歯科診療報酬改定めぐり第2回新点数説明会に1185名参加/消費税対応分は実質損税
協会は本日3月27日、なかのZERO大ホールで、2014年度歯科診療報酬改定に関する第2回点数説明会を開催。都内各地から1185名が参加した。
冒頭、松島良次会長があいさつの中で「今回の改定では、歯科は0.99%のプラス改定と報道されているが、そのうち0.87%は消費税対応分であり、実質では、わずか0.12%プラスでしかないのが実態」とし、改定の数字のマジックに注意するよう指摘。さらに都内歯科医療機関における“損税”について言及し、「仕入れなどの損税が1歯科診療所あたり年間約81万円と試算され、今回の消費税対応分では約16万円しか補填されず、65万円分が“損税”となる。しかも、この消費税が10%になる予定」と指摘し、協会として「会員と一緒に阻止していきたい」と訴え、会員の理解と協力を求めた。
◆加藤社保部長が改定のポイント解説
次に、社保・学術部長の加藤開副理事が今次歯科診療報酬改定における個別項目の中から、特に重要性の高い項目、留意が必要な項目をテキスト「2014年改定の要点と解説」に則って説明し、①在宅医療の推進、②周術期における口腔管理、③医療機関の相互連携、④生活に配慮した歯科医療の充実―などを解説。特に、歯科訪問診療の関連では、同一建物内診療時間と人数により歯科訪問診療料が3区分されたことや、昨年秋以降にマスコミが報道して社会問題化した患者有料紹介的事業者から患者紹介を受けることが療養担当規則で禁止されたことなども付け加え、注意を呼びかけた。
次に、いわゆる「昭和51年通知」が廃止され、新たに「留意事項通知の通則21」に位置付けられたことにも言及し、これまで不明確だった自費への移行に関する症例などについて、近く厚生労働省から、通知や疑義解釈を通じて具体的な取扱いが示されるものと思われる―との見通しを説明した。
また、以前から協会理事会はもとより一般会員からも指摘されていた歯科疾患管理料算定における文書提供については、「要件が変更・緩和され、算定が可能になることになった」と報告し、「この要件緩和が実現したのは、協会の運動の成果と言えるのではないか」と指摘し具体的な緩和内容に触れたが、同時に、文書提供の重要性が高まることも予想されるため、今後も文書提供の徹底を呼びかけた。
◆中川政策委員長が今次改定の問題点や歴史的評価を説明
一方、中川勝洋政策委員長が今次歯科診療補修改定の問題点と歴史的に見た場合の内容の評価について説明を加えた。その中では、「改定の特徴はアメとムチ。訪問診療では、在宅は病院から在宅への移行を進めるため評価したが、施設は点数を大きく引き下げた」としたほか、歯管については「患者の希望により文書提供が不要となっても、文書提供しない場合のカルテ記載は従来通り必要だ」とし、文書提供の取り扱いは自院の実情に基づいて判断するよう求めた。
そのほか、歯科に「リハビリテーション」という用語が持ち込まれた点に関しては、義歯管理がリハビリの位置付けになったものと示唆した上で、医科ではリハビリは介護保険に移行されており、今後は以下の事例にならって義歯管理が介護保険に移行されないか、十分注意してみていく必要がある―などとした。
◆今後の予定
今次歯科診療報酬改定に関する記載要領は明日28日(金)、疑義解釈は31日(月)に通知される見込みだ。
なお、当協会で、今後、開催する歯科診療報酬改定関連の新点数説明会の開催予定は以下の通り。
【第3回新点数説明会】
・日 時:4月24日(木)
受 付 15時30分~
レセプトコンピュータ・医療機器等展示会 15時30分~19時
点数説明会(開場) 17時45分~
(開演) 18時40分~21時
※レセプト記載要領、疑義解釈の解説が中心になります。
・会 場:なかのZERO大ホール
・交 通:JR・東京メトロ中野駅下車南口徒歩8分
【在宅歯科医療点数説明会】
・日 時:4月17日(木)
受 付 16時~
レセプトコンピュータ・在宅歯科医療用機材展示会 16時~18時
点数説明会(開場) 17時30分~
(開演) 18時~21時
・会 場:渋谷区文化総合センター大和田・4階さくらホール
・交 通:JR・東急・東京メトロ渋谷駅下車徒歩5分