WEBに係る歯科関連の法令やトラブル対応などについて、
歯科専門にサイト制作、運用、コンサルディングを手掛ける専門家が解説する本連載。
今回は医院情報サイトについて―。
歯科専門にサイト制作、運用、コンサルディングを手掛ける専門家が解説する本連載。
今回は医院情報サイトについて―。
相談件数としては多くありませんが、「医院の基本情報を掲載するサイトからの請求」という身に覚えのない要求にお困りの方が過去にいました。多いのは、まず簡単な情報だけ掲載して、より詳しい情報を有料で掲載しないかという営業電話がかかってくる場合です。
前提として、勝手に医院情報を掲載して掲載費用を請求することなどはビジネスとして論外で、取り合う必要はありません。事前合意のない請求は無効です。
どちらかと言えば、最初に医院の基本情報を無料で掲載して、その後に「情報の更新をするなら有料契約が必要」「削除も有料」などと、掲載済みの情報を人質のように扱って、有料契約を迫ってくる場合がありますので注意が必要です。
以前、そのような相談があった時にこちらから掲載サイトの業者と電話をした時には次のような主張でした。「公開されている医院の基本情報を当サイトに掲載することは、法的に問題ありません。ただ情報の更新や削除などに要する人件費は有料となります」。とんでもない主張だと思いましたが、「法的に」という言葉で泣き寝入りしてしまう方もいらっしゃるようです。以前、飲食情報サイト「食べログ」へ勝手に掲載されてしまい、店側が訴えた結果、敗訴した事例がありました。おそらく、このような事例を盾にしているものと考えられます。
情報の削除、改訂については対応してもらえることが多いはずです。しかし、登録して自力で改変する、もしくは費用を要求されるなど「確信犯的に」情報を掲載している業者もいるので、その場合は、即座に弁護士を通じてやり取りをすることが望ましいです。
クレセル株式会社
(東京歯科保険医新聞2022年7月号4面掲載)