公平で適切な医療提供が必要 東京都の感染対策めぐり意見伺う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇公平で適切な医療提供が必要

 東京都の感染対策めぐり、東京都議の意見伺う

 協会は1月18日、現役の臨床医で東京都議会議員(都民ファーストの会)の辻野栄作氏と面会した。

 当日は、これまでも継続して要請してきた東京都の新型コロナウイルス対応をはじめ、厚生労働省(以下、「厚労省」)が1月18日に通知した「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向けの手引き」などについて伺った。

 辻野都議からは、厚労省から通知した新型コロナウイルスの予防接種について、「医療機関の団体加入の有無により、患者である東京都民に公平で適切な医療サービスの提供を損なうことがあってはならない」とし、昨年春に東京都福祉保健局が医療用マスクをすべての保険医療機関へ配布した事例を挙げ、状況によっては東京都が保持するデータを活用して、接種を進めるべきとの考えを示した。

 

 

 

 

 

 

 

 

※上記写真はイメージ

 

◇医師の立場から目の前に

 ある命の選択別はできない

 また、現在の新型コロナウイルス感染拡大状況について、一部の自治体から東京都に対して、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、重症者の治療で優先度を付ける「トリアージ」のガイドラインの策定を求める意見が示されたことに触れ、医師の立場から「医療現場では命の選別をすることはできない。医療人の良心を鑑みれば、『トリアージ』は医療現場では困難を極める。ガイドラインの策定の議論は必要と考えるが、まずは、人と人との接触をなるべく減らして新規感染者の増加を食い止めることが肝要。そのために、成人式等、感染症拡大のリスクが懸念される大規模なイベントなどの開催には、そのリスクを照らして慎重な判断が必要である」と指摘し、病院や東京都職員、保健所職員の逼迫した状態にありながらも、一部自治体で、緊急事態宣言下、東京都の協力依頼にもかかわらず、成人式を挙行し感染症リスクを高める判断があった事に疑問を呈した。

 そのうえで、「東京都は緊急事態宣言のもと、イベントの開催については、厳格なガイドラインを策定している。また、事業者に対しては営業時間短縮要請、都民に対しては不要不急の外出、特に二十時以降の不要不急の外出を控えるようお願いしている」と説明が付け加えられた。感染症拡大防止対策と社会経済活動の両立について、医師の視点から「健康と命があって、活発な経済活動が伴う」と新規感染者数の抑制の必要性を改めて強調した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真は東京都議会議員で医師の辻野栄作(つじの・えいさく)氏