社会保障審議会医療保険部会で口腔ケアなど歯科機能活用議論
9月19日、第80回社会保障審議会医療保険部会(部会長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)が全国都市会館で開催された。今回は、次期医療保険制度改革に向けた2回目の議論となり、①医療保険制度をめぐる最近の動向、②医療保険制度改革―をテーマに、厚生労働省の事務局作成の資料をもとに論議が行われた。
さまざまな意見が出される中、佐賀県多久市長を務め全国後期高齢者医療広域連合協議会会長でもある横尾俊彦委員は、行政の責任者として国高齢者の医療・保健に関連の改善例として、口腔ケアや歯科治療が、施設入所者の誤嚥性肺炎防止に効果があり、認知症対策にも有効というデータもあり、その担い手となる歯科衛生士の育成・確保なども大切で、医療費の削減にも寄与できると、示唆した。
ちなみに、横尾市長は5月の医療保険部会でも、「歯科では口腔ケアの実施で、誤嚥性肺炎の予防への効果がある論文が発表されています。少しでも歯科の立場から貢献できないと思っています。こうしたデータもありますで、議論できるよう希望しておきたい」と述べ医療費削減等の観点において歯科的政策の必要性を訴えていた。そこには財政を預かる市長として医療費問題は財政と絡み喫緊の課題という問題意識の表れでもあるようだ。