WEBに係る歯科関連の法令やトラブル対応などについて、
歯科専門にサイト制作、運用、コンサルディングを手掛ける専門家が解説する本連載。
今回はインターネット取引について―。
歯科専門にサイト制作、運用、コンサルディングを手掛ける専門家が解説する本連載。
今回はインターネット取引について―。
近年は、消耗品(歯科材料や感染防止品など)を院内からネットで購入するケースが増えてまいりました。自宅で行う個人的な注文と同じ感覚でできてしまいますが、簡単だからこそ医療機関としての注意が必要です。
まず、ネットで購入決済をするPCはインターネットに接続しますが、院内の他のPCにも接続されていないでしょうか?
ネット購入用のPCは、購入時の自動返信メールも受信することになりますので、セキュリティに懸念があります。そのPCが患者の個人情報(極端な例ではレセコンやデジタルレントゲンなどの情報、治療予約の情報など)にネットワーク上で接続されていると、それだけで大きなリスクになります。診療用のネットワークと外部との接続可能なネットワークは、今すぐにでも切り離すべきです。
ネット購入は、院長ではなく受付などの院内スタッフが定期的な業務として行う場合も多いですが、購入時の報告や在庫管理など徐々に面倒になり、スタッフに「丸投げ」になる事も注意が必要です。
院内スタッフですから決済機能を悪用することは少ないと思いますが、丸投げゆえに「スタッフ個人の判断で購入を行った」などどちらが悪いとも言えないような医院運営上の問題が発生しかねません。
誤操作による発注ミスや決算時に問題にならないため、在庫管理を徹底するための台帳の作成、情報の共有など後々のことを考えて管理体制を整えておくほうがより安全と言えます。
クレセル株式会社
(東京歯科保険医新聞2022年5月号4面掲載)