【政策委員長談話】
「衆議院総選挙の結果の先は」
安倍首相は消費税10%の先送りを決め、国民に信を問うとした12月14日の総選挙は、自民党が291議席、公明党35議席と、与党が3分の2を超える勝利となった。「アベノミクスこの道しかない」として経済を前面に出し、原発再稼働、集団的自衛権、TPP、身を斬る改革など、野党の主張は大きな争点とはならず、戦後最低の投票率52.6%も追い風となり、2012年からの2年間に加え、4年間の長期政権のカードを手に入れたといえる。
12年の総選挙で生まれた第三極は、2年の間に四分五裂となり、大きく後退してしまった。一強多弱の構図は変わらず、政権を争う野党勢力は存在しないこととなってしまった。大きく議席を伸ばしたのは共産党だが、政権獲得に近いわけではない。野党のだらしなさに、政権に対する批判票の受け皿となったことが大きいと思われる。
最低の投票率は無党派層の参加が減少したためと思われるが、協会の会員はアンケートから見ても無党派層が五割を超え、投票に行かれる率も高いが、今回の選挙は苦渋の選択を強いられたと思われる。
1994年から始まった小選挙区制は20年を経過している。この間、政権交代の振り子が大きくなっている。得票率と議席獲得数とのギャップは大きいままで、今回、自民党は連勝したことにより、強い指導力を手に入れたこととなる。低い投票率の結果、政府への白紙委任に近い状態が生まれている。これがどういう結果を社会保障にもたらすのか注視し、必要に応じ声を上げていかなければならない。
2014年12月16日
東京歯科保険医協会
政策委員長 中川勝洋