「モンサントの不自然な食べもの」自主上映会に100名参加
協会初の自主上映会「モンサントの不自然な食べもの」が4月12日、協会運動本部、広報・ホームページ部主催、東京保険医協会協賛で開催された。約100名の参加者の大多数は一般の方で、80歳代から小学生年齢層の幅広い。
冒頭で松島良次会長が協会の活動内容、最近の医療・歯科医療・社会保障情勢などを説明。続いて、司会・進行役の竹田正史理事は、参加者年齢層が幅広いことに配慮し、作品全体のみどころ、念頭に置きたい留意点などを示唆した上で、上映スタート。
この作品は、農業・農産物と食の安全をめぐり、遺伝子組み換え作物を「不自然な食べもの」ととらえ、それが環境や人体に与える影響について一市民が追及するスタイルで構成したドキュメンタリー映画。制作年は2008年だが、遺伝子組み換え作物・種子は世界中に広まっており、しかも現在は「遺伝子組み換え表示の撤廃」を含むTPP交渉の行方が注視されている。この映画の命題である「食・農業の安全そして命」の時代的価値は、むしろ大きくなりつつある。今回の参加者数は、そのことを如実に物語っているのではないか。
◆参加者から遺伝子組み換え作物と食と命の問題に実感をもった声が集まる
4月12日の「モンサントの不自然な食べもの」上映後も複数の方から質問やアグリビジネスの現状などについての発言があり、参加者約100名の7割以上の方々からもアンケートにご協力いただき、「WHOが最近、映画の中で出てきた主力製品の除草剤に、がん誘発性を認めたと聞いた」「遺伝子組み換え作物の人体影響について詳しく分かった」「遺伝子組み換え作物の問題について、啓蒙活動する個人、グループが存在することは救いだった」「フィクションではなく現実の世界の話としては知らなかった」「汚染されていないものを探すには、どうしたらよいのでしょうか。将来が心配です」「アグリビジネスをしている人たちは何を食べているのでしょうか」「一人でも多くの人に見てもらいたい映画だ」「今回の湯小名作品。一般的でない、あまり知られていない良い作品があればぜひ見たい」「素晴らしい啓蒙活動です。こんな歯医者さんにかかりたいです」「静かな戦争、という表現が印象に残った」など、作品そのものへの評価にとどまらず、作品を通じて実感した現実、現実と将来への不安と対応、自分自身はこれからどうすべきか…など、さまざまな感想が寄せられた。
その後も、松島会長や竹田理事に質問を寄せる方が多数いらっしゃったほか、「自分たちでもこの映画の自主上映会を開きたい。どう企画すればいいのか」「この映画を上映するには、どの位の費用がかかるのか」という、参加者自身が自主上映会を開生きたいという相談が、会場内で5件寄せられ、事務局が対応するシーンも見られた。
◆協会活動への理解もつ一般の方々が着実に増加
なお、「モンサントの不自然な食べもの」上映当日、4月12日の早朝、山手線で架線を支える支柱が倒れるという大事故があったため、参加者の足が奪われるものと協会スタッフは不安に包まれたが、実際には当日会場に直接来られた方も多数いらっしゃるなど、約100名以上が会場に集い、最後までスクリーンにくぎ付けとなる状況であった。中には、これまで協会が8回開催した「歯と健康フォーラム」の参加者も含まれており、協会と都民ほかの方々との間でキャッチボールができる環境が着実に育まれていることが、改めて実感できた。