次期歯科診療報酬改定にも言及/社保審保医療保険会で次期診療報酬改定の基本方針4本柱を提示

次期歯科診療報酬改定にも言及/社保審保医療保険会で次期診療報酬改定の基本方針4本柱を提示

厚生労働省は本日9月11日、社会保障審議会傘下の医療保険部会(座長:遠藤久夫学習院大学経済学部教授)を開催し、今後の課題や懸案事項などについて議論した。

席上、事務局は、次期診療報酬改定の基本方針を示しつつ、①医療機能の分化・連携の推進、②患者にわかりやすく、QOLを高める医療、③充実が求められる領域の評価、④効率化できる領域の適正化―の4つの柱を提示し、説明を加えた。

その中で、特に歯科に関連しては「口腔疾患の重症化予防・口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進」と重要な懸案事項として提起されており、参考資料として2014年度歯科診療報酬改定の概要を提示した。その内容は以下の通り。

なお、社保審医療部会のメンバーには歯科医師は含まれていない。

 【厚労省事務局が整理・提示した2014年度歯科診療報酬の概要】

▼在宅歯科医療の充実等:在宅療養患者に対する訪問を中心に実施している歯科診療所の評価、在宅歯科医療における医科医療機関と歯科医療機関の連携に係る評価、歯科訪問診療2の見直し及び歯科訪問診療3の新設など。

▼周術期口腔機能管理の充実等:周術期口腔機能管理が必要な患者における医科医療機関と歯科医療機関の連携に係る評価、周術期口腔機能管理を実施した患者に対する手術料の加算の新設など周術期口腔機能管理の充実。

▼正常な口腔機能の獲得・成長を促すための対応(小児期):小児保隙装置の評価、小児義歯の適応拡大、口腔機能の維持・向上を図るためにおける対応(成人期)、舌接触補助床等の訓練の評価及び有床義歯の継続的管理の見直し、歯周治療用装置の要件の見直しなど。

▼歯の喪失リスク増加:歯周病安定期治療の評価体系等の見直し、フッ化物局所応用に関する評価の見直し、口腔機能の維持・向上、回復に資する技術の評価の見直しなど。

▼新規医療技術の保険導入:歯科矯正用アンカースクリューを用いた歯科矯正治療の評価、局部義歯に係るコンビネーション鉤の評価、顎関節治療用装置装着患者に対する訓練等の評価など。また、歯科医療サービスの提供体制の変化と今後の展望として、「歯の形態回復に加え、口腔機能の維持・回復の視点を含めた地域包括ケア(地域完結型医療)における歯科医療提供体制の構築をめざしていく。

▼先進医療の保険導入等:歯科用CAD/CAM装置を用いて製作された歯冠補綴物の評価、歯科CT撮影装置及び手術用顕微鏡を用いた歯根端切除手術の評価。

▼患者の視点に立った歯科医療:初再診時における歯科外来診療環境体制加算の見直し。