

マイナンバーカードの電子証明書には有効期限があり、5年ごと(5回目の誕生日まで)に更新手続きが必要になる。25年度は更新を迎える人が2768万人おり、24年度の176万人の約2.6倍に増えるため、この問題は24年度以上に深刻化する。

更新手続きの流れは、有効期限の23カ月前をめどに対象者に案内が送付され、それに沿って区市町村窓口で手続きする仕組みとなっている。仮に更新手続きを忘れた場合、マイナ保険証は使用できなくなり代わりに資格確認書が発行される。さらに、猶予措置も設けられており、電子証明書の有効期限が切れた後でも、最大で4カ月間は薬剤などの情報取得はできないが、マイナ保険証での資格確認はできる(図2)。

全国民に資格確認書を自動発行すべきこのように、マイナ保険証の問題点の一つに、健康保険証と異なり自ら手続きが必要(申告制)な点があげられる。マイナ保険証で資格確認ができないトラブルの中には、更新手続き忘れが原因とみられるものもある。申告制であることは資格確認書も同様で、現状は「当面の間」申請なしにマイナ保険証がない患者に対して、資格確認書が自動発行されることになっている。申告制が前提であるマイナ保険証を原則とすることが、現場に混乱を生む一因といえる。

協会は、国会議員や行政などへの要請において、資格確認方法の乱立による混乱を軽減する視点も含め、マイナ保険証の有無にかかわらず、全国民に自動的に資格確認書(カード型など)を発行することを求めている。

保険証の存続を求める署名1月末までに協会へ送付を25年には健康保険証の発行終了によるさまざまな問題が発生することが懸念されている。問題の解決には、まずは健康保険証を存続したうえで、生じたさまざまな問題点を一つひとつ解決し、国民の不安を解消することが肝要である。

協会は今年の通常国会で「現行の健康保険証を残してください」請願署名を提出する。お手元にある署名は、ぜひとも1月31日(金)までに協会へ送付していただきたい。

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)1月1日

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)1月1日

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【新聞1月号】

【1面】

  1.会長「年頭所感」
  2.巻頭写真「嵐のち青天」
  3.「探針」
  4.ニュースビュー

【2面】
  5.東京都 物価高騰で緊急支援金/歯科診療所に15万円/申請にはGビズIDの取得を
  6.2023年度 高点数による個別指導は4年連続実施なし/萎縮診療せずカルテ記載や請求内容を確実に
  7.講師が実体験交え解説/参加者は歯科訪問診療に意欲
  8.施設基準のみなし期間来年5月31日終了/再届出の場合は十分注意を

【3面】
  9.オン資義務化撤回訴訟 原告控訴「納得していない」/棄却理由“不十分” 弁護団が見解
10.改定評価70%が「悪かった」/速報歯科会員アンケート
11.「オンライン資格確認不存在訴訟」原告団副団長として
12.私が見たオン資訴訟/判決受け、今、私たちがすべきこと(原告団 早坂美都)

【4面】
13.経営・税務相談Q&A No.424「オンライン請求システムと電子帳簿保存法~支払基金からの振込通知書が送付されなくなりました‼」
14.「国民健康保険証廃止に伴う“資格確認書”送付等に関するアンケート」
15.経営管理研究会 定額減税と年末調整・確定申告のポイントを解説
16.歯初診・外安全1・外感染2・歯援診・口管強のための施設基準講習会
17.1月会員無料相談のご案内

【5面】
18.研究会・行事ご案内

【6面】
19.保険証の発行終了受け議員〝緊急要請〞有効期限延長・全国民への資格確認書発行求める
20.解説 保険証の発行終了で起きる2025年問題とは/保険証の有効期限終了と更新手続きの留意点

【7面】
21.オン資訴訟判決後 緊急インタビュー/提訴から2年、棄却も意気軒昂/判決がマイナ問題“再議論”のきっかけに
22.「よい歯」連絡会が総会記念講演/参加者を交え健康保険証存続の展望を議論

【8面】
23.教えて!会長!!No.90/「会員の意識と実態調査」の報告
24.被団協がノーベル平和賞を受賞/核兵器使用の可能性に危機感
25.理事会だより
26.12月協会活動日誌
27.共済部だより

【9面】
28.症例研究「口腔管理体制強化加算(口管強)の施設基準を届出していない医療機関でのエナメル質初期う蝕管理料(Ce管)の算定」

【10面】
29.「会員の意識と実態調査」の特徴点/52%経営「苦しくなった」/今次改定には53%が「不満」覚える
30.神田川界隈「人口減少社会と迫りくる歯科医師不足時代」(副会長/馬場安彦)
31.新春pick up/目標は「100歳まで診療」/“御年90歳”歯科の知識で地域貢献も

【11面】
32.保険証存続求め国会内で集会/強い反対招いた保険証の発行終了/登録解除や資格確認書発行の周知徹底要求
33.通信員便りNo.146
34.謹賀新年名刺広告

【12面】
35.連載「マイナ保険証の〝失態〟を追う~このまま見過すことはできません~」/第10回・完:「楽しい」「便利」を置き去りにした日本のデジタル化(荻原博子氏)
36.新春会員投稿「私の一枚」

健康保険証の発行終了受け議員〝緊急要請〞/有効期限延長・全国民への資格確認書発行求める

健康保険証の発行終了受け議員〝緊急要請〞/有効期限延長・全国民への資格確認書発行求める

2024年122日の健康保険証の発行終了を受け、協会の坪田有史会長、早坂美都副会長は1218日、国会議員へ緊急要請を行った。

12月2日以降、健康保険証が使用できないと誤解する患者がいるなど、現場で混乱が生じている。協会は、「これからの窓口対応きほんのマニュアル」を本紙12月号に折り込み会員に配布したほか協会ホームページにも一般公開し、現場が混乱しないように対応してきた。

会員からの相談では、健康保険証以外に複数の資格確認方法が乱立することへの戸惑いが多い。また、マイナ保険証を持つ患者には紙の「資格情報のお知らせ」(一部、マイナ保険証を持たない患者にも送られる場合もあり)が、マイナ保険証が無い患者にはカード型などの「資格確認書」が発行される仕組みとなっており、なぜ二つに分けるのかという点も指摘されている。

そこで本要請においては、トラブルの問題だけではなく、混乱を解消する方法として、①現行の健康保険証を存続させること。少なくとも、健康保険証の有効期限(最長25121日)を延期させること、②患者および窓口業務の混乱解消のため、マイナ保険証がある患者に紙の「資格情報のお知らせ」を、マイナ保険証がない患者に「資格確認書」(カード型等)を送付する取り扱いを改め、マイナ保険証の有無にかかわらず「資格確認書」を送付すること、の2点を関係各国会議員に要請した。

◆活発な意見交換を行う

(写真右)武見敬三参議院議員(自民・東京)に要望書を手渡
す(左から)早坂美都副会長、坪田有史会長

懇談では、積極的な意見交換が行われた。協会の提案に対して、「『資格情報のお知らせ』と『資格確認書』を分ける必要性は乏しく、それならば今までのように健康保険証を残したまま、使いたい人がマイナ保険証を使える仕組みの方がよい」「健康保険証の発行停止を機に閉院した医療機関もあると聞いている。医療提供体制への悪影響が心配だ」と、概ね賛同する意見があった。

一方で、「過渡期である今、混乱が起きるのは致し方ない部分はある。将来、日本全体で医療従事者を含む働き手不足が懸念されており、医療DXの推進自体は必要ではないか」「期日を決めないと物事は進まない。その判断は難しいが、国民の不安払拭には医療提供側に問題が起きないことが必須である。顔認証付きカードリーダーの導入に時間がかかった要因を踏まえた検討が必要ではないか」という指摘もあった。

協会は、国会議員や行政との意見交換を通じて、現場の声を届けつつ、国民と歯科医療機関に混乱が生じないよう、必要な対策実施を求めていく。引き続き、協会の諸活動へのご理解とご協力をいただきたい。

なお、今回懇談が実現した参議院議員は以下の5氏(順不同。敬称略)

武見敬三参議院議員(自民・東京)、田村まみ参議院議員(国民・比例)、川田龍平参議院議員(立憲・比例)、)吉良よし子参議院議員(共産・東京) 、小池晃参議院議員(共産・比例)。

4つの施設基準のための講習会を開催

4つの施設基準のための講習会を開催

協会は1215日、ワイム貸会議室高田馬場で、改定後に追加された研修内容を含む「施設基準のための講習会」を開催した。講師は、繁田雅弘氏(東京慈恵会医科大学名誉教授)、坂下英明氏(明海大学名誉教授)、馬場安彦氏(当協会副会長) 、森元主税氏(当協会理事)が務めた。

この講習会は、①歯科外来診療医療安全対策加算1(外安全1)、②歯科外来診療感染対策加算2(外感染2)、③口腔管理体制強化加算(口管強)—などの研修要件に対応した講習であり、新規に施設基準の届出を行う会員を想定して開催したもの。

歯初診・外安全1・外感染2に対応したコースに30名、歯初診・外安全1・外感染2、口管強、歯援診に対応したコース53名が参加した。

◆次回講習会開催予定

次回は316日に今年度最後の施設基準のための講習会を開催する。今後新規に施設基準の届出を検討している会員はぜひ参加いただきたい。

なお、本年5月末までに再届出が必要となっている旧か強診の届出医療機関は、改定により追加された研修を受講し、その要件を満たした上で、再届出する必要があるため、130日および219日の「口管強追加研修」を受講していただきたい。

内容詳細・お申し込みは、この協会ホームページ「研究会・行事」をご覧いただきたい。

改定評価 70%が「悪かった」/速報 歯科会員アンケート

改定評価 70%が「悪かった」/速報 歯科会員アンケート

昨年11520日に実施した2024年度診療報酬改定の影響などを調査するための「歯科会員アンケート」に当会会員273名から回答が寄せられた。ここでは、その一部を速報として以下にご紹介する。

この調査は全国で行われ、寄せられた意見や要望は、行政、国会議員への要請やマスコミ発表など、歯科医療改善を求める取り組みに活用される。

今回の改定の評価について、「良かった」「どちらかと言えば良かった」は合計でも26.8%にとどまり、「どちらかと言えば悪かった」「悪かった」を合わせると70.3%と、多くの会員が評価していないことが明らかになった。

その中でも、歯科医院経営への影響の観点からプラスの影響が出ると思う項目(図1)で、もっとも多い回答は「プラスの影響はほとんどない」が50.2%であった。2番目は「初・再診料の引き上げ」が40.3%、3番目は同率で「CAD/CAM冠・インレーの適用拡大」と「ブリッジ支台歯の前装MCが5番まで適用」が27.8%と続いた。

マイナスの影響が出ると思う項目(図2)は、「施設基準の複雑化」が65.6%でもっとも多くなった。外来環が外感染、外安全に再編されたこと、か強診が口管強へ改変されて、研修要件などが変更されるなど、両項目ともみなし期間内(今年5月末まで)に再届出が必要となる。複雑な取り扱いでわかりにくく、今なお混乱を来している。次いで、「補管の対象から金属冠(単冠)が外されたこと」が38.8%となり、補管についての評価は分かれている。3番目は「ブリッジ支台歯の4番、5番の前装MCの形成料の引き下げ」が34.4%と続いた。

医院経営の改善のために、国の制度として必要な方策については、「診療報酬の引き上げ」が89.7%となった。やはり低歯科診療報酬の中での点数の組み換えではなく、診療報酬の総枠を拡大し、歯科診療報酬の大幅な引き上げが必要であることが明らかとなった。

今回の結果は、次期診療報酬改定の改善に向けて重要な結果であり、歯科開業医の意見として厚生労働省に届けていく。

「会員の意識と実態調査」の特徴点 52% 経営「苦しくなった」/今次改定には53%が「不満」覚える

「会員の意識と実態調査」の特徴点 52% 経営「苦しくなった」/今次改定には53%が「不満」覚える

昨年10月に実施した「会員の意識と実態調査」は、1,658人の会員から回答が寄せられた。会員のおよそ4分の1以上が、このアンケートに回答したことになる。その内訳は開業医が1,519人、勤務医が120人、不明が19人だった。2024121日現在、都内の歯科医療機関数は10,416施設であり、都内で開業する歯科医師の約15%が本アンケートに回答している。

本号ではアンケート結果から一部特徴点を紹介する。回答者の属性(性別、年齢、開業地など)によっては傾向に差があるため、より詳細な分析や考察を加えた報告については、本紙2月号に掲載する予定である。

◆医業経営「苦しくなった」52%

世界各地の紛争などにより、21年頃から続いている光熱費・物価の高騰。長引く景気低迷、さらに財務省が主導する増税政策が、国民生活をより厳しいものにしている。

現在の医業経営が以前と比べてどのように感じたのかに関する質問では、「苦しくなった」が52.1%となった。一方で、「楽になった」がわずか5.1%にとどまっている(1参照)。

また、24年7 月は、診療報酬改定後であるにもかかわらず、前年同月比で保険収入は「減少した」が42.4%であった(2参照)。保険収入が減少した理由は「患者の減少」が80.1%であった(3参照)。

さらに、23年度と比較すると、医院における1日あたりの患者数は、「減少した」が45.2%であった。

医業経営については、保険収入が減少したことや患者数の減少などから、厳しい医療機関が多数存在することが判明した。また「ベースアップ評価料Ⅰ」は、ほとんど算定されていない。今後、本調査結果については、より詳細な分析を行っていく。

なお、この「会員の意識と実態調査」における患者数や経営状況の経年変化については、このホームページの「コラム・インタビュー」コーナーと「協会ニュース」コーナー、および機関紙「東京歯科保険医新聞」202511日号8 面の「教えて! 会長!! No.90 」でも触れているので、ぜひご参照いただきたい。

オン資義務化撤回訴訟 原告控訴「納得していない」/棄却理由“不十分” 弁護団が見解

オン資義務化撤回訴訟 原告控訴「納得していない」/棄却理由“不十分” 弁護団が見解

オンライン資格確認の義務化にあたり全国の医師・歯科医師が国を訴えた裁判の判決が昨年1128日、東京地方裁判所で言い渡され岡田幸人裁判長は、原告の訴えを棄却した。原告1415人のうち、1366人は1212日、判決を不服とし、控訴を申し立てた。

判決を言い渡された当日、原告団副団長で当会会長の坪田有史氏ほか、原告で同副会長の早坂美都氏、同理事の橋本健一氏、同会員の扇山隆氏ら原告団から44人が集まり、大法廷を埋めた。開廷からわずか1分ほどで主文が読み上げられると、原告団からはため息が漏れ、その後、原告団は地裁前に詰めかけた報道陣に「不当判決」の四文字を掲げた。

司法記者クラブで行われた会見で、須田昭夫原告団長(東京保険医協会会長)は「納得していない」として控訴の意向を伝え、今後、過疎地などで廃業する医師・歯科医師が増えることへの懸念を示した。また、佐藤一樹原告団事務局長(同理事)は、健康保険証の新規発行が終了する122日以降も健康保険証が使用できることを強調した上で、〝健康保険証廃止〞という誤った認識を広めないよう報道陣に呼びかけた。

また、判決文のうち「裁判所の判断」が記載された部分はわずか12ページのみ。これについて、原告向け説明会で喜田村洋一弁護団長は「お手軽判決」と憤りをあらわにした。さらに、原告の主張が退けられる理由が十分ではないとした上で、「原告の主張を論理立てて、間違いであると言えなかった」と分析。控訴審に向けて、「理論では完全に国を凌駕していると思っていますので、そのことが高裁の裁判官にわかるように、しつこくやっていきたいと思います」と決意を新たにした。原告からは、オン資導入が〝医療活動の自由に重大な制限を課するとまではいえない〞とした判決を疑問視する意見が相次いだ。

なお、訴訟の各種資料は、東京保険医協会ホームページで見ることができる。また、佐藤氏を取材した【<オン資訴訟判決後緊急インタビュー>提訴から2年、棄却も意気軒昂 判決がマイナ問題“再議論”のきっかけに】もぜひご覧いただきたい。

2023年度 高点数による個別指導は4年連続実施なし/萎縮診療せずカルテ記載や請求内容を確実に

2023年度 高点数による個別指導は4年連続実施なし/萎縮診療せずカルテ記載や請求内容を確実に

協会は関東信越厚生局東京事務所(以下、東京事務所)に行政文書の開示請求を行い、2023年度の個別指導が96件実施されたことが明らかになった。選定理由の内訳は、情報提供40件、再指導53件などで、高点数による個別指導は4年連続して実施されなかった(1)。

◆「情報提供」による個別指導は計画件数より2倍

個別指導の実施件数は、指導計画では全体で84件が予定されていたが、実際は12件増の96件となり、情報提供による個別指導は指導計画の21件に対し、約2倍となる40件の医療機関に実施されたことが分かった。これについて東京事務所は、「年度途中の情報等により早急に指導が必要と認める保険医療機関について、適宜選定委員会において選定の上、実施する」とした。

◆新規個別指導の再指導26件

個別指導後の結果は、「概ね妥当」1件、「経過観察」48件、「再指導」32件、「中断中」6件「年度内に指導結果の通知が送付されていない」15件であった(2)。

 新規個別指導の結果は、「概ね妥当」90件、「経過観察」258件、「再指導」26件となった(3)。新規個別指導後の再指導は、概ね1年後に個別指導が実施される。

指導を受けて今後が不安な先生は、協会まで連絡いただきたい。

◆正しい知識とカルテ記載こそ重要

東京都で行われる個別指導は、指導医療官4名、東京都福祉保健局指導監査部医療機関担当課長1名のほか、保険指導医31名で行う。指導においては、正しい保険請求の知識とその根拠となる適切なカルテ記載こそが最も重要である。

協会では、カルテ記載や保険点数の算定要件などを解説する新規開業医講習会を本年3月に開催する。これから新規個別指導が予定されている方や個別指導などに不安を感じている方はご参加いただきたい。開催要領は下記をご覧ください。

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【新規開業医講習会】

◆新規個別指導を控える先生、改めて保険診療を学びたい先生へ―

新規個別指導は開業後、概ね半年~8カ月以内の医療機関が選定されています。指導対策は、通知が届く前の早い段階で準備を進めることが最も大切です。講習会では、年間100件を超える相談を基に、指導で指摘されやすい事項を含め、保険診療の基本的なルールやカルテ記載、請求方法、自費と保険の考え方を丁寧に解説します。

 これから開業を検討しておられる先生や勤務医の先生、改めて保険のルールなどについて確認したいという先生にも、ぜひご参加いただきたい講習会です。

★日 時 330日(日)正午~午後530

★講 師 協会講師団

★会 場 ワイム貸会議室高田馬場(4F)

★定 員 50

★対 象 会員・未入会員

★参加費 会員13,000円、未入会員30,000

★予 約 こちらからお申し込みください

★担 当 組織部:TEL 03-3205-2999

<受付中>3月16日(日) 第7回施設基準のための講習会

本講習会は、以下に掲げる施設基準の「研修要件」を満たす講習会です。

新規に以下の施設基準を届出する会員の先生方向けの講習会です。
  • 歯初診(歯科点数表の初診料の注1に係る施設基準)
  • 外安全1(歯科外来診療医療安全対策加算1)
  • 外感染2(歯科外来診療感染対策加算2)
  • 口管強(小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算)
  • 歯援診1・2(在宅療養支援歯科診療所1・在宅療養支援歯科診療所2)

◆お申込みの内容を確認後、開催(2月中旬以降)が近くなりましたら、郵送先(すでに協会に登録済みのDM送付先)に案内状と振込用紙(ゆうちょ銀行用)をお送りします。なお、期日までに振込の確認ができない場合、キャンセル扱いとなる場合がございます。
また、当会会員限定の講習会になっておりますので、未入会の先生はお申込み前にご入会が必要になります。

【日 時】
3月 16 日(日)

【内 容】
▼5つコース▼ 参加費:8,000円
13時~1830
~対応している施設基準~
●歯初診、外安全1、外感染2、口管強、歯援診1・2
※お申込みを頂くコースによって、開始時間および参加費用が異なりますのでご注意ください。

▼3つコース▼ 参加費:5,000円
16時~1830
~対応している施設基準~
●歯初診、外安全1、外感染2
※お申込みを頂くコースによって、開始時間および参加費用が異なりますのでご注意ください。

 【場 所】
ワイム貸会議室高田馬場 3階

 【対象者】
会員(東京歯科保険医協会の会員に限ります)
※代理出席は認められません。ご本人の参加が必須です。
※未入会の先生はご入会が必要になります。
※他協会の方はお申込み頂けません。

【定 員】
100名程度(定員になり次第、締め切らせていただきます)。

【講 師】
・繁田雅弘 氏(東京慈恵会医科大学精神医学講座 名誉教授)
・坂下英明 氏(明海大学名誉教授/朝日大学客員教授/我孫子聖仁会病院口腔外科センター長)
・馬場安彦 氏(東京歯科保険医協会 副会長)
・森元主税 氏(東京歯科保険医協会 理事)
 
【内 容】
在宅医療・介護等、歯科疾患の重症化予防に資する継続管理(エナメル質初期う蝕管理、根面う蝕管理および口腔機能の管理を含む)、高齢者・小児の心身の特性(認知症を含む)、院内感染防止、緊急時対応、医療事故、偶発症等
※施設基準の届出に必要な研修要件を網羅できます。

【問い合わせ先】
社保・学術部:03-3205-2999

 【申し込みはこちら】
https://forms.gle/UKoH3tma8fp5R8SR8
<必ずお読みください>
かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の施設基準を3月31日までに届け出ている医療機関であって、かつ当該施設基準の算定実績がある医療機関の場合、2025年5月31日までに口管強(小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算)の施設基準を厚生局に届け出を行うことで施設基準を維持することができます。そのため、上記に該当する会員においては、「施設基準のための講習会(口管強追加研修)  」を受講いただき、口管強の届出の際にご活用ください。ご不明な点は、協会までお問い合せください。

【教えて!会長!! No.90】「会員の意識と実態調査」の報告

【教えて!会長!! No.90】「会員の意識と実態調査」の報告

機関紙「東京歯科保険医新聞」2025年1月号10面に、協会が5年ごとに行っている「会員の意識と実態調査」の現時点における特徴点をピックアップし、速報として掲載しました。集計の詳細および統計の結果などは本年2月に公表する予定ですが、本稿ではこれに先立って、過去の結果との比較をいくつかご紹介します。

今回の調査は過去の調査(回答率2019年:17.3%、14年:15.9%)と比較して、回答者数および回答率ともにより多くの会員から回答(1,658名、27.6%)を頂戴しました。この場を借りて御礼申し上げます。なお、関東信越厚生局が公表している24121日現在の「保険医療機関・保険薬局の指定一覧 歯科(東京)」では、歯科医療機関数は10,416医療機関となっています。したがって、都内で開業する歯科医師の約15%が本アンケートに回答していることになり、一定程度の信頼性はあると考えられます。

それでは、回答状況を見ていきましょう。

Q この1年で患者数は増えていますか?

A 前回の19年と比較して「増加した」が21.9%から14.9%と7.0ポイント減少し、反して「減少した」が34.9%から45.2%と10.3ポイント増加していました(図1)。

Q 会員は、現在の歯科医院経営は以前と比較してどのように感じているのでしょうか?

 19年と比較して「苦しくなった」が39.7%から52.1%と12.4ポイント増加、反して「楽になった」が8.8%から5.1%と3.7ポイント減少していました(図2)。

以上、患者数および経営の状況から判断すると、5年前と比較して経営が厳しくなっている原因の一つに、患者数の減少があることがうかがえます。「苦しくなった」との回答は定量的な回答ではないものの、歯科医業面で問題があることが推察されます。しかし、83年からの計8回の調査すべてで「苦しくなった」が「楽になった」を上回り、40年間にわたり、歯科保険医療機関は全体として「苦しくなった」と感じながら歯科医業を行っていることになります。

Q 会員は協会に対してどのように感じていますか?

 「大いに頼りにしている」「頼りにしている」は、04年が60.3%、0970.2%、1471.0%、1976.4%、2481.4%と、調査を重ねるごとに増加しており、非常に嬉しい結果となりました(図3)。

今回は結果の紹介はできていませんが、協会活動で評価できた取り組みを伺ったところ、上位の項目(複数回答)は、「診療報酬改定の対応:79.0%」「保険請求の電話相談:49.5%」「施設基準の研究会:43.2%」でした。すなわち、歯科保険医である会員の先生方の要望に沿った活動が行われており、かつ丁寧にアシストできていることなどが評価されているのではないかと思われます。

今回はここまでになります。詳細の公表まで今しばらくお待ちください。

東京歯科保険医協会

会長 坪田 有史

(「東京歯科保険医新聞」20251月号掲載)

新春写真投稿「私の一枚」

新春寄稿「私の一枚」

「東京歯科保険医新聞」20251月号でお写真を募集したところ、複数のご応募をいただきました。ご応募いただき、誠にありがとうございました。以下、各作品をご紹介させていただきます。

「嵐のち青天」(早坂美都先生/世田谷区)

一晩中吹き荒れた嵐の翌日、目が覚めるような青い空が輝いていました。富山県立山室堂平での1枚です。古より「神の山」と信仰されてきた立山連峰を、美しく映し出すみくりが池です。激動の時代、しかし止まない嵐はありません。今年も素晴らしい年になりますように。

 

Sunset in Hilo」(伊藤愛子先生/世田谷区)

10月にハワイ島のヒロで撮影した夕焼けです。丸い木を境に東はピンク色の雲、西はオレンジ色の雲が拡がりその色が海まで染まり、とても美しい景色でした。2025年も素敵な場所に自由に旅ができる年でありますように。

 

「春を待つ」(吉田真理先生/武蔵野市)

新潟旅行の時に撮影しました。雪深い穀倉地帯の厳しい寒さのあとにくる春を人々は待ちわびていることでしょう。

 

「いったんお休み学士会館」(臼井伸行先生/葛飾区)

学会や講習会場として有名な1928年開業で90年以上の歴史を持つ学士会館が、周辺の高層ビルに飲み込まれるようにして、20241229日に閉館(一時休館)することに併せ、撮影記録。

 

「巨大ザメの復元模型」(川本弘先生/足立区)

埼玉県立自然の博物館に展示。サメは何度も歯が生え替わりますが人間はそうはいきません。今年も1本の歯の保存にこだわって診療にあたる所存です。

<オン資訴訟判決後緊急インタビュー>提訴から2年、棄却も意気軒昂 判決がマイナ問題“再議論”のきっかけに(佐藤 一樹×早坂 美都)

<オン資訴訟判決後緊急インタビュー>提訴から2年、棄却も意気軒昂 判決がマイナ問題“再議論”のきっかけに(佐藤 一樹×早坂 美都)

― まずは提訴に至った経緯を教えてください。

骨太方針2022に、翌年4月からオン資義務化、保険証廃止の方針が明記され、電子カルテの標準化により行政と医療界、医学会、産業界が医療情報を利活用する旨が記載されたので注意していたところ、同年8月、厚労省と三師会合同のオンライン説明会で、保険局担当課長が、「療養担当規則が改正され、23年4月1日からオン資が義務化される。導入しない場合、保険医療機関の指定取消し事由になる」旨を発言したことで提訴を決意しました。

― 訴訟の中心を担った東京保険医協会は、当初、訴訟をどう受け止めていましたか。

最高裁判例を研究したところ、本件類似判例で原告が国(担当官庁も厚労省)に勝訴した「医薬品ネット販売権利確認訴訟」があり、訴状の段階からこの判例法理に沿って主張しました。この訴訟の最高裁調査官が偶然、今回の裁判長である岡田幸人判事でした。訴訟の進行も、原告の希望が通ったり、裁判長が被告である国に対して準備書面を書くにあたり、テーマを出したりしていたので、弁護団も原告団も原告有利と考えていました。

― 訴訟の争点は?

(1)健康保険法上、給付の「内容」は保険医療機関及び保険医療養担当規則(療担規則)に委任しているが、資格確認の「方法」については、条文に委任していると書かれていない。これは、法律(健康保険法)の委任がなければ、省令(療担規則)に罰則を設け、義務を課したり、国民の権利を制限する規定を設けることを禁じた国家行政組織法に違反するか否か。
(2)仮に健康保険法上、委任がされているとしてもオン資確認義務化は、委任の範囲を逸脱しているか否か。

最高裁“逆転勝訴”経験した喜田村弁護士

― 弁護団の弁護士はどのような方たちですか。

自由人権協会の主要メンバーで行政訴訟や人権関連訴訟のスペシャリスト。喜田村洋一弁護士と二関辰郎弁護士は、憲法訴訟・行政訴訟の歴史上に燦然と輝く「在外日本人選挙権剥奪違法確認等請求事件」(以下、在外日本人選挙権訴訟)の弁護団長と団員で、最高裁大法廷で逆転勝訴しました。喜田村弁護士は、日本の名誉毀損裁判の基準を創った実力者で、レペタ裁判、ロス疑惑事件、エイズ帝京大事件、ジャニーズ事件、松本人志事件などを担当した日本有数の弁護士です。

― 勝訴した場合、①医療機関、②患者さんにはどのようなメリットが。

①マイナ保険証のためのカードリーダを準備しなくてもよいし、マイナ保険証による資格確認を行わなくてもよいことになります。

②マイナ保険証の義務化で廃業を余儀なくされる医療機関が継続され、患者も安心して従来のかかりつけ医に通院できます。

― 改めて療担規則や、それを違反するとどうなるか教えてください。

療養担当規則は省令(厚生労働省令)なので法令です。各省大臣が担当する行政事務について,法律(健康保険法等)の特別の委任に基づいて定めるルールです。療養担当規則に違反した場合(主に診療報酬に関連した不正など)、最終的には、保険医療機関の取消しの可能性があります。通常は唐突に「取消」ということはありませんが、個別指導から監査を経て、「注意」「戒告」「取消」のどれかの評価を受けることになります。

― 膨大な原告の準備書面は、どのように作られたのでしょうか。

弁護団と原告(主に東京保険医協会理事と事務局や保団連事務局員等)で創設した「訴訟ワーキンググループ」のメーリングリストで、常時さまざまな情報交換をし、弁護団に書面案を作成していただき、医療側で実務関連のチェックをしました。毎月第2月曜日に、東京保険医協会で対面とウェブを併用して会議を開催し、決定しました。二関弁護士は、私の高校2年時のクラスメイトで、カフェで草案の素案を2人だけで練ったこともありました。

― 佐藤先生は医師として診療にあたりながら、原告団の事務局長も担っています。苦労する点も多いのではないでしょうか。

苦労もありますが、医療と法律のはざまで起こるさまざまな課題への対応 は、ライフワークなので積極的に取り組んでいます。日常的に、医療刑事事件、冤罪事件、医療民事事件の意見書を書いたり、法廷に立ったり、個別指導に立ち会って厚生局を監視したり、医療事故調査制度に関係する厚労省の担当者に面会したり、厚労族議員を訪問したり、一緒に医療安全学会の活動をしたりしていますので、この訴訟もその一部です。

― 提訴から判決まで約2年を費やしました。これほど長い期間を要する理由は何だと思われますか。

民事訴訟に輪をかけて行政訴訟の進行は遅いのが一般的で、審理期間は平均15カ月と言われています。今回は、原告が1,415人で、しかも医師と歯科医師、被告が国という大裁判なので、21カ月かかりましたが、それは想定内でした。

― 一審は残念ながら請求棄却となりました。判決を言い渡された時の様子や受け止めを。

弁護団も原告も勝勢と思っていましたので、シーンとした感じでした。岡田裁判長はこれまで、国に対して厳しい指導をして、裁判進行は原告の希望に添って行っていたので、期待していました。裏切られたというか、将来の出世を見越した公務員気質なのか…という残念な気持ちになりました。岡田裁判長は、安倍晋三国葬差止事件、神宮外苑再開発事業認可取消事件、性風俗関連特殊営業持続化給付金支払事件でも国を勝たせていました。

報道陣へ強く呼びかけ…その真意

― 判決後の会見で報道陣に対して“保険証廃止報道”を避けるよう強く呼びかける姿が印象的でしたが、その真意は?

12月2日の法令施行では、「被保険者証」が「資格確認書」に代わりますが、保険証は期限が来るまで使用できます。その後は、資格確認書が保険証の役割を果たしますので、マイナ保険証は不要です。法令では、「廃止」「停止」といった文言はないのに、「保険証廃止」と報道すると、焦ってマイナンバーの取得やマイナ保険証の登録が義務になったと勘違いして申請してしまう人が増えるかもしれません。それを阻止するためです。

― 判決後、周囲の反応はどうでしたか。

患者さんにも、周囲の医師や弁護士にも、当然、控訴するものだと思われていて、励まされています。判決前 に、テレビ局2社、通信社2社、新聞社4社、週刊誌1社からの個別取材を受けましたが、判決後にも改めて取材申し込みがありました。改めてマイナ保険証の問題点を論議するきっかけにもなっています。

― 控訴した際、原告の主張や書類等は一審から変更、修正が加えられるのでしょうか。

まだ主張は検討中ですが、おそらく変更はなく、新証拠や既存の証拠などから角度を変えた主張を追加して修正することになると思います。

― 控訴する際の原告団メンバーは、これまでと同じでしょうか。

一審原告団のうち、亡くなった方や、アンケートで控訴に参加しないと明確な姿勢を示した方を除いた1,366名です。

― 控訴後、勝訴した場合、国は上告することが予想されますが、どのような想定をされていますか。

事実審は二審までなので、上告審は専ら法律論になります。一般に上告が受理されるためには、上告提起(憲法違反または法律に定められた重大な訴訟手続の違反事由が存在する場合)、上告受理申立(最高裁判例違反や法令の解釈に関する違反)を行います。実質上、上告理由は、憲法違反か最高裁判例違反のみとされています。こればかりは、二審判決がでない限り予想は困難です。

― 控訴審に向けた意気込みを教えてください。

喜田村弁護士は、「『在外日本人選挙権訴訟』では、一審も二審も敗訴したのに、最後、大法廷で逆転勝訴した。一審の判決は、「国の主張をそのまま入れた『お手軽判決』と言うしかない。我々の主張がなぜ通らないのかについては、触れていない」とおっしゃっています。また、判決を法廷で聞いた原告44人は、その直後から控訴を決意していますので、意気軒昂です。

― 多くの保険医が訴訟を注目しています。そうした先生方にメッセージを。

一般に行政訴訟の原告勝訴率は一桁と言われています。以前も貴紙に「弁論終結段階で、弁護団も、原告勝勢とみている。しかし、裁判結果は『石が流れて木の葉が沈む』こともある」と書きましたが、現実となりました。これは、二審でも言えることですが、弁護団は法律論争では負けていないと考えています。
東京歯科保険医協会の会員の先生方におかれましては、応援のほど引き続きよろしくお願いいたします。

― 本日はありがとうございました。

※「東京歯科保険医新聞」2025年1月1日号(7面)掲載

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