年別アーカイブ: 2025年

5月31日までにホームページに掲載すべき事項について

5月31日までにホームページに掲載すべき事項について

2024年度診療報酬改定で保険医療機関は書面掲示することとされている事項について、5月31日までに原則としてウェブサイトに掲載しなければならなくなりました。
掲載すべき項目は以下の通りです。

○ 厚生局に届け出た施設基準
○ 明細書の発行状況に関する掲示
○ 物品の販売等であって患者から費用の支払を受けるものに関する事項(当該費用の支払が法令の規定に基づくものを除く)

○ 保険外併用療養費に関するもの
  ・ 金属床による総義歯に係る費用徴収その他必要な事項
  ・ う蝕に罹患している患者の指導管理に係る費用徴収その他必要な事項
  ・ う蝕に罹患している患者の指導管理に係る費用徴収その他必要な事項
  ・ 長期収載品(後発医薬品のある先発医薬品)の処方

自ら管理するウェブサイトを有しない保険医療機関は対象外です。

デンタルブックでは、院内掲示ポスターがダウンロードできます。
院内掲示ポスターの内容を活用してHPにも掲載してください。
各医院に適したものをダウンロードしてご利用ください。


① デンタルブックにログインし、「デンタル書庫」を選択

 
② 「デンタル書庫」内の「院内掲示ポスター/患者配布チラシ」を選択


③ 必要な施設基準をダウンロードし、ご利用ください。PDFやPowerPointデータなどでもダウンロードできます。

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【IT相談室】AIとは何か/医療分野への波及・影響は…

【IT相談室】AIとは何か/医療分野への波及・影響は…

AI」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。本物そっくりのニセ動画?プロも敵わない囲碁や将棋などのボードゲーム?「AIでなくなる仕事ランキング」などの特集記事?

今回は、なんとなくドキドキするけれど、具体的なイメージが定まらないAIと歯科の関わりについて解説していきます。

◆AIは「知能」か

AIは、「人工知能」(Artificial Intell-igence)の略となります。正確で疲れを知らないコンピューターですが、指示した通りの動作しかしない点は機械やロボットと変わらず、人工知能とは呼べません。

例えば、製品などを検品する機械は以前からありましたが、AI出現以前は色や大きさなど、数値化できる基準で良品と不良品を区別していました。

医療の世界では、AIの実用例として読影支援があります。AIは、数値化や数式化できない微妙な違いを読み取り、注意すべきかどうかを「判断」することで、診断を支援します。

◆17年にブレークスルー

2017年に発表された、ビートルズの曲名をもじった「Attention Is All You Need」という画期的な論文により、AIは一気に実用化されました。

AIは何十年も研究されてきましたが、技術的なブレークスルーが起きたことで、大きく進化しました。過去のAIやプログラミングの考え方とは大きく異なり、実用に耐える技術になりました。

◆歯科での応用例

歯科の世界でもAIが取り入れられています。また、診療以外でも活用できるAI関連のサービスも多くあります。

第6回メディア懇談会「時代に逆行」高額療養費制度問題/メディア側は負担引き上げ問題に危機感

第6回メディア懇談会 「時代に逆行」高額療養費制度問題/メディア側は負担引き上げ問題に危機感

「命の選別につながる話」「国際的な趨勢を見ても時代に逆行した制度」と参加者から厳しい言葉が相次いだ。314日、協会が開催した第6回メディア懇談会では高額療養費の患者負担引き上げの問題について、報道関係者と活発な議論が交わされた。

題解説に当たった本橋昌宏副会長は、協会が石破茂総理大臣、福岡資麿厚生労働大臣に宛てた自己負担限度額引き上げ撤回の要請書などをもとに、患者らが厳しい状況に置かれかねないと、危機感を示した。参加者からは、「借金して窓口負担を払わなければならない。ほとんどの人に『治療を受けない』という選択肢が浮かぶ世界になってしまう」との意見や、諸外国の事例と比べても「外すことができない制度」と、高額療養費制度の重要性について触れる意見があった。

一方で、高額な費用がかかる治療が患者にもたらす効果については「追及されていないと思う。その治療が本当に意味があるのかどうか、チェックしてはどうか」との意見もあった。

また、厚生労働省による生産性向上・職場環境改善を目的とした給付金(18万円)や、東京都による物価高騰対策の支援金(15万円)も議題として取り扱った。「医療機関にとって1518万円はどんな意味があるのだろうかと思う。それがなければやっていけないという気持ちも分かるが、こうしたことを毎回繰り返していて良いのだろうか。医療制度の根幹が機能していくのだろうか」と単発的な支援金の在り方を疑問視する声もあがった。

 この日は44名のメディアが参加し、早坂美都副会長が司会を務めた。

教えて!会長!! Vol.93/接着カンチレバー装置とは

教えて!会長!! Vol.93/接着カンチレバー装置とは

Q 2024年度診療報酬改定で新設された「接着カンチレバー装置」とは。

A 新たに保険収載された「接着カンチレバー装置」は、保険では、M017ポンティックの算定留意事項通知(6)のイの(ト)に「隣接歯などの状況からやむをえず、支台歯1歯およびポンティック1歯による接着カンチレバー装置を製作する場合は、切歯(上顎中切歯を除く)の1歯欠損症例において、支台歯を生活歯に求める場合に限り認められる」と記載されました。なお、24426日付け厚生労働省保険局医療課の事務連絡「疑義解釈の送付について(その3)」の中で、「接着カンチレバー装置」は「ブリッジに該当する」と明記されました。この事務連絡前の同年41日に公益社団法人日本補綴歯科学会(以下、補綴学会)が通知した「接着カンチレバー装置の基本的な考え方」では、「いわゆる『ブリッジ』と近似した装置であるが、(中略)ブリッジとは異なる装置として定義する」と示されています。したがって、学術名称と保険用語が異なっていることになり、患者さんに説明する際などには注意が必要です。

また、同年412日の事務連絡「疑義解釈の送付について(その2)」では、「接着カンチレバー装置とは、次の要件を全て満たす補綴装置」とされています。前記と重複する点もありますが、次のように明記しています。

  • 支台装置が接着冠であること

②支台歯及びポンティックがそれぞれ1歯ずつの2ユニット型の接着ブリッジであること

③上顎中切歯を除く切歯の1歯欠損症例において,隣在歯等の状況からやむをえず製作するものであること

なお、「接着カンチレバー装置」の製作にあたっては、公益社団法人日本補綴歯科学会の「接着カンチレバー装置の基本的な考え方」を参考とすること

 

Q 補綴学会の「接着カンチレバー装置の基本的な考え方」とは。

A 補綴学会ホームページの「雑誌刊行物」→「診療ガイドライン」→「1.おしらせ」の中に「接着カンチレバー装置の基本的な考え方」の記載があります。適応症例がありましたら、確認することをお勧めします。以下に、抜粋して紹介します。

・適応症 保険診療における「接着カンチレバー装置」を適用できる症例は、上顎中切歯を除く切歯1歯欠損で支台歯となる隣在歯が健全な症例である。すなわち、装置の欠損部位(ポンティックとなる歯)は上顎側切歯と下顎切歯の計6歯のうちの1歯である。装置の数に制限は設けないが、2歯連続の欠損は本装置の適応症としない。このため、上顎2装置、下顎2装置が一口腔内における最大装置数となる。また、支台歯が歯周疾患に罹患していない症例であること、あるいは支台歯が歯周疾患に罹患している場合であって、歯周基本治療等が終了し、歯周組織検査により動揺および歯周組織の状態等から支台歯としての機能を十分維持しうるとの判断がなされた症例を適応症とする。

・禁忌症 従来の接着ブリッジでは、動揺が顕著である支台歯は、接着界面に剥離応力や回転応力が加わりやすくなるため、禁忌症例とされていた。しかしながら、接着カンチレバー装置では、ポンティックと支台装置が支台歯と共に動くため剥離応力や回転応力が加わりにくく、Ⅰ度程度の動揺度であれば許容しうる。ただし、咬耗が顕著である歯列、咬合が緊密である歯列、ブラキシズムを有する症例では予後不良と思われるため、他の補綴装置を検討するのが望ましい。齲蝕罹患傾向の高い患者は 装着後も口腔内に露出した歯面から齲蝕が発生する可能性があり、避けた方が良い。

・設計の基本原則と留意事項()保険診療における接着カンチレバー装置は支台装置1個とポホンティックからなる2ユニットとする。形成はエナメル質の範囲内を原則とする。形成デザインとしては、 ①可能な限り被着面積を大きくする、②歯質削除量は最小限とし、できるだけエナメル質の被着面とする、③歯肉側フィニッシュラインは歯周組織に悪影響を及ぼさないよう歯肉縁から1㎜程度離す、④切縁側のフィニッシュラインは支台歯の透明感を損なわないよう切縁から1㎜程度離す―などが原則であり、これらは接着ブリッジにおける形成デザインと共通する。

・使用材料 金属材料としては歯科鋳造用12%金銀パラジウム合金を用いる。ポンティックの前装材料としては健康保険適用の間接修復用コンポジットレジンを用いる。

・咬合調整 四接着カンチレバー装置は、咬合に配慮する必要がある。ポンティック部に過大な応力が加わると、支台歯への荷重負担は必然的にブリッジタイプ以上に大きくなる。本装置を咬合に関与させる場合、支台歯の負担が過重とならないよう、下記のような調整を行う。

①ポンティック部に早期接触がないように調整し、安定した咬合接触を与える。ただし無咬合とはしない

②ポンティック部の咬合接触は1点とする

③ポンティック部には偏心運動時の滑走部位をつくらない

④支台歯では、歯質とメタルフレームの双方に咬合接触を与える

以上ですが、抜歯後であれば欠損粘膜の治癒期間や審美性回復を目的とした暫間補綴についての記載がないことが残念です。さらに、レジン歯などを使用した暫間補綴が保険で評価されていないことが問題であることを付記しておきます。

東京歯科保険医協会

会長 坪田 有史

※「東京歯科保険医新聞」2025年4月号掲載

3つのポイントで全身疾患等回避を/医療安全講習会で雨宮啓氏が強調

3つのポイントで全身疾患等回避を/医療安全講習会で雨宮啓氏が強調

協会は227日、「歯科医師と歯科衛生士とで学ぶ臨床歯科麻酔学︱全身疾患やストレスによるリスクを回避する3つのポイント︱」をテーマに、藤沢歯科ペリオ・インプラントセンターの雨宮啓氏を講師に迎え、医療安全講習会を開催。会場9名、WEB76名の合計85名が参加した。

まず雨宮氏は、歯科麻酔学的配慮として、歯科治療を受けることによる精神的ストレス、局所麻酔薬や内服薬(抗菌剤や鎮痛剤)の使用、超高齢化や生活習慣病の増加により、生体予備力の低下したハイリスク患者の治療などで起こる偶発症があると説明。

次に、虚血性心疾患患者の局所麻酔薬は血管収縮薬に注意する。健康成人の基準投与量はアドレナリン含有リドカイン塩酸塩製剤1.8mlCt換算8.8本であるが、肥大型心筋症や甲状腺機能亢進症、重症糖尿病患者にはアドレナリン無添加麻酔薬の使用が好ましく2022年より伝達麻酔も保険適用追加になったスキャンドネストⓇなどを活用する。心血管疾患患者の局所麻酔下における治療時合併症は90分を超えると増加するので、手術時間は90分以内にとどめ、疼痛や精神的ストレスを与えない配慮が必要なことを解説した。

さらに、今年2月に開催された厚生労働省の歯科衛生士の業務のあり方等に関する検討会での歯科衛生士による局所麻酔行為に関して「歯科診療の補助行為とみなされ、歯科衛生士法に違反しない」との考え方を紹介した上で、現在の歯科衛生士学校では局所麻酔行為を実施する教育は行っていないと説明。同検討会では歯肉縁上、縁下歯石除去(SRP)時の疼痛除去を目的とする場合としてはどうかとされていること、さらに麻酔実施の研修内容案が示されたと説明した。

会員アンケートからも「解りやすい説明でよく理解できた」と好評だった。

◆講演の模様を動画配信中

講師のご厚意により、講演を動画配信しているので、ぜひ、ご覧いただきたい。視聴にはデンタルブックアカウントが必要。

歯科診療報酬/期中改定・4 月からの変更点 口腔機能指導加算など引き上げ、算定区分を再編

歯科診療報酬/期中改定・4 月からの変更点 口腔機能指導加算など引き上げ、算定区分を再編

 1.期中改定

診療報酬の期中改定が41日から実施され、歯科衛生実地指導料の口腔機能指導加算、歯科技工士連携加算がそれぞれ2点、10点引き上げられた。

これは、高齢化の進展などにより歯科診療のニーズが増加している中、歯科診療所などで、より専門的な業務を行う歯科衛生士、歯科技工士を確保し、限られた人材で歯科医療を効率的に提供する観点から、歯科衛生士、歯科技工士の業務に関する評価を見直したものである。具体的な内容は以下の通り。

【各点数の算定要件】

◆口腔機能指導加算の主な算定要件

口腔機能の発達不全を有する患者または口腔機能の低下を来している患者に対して、主治の歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、実地指導と併せて口腔機能に係る指導を行った場合に加算する。

◆歯科技工士連携加算1の主な算定要件

施設基準に適合するものとして届け出た保険医療機関において、レジン前装金属冠、レジン前装チタン冠またはCAD/CAM冠を製作することを目的として、前歯部の印象採得を行うに当たって、歯科医師が歯科技工士とともに対面で色調採得および口腔内の確認などを行い、補綴物の製作に活用した場合に加算する。

◆歯科技工士連携加算2の主な算定要件

施設基準に適合するものとして届け出た保険医療機関において、レジン前装金属冠、レジン前装チタン冠またはCAD/CAM冠を製作することを目的として、前歯部の印象採得を行うに当たって、歯科医師が歯科技工士とともに情報通信機器を用いて色調採得および口腔内の確認などを行い、補綴物の製作に活用した場合に加算する。

2.4月からの変更点

【算定区分の再編】

4月1日から電子処方箋の導入の有無によって、医療DX推進体制整備加算(医DX)が3区分から6区分に、在宅医療DX情報活用加算(在DX)が2区分に再編された。

電子処方箋を導入していない場合でも引き続き算定することが可能となったが、マイナ保険証の利用率が引き上げになる。

電子処方箋を導入している医療機関は、44日(必着)までに、施設基準の再届出が必要であったが、導入率は東京の歯科診療所で1%しかないので、再提出は稀なケースといえる。

また、202410月以降のマイナ保険証利用率の実績要件は、附帯意見を踏まえ、7月を目途に検討、設定される予定。なお、両加算を初めて算定するには施設基準の届出が必要である。

◆医DXに用いる利用率

医療DX推進体制整備加算の算定に用いられるマイナ保険証利用率の実績は、支払基金から毎月通知されるメールまたは医療機関等向けポータルサイトで確認できる。

なお、利用率については、35カ月前のうち数値が最も高い月の「レセプト件数ベースマイナ保険証利用率」を用いる。

3.5月末までに再届出が必要な施設基準(外安全、外感染1、口管強)再届出をしなければ施設基準が失効

2024年度診療報酬改定で、歯科外来診療環境体制加算(外来環)が歯科外来診療医療安全対策加算(外安全)および歯科外来診療感染対策加算(外感染)に再編された。また、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)が口腔管理体制強化加算(口管強)に改編されている。

改定以前に外来環やか強診を届け出ていた保険医療機関は、新たな施設基準の要件を満たし、再届出をする必要がある。再届出がない場合は、531日をもって施設基準が失効するので、ご留意願いたい。

詳細は協会ホームページ「施設基準の再届出 特設ページ」)をご覧いただきたい。両届出に必要な用紙も当該ホームページに掲載しているので、ご利用いただきたい。

【再届出に追加で必要な研修や主な要件】

◆外安全

・日本医療機能評価機構が行う、歯科ヒヤリ・ハット事例収集等事業に登録または医療事故、インシデント等を報告、分析し、その改善策を実施する体制を整備している

・院内掲示事項を原則としてウェブサイトに掲載している

◆口管強

・エナメル質初期う蝕、根面う蝕の継続管理等に係る研修(※)

・小児の心身の特性に関する研修(※)

・過去1年間に歯管(口腔機能発達不全症または口腔機能低下症の管理を行う場合に限る)、実地指の口腔機能指導加算、小機能、口機能または歯リハ3を併せて12回以上算定している

※協会では、再届出に必要な両研修を「追加研修」として実施している。詳細は、本ホームページ「研究会・行事のご案内」コーナーをご覧いただきたい。

【疑義解釈(その22) 2025年3月24日】

◆外安全

(問)歯科外来診療医療安全対策加算について、「疑義解釈資料の送付について(その4)」(令和65 10 日事務連絡)別添4の問2において、本登録までに時間を要する場合であって、歯科ヒヤリ・ハット事例収集等事業への参加登録の申請を行い、「参加登録申請書」の郵送を行った場合は、仮登録である旨を届出書添付書類(様式4)に記載すれば届出を行うことができるとされているが、当該機構の Web ページから参加登録の申請のみを行い、「参加登録申請書」の郵送を行っていない場合についてはどのような対応をすればよいのか。

(答)当該機構の Web ページから参加登録の申請のみを行い、「参加登録申請書」を郵送していない場合は、当該施設基準を満たさないため、当該機構へ「参加登録申請書」の郵送を行う必要がある。

なお、当該事業に参加するためには、当該機構の Web ページで参加登録の申請を行った上で、当該機構へ「参加登録申請書」を郵送する必要があり、本登録が完了すると本登録が完了した旨の電子メールが当該機構から送信される。また、本登録完了から約1か月程度で、本登録が完了した歯科医療機関(参加登録歯科診療所)として、当該機構の Web ページに掲載される。

(参考)公益財団法人日本医療機能評価機構「歯科ヒヤリ・ハット事例収集等事業参加登録歯科診療所一覧

4.4月1日からの薬価改定実施内容

2025年度の中間年改定(2年ごとの診療報酬改定のない年に行われる薬価改定)は、過去2回の中間年改定と違い、改定の対象範囲を医薬品のカテゴリごとに、①新薬創出加算対象品目、②新薬創出加算対象外の新薬、③長期収載品、④後発医薬品、⑤その他―の5つに分けて設定された。

今回の改定による薬剤費の削減額は9,320品目2,466億円としている。協会で作成した41日からの薬価点数表を「デンタルブック」のデンタル書庫に掲載しているので、ご活用いただきたい。

(例)ペリオクリン歯科用軟膏1シリンジ 53点→52

   ロキソニン細粒101g 2点→1

東京歯科保険医協会 第53回定期総会 ご案内

東京歯科保険医協会 第53回定期総会ご案内

第53回定期総会を下記の日程で開催します。参加方法などは本紙や協会ホームページなどで順次お知らせしますので、ご案内までお待ちください。なお、記念講演には、東京新聞記者の長久保宏美氏が登壇し、 「 マイナ保険証と保険証廃止―担当記者の2年間」をテーマにご講演いただく予定です。
◆開催日時◆
・2025年6月15日(日)午後2時30分~7時45分
・総会議事 午後2時30分~4時15分

・記念講演 午後4時30分~6時00分
      講 師:長久保宏美氏(東京新聞社会部編集委員)
      テーマ:「マイナ保険証と保険証廃止―担当記者の2年間」
・懇 親 会 午後6時15分~7時45分
・開催場所 TKP市ヶ谷カンファレンスセンター
      (住所:新宿区市谷八幡町8番地 TKP市ヶ谷ビル)

高額療養費制度問題患者を守れ/「生きることを諦めることに」

高額療養費制度問題患者を守れ/「生きることを諦めることに」

「薬をやめたら、生きることを諦めることになる」「一生懸命に闘病し、生きようとしている人たちの望みを切り捨てるようなやり方だ」―。

3月13日、国会議事堂前に集まった患者らが、高額療養費制度の負担限度額引き上げの問題について強く訴えた。

この日、全国保険医団体連合会(保団連)が開いた国会前集会には約150人が集まり、医師・歯科医師のほか、患者や駆け付けた国会議員が声を上げた。

◆「貯金切り崩し、治療と生活」

がんで7年間闘病している水戸部裕子氏は、「治療のために働く時間を削り、しかも十分に働けない。そんな方はたくさんいます」と患者の苦労を明かし、「このままでは若い人たちが希望を失ってしまいます」と、負担限度額の引き上げに反対する意見を述べた。また、別の患者は「薬の副作用のために仕事を辞め、アルバイトをして貯金を切り崩しながら、治療と生活を成り立たせています」と話し、引き上げの白紙撤回を求めた。

また、国会議員からは「見送るということは復活があり得る。絶対に白紙撤回させていかなければならない」「多くの方から高額「療養費の問題についてお声をいただいている。皆さんと力を合わせて白紙撤回を求めていきたい」などの発言があった。

最後には保団連の森元主税副会長(当協会理事)を中心に、国会議事堂に向かって参加者でシュプレヒコールを行った。

◆高額療養費問題協会は首相らに要請書

高額療養費制度の上限額引き上げを巡っては、2025年度政府予算案に盛り込まれ、一時、258月から所得区分に応じて上限額が引き上げられることが決まっていた。しかし、患者団体などからの反発を受水戸部裕子氏け、37日に石破茂首相が引き上げ見送りの方針を発表した。

なお、この問題に関連して、協会は213日付けで石破首相、福岡資麿厚生労働大臣宛に要請書「高額療養費制度の見直しは『一部修正』ではなく撤回を」を提出していた。

協会が皆さまの助けに/未入会の先生をご紹介ください

協会が皆さまの助けに/未入会の先生をご紹介ください

組織部長 福島 崇 

今春3月は、生産性向上・職場環境整備等支援事業やそれに伴うベースアップ評価料の届出、その他、医療DX加算や口管強、外安全と外感染の再届出などさまざまな施設基準のお問い合わせが例月よりも多く寄せられました。改めて、「協会を頼りにしていただいている」ことを実感しています。しかしながら、近年の物価高騰にはとても対応できないほど低く抑えられている診療報酬の状況の中、オンライン請求やオンライン資格確認、マイナ保険証への移行など医療のDX化、頻繁に変わる施設基準などへの対応を理由に歯科医院を閉院される会員が増加しており、非常に憂慮しています。このまま診療報酬が低く抑えられたままでは、歯科医院の経営を継続させること自体が難しくなってしまいます。

また、次々に新しい施設基準が創設されていくことに対し、歯科医師の裁量が強く縛られていくような感覚を抱く先生も多くいらっしゃるのではないでしょうか。このような現場の苦しい状況を、東京都や国に対して伝えていかなければいけませんが、一人ひとりの声ではなかなか届きません。協会は、そのような会員の先生方の声を集め、しっかりと東京都や国に届けていきます。

また、新規開業された先生方の中には、新規個別指導の詳しい状況をご存じで、そのことを心配され、協会にご入会をいただく先生も増えています。厳しい指導を受けるのではないかと不安を抱く声をたくさんいただきますが、しっかりとルールを理解し、適切な保険診療を行っていれば、その先生が再指導などの対象になってしまうことはないと思います。そのためにも、ご入会いただいた先生には、保険診療の基礎とカルテ記載などが勉強できる「新規開業医講習会」へのご参加をお勧めしています。

◆保険診療の基礎は「新規開業医講習会」で

協会は必ず皆さまの助けになります。もし、身近にご入会されていない先生がいらっしゃいましたら、ぜひ、ご紹介ください。また、この案内をご覧になられている未入会の先生がおられましたら、この機会にご入会をご検討ください。

<受付中>5月25日(日)第1回新規開業医講習会

―新規個別指導を控える先生、改めて保険診療を学びたい先生へ―  

指導対策は通知が届く前に、早い段階で準備を進めることが大切です。

講習会では指導で指摘されやすい事項を含め、保険診療の基本的なルールやカルテ記載、請求方法、自費と保険の考え方を丁寧に解説します。

また、指導対策としてだけではなく、これから開業を検討している先生や、勤務医の先生にもぜひご参加いただきたい講習会です。

なお、カルテ開示や患者トラブルなどの際にも慌てることがないよう、保険ルールやカルテ記載などを改めて勉強したい先生もご参加いただいております。

◆日 時 2025年5月25日(日)12時00分~17時30分(予定)

◆講 師  協会講師団

◆会 場  ワイム貸会議室 高田馬場 4F

◆定 員  50名

◆参加費  会員:13,000円

      未入会員:30,000円

お申込みは以下URLからお願いいたします。

https://forms.gle/KhcKZ6KTcYgLgivb9

<受付中>6月22日(日) 第3回施設基準のための講習会

本講習会は、以下に掲げる施設基準の「研修要件」を満たす講習会です。

新規に以下の施設基準を届出する会員の先生方向けの講習会です。
  • 歯初診(歯科点数表の初診料の注1に係る施設基準)
  • 外安全1(歯科外来診療医療安全対策加算1)
  • 外感染2(歯科外来診療感染対策加算2)
  • 口管強(小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算)
  • 歯援診1・2(在宅療養支援歯科診療所1・在宅療養支援歯科診療所2)

◆お申込みの内容を確認後、開催が近くなりましたら(5月下旬以降)、郵送先(すでに協会に登録済みのDM送付先)に案内状と振込用紙(ゆうちょ銀行用)をお送りします。なお、期日までに振込の確認ができない場合、キャンセル扱いとなる場合がございます。
また、当会会員限定の講習会になっておりますので、未入会の先生はお申込み前にご入会が必要になります。

【日 時】 6月 22 日(日)
【内 容】
▼5つコース▼ 参加費:8,000円
13時~1830
~対応している施設基準~
●歯初診、外安全1、外感染2、口管強、歯援診1・2
※お申込みを頂くコースによって、開始時間および参加費用が異なりますのでご注意ください。

▼3つコース▼ 参加費:5,000円
16時~1830
~対応している施設基準~
●歯初診、外安全1、外感染2
※お申込みを頂くコースによって、開始時間および参加費用が異なりますのでご注意ください。

 【場 所】 ワイム貸会議室高田馬場 3階

 【対象者】
会員(東京歯科保険医協会の会員に限ります)
※代理出席は認められません。ご本人の参加が必須です。
※未入会の先生はご入会が必要になります。開催日直前でのお申込みの場合にご参加できないことがございますのでお早目のご連絡をお願いいたします。
※他協会の方はお申込み頂けません。

【定 員】
100名程度(定員になり次第、締め切らせていただきます)。

【講 師】
・繁田雅弘 氏(東京慈恵会医科大学精神医学講座 名誉教授)
・坂下英明 氏(明海大学名誉教授/朝日大学客員教授/我孫子聖仁会病院口腔外科センター長)
・馬場安彦 氏(東京歯科保険医協会 副会長)
・森元主税 氏(東京歯科保険医協会 理事)
 
【内 容】
在宅医療・介護等、歯科疾患の重症化予防に資する継続管理(エナメル質初期う蝕管理、根面う蝕管理および口腔機能の管理を含む)、高齢者・小児の心身の特性(認知症を含む)、院内感染防止、緊急時対応、医療事故、偶発症等
※施設基準の届出に必要な研修要件を網羅できます。

【問い合わせ先】
社保・学術部:03-3205-2999

 【申し込みはこちら】
https://forms.gle/UKoH3tma8fp5R8SR8

<必ずお読みください>
かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の施設基準を、①2024年3月31日までに届け出ている医療機関であって、かつ②当該施設基準の算定実績がある医療機関の場合は、2025年5月31日までに口管強(小児口腔機能管理料の注3に規定する口腔管理体制強化加算)の施設基準を厚生局に届け出を行うことで6月1日以降も施設基準を維持することができます。そのため、上記に該当する会員においては、「施設基準のための講習会(口管強追加研修)  」を受講いただき、口管強の届出の際にご活用ください。ご不明な点は、協会までお問い合せください。

医科歯科連携研究会/糖尿病は歯科も含む統括管理が必須

医科歯科連携研究会/糖尿病は歯科も含む統括管理が必須

東京歯科保険医協会と東京保険医協会、千葉県保険医協会の共催による医科歯科連携研究会202422日、「糖尿病診療・歯周病対策の最前線」をテーマに開催。会場とWEB参加合わせ128名が参加した。

医科から栗林伸一氏(医療法人社団三咲内科クリニック理事長)、歯科からは山本龍生氏(神奈川歯科大学歯学部社会歯科学系 社会歯科学講座口腔衛生学分野教授)が講演した。

栗林氏は、「糖尿病診療の現状と対策~治療薬の画期的進歩と咀嚼機能維持を踏まえて~」と題し、最新の糖尿病患者のデータや管理、治療薬の特徴について解説した後、生活習慣病管理料(Ⅱ)の問題点に言及。歯科との関わりとして、咀嚼機能維持の重要性や、歯科の定期受診の有無により、糖尿病腎症の進行度に差があることなどを報告。糖尿病は歯科介入も含む統括的管理が必須とした。

栗原伸一氏

次いで、山本氏は、「歯周病対策の最前線予防の重要性と糖尿病を踏まえた医科歯科連携」と題し、歯周病の病変について解説した後、歯周病治療にはブラッシングが最も重要で有益であることを報告した。また、歯周病と全身疾患の罹患率と糖尿病の関係についてのガイドラインにも触れ、歯周治療の重要性を訴えた。

山本龍生氏

参加者からは、「糖尿病と歯周病の理解が深まった」「積極的な医科との連携が重要と再確認した」などの感想が寄せられた。

★なお、当日の講演は、デンタルブックで公開中。ぜひご覧ください。

https://dentalbook.tokyo-sk.com/member/public/MemberAuth_input

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)3月1日号

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)3月1日号

こちらをクリック▶「東京歯科保険医新聞」2025年(令和7年)3月1日号

【新聞3月号】

【1面】
  1. 東京の〝低い〞保険収益を改善へ 総枠拡大へ現場の訴えを届けよう
  2. マイナ保険証8割が「メリット感じず」 9割が健康保険証廃止に反対
  3. 石破総理・福岡厚労大臣に向け/高額療養費制度の見直し撤回を 要請書提出
  4. 東京歯科保険医協会 第53回定期総会のご案内
  5. 12.2以降のマイナ保険証窓口トラブル調査 ご協力のお願い
  6.「探針」
  7. ニュースビュー

【2面】
  8. 医療DX加算 4月から見直し
  9. 高額療養費制度/引き上げ対象は 全年代の全所得階層
10. 厚生労働省医療指導監査室/2025年度に高点数個別指導実施の公算 事務連絡で「高点数」の運用を明記
11. 歯科用貴金属改定情報(3月~) 金パラは引き上げに

【3面】
12. 総枠拡大には何が必要なのか? 会員調査から考える現制度の問題点
13. 確定申告個別相談会/定額減税、賃上げ促進税制にも解説
14. 確定申告は「定額減税」に注意! 記入を忘れずに

【4面】
15. 経営・税務相談Q&A No.426「採用に関するQ&A~新規採用の定着・解雇・退職~」
16. 東京都の医療機関向け支援金/追加受付の要望書を提出 〝煩雑申請〞で手続き漏れ医療機関も
17. 会員無料相談
18. 東京反核医師の会映画上映会のご案内 「生きて、生きて、生きろ。」
19.『杳かなる』上映情報

【5面】
20. 教えて!会長!! No.92/立憲民主党の「保険証復活法案」について                  
21. 通信員便りNo.148
22.  IT相談室「ステルスマーケティング その規制事例を見る/ネットの口コミとの向き合い方」 
23. 理事会だより
24. 協会活動日誌

【6面】
25. 研究会・行事ご案内
26. デンタルブックPR
27. 会員優待サービス

【7面】
28. 記念講演/東京反核医師の会が第37回総会 ガザ地域での医療支援の現状報告
29. 医科歯科連携研究会 糖尿病は歯科も含む統括管理が必須
30. 神田川界隈「台湾有事で全島避難?」(理事・矢野正明/板橋区)
31. マンガで学ぶ/アラフォーのリスク対策(健康編)

【8面】
32. 震災と歯科医師~東北・能登の現状~/「14回目のありがとう」宮城県保険医協会理事長:井上博之(松島海岸診療所)
33. 震災と歯科医師~東北・能登の現状~/能登・被災診療所のいま(前編)「再建襲った豪雨にも屈せず 地元のため奮い立つ会員」石川県保険医協会副会長:平田米里(平田歯科医院)

【IT相談室】ステルスマーケティング/その規制事例を見る/ネットの口コミとの向き合い方

IT相談室】ステルスマーケティング その規制事例を見る/ネットの口コミとの向き合い方

日本でも2023101日から、通称「ステマ規制」と呼ばれるステルスマーケティング規制が導入されました。2024年の違反事例をベースにご説明します。

ステマを一言で説明すると「やらせ記事」です。インフルエンサーと呼ばれる、いわゆる有名人に依頼して商品やサービスについて有利な記事をSNSなどに投稿させ、依頼したことを隠して、その投稿を宣伝していく手法です。

2024年66日に消費者庁から大森の内科医院に、Googleの口コミについて是正の措置命令が出されました。来院した患者に口コミを依頼すること自体は違法ではありませんが、星5つの投稿をすると予防接種費用を割引することを引き替えに、口コミの投稿内容の決定に関与したことなどが問題とされたようです。このことは、医療広告ガイドラインに抵触する事象です。

本件について消費者庁や大森医師会からは、6月初旬にホームページなどで報告があったにも関わらず、当該医院のホームページでは1216日付けでの報告となり、対応の遅さも目立ちました。

◆信頼性はそれほどないネット投稿の実態

無記名で自由に投稿できるGooleの口コミは、本来それほどの信頼性はありません。見る側もそれを理解して判断するものであり、医療機関となればなおさらです。診療やサービスの結果として現れる多くの反応の一つとして捉えておくべきではないでしょうか。

※次回は歯科とAIの関わ りについて考察します。

クレセル株式会社

(東京歯科保険医新聞202412月号4面掲載)

【教えて! 会長!!  Vol.92】立憲民主党の「保険証復活法案」について

【教えて! 会長!! Vol.92】立憲民主党の「保険証復活法案」について

Q 立憲民主党が「保険証復活法案」を衆議院に提出したそうですね。

 立憲民主党は2025年1月28日に「医療保険の被保険者証等の交付等の特例に関する法律案」(以下、保険証復活法案)を衆議院に提出しました。これは、従来の「紙の保険証」の新規発行を再開して健康保険証として復活させ、マイナ保険証との併用を可能とすることを目的としています。

当会が取り組んできた請願署名「現行の健康保険証を残してください」の署名にご協力いただいた先生には、心から感謝申し上げます。お手元に署名用紙がある方は、当会までご返送いただくよう、ご協力をお願い申し上げます。集めていただいた署名は、当会活動の重要な柱「国会行動」を通じ、署名に賛同していただける与野党の国会議員に要請を行います。その際、特にご協力いただける議員には、本署名をお渡しし国会に提出していただいています。この活動の模様は、既に本紙などで報告し、ご協力いただいた国会議員も紹介しています。署名の趣旨や内容上、野党議員に国会提出していただいていますが、その野党議員には多くの立憲民主党所属議員がいます。少なからず当会のこれらの活動が背景となり、立憲民主党が「保険証復活法案」を衆議院に提出されたと考えています。

Q 「保険証復活法案」の内容を教えてください。

 立憲民主党は、「医療分野のデジタル化を推進する立場」であることが前提です。協会もデジタル化そのものに反対しているわけではありません。その上で「国民の不安払拭など一定の条件が整うまでは、従来の健康保険証を使えるようにすべき」という内容です。

政府は2412月2日に健康保険証の新規発行を終了し、マイナ保険証への一本化を推進しました。しかし、マイナ保険証の利用率は2412月時点で約25%にとどまっていることから、立憲民主党は「国民の間に浸透していない」と評価しました。そこで本法案は、資格確認の安全性、国民世論、または高齢者や障害者などへの影響を考慮して十分な環境整備が整うまで、従来の保険証の発行を復活させるべきだとしています。したがって、保険証復活法案は、新規発行が終了された健康保険証の再発行を期限を定めて認め、マイナ保険証との併用を可能とする内容となっています。

Q 期限はどのように決めるのですか。

 以下の結果に基づいてその期限を決めるとしています。

①電子資格確認による被保険者などであることの確認が安全かつ確実に行われるための環境整備の状況

②被保険者などが療養を受ける際の保険証の利用の状況

③保険証の廃止が高齢者および障害者をはじめとする被保険者などに支障を及ぼさないようにするための施策の策定および実施の状況

④保険証の廃止に関する国民世論の動向、そのほかの事情を勘案して検討する

本稿執筆時には、通常国会で来年度予算の成立に向けて与野党協議が行われています。したがって、立憲民主党は本法案について、国会会期中の6月までの成立を目指し、野党各党に協力を呼びかけています。

当会は不偏不党の立場を明確に宣言していますが、多くの声を立法府に届ける活動により、賛同して協力していただいた議員らに感謝する意味もあり、当会の主張に沿った法案が提出されたことを紹介させていただきました。

東京歯科保険医協会

会長 坪田有史

※「東京歯科保険医新聞」2025年3月号掲載

東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金(2024年度)について

2025年4月7日に、情報を更新しました

*-*-*-*-*-*-*-*

実績報告書の提出が、4月4日(金)に締め切られました。
jグランツから実績報告を提出された方および、
郵送で実績報告を提出された方には、
東京都から受け取り確認のメールが届きます。
ただし、当初より郵送でやり取りされていた方などで、
メールの登録をされていない方には受取確認の連絡は届きません。
不備があった場合のみにのみ東京都から連絡が行われます。

その後審査が行われ、5月に支給となります。

何らかの理由により、実績報告書の提出が出来なかった方は、至急コールセンター
にご相談ください。
東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金事務局(受託者 株式会社メディアワー
クス)
電話番号:03-4487-4019(受付時間 平日午前9時から午後5時まで)

ご不明な点がありましたら
協会事務局にお電話ください。



*-*-*-*-*-*-*-*

協会では、当該支援金に関する要望書を東京都に提出しました。
詳しくはこちらをクリック

*-*-*-*-*-*-*-*

東京都の「東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金(2024年度)」の概要のご案内です。
東京都へのお申込み期間は終了しました。
一歯科診療所当たり150,000円の支給となります。
概要(抜粋)
1 対象事業者
(1) 健康保険法第63条第3項第1号に定める歯科診療所(保険医療機関)
―略―
(4) 歯科技工所
 歯科技工士法第21条第1項の規定に基づき開設届出のなされた歯科技工所のうち、 2の対象期間内において、保険診療に係る案件を歯科医師に納品する予定である歯科技工所に限る。

2 交付対象期間
 2024年10月1日から2025年3月31日まで

3 支援金の基準単価
 支援金の額は、対象医療機関等ごとに以下の基準単価をもとに算出する。

光熱費 歯科診療所 150,000円
歯科技工所   75,000円

4 スケジュール(予定)
歯科診療所・歯科技工所

2025年1月 9日(木) web申込受付開始
内容の審査後、「交付申請書」が、原則として電子メールで送られてきます。
   1月27日(月) web申込受付締切 
   2月10日(月) 交付申請書提出締切
期日までに、Jグランツまたは郵送で申請します。郵送申請時には印鑑証明書の添付が必要です。(2月10日消印有効)
   3月上旬頃 交付決定 
   4月 4日(金) 実績報告書提出締切
交付決定後、必要事項が記載された「実績報告書」が、原則として電子メールで送られてきます。内容を確認し、期限までにjGrants又は書面により提出します。(4月4日消印有効)
   5月下旬頃~ 支援金支給

5 その他
(1)支援金のコールセンター
  03-4487-4019
 (受付時間 平日午前9時から午後5時まで)。

(2)東京都医療機関等物価高騰緊急対策支援金 案内ページ(東京都)
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/jigyo/h_gaiyou/iryo-bukka3.html

6 Jグランツ・GビズID
申請手続に当たってはデジタル庁が運営する補助金申請システムjGrants(Jグランツ)を活用します。

Jグランツについて(東京都の案内ページより)
Jグランツの活用により、いつでも・どこでも補助金申請を行うことが可能となり、交通費・郵送費等のコスト削減や、過去に申請した情報の入力・書類への押印が不要になるなど、事業者の皆様における手間やコスト削減に繋がります。
Jグランツでの申請には、GビズID(gBizIDプライム)の取得が必要となりますので、未取得の場合は下記URL より御準備いただきますようお願いいたします(取得に2~3週間ほどかかります)。
 【参考:G ビズID】 https://gbiz-id.go.jp/top/

協会でG ビズIDの取得手順をまとめました
以下の「Gビズ IDプライム申請方法」をクリックしてご覧ください。
注)PDFファイルです。動画ではありません。
★ こちらをクリック ⇒ Gビズ IDプライム申請方法

Jグランツに関する問合せ先
0570-023-797
【受付時間】9:00~17:00(土・日・祝日、年末年始を除く)

 


*-*-*-*-*-*-*-*

1月28日以降協会には、「東京都へのWeb申込ができなかった。申請はもうできないのか」等の問い合わせが複数寄せられています。
今回の支援金の申請については
(1)jGrants を利用した申請手続きが複雑であること
(2)Web申請が前提となったこと
(3)申請期間が短かったこと
等により対応困難なケースが発生しています。
そのため、期日までにWebによる申し込みが完了しなかった医療機関が発生してしまいました。
当該支援金は、物価高騰に直面する医療機関等の負担軽減に向けた緊急対策としておこなわれているもので、
物価高騰に苦しむすべての医療機関で受けていただくべきものです。
東京都では多くの医療機関でスムーズに申し込みがおこなえるよう、ハガキを送るなど一定の努力をしましたが、
それでも様々な理由により申し込みができなかった医療機関が現実に発生しました。
協会では、そのような医療機関を対象に、2次募集を実施していただくよう要望書を提出しました。

提出した要望書 →東京都物価高騰支援金要望書
資料 →プレスリリース

生産性向上・職場環境整備等支援事業(給付金・18万円)

国は、医療機関に対して給付金を支給します。実施主体である都が案内を公表しましたのでお知らせいたします。
東京都よりQ&Aが発表されましたのでご案内いたします。
Q&Aにジャンプ

【事業名】
生産性向上・職場環境整備等支援事業

【概要】
1)業務の生産性向上または職員の処遇改善等を目的に、1歯科医療機関ごとに、18万円の給付金を支給。

2)ベースアップ評価料の施設基準を、2025年3月31日までに届け出ている医療機関が対象。
ベースアップ評価料の詳細は下記URLを参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html (厚労省ホームページ)

3)申込は2025年4月以降。受付方法、開始時期など詳しいことは2025年3月14日現在不明。

4)給付には原則jグランツを使用。

5)その他詳細は分かり次第東京都のホームページで公表される。
    東京都ホームページ「生産性向上・職場環境整備等支援事業」
    https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/jigyo/productivity

【事業目的】
 人材確保が喫緊の課題となっている中で、限られた人員でより効率的に業務を行う環境の整備費用に相当する金額を、給付金として支給することにより、業務 の生産性を向上させ、職員の処遇改善につなげることを目的とする。

【事業実施】
 2024年度厚生労働省補正予算における、医療施設等経営強化緊急支援事業「生産性向上・職場環境整備等支援事業」について、東京都では2025年度予算に繰り 越した上で実施される。
 参考:厚生労働省ホームページ「医療施設等経営強化緊急支援事業について」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_51451.html
    東京都ホームページ「生産性向上・職場環境整備等支援事業」
    https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/jigyo/productivity

 東京都では、厚生労働省より当該事業の交付要綱等が示されたら、2025年度実施要綱を策定し、実施することとしている。
 (2025年度予算に繰越を行うことにより事業の終期を2026年3月31日まで延長予定となります。)

【支給対象医療機関】
 2025年3月31日時点でベースアップ評価料を届け出ている歯科医療機関
※本事業における、ベースアップ評価料の「届出」とは厚生局に書類が到達した日を指し、2025年3月31日までに届出を行い、2025年4月1日以降、書類の不備があ って返戻された場合や、審査支払機関から返戻された場合でも、最終的に受理されれば届出日に届け出たものと見なされる。

【支給要件】
 2024年4月1日から2026年3月31日までの間に、以下の業務効率化や職員の処遇改善を図る場合(いずれか(複数可))に所要の経費に相当する給付金を支給。

(1)ICT機器等の導入による業務効率化
タブレット端末、インカム、WEB会議設備、床ふきロボット、監視カメラ等の業務効率化に資する設備の導入

(2)タスクシフト/シェアによる業務効率化
歯科医師事務作業補助者、歯科衛生士、助手、受付業務者などの職員の新たな配置によるタスクシフト/シェア

(3)給付金を活用した更なる賃上げ
処遇改善を目的とした、既に雇用している職員の賃金改善

【支給額】
金額 1歯科医療機関あたり18万円
補助率 10分の10

【その他】
(1)厚生労働省から交付要綱やQ&Aが示され次第、東京都では随時情報提供の予定。
(2)対象医療機関数が多いため、質問は所定の「お問い合わせフォーム」に入力する。内容確認のため、返事には時間がかかる場合がある。
(「お問い合わせフォーム」は下記ページにあります。)
    東京都ホームページ「生産性向上・職場環境整備等支援事業」
    https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/iryo/jigyo/productivity


*-*-*-*-*-*-*-*
東京都から示されたQ&Aは以下の通りです(3月18日現在)
Q&Aの番号は協会で改めて附番したものです。

Q1 所要額調査、事業計画書、補助金申請のスケジュールをご教示頂けますと幸いです。
A1 東京都では、対象件数が多いため申請受付窓口及びコールセンターの開設を検討しております。詳細につきましては、令和7年度にご案内いたします。

Q2 「ICT機器等の導入による業務効率化」について、タブレット端末、インカム、WEB会議設備等が例示されていますが、それらを利用するためのインフラ(Wi-Fiなど)の整備は対象でしょうか。
A2 対象になります。利用料については対象期間分に按分するなど、申請金額の算出時はご留意ください。

Q3 Q2に関連し、患者サービスの向上に資する事業(院内に患者向けWi-Fiを設置するなど)は対象となりますでしょうか。
A3 本事業は、人材確保が喫緊の課題となっている中で、限られた人員でより効率的に業務を行う環境の整備費用に相当する金額を、給付金として支給することにより、業務の生産性を向上させ、職員の処遇改善につなげることを目的としており、ご質問の場合は対象外と考えます。

Q4 Q2に関連し、AI問診等、アプリの導入は対象になりますでしょうか。
A4 対象になります。

Q5 支給要件で「令和7年3月31日までに効率化・処遇改善を図る」とありますが、機器購入は3月31日までに購入実績がないと該当しないのか?
A5 本事業は厚労省にて令和7年度に繰越を行う予定であり、令和7年度事業として実施する場合は、令和6年4月1日時点において人材確保が喫緊の課題となっており更なる処遇改善が必要な状況にあることを踏まえ、対象期間は令和6~7年度の取組(R6.4.1~R8.3.31)を対象とする予定とのことです。

Q6 タスクシフト・シェアによる業務効率化ですが、新たに配置したことをどのように厚労省に示せばいいのか?(給与明細の提出とか?)
A6 ご提出いただくのは、厚労省の定める別紙様式1及び2(生産性向上・職場環境整備等支援事業申請書・実績報告書)の内容となります。雇用契約書や給与明細等の証拠書類について、添付は求められていませんが、補助金の額の確定の日の属する年度の終了後5年間保管してください。

Q7 給付金を活用したさらなる賃上げですが、こちらも実施したことをどのように厚労省に示せばいいのか?
A7 (A6に同じ)

Q8 給付金を活用した更なる賃上げについては対象外職種はありますか。
A8 薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、看護補助者、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、義肢装具士、歯科衛生士、歯科技工士、歯科業務補助者、診療放射線技師、診療エックス線技師、臨床検査技師、衛生検査技師、臨床工学技士、管理栄養士、栄養士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士、保育士、救急救命士、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゆう師、柔道整復師、公認心理師、診療情報管理士、医師事務作業補助者、事務職員、その他医療に従事する職員(医師及び歯科医師を除く。ただし、40歳未満の若手医師・若手歯科医師はその限りではない。)に充てることができます。

Q9 令和6年4月1日~令和7年3月31までに業務効率化のICT機器購入?とあるが令和7年度の納品(同年度支払い)も該当するのか?
A9 本事業は厚労省にて令和7年度に繰越を行う予定であり、令和7年度事業として実施する場合は、令和6年4月1日時点において人材確保が喫緊の課題となっており更なる処遇改善が必要な状況にあることを踏まえ、対象期間は令和6~7年度の取組(R6.4.1~R8.3.31)を対象とする予定とのことです。

Q10 この支援事業に上限または優先順位などはあるのでしょうか。早く申請した病院から認められるなどは無いでしょうか。よろしくお願いいします。
A10 対象医療機関等の区分ごとの給付の上限額は決まっています。優先順位や、申請した病院から認められるという仕組みではありません。(申請及び交付スケジュールについては検討中です。)なお、給付の対象となる機器・備品1台の購入価格に上限は定めてられていません。

Q11 支給要件につきまして、説明文書ですと令和6年4月1日から令和7年3月31日までの間とありましたが、ご説明では令和7年に実施で4月以降に案内を頂けるとありました。当院ではICT機器導入にて業務効率化を検討しておりますが、4月以降でも可能か否か(2025年度より可能か否か)の確認になります。よろしくお願いいたします。
A11 本事業は厚労省にて令和7年度に繰越を行う予定であり、令和7年度事業として実施する場合は、令和6年4月1日時点において人材確保が喫緊の課題となっており更なる処遇改善が必要な状況にあることを踏まえ、対象期間は令和6~7年度の取組(R6.4.1~R8.3.31)を対象とする予定とのことです。
  よって、令和7年4月以降の導入でも補助対象となります。

Q12 事業として実施したいことがあるが、購入する機材について東京都の審査があるという認識で良いか。それとも1床当たりの金額で趣旨に合うものを購入してよいのか。これまでは会議資料は紙を印刷し配布するアナログ方式だが、デジタル化してプレゼンテーション画面で実施したい希望を持っている。
A12 ○「ICT機器等の導入による業務効率化」について、導入により施設内の業務効率化に資するICT機器等が給付の対象となります。
   ○また、ICT機器以外の機器、あるいはソフトウェアなどについても、導入により施設内の業務効率化に資することが認められるものであれば給付の対象となり得ます。
   ○ご提出いただくのは、厚労省の定める別紙様式1及び2(生産性向上・職場環境整備等支援事業申請書・実績報告書)の内容となり、東京都の審査はこの事業の目的に合致する機器であるかを確認するものです。(様式の記入欄に導入目的も記載いただくとわかりやすいものと考えます。)

Q13 支給対象となる取組のうち、「ICT機器導入」が支給額に満たない場合は、当該実績額までしか支給されないのでしょうか。
A13 「ICT機器導入」のみで基準額を満たす必要はなく、複数区分を組み合わせた金額について、基準額の範囲内で交付決定、給付となります。

Q14 「更なる賃上げ」の場合、職員に対する「一時給付金の支払い」も対象となるのでしょうか。
A14 一時給付金の支払いも対象となります。ただし、ベースアップ評価料による賃上げを「給付金を活用した更なる賃上げ」とは見なせません。本給付金を活用して更なる賃上げを行う場合は、既に雇用している職員について、ベースアップ評価料で手当されている部分とは別にベースアップ・手当・一時金のいずれかにより 賃上げを行う取組が対象となるため、医療機関の持ち出しによって、ベースアップ評価料による収入以上にベースアップ分として支出している部分に対して充当することは可能です。なお、単に職員の人件費の基本給部分や定期昇給部分に充当し、上記のベースアップ・手当・一時金などの形で還元されない場合は、給付対象外です。

Q15 導入、支払完了を令和7年3月31日までに行わなければ対象にならないのか?
A15 本事業は厚労省にて令和7年度に繰越を行う予定であり、令和7年度事業として実施する場合は、令和6年4月1日時点において人材確保が喫緊の課題となっており更なる処遇改善が必要な状況にあることを踏まえ、対象期間は令和6~7年度の取組(R6.4.1~R8.3.31)を対象とする予定とのことです。
  よって、令和7年4月以降の導入でも補助対象となります。

Q16 当院は令和6年6月にベースアップ評価料を届出し、現在も継続して届出をしており、処遇改善として当院職員へ賃金改善を実施しております。支給要件3項目の何れかに該当すれば補助金該当となるのでしょうか。
A16 1つの区分のみで基準額を満たす必要はなく、複数区分を組み合わせた金額について、基準額の範囲内で交付決定、給付となります。

Q17 ベースアップ評価料の届け出済みですが、支給要件で「令和6年4月1日から令和7年3月31日までの間に ~ 処遇改善を図る場合」とあり、年度内に処遇改善が完了していない場合は支給要件を満たさないことになりますか。
A17 算定を支給要件とされてはいませんが、職員の処遇改善につなげることを目的としている事業趣旨に鑑み、可能な限り算定を行っていただくようお願いします。

Q18 エントリーの案内はいつでしょうか。使途は給付金を活用した更なる賃上げのみで大丈夫でしょうか。
A18 東京都では、対象件数が多いため申請受付窓口及びコールセンターの開設を検討しております。詳細につきましては、令和7年度にご案内いたしますのでご承知おきください。

Q19 活用意向調査はすでに周知されているのでしょうか。
A19 活用意向調査は現時点で実施しておらず、予定もありません。本事業の活用をご希望の場合には、令和7年3月31日(月)までに、関東信越厚生局にベースアップ評価料を届け出ていただく必要がございますので、未届けの場合はご対応をお願いします。

※ 上記内容は2025年3月19日現在の情報を協会がまとめたものです。

東京都の医療機関向け支援金/追加受付の要望書を提出  〝煩雑申請″で手続き漏れ医療機関も

東京都の医療機関向け支援金/追加受付の要望書を提出 〝煩雑申請″で手続き漏れ医療機関も

東京都は20251月から、物価高騰に直面する医療機関などの負担軽減に向けた緊急対策として、都内に開設している医療機関などに対し、支援金支給事業を行った。

支援金の交付申請は、事前に申込手続きが必要で、なおかつWEBによる手続きが前提となるなど、これまでの申請手続きとは異なる方法で行われた。また、支援金申込期間は19日間と短く、コールセンターも繋がりにくいなど、混乱が広がった。

協会には、支援金の申込受付が締め切られた127日以降「都へのWEB申込ができなかった。申請はもうできないのか」などの問い合わせが寄せられた。今回の支援金の申請に関しては

(1)jGrantsを利用した申請手続きが複雑であった

(2)WEB申請が前提となった

(3)申請期間が短かった

などの対応困難な状況により、申し込みができなかった医療機関が発生した。中には、jGrantsの申請だけを行ってしまった医療機関もあった。

この支援金事業は、物価高騰に直面する医療機関などの負担軽減に向けた緊急対策として行われており、物価高騰に苦しむすべての医療機関が受給するべきものだ。

東京都も支援金の周知に当たり、ハガキを送るなど一定の試みをしてはいるが、申し込みができなかった医療機関が発生してしまった。そのため協会は東京都に対し、医療機関等物価高騰緊急対策支援金の手続き漏れの医療機関を対象に、支援金受付の2次募集を実施するよう求める要望書を214日に提出した。

震災と歯科医師 —東北・能登の現状②—  「能登・被災診療所のいま(前編): 再建襲った豪雨にも屈せず地元のため奮い立つ会員」/石川県保険医協会副会長  平田 米里/平田歯科医院

震災と歯科医師 —東北・能登の現状②—

 「能登・被災診療所のいま(前編)/ 再建襲った豪雨にも屈せず地元のため奮い立つ会員」

  石川県保険医協会副会長  平田 米里/平田歯科医院

能登半島地震によって、七尾市以北の歯科医療機関は何らかの被害を受け、ある地区では、電気が回復しても上下水道が破壊されたまま。またある地区では、電気の復旧すらできぬ故に長期にわたり機能停止となりました。再開できても周辺人口の減少で診療時間の短縮を余儀なくされたケースも多いです。さらには、地域全域が壊滅的被害を受け、発災から1年を経過しても住民の帰還もままならない中で、たとえ再建を目指しても、将来の見通しが立たず不安だと吐露する方もいます。

◆生きていたことが奇跡

半島の西にある、重要文化財の總持寺祖院で有名な輪島市門前町。その地で寺の門徒代表でもある後輩の歯科医師が、発災時に2分間にも及ぶ長いトルネードのような激しい振動に襲われ、「前半は神や仏が自分に課した『試練』と思い込もうとしたが、後半はあまりの長さと激しさのあまり、不謹慎にも『怒り』に変わった」と表現しました。それも頷けます。なにせ、彼の自宅はぺしゃんこに潰れ、生きていたことが奇跡と思える有様でした。心に深い傷を負ったにもかかわらず、比較的早く再開に漕ぎつけたのは、自らの生活と地域の医療を守ろうという彼の執念だったのでしょうか。

門前町から少し西に移動した海岸一帯は黒島地区。セメントで造られた堤防らしき囲みの内側は、海水が消え250m沖合まで砂浜となりました。その北には4mの隆起と報道された鹿磯漁港は海底の岩が露出。地震のエネルギーの大きさがいかに巨大なものかと思い知らされます。門前町に隣接する南側は原発のある志賀町。原発は休眠中でしたが、それでも「海にも空にも逃げられなかった」と避難計画の見直しについて町長が発言したのです。松本清張の推理小説「ゼロの焦点」の舞台となった「ヤセの断崖」や「巌門」も近く、崖崩れも発生。一度、観光がてら現地を訪ねてみてください。

半島の東端にある珠洲市ですが、最も甚大な被害を受け、生業再建はおろか、未だに公費解体も半分程度しか進んでいません(今年110日時点で最も進んでいる珠洲市が60.3%、輪島市が34.1%)。住民の帰還は現場の肌感覚では半分と認識されています。珠洲市は上下水道が長く途絶えていた(今でも一部は仮設トイレ)ため、歯科診療所の再開が遅れに遅れた地区。5軒のうち、1軒は頑健な建物だったため配管の一部損傷程度の被害に留まり、上水道の復旧の後には半日診療程度の再開ができました。今年1月にさらに1軒が午前中診療に漕ぎつけました。2月には仮設商店街の一角で、3軒目も再開しましたが、資金に余裕がないため、倒壊した旧診療所から使える機材(ユニット1台に流し台一式程度は使えたものの、レントゲンや滅菌機は壊れました)を業者の協力を得て運び出して 、再出発したのです。今後の設備投資や診療時間延長などは、患者さんの動向を見てからの判断にならざるを得ませんが、3年後には、その仮設店舗さえ退去を強いられることに「理不尽だ」との思いを漏らしています。

◆人口減少による閉院も

輪島の市街と珠洲市の間の山間に輪島市町野町があります。私の友人歯科医師が長く開業してきた地区です。発災直後、テレビに安否不明者として彼の名が流れたときは衝撃を受けました。我々関係者の動揺をよそに、彼は避難所となった寒々とした体育館で、歯科医師としての使命からいち早く口腔ケアを始め、歯科衛生士の奥さんは避難所のトイレの汚物処理を続けていたことを後で知りました。町野町は北前船で栄えた「時国家」の屋敷に近く、土地の地名にもなっている姓を背負った彼は、逃げ出すわけにもいかない、怯むわけにもいきません。早くから再建を目指し動き始めたのです。「石川県なりわい再建支援補助金」の申請に悶絶しながら、家屋や診療所の再建を担う職人の手配に奔走し、しばらくして、もう一歩というところまで漕ぎつけました。

しかしその矢先、921日の集中豪雨に襲われたのです。そばを流れる河川が氾濫し、床上170cmの泥水が真新しい壁を流し、至る所を泥で埋めました。普通なら、ここで挫折してもおかしくない…。だが彼は、地元のために奮い立ちました。ただ同じ地区のもう1軒の歯科診療所は、人口減少などにより昨年12月末で閉院してしまいました。(続く)

震災と歯科医師 —東北・能登の現状① —/「14回目のありがとう」 宮城県保険医協会理事長  井上 博之/松島海岸診療所

震災と歯科医師 —東北・能登の現状① —

≪はじめに≫

3月11日、東北地方を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災から14年が経過した。2024年には元日に能登半島地震が発生し、石川県保険医協会会員の歯科診療所が被災した。地域医療の一端を支える各地の歯科保険医は、こうした災害とどのように向き合ってきたのか。被災当時の様子や、復興への道のりを宮城県保険医協会・井上博之理事長、石川県保険医協会・平田米里副会長に綴ってもらった。なお、両氏ともにお原稿を本年2下旬におまとめいただいた点にご考慮をいただきたい。

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「14回目のありがとう」

  宮城県保険医協会理事長  井上 博之/松島海岸診療所

今年も3.11が近づいてきました。もう14回目になるのですね。忘れっぽい私ですが、14年前のこの日に始まる一連の記憶だけははっきりしています。この日がなければなかったであろう、現在の私を想うときでもあります。

私は、診療中に松島町で被災しました。それでも無事に避難し、その夜は松島湾内の小島に打ち砕ける津波の様子を眺めながら、高台のホテルで過ごしました。その後、徐々に他の地域の被災者の悲惨な状況を知るにつれて、私は大層恵まれていたのだと気付かされました。無事だった私は、診療所のスタッフとともに、翌日から避難所巡りを始めました。その後、県外からの医療支援を受けながら3カ月、県内各地の避難所の歯科医療支援を続けました。松島海岸診療所での歯科診療が再開してからは、外からの支援スタッフに頼ることが多くなりました。

活動地域は、松島町の他、東隣の東松島市とその東の石巻市の避難所でした。県外から来られた支援者たちは、頼れる人たちでした。その中で、とても印象深かったのは、東京歯科保険医協会から派遣されてきた方々でした。避難者への支援の在り方や実際の活動など、多くのことを学ばせていただきました。また、この活動地域が、その5カ月後から今日まで、私が訪問診療専任の歯科医として13年余り活動を続けてきた診療圏となりました。

当初は、「歯科でも往診してもらえるのですか」という声ばかりが聴こえました。被災直後、福祉避難所への支援で繋がりのできた介護施設での歯科診療を皮切りとして、特養などから次々と依頼が来るようにもなりました。医科や介護関係のスタッフとも連携できるようになってきました。3.11があったから、今の私の歯科訪問診療があるのです。

◆県外からの支援が力に

私がパート医として勤める東松島市の歯科医院の院長は、津波で全壊となった診療所の再建を決意された背景について、「東京からのご支援に大きく支えられた」と語っています。あの時、県外からのご支援はとても大きな意義がありました。

現在の被災地は、誰を守るのか分からない巨大な防潮堤がある一方、高台に移住して数年、今では住民が生活に落ち着きを取り戻したこともあり、現段階での復興の評価はさまざまです。その中でも、大震災当時の被災者と支援者の心温まる交流は、無形の財産を築いたのだと思います。被災地の311日は、犠牲者を悼む日であるとともに、「ご支援いただきありがとうございました」と声を挙げたくなる特別な日として今後も続いていくことでしょう。

確定申告個別相談会/定額減税、賃上げ促進税制にも解説

確定申告個別相談会/定額減税、賃上げ促進税制にも解説

協会は220日、確定申告個別相談会を開催し、協会顧問税理士が個別に会員4名から確定申告相談を受けた。「確定申告をする前の最終的な確認をしたい」「特措法26条を活用したい」などの相談や、2024年に導入された定額減税、賃上げ促進税制の解説を求める会員もいた。

参加者からは「毎年自分で確定申告をしているので(協会の税理士による相談会は)心強い」「年々、追加・変更される制度について詳しく説明をしてもらえるので安心」などの感想が寄せられた。

厚生労働省医療指導監査室/2025年度に高点数個別指導 実施の公算 事務連絡で「高点数」の運用を明記

厚生労働省医療指導監査室/2025年度に高点数個別指導 実施の公算 事務連絡で「高点数」の運用を明記

厚生労働省保険局医療課の医療指導監査室は127日付で各地方厚生局医療課に対し、「令和7年度における高点数を理由とする個別指導について」の事務連絡を出した。これは、2025年度に実施される「高点数」を理由とする個別指導の取り扱いを示したもの。

事務連絡では、個別指導は「指導大綱どおり実施する」としているが、集団的個別指導については2023年度に集団的個別指導を実施した保険医療機関のうち、2024年度も高点数保険医療機関に該当した医療機関を2025年度の個別指導の対象とした。

ただし、「高点数」による個別指導の実施に当たっては、2025年度に対象となる保険医療機関の上位より概ね半数程度(最大で上位4%程度)を選定した上で、さらに2019年度の平均点数が上位から概ね8%の範囲にある保険医療機関を対象とする。

コロナ禍の影響で、2020年度以降は「高点数」を理由とした個別指導は行われていなかったが、2024年度から指導の実施が計画された。協会が、関東信越厚生局東京事務所に開示請求した資料では、2024年度指導計画において8件が予定されていた。そこから推察すると、2025年度においても厚労省の事務連絡に基づき、「高点数」による個別指導が計画されると考えられる。

協会では、今後も行政資料の開示請求などを通じて、会員に個別指導の現状を周知していく。

◆3月30日(日)の新規開業医講習会をぜひ受講してください

なお、保険診療やカルテ記載などについて改めて確認したいと考える会員にも330()に新規開業医講習会を開催するので、ぜひ参加いただきたい。詳しくは、本ホームページの「研究会・行事」コーナーをご覧いただきたい。

医療DX加算 4月から見直し

医療DX加算 4月から見直し

初診料に対する加算である医療DX推進体制整備加算(医DX)と在宅医療DX情報活用加算(在DX)が4月診療分から見直される。施設基準において電子処方箋を発行する体制を有していることの経過措置が2025331日までとされていたが、電子処方箋の導入が進んでいないことから、41日以降については電子処方箋の要件なしの区分が設けられた。電子処方箋を導入していない医療機関の点数に変更はない。

なお、マイナ保険証利用率の実績要件は4月から引き上げられる。具体的には、10月以降の実績要件は7月を目途に検討され、設定されることになる。

社会保障審議会医療保険部会で示された電子処方箋の導入状況は、25112日現在、病院311施設(3.9%)、医科診療所8,172施設(9.9%)、歯科診療所1,010施設(1.7%)に留まっており普及が進んでおらず、低調である。

また、昨年1219日、電子処方箋で医師の処方と異なる薬剤が薬局で表示される不具合が生じたことから、システムを停止し、導入済みの医療機関・薬局に一斉点検を求めるという事案が発生した。電子処方箋導入済みの医療機関では、処方箋発行の有無にかかわらず、マイナ保険証受け付け時にシステムに自動アクセスするが、そのたびにエラーで受付処理が止まるなどの混乱を来した。当初、点検は同20日から24日とされたが、点検期間は延長され、システム再開は27日になった。電子処方箋の導入率が低い段階で既に問題が起きていることから、拙速な導入推進は時期尚早と言わざるを得ない。

施設基準のための講習会を開催 6月の改定診療報酬施行後、初の開催/126名が参加

施設基準のための講習会を開催 6月の改定診療報酬施行後、初の開催/126名が参加

協会は728日、ワイム貸会議室高田馬場で、6月の診療報酬改定施行後初めて「施設基準のための講習会」を開催した。講師は、繁田雅弘氏(東京慈恵会医科大学名誉教授他)、坂下英明氏(明海大学名誉教授他)、馬場安彦氏(当協会副会長)、森元主税氏(当協会理事)が務めた。

 

 

 

 

 

 

本講習会は、歯科外来診療医療安全対策加算1(外安全1)、歯科外来診療感染対策加算2(外感染2)、口腔管理体制強化加算(口管強)の新基準要件にも対応している。歯初診・外安全1・外感染2に対応したコースに20名、歯初診・外安全1・外感染2・口管強・歯援診に対応したコースに106名と、計126名が参加した。なお、次回は1215日(日)を予定している。

東京の〝低い〟保険収益を改善へ/総枠拡大へ 現場の訴えを届けよう

東京の〝低い〟保険収益を改善へ/総枠拡大へ 現場の訴えを届けよう

2026年度診療報酬改定に向けた議論が、これから中央社会保険医療協議会(以下、中医協)で始まり、年末には改定率も決定される見込みだ。東京に目を向ければ、厳しい経営の医療機関が多い。昨年10月に実施した「会員の意識と実態調査」(以下、会員調査)の結果を基に、「ユニット1台当たりの保険収益」を比較したところ、半数近い会員が、厚生労働省が23年5月に実施した「第24回医療経済実態調査」(以下、実調)を下回っていた(下の)。次期改定に向けて、大幅なプラス改定を要望することが急務である。

半数強が実調を下回る―

図は、会員調査の調査項目である1カ月間の総点数の設問を基に作成。なお、回答は「5万点~10万点未満」のように幅を持たせた選択肢で調査しているため、各選択肢の下限値を用いて「年間万円以上」との形式で整理した。また、「5万点未満」(年間600万円未満)の選択肢は「年間300万円以上」とみなし、ユニット数において「6台以上」との回答は除いて計算した。

実調では、最頻値の保険収益は2,522万1,000円で平均ユニット数は3台と報告されているため、全国のユニット1台当たりの保険収益は8407,000円との試算となる。その結果、ユニット1台当たりの保険収益に関しては、半数超の会員が実調を下回る結果となった。

総枠拡大を争点に―

2024年度診療報酬改定後、中医協では医療DX推進体制整備加算の見直しなどが議論された。しかし、歯科医療現場の厳しい現状を反映した議論は行われていない。また、近年の物価高騰で医療機関の経営は以前にも増して厳しくなっており、患者においても生活防衛意識の高まりもある。

協会は、歯科医療費の総枠拡大を目指して2月より「保険でより良い歯科医療を求める請願署名」に取り組んでいる。要求は、①窓口割合の引き下げ、②歯科治療の範囲拡大、③歯科医療に係る予算の引き上げ―の3点だ。これは、医療機関と患者のどちらも納得できる内容である。

署名用紙は、「月刊保団連」2月号に同封して会員に配布したほか、希望者には追加の署名用紙や待合室に置くだけの「歯科署名セット」を無料配布している。スタッフも少ない労力で患者さんに署名を呼びかけることができる。ぜひ、ご協力・ご活用いただき、現場の訴えを行政に届けよう。

◆総枠拡大には何が必要なのか?会員調査から考える現制度の問題点◆

202410月に協会が実施した「会員の意識と実態調査」(以下、会員調査)における「ユニット1台当たりの保険収益」をみると、厚生労働省が実施した第24回医療経済実態調査(以下、実調)の数値より、低い値の集団と高い値の集団の2つに分かれているようにみえる。

そこで、ここでは両者の比較から、歯科の総枠拡大に向けたヒントを考えていきたい。

年齢や開業歴で保険収益に有意差はない―

まず、年代および開業歴と保険収益の関係をまとめたところ表1となった。会員調査では、「20歳代」など回答の選択肢に幅があるため、選択肢の下限値を用いて集計し、開業歴が「4年以下」については2年とみなすなどの処理を行っている。

年齢の平均をみると、ユニット1台当たりの保険収益が高い集団は55.6歳で、低い集団よりも5.2歳若かった。また、開業歴の平均については、保険収益が高い集団は16.5年で、低い集団よりも3.3年短かった。ただ、有意差は、年齢および開業歴のどちらも認められず、若い会員は保険収益が高いというわけではないようだ。

保険収益が高い診療所は人員体制が充実している―

患者数、労働時間および人員体制との関係をまとめてみると、表2になる。

ユニット1台当たりの保険収益が高い集団は患者数が多いが、人員体制においては常勤の歯科衛生士数が最も差が大きかった。保険収益が低い集団の平均人数は0.5人で、雇用していない、またはできていない歯科診療所が相当数あるのに対して、保険収益が高い集団の平均は1.2人と2倍以上多く、概ね一人以上は雇用している状況であった。

診療報酬の引き上げを行い、診療体制の充実が図られるようにすることが重要といえよう。

算定できる点数が多いと保険収益は高まる―

算定する点数の影響をまとめると表3となる。なお、参考として、ユニット1台当たりの保険収益には影響しないが、訪問診療においても同様の比較を行った。その結果、保険収益が高い集団は、低い集団と比べて概ねどの項目も多く点数を算定していた。

ただ、既存の歯科診療所の視点で考えると、導入のハードルには差がある。歯周病安定期治療(SPT)は特に追加の機材は必要なく、小児口腔機能管理料(小機能)は口腔内・口腔外を撮影できるカメラが必要なだけであり、初期投資の費用を考えると比較的導入はしやすい。一方、口腔機能管理料(口機能)は舌圧測定器などの測定機器が、訪問診療は切削器具に加えて訪問診療の時間を確保する必要があり、必ずしもハードルは低くない。

そのため、自院や患者の状況を分析して導入しやすいものから順次、取り入れること、そしてその推進を図るための施策の要求をすることが今後の重要なポイントといえよう。

複雑で実態に合わない不合理是正も重要な視点—

次に、SPTなどの算定が伸びない理由について考えたい。その理由は、厚労省が行った「令和4年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和5年度調査)の報告」をみれば明らかである(下の)。医学的な理由を除けば、算定の頻度が実態に合わないことや算定要件の複雑さが主な理由である。算定要件の複雑さを指摘する回答は、口機能や小機能でも一定数存在する。算定しないのではなく、算定要件が複雑で厳しいため算定しづらいのである。

この算定要件の不合理さを解決することは、今後の要求活動の重要な視点である。協会は、「保険でより良い歯科医療の実現」を求める請願署名を会員に配布し、ご協力をお願いしている。本署名は今の通常国会に提出する予定であり、ぜひご協力をお願いしたい。

追加の署名用紙や署名セットを希望される方は、協会へ電話(03-3205-2999)、またはWEBフォームからお申込みいただきたい。

なお、「会員の意識と実態調査」は現在、最終的なデータ集計を進めている。本記事内の数値、表記は途中集計データを基にして作成したことにご留意いただければ幸いである。

石破総理・福岡厚労大臣に向け/高額療養費制度の見直し撤回を 要請書提出

石破総理・福岡厚労大臣に向け/高額療養費制度の見直し撤回を 要請書提出

協会は、213日付けで石破茂内閣総理大臣、福岡資麿厚生労働大臣宛てに要請書「高額療養費制度の見直しは『一部修正』ではなく撤回を」を提出した。

政府は昨年1225日、患者が支払う医療費の自己負担限度額(高額療養費制度)を見直し、すべての所得区分において月額の負担上限額を引き上げることを閣議決定した。これを受けて、20258月から20278月にかけて、自己負担上限額を段階的に引き上げる見直しが25年度政府予算案に盛り込まれ、124日に召集された通常国会で審議され、3月4日に衆議院で可決している。

その後、患者団体などの当事者の切実な訴えにより、長期の治療を受ける患者向けの「多数回該当」に限り、負担増を取りやめるという修正が行われることとなった。しかし、多数回該当の上限額だけを修正した場合、負担が軽くなるのはごく一部であり、患者を「線引き」することにもなる。そのため、高額療養費制度の見直しは、修正ではなく撤回すべきである。協会は、引き続き高額療養費制度の自己負担上限額を引き上げる見直しの全面撤回を引き続き求めていく。

◆高額療養費制度/引き上げ対象は全年代の全所得階層

現役世代の保険料負担軽減などを理由に、第一段階として20258月に高額療養費の自己負担限度額区分5階層の年収区分それぞれに対して定率の引上げを行い、第二段階として268月に13階層に細分化し上限額を引き上げ、さらに278月に引き上げるとしている。

今回の自己負担上限額引き上げはすべての年代、所得階層が対象とされており、文字通り高額療養費制度を利用する1,250万人全員にとって打撃となる。引き上げ額も、70歳未満の現役世代の年収650万円から770万円の階層では、最終的に1.7倍(278月から)、金額として月額約5万円の大幅な負担増である。

全国保険医団体連合会(保団連)が行ったアンケート結果に基づく要請や患者団体など当事者からの「治療中断を余儀なくされる」「必要な治療が受けられなくなる可能性がある」という切実な声により、長期の治療を受ける患者向けの「多数回該当」に限り、負担増を取りやめるという修正が行われることとなった。

そもそも重篤な疾患で治療を継続している患者にさらなる負担を強いて、財源を捻出するという手法そのものが社会保障の概念とは相容れないものであり、公的医療保険の仕組みを根幹から突き崩すものである。

さらなる負担増は行わず必要な医療をすべての国民が受けられるよう、高額療養費制度の自己負担上限額の引き上げの即時撤回を望む。

第5回メディア懇談会/保険証新規発行終了に意見  協会「実調」最終報告に期待の声

第5回メディア懇談会/保険証新規発行終了に意見 協会「実調」最終報告に期待の声

1月17日に行われた第5回メディア懇談会(通算105回)で、健康保険証の新規発行終了の問題に触れた早坂美都副会長は「世の中に誤解が生じている」と強く指摘した。

昨年122日に健康保険証の新規発行が終了して以降、初めての開催となった今回は、発行終了後の患者対応などを議題に懇談を深めた。早坂氏は、「122日以降は健康保険証が使えない」という誤った認識をする患者が多いとし、「正しい情報を周知する必要がある」と訴えた。

参加者からの「マイナ保険証に一本化するという法律はあるのか」との質問に対して早坂氏は、「マイナ保険証に一本化されるというのは大きな間違い。法令上は健康保険証が資格確認書に変わるというのが正しい」と説明した。

加えて、オンライン資格確認の運用上の問題について、早坂氏や司会を務めた川本弘理事が自院の状況を伝えた。依然としてマイナ保険証の読み取り後に「黒丸(●)」が表示されることを報告すると、参加者から驚きの声が聞かれた。

また、診療報酬改定の話題では、期中改定が決まった歯科技工士連携加算12について、参加者から「引き上げられた分の点数は、歯科技工士の収入となるのか」との質問があり、歯科技工士の就労環境を懸念する様子がうかがえた。

その他、「会員の意識と実態調査」の中間報告をもとに懇談。最終結果の公表に期待を寄せる声があがった。なお、この日はメディアから34名が参加した。

電子証明書の有効期限について

電子証明書の有効期限について

オンライン資格確認およびオンライン請求(以下、オン資等)では、電子証明書を利用しています。
電子証明書は、オン資等で利用者(保険医療機関)がデータを安全に送受信するために必要なものです。
既に、オン資等を利用されている医療機関ではコンピューターに設定されています。
しかし電子証明書には発行から3年3か月間の有効期限があり、期限毎に証明書の更新作業が必要となります。詳しくはオン資等を設定した業者にお問い合わせください。
協会には、電子証明書の有効期限に関するお問い合わせが寄せられています。そこで、有効期限の確認方法をまとめましたので参考にしてください。
医療機関向け総合ポータルサイトにも資料が掲載されています。

1.【お知らせ】電子証明書の更新はお済みでしょうか ~電子証明書の更新方法について~
https://iryohokenjyoho.service-now.com/csm?id=kb_article_view&sys_kb_id=bfda24352b77d6108cdcfca16e91bff6

2.オンライン資格確認 QA集 「5. 電子証明書について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24976.html#Q28

<オンライン資格確認 電子証明書の有効期限の確認方法>

有効期限の確認方法は主に2種類あります。
1.「電子証明書発行通知書」で確認する。
  電子証明書発行時に、社会保険診療報酬支払基金から簡易書留にて郵送されています。

2.使用しているパソコンから確認する。
お使いのパソコンのブラウザによってマニュアルが異なりますので、該当のマニュアルをご確認ください。
Windows_ChromiumEdge をお使いの場合 → 1 Windows_ChromiumEdge版
Windows_IE をお使いの場合 → 2 Windows_IE版
Linux_Firefox をお使いの場合 → 3 Linux_Firefox版
Mac_Safari をお使いの場合 → Mac_Safari版
(経営管理部)

5月31日までにホームページに掲載すべき事項について

5月31日までにホームページに掲載すべき事項について

2024年度診療報酬改定で保険医療機関は書面掲示することとされている事項について、5月31日までに原則としてウェブサイトに掲載しなければならなくなりました。
掲載すべき項目は以下の通りです。

○ 厚生局に届け出た施設基準
○ 明細書の発行状況に関する掲示
○ 物品の販売等であって患者から費用の支払を受けるものに関する事項(当該費用の支払が法令の規定に基づくものを除く)

○ 保険外併用療養費に関するもの
  ・ 金属床による総義歯に係る費用徴収その他必要な事項
  ・ う蝕に罹患している患者の指導管理に係る費用徴収その他必要な事項
  ・ 金属歯冠修復指導管理に係る費用徴収その他必要な事項
  ・ 長期収載品(後発医薬品のある先発医薬品)の処方

自ら管理するウェブサイトを有しない保険医療機関は対象外です。

デンタルブックでは、院内掲示ポスターがダウンロードできます。
院内掲示ポスターの内容を活用してHPにも掲載してください。
各医院に適したものをダウンロードしてご利用ください。


① デンタルブックにログインし、「デンタル書庫」を選択

 
② 「デンタル書庫」内の「院内掲示ポスター/患者配布チラシ」を選択


③ 必要な施設基準をダウンロードし、ご利用ください。PDFやPowerPointデータなどでもダウンロードできます。

デンタルブックのログインはこちらから!
会員ログイン|東京歯科保険医協会

 

 

 

 

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)2月1日

東京歯科保険医新聞2025年(令和7年)2月1日

こちらをクリック▶「東京歯科保険医新聞」2025年(令和7年)2月1日

【新聞2月号】

 【1面】

 .会員の意識と実態調査/7割が「歯科医師にやりがい」

 2.東京歯科 歯科開業医会員年間増加数/2年連続トップ表彰

 3.診療報酬期中改定 4月実施へ

 4.歯科用貴金属の随時改定 3月から引き上げへ

 5.まもなく国会へ署名提出 お手元に残っていませんか?

 6.53回定期総会 日程のご案内

 7.「探針」

 8.ニュースビュー

 

【2面】

 9.重要懸案 オンライン請求猶予届出を巡り 厚労省が再提出方法示す

10.厚生労働省が通知 歯科薬剤の安定供給を指示/協会の要望が反映・実現

11.保団連2425年度第2回代議員会/協会の「会員の意識と実態調査」を推奨

12.お忘れなく!東京都の緊急対策支援金 交付申請期限は210

13.生産性向上・職場環境改善を目指す/一診療所当たり18万円を給付へ

14.2月会員無料相談のご案内

15.訃報

 

【3面】

16.2024年度 会員の意識と実態調査

 

【4面】

17.経営・税務相談Q&A No.425「利用していますか?減価償却の特例~開業医のための確定申告の基本~」

18.2024年分確定申告のポイント(税理士法人税制経営研究所)

19.書籍 保険医の経営と税務 2025年版/会員は1冊無料!2025年度最新の税務対応版を発行!

 

【5面】

20.教えて!会長!!No.91/期中の診療報酬改定

21.理事会だより

22.協会活動日誌

23.通信員便りNo.147

24.共済部だより

 

【6面】

25.研究会・行事ご案内

26.デンタルブックご案内

27.会員優待ご案内

 

【7面】

28.ALS患者追う映画『杳かなる』/「これは当事者だけの問題でしょうか

29.神田川界隈(副会長/山本鐵雄)

30.5回メディア懇談会/保険証 新規発行終了に意見 協会「実調」最終報告に期待の声

 

【8面】

31.都内歯科診療所 厳しい経営明らかに/会員医業収益の最頻値が医療経済実態調査を下回る/次世代のために求められる診療報酬引き上げ