消費税10%増税時の診療報酬改定率は「ネットで▲0.07%」のマイナス改定
政府は12月21日の閣議で、わが国史上初の100兆円超えとなる2019年度政府予算案を閣議決定した。
ところで、来年度の社会保障関係費に関しては、この閣議決定前の12月17日に厚生労働大臣と財務大臣の間で閣僚折衝が行われ、今年8月末に行われた来年度予算概算要求案の時の6000億円増を1200億円削減し、4800億円増とすることで合意に達している。圧縮分の内訳は、薬価引き下げ490億円、40~64歳の高所得者への介護保険料負担増導入をおこなう「総報酬割」拡大により610億円、生活保護費の段階的引き下げで30億円などとなっている。
さらに、17日の両大臣折衝で、来年10月の消費税増税に伴う診療報酬改定の改定率も決定。「本体」が0.41%増、「薬価」が0.51%減、「材料」が0.03%増となっており、ネットで0.07%減のマイナス改定となっている。
なお、税収については、1990年度のバブル経済末期の60兆1059億円を実に29年ぶりに上回り、過去最大となる62兆4950億円と見込み、強気の姿勢だ。しかし、新規国債発行額は9年連続で減らしたものの、32兆6598億円という高水準が続いたままで、財政悪化に歯止めがかかったとは言い難い状況だ。