歯科訪問診療の悩み打ち明け合う/歯科訪問診療懇談会開催
7月22日(水)、協会会議室にて、歯科訪問診療「これ困った!!」をテーマに歯科訪問診療懇談会を行いました。定員を20名としていましたが、定員を超える23名が参加し、会員同士で素朴な疑問や悩みを出し合いました。
懇談のきっかけになるよう話題提供として、当協会地域医療部担当の横山靖弘理事からシームレスな訪問診療~外来の患者さんを訪問診療にどうつなげるか~をテーマに、三幣部員より私の失敗事例~失敗事例より学ぶ~をテーマにそれぞれ事例を報告しました。
横山理事は、訪問診療を実施している患者でも、難しい歯内療法や抜歯などの場合、無理をして在宅で治療をするのではなく、一時的に介助や搬送によって診療所に来てもらい治療をする選択肢もあると述べました。また、自身が訪問診療で使用している器材などの紹介も行いました。
三幣部員は、これまでの訪問診療の経験の中での、準備不足・情報収集・目的と手段のはき違えの3つの失敗体験とそこから導きだされた教訓や注意している点などを紹介しました。在宅歯科医療の心構えを携え、手抜きすることなく、患者・家族・介護者・医療者みんなが喜ぶ治療を目指していきたいと述べました。
様々な悩みを共有
懇談では、高齢者の残存歯や大型補綴が多いことによる治療の難しさや、介護保険の複雑さ、治療が長期化しやすいことなど、さまざまな悩みを共有し合いました。中でも他職種との連携に関しての悩みが多く、「ヘルパーに口腔ケアを頼むが十分でない」「医科に薬の量の調整を頼んでも返事がこない」「ケアマネが代わった時の対応で困っている」などの声が寄せられました。それらに対し、「患者の状況を改善したいと一番に考えてくれるキーパーソンを見つけることが大切」「治療に関係ないことでも他職種や付添いの家族と会話し、信頼関係を築くことが大切」等のアドバイスが出され、会員同士で活発な意見交換が行われました。
懇談会後のアンケートでは、「日ごろの自分の悩みは出席されている方も同じなんだと少し安心した」「他院の訪問診療の留意点が理解できた」「いろんな意見を聞けて役立った」などの感想が出されました。悩みを共有し相談し合うことによって明日からの診療に活かせる有意義な懇談会となりました。