「歯学教育の改善・充実等」で提言・要望まとめる/文部科学省の歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議
文部科学省の「歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」(座長:江藤一洋/東京医科歯科大学名誉教授・社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構副理事長)は2月24日付けで、『提言・要望』を取りまとめた。
この提言・要望は、これは、同会議がこれまでに行ってきた第1次報告、フォローアップ調査まとめ、歯学教育の質向上のための施策の方向性、の3つの結果を踏まえてまとめたもので、「各歯学部においては、積極的な対応をお願いします」としている。
◆本文の構成
本文は、①診療参加型臨床実習の充実、②多様な歯科医療ニーズ等に対応した歯科医師養成、③教育活動等に関する情報の公表、④歯学教育認証評価の導入、⑤平成26年度以降のフォローアップ調査の実施、⑥歯学部入学定員―の3本柱で構成されている。
◆主な内容/入学定員内での受け入れ遵守や適正な入学定員の設定等を求める
これらのうち①では、歯科医師として必要な臨床能力の確実な修得のため、引き続き、診療参加型臨床実習の充実に向けた取組の実施を指示している。また②では、歯学教育に対する社会の理解・信頼の確保、歯科医師の活躍の場の拡大を図るためには、「社会の変革の推進役となる歯学部づくりが必要」と強調し、具体例として、在宅歯科医療、地域包括ケアの構築、口腔がん、スポーツ歯科、歯科法医学、健康長寿社会の実現、革新的な歯科医療機器の開発・普及などをあげ、これらに対応した歯科医師の養成などを求めている。
さらに⑥では、歯学部入学定員充足率の極端な超過校と低下校があることなどをめぐり、「歯学教育の質の低下につながる恐れがあるため、入学者選抜にあたっては、歯科医師抑制に関する閣議決定(S61.7、H10.5)を踏まえ、入学定員(募集人員)内での受入れの遵守について徹底を図るとともに、入学定員未充足の歯学部については、適正な入学定員の設定や入学者選抜の改善等、優れた入学者の確保に取り組む」よう、求めている。