会長「年頭所感」
新たな局 面新たな一歩を
2年半前の2017年6月の総会の日に会長を拝命し、3回目の年頭所感として新年のご挨拶をさせていただきます。まず、日頃、会員の先生方には協会活動に対してご理解とご協力をいただき、心から感謝申し上げます。
一昨年の年頭所感で当会会員数は5277名、その後、2018年診療報酬改定での施設基準の要件などを背景として、昨年の会員数は5708名と429名増と、多くの先生方に入会していただいたことを報告させていただきました。そして、2019年は5815名と、順調に会員数が増加しております。この会員増の一因には、既会員の先生からの多くのご紹介があります。この場をお借りして先生方のご協力に対し、厚く御礼申し上げます。
さて、当会の規約には、「歯科保険医の経営・生活ならびに権利を守り、国民の歯科医療と健康の充実および向上を図ること」を目的としています。その目的を達成するために会員の先生方とともに役員、部員、事務局員は会務を行なっています。
昨年のこの場でも触れましたが、人口減少と少子高齢化の進展、歯科疾病の構造変化、そして消費増税、社会保障費の抑制、さらに今後予定されている高齢者の窓口負担増などによって、歯科保険医を取り巻く環境はより一層、厳しいものになるのではないかと懸念しています。
当会は、会員の先生方の日常診療をサポートすること、または経営面でのアドバイスなどは重要な会員サービスと考え、特に事務局が総力を挙げて取り組んでいます。さらに、将来を考え、歯科医療費の総枠拡大や患者負担の軽減を目指すこと、歯科技工における諸問題、全国で東京都が最低である一歯科医療機関当たりの歯科衛生士数の改善、歯科医師国家試験の合格者数の質の問題、医科歯科連携の推進、そして金銀パラジウム合金の逆ザヤ問題など、歯科医療を取り巻くさまざまな問題について、国会議員、都議会議員、あるいは行政側などの各方面に対し、会員の訴えや要望を届け、改善を図ることを協会活動の大きな柱と考え、要請や懇談を積極的に行っています。
そのため、昨年6月、8年ぶりに内容を改訂して発行した「21世紀にふさわしい歯科改革提言2019年版」、また、1000名を超える会員からご協力をいただいた「会員の意識と実態調査」の結果をそのツールとして積極的に活用していきます。加えて、3カ月後に行われる診療報酬改定を検証すべく、今年中に会員アンケートの実施を計画していますので、その際は何卒、多くの先生方のご協力をお願い申し上げます。
また、会員無料サービスの1つであるデンタルブックも順調に充実を図っており、日々の保険請求のアシストとともに、直接会員の先生方にタイムラグのない、どこよりも早い情報をメール発信する目的を達成しつつあります。今後、さらに多くの会員にデンタルブックへの会員登録をしていただき、そのメリットを臨床の現場で活用していただきたいと願っています。
なお、本会会務に参画していただける会員を随時募集しております。会務に少しでもご興味がある方は、ぜひ、事務局までご連絡ください。
まずは三月末から行う新点数説明会へのご参加をお願いするとともに、本年も会員の皆様のご支援、ご協力を賜りますよう何卒、よろしくお願い申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。
2020年1月1日
東京歯科保険医協会
会長 坪田有史