「歯等の健康状態不良」が回答者の3割強も/8020財団の調査研究で明らかに
「歯や歯肉の健康状態が不良」との問いに、回答者の3割以上が「ある」と回答するなど、一般住民の歯と口腔に関する状況が、このほど公益財団法人8020推進財団(理事長:堀憲郎/日本歯科医師会会長)がまとめたアンケート調査報告書で明らかになった。
これは、同財団の平成27年度調査研究事業「一般地域住民を対象とした歯・口腔の健康に関する調査研究」の報告書から明らかになったもので、調査対象は全国から五千名を抽出、うち49.3%に当たる2465名から回答を得ている。
◆「気になる」状態は年齢層で異なる
その中で、主な内容をみると、まず主観的な口腔の健康状態として「歯や歯肉の健康状態が不良」と回答したのは31.3%と全体の3割を超えている。また、口腔状態で気になることについては20歳代と30歳代では「歯並び」となっているが、40~60歳代は「口臭」、70歳代では「口の渇き」とする回答が目立つなど、年齢層により「気になる点」が異なっている。
口腔衛生に関しては、1日の歯磨き回数について「3回以上」は23.5%、「2回」は54.5%、「1回以下」は21.9%で、2回が全体の半数強で最多となっている。
◆歯や歯ぐきが原因で12%が仕事に支障経験
また、「過去1年間で歯や歯ぐきが原因で仕事に支障を来したことがあるか」との問いに、12.6%が「ある」と回答し、「仕事が忙しかったり、休めなかったりして、なかなか歯科医院に行けないことがる」では37.2%が「はい」と回答している。
◆定期歯科健診は6カ月以内が51%
一方、歯科診療所の受診状況では、最後の受診が「1年以内」が63.6%となっているが、年齢がかさむにつれて1年以内の歯科診療所受診者数割合は多くなっていく。その受診理由は、「治療のため」64.4%、「定期健診のため」24.8%、「治療及び定期健診のため」10.7%となっている。
なお、全体の78.0%が「かかりつけ歯科医がる」と答えている点も注目される。