WEBに係る歯科関連の法令やトラブル対応などについて、
歯科専門にサイト制作、運用、コンサルディングを手掛ける専門家が解説する本連載。
今回は医院情報サイトについて―。
歯科専門にサイト制作、運用、コンサルディングを手掛ける専門家が解説する本連載。
今回は医院情報サイトについて―。
2022年現在、WEBサイト(医院が運営するサイト)を活用している歯科医院の数は、かなり多いのではないでしょうか。しかし、WEBサイトはどのような効果が出れば「成功」で、一方どのような状況であれば「改善」の必要があるのか、わかりづらいのが現実です。そこで、情報発信の手段としての歯科医院のWEBサイトについて考えていきたいと思います。
まず、サイトの目的を明確にするところからはじめる必要がありますが、目的は「大勢の新患が希望の治療を受けるために来院する」と思われる方が大半であることは間違いありません。残念ながら、この“大勢”という言葉をもっと具体的に意識できなければ、サイトからの新規患者の来院はそれほど望めないでしょう。
現在運営されているサイトの成果指標として「1カ月の新規患者数の20%以上がWEBサイトからになっているか」を確認してみてください。20%を下回る場合、サイト上の課題、歯科医院の認知がそもそもないことの問題(開院直後など)、ネット上に競合が多すぎるなどの原因があります。20~40%くらいは正常、もしくは健全な数字ですので、今後は新たなコンテンツを追加するなどの対策を検討してみてください。
そして、40%以上は「危険な状態」と言えるでしょう。サイトがたくさんの患者を集めている状態が「危険?」と思われる方が多いと思います。仮に80%がサイトからの患者とします。「サイトのサーバーが障害でダウンした」「検索サイトからペナルティを受けてサイトの来訪者が0になった」などのトラブルに見舞われると、患者の8割を失うことになります。すぐに復旧できるものであれば良いですが、4週間も続けば経営に関わる非常事態です。
インターネットという現実に存在しない世界に、患者の大半を依存することの危険性を経営視点で振り返る必要があります。次回からは、インターネットマーケティングをそのまま歯科医院サイトに持ち込む時の注意点などを考えます。
(※数値等データは自社の分析に基づく)
クレセル株式会社
(東京歯科保険医新聞2022年9月号4面掲載)