歯科の学校歯科検診の全国的なすう勢や「口腔崩壊」の現状が明らかに/保団連の「学校歯科治療調査中間報告」で当協会の森元理事がマスコミ17社を前に解説

 

歯科の学校歯科検診の全国的な趨勢明らかに/保団連の「学校歯科治療調査中間報告」で当協会の森元理事がマスコミ17社を前に解説

保団連のマスコミ懇談会が本日6月7日、保団連の会議室で開催された。会場には、日刊紙、通信社、専門紙、テレビ局など17社・18名が参加し、説明後には盛んに質疑や情報交流が行われた。

取り上げた話題は、①保団連の「学校歯科治療調査中間報告」、②大阪保険医協会、大阪歯科保険医協会「学校健診後治療調査」、③保団連2016年歯科技工所アンケート調査結果、④現場の実態を踏まえた「働き方改革」を━の4本。

このうち、①の説明と報告には、当会理事で保団連副会長を務める森元主税氏が行った。

記者会見ではなく、懇談会形式で進められたが、参加者の注目は、口腔崩壊を学校歯科検診した子どもの数と口腔崩壊と考えられる子どもの数で示してほしい。この中間報告をもとに、厚労省や文部省にどう働きかけるのか。児童生徒、保護者、学校、行政などが実施すべき対策として考えられることは何か。学校歯科検診未受信の理由は何か…。など、多岐にわたった。

また、帰社サイドから個別、具体的な数値の確認を求められると当協会のデータが紹介され、懇談会終了後には、日刊紙やテレビなど6社が、当協会の調査結果についての確認を求めた。

そのほか、懇談会の特色といえる、記者側の感想として、「歯科検診未受診は起こりうると思ったが、医科の検診で起こっている事実を知り、衝撃を受けた。まして、内科の健診を受けないでいては、この先、どうなるのか」などの声が出された。

◆「口腔崩壊」の実情が明らかに/学校歯科治療調査中間報告の特記事項

今回の保団連「学校歯科治療調査中間報告」では、学校の歯科検診で「治療が必要」と診断された児童・生徒のうち、後日、歯科診療所を受診していない子は、小学校で約5割、中学校で約7割、高校で約8割に上っており、必要な歯科受診をしていない子は、約26万人にのぼる。受診しない背景として、治療費が払えない経済的困難や育児放棄、ひとり親家庭、共働きで子どもを歯科に連れて行く時間がない…。などがあげられている。

また、いわゆる「口腔崩壊」の定義として「むし歯を10本以上有していたり、歯根か残っていないような歯を有すること」と説明したうえで、口腔崩壊の子どもがいると答えた学校は、小学校で約4割、中学校で約3割、高校で約5割だった。

また、保団連としては、今回取りまとめた中間報告を受け、今後の対策として、子ども医療費助成制度拡充、歯の健康を保つ取り組みの充実などを厚生労働省や文部科学省に求めて行く方針だ。さらに、機会をとらえ、関係議員への働き掛けも行う方針だ。

午前中に八王子市内の幼稚園で歯科検診を行い、終了後、懇談会会場に駆けつけ解説を行う森元主税氏

17社・18名の参加で満席状態となった保団連マスコミ懇談会会場

保団連が紹介した9歳児の口腔崩壊状態の写真