医療への消費税課税検討など盛り込む/2018年度税制改正要望書を財務省に提出
厚生労働省は8月31日、財務省に対して2018年度「税制改正要望」を提出した。要望の柱は、子ども・子育て、健康・医療、医療保険、介護・社会福祉、雇用、生活衛生その他―の7項目となっている。
これらの中で、医療、歯科医療に特に深い関連があるものを拾うと以下のような状況である。なお、◆印下の説明文は、同省作成のまま引用している。
【健康・医療】
◆医療に係る消費税の課税のあり方の検討(消費税、地方消費税)
医療に関する消費税などの税制のあり方については、消費税率が10%に引き上げられるまでに、抜本的な解決に向け、適切な処置を講ずることができるよう、税制上の措置について、医療保険制度における手当のあり方の検討などと併せて、医療関係者、保険者などの意見を、特に高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘も踏まえ、平成30年度税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得る。
◆医療機関等の設備投資等に関する特例措置の創設(所得税、法人税等)
控除対象外消費税の負担が医療機関等の設備投資を抑制する一因となっているとの指摘がある中、国民に必要な医療を効果的・効率的に提供していくための設備投資などは進めていく必要がある。このような中で、医療に関する諸費税の問題が抜本的に解決されるまでの間、都道府県で策定された医療計画などに資する固定資産税を医療機関等が取得した場合に、税制上の特例措置を創設する。
◆社会保険診療報酬にかかる非課税措置の存続(事業税)
社会保険診療の高い公共性に鑑み、診療報酬に係る事業性の非課税措置を存続する。
◆医療法人の社会保険診療報酬以外部分に係る軽減措置の存続(事業税)
人口減少による地域機能の衰退と医師の高齢化などを踏まえ、地域の保健・医療・介護を支える個人解説医療機関の事業承継の円滑化のため、税制上の所要の措置を講ずる。
◆社会医療法人・特定医療法人の認定要件の見直し(所得税、法人税、法人住民税、事業税、固定資産税等)
医療・介護をめぐる社会情勢の変化の中で、地域医療の中核的存在である社会医療法人の認定要件(社会保険診療収入などの対象)について、見直しを行う。
◆国民の健康の観点からたばこの消費を抑制することを目的とした、たばこ税の税率引き上げ(たばこ税、地方たばこ税)
国民の健康の観点からたばこの消費を抑制するため、たばこ税および地方たばこ税の税率を引き上げる。
【医療保険】
◆国民健康保険法の改正に伴う税制上の所要の措置(国民健康保険税)
国保法等の一部を改正する法律の施行に伴い、税制上の所要の措置を講ずる。
◆国民健康保険税の課税限度額の見直し及び低所得者に係る国民健康保険税の軽減判定所得の見直し(国民健康保険税)
①国保税の基礎課税額、後期高齢者支援金等課税額及び介護納付金課税額の限度額の見直しを行う。
②低所得者に対する国保税の軽減措置の対象となる世帯の軽減判定所得について、経済動向などを踏まえ、所要の見直しを行う。
◆国民健康保険税の軽減判定に用いる被保険者の所得の算定方法の見直し(国民健康保険税)
国保税に係る軽減措置の判定に用いる被保険者の所得について、一部、住民税上の金額を用いることができるよう、算定方法の見直しを行う。
【介護・社会福祉】
◆介護医療院の創設等に伴う税制上の所要の措置
介護医療院の創設等に伴い、税制上の所要の措置を講ずる。