疑義解釈資料(2010年6月17日更新)

歯科診療報酬点数表関係

【在宅医療】

(問1)

平成22年度歯科診療報酬改定において新設された歯科疾患在宅療養管理料は、歯科訪問診療料を算定した患者であって、継続的な歯科疾患の管理が必要な患者が対象となるが、歯の欠損症のみを有する患者についても当該管理料の対象となるものと考えてよいか。

そのとおり。歯科疾患在宅療養管理料は、在宅歯科医療が必要な患者の心身の特性や歯科疾患の罹患状況等を踏まえ、当該患者の歯科疾患の継続的管理を行うことを評価したものであり、歯の欠損症のみを有する患者についても当該管理料の対象となる。

【処置】

(問2)

舌接触補助床は「脳血管疾患や口腔腫瘍等による摂食機能障害を有し、摂食機能療法を現に算定している患者」が対象となっているが、脳性麻痺を有する患者に対する摂食機能療法に伴って当該補助床を装着した場合においても、床副子の「3 著しく困難なもの」により算定することができるか。

算定できる。

(問3)

重度の歯周病患者において、1回目の歯周組織検査として歯周精密検査を行い、歯周基本治療が終了する前に歯周治療用装置を装着した場合において、当該装置の費用は算定できるか。

算定できない。歯周治療用装置は、歯周組織検査の結果に基づく一連の歯周基本治療を終了した後、歯周外科手術の「3 歯肉切除手術」、「4 歯肉剥離掻爬手術」又は「5 歯周組織再生誘導手術」を行うことを診断した歯周精密検査以降に算定するものである。

【手術】

(問4)

歯根分割掻爬術は、歯根分割をせずに根分岐部病変を掻爬した場合に算定できるか。

算定できない。

【歯冠修復及び欠損補綴】

(問5)

歯科点数表第12部「歯冠修復及び欠損補綴」の「通則6」において、歯科訪問診療料を算定すべき患者については、当該患者に対して有床義歯修理に限り所定点数の100分の50に相当する点数を加算することが示されているが、歯科技工加算を算定する場合は、どのような取扱いとなるのか。

歯科訪問診療料を算定すべき患者について、有床義歯修理を行い、歯科技工加算を算定する場合は、当該加算の点数についても100分の50に相当する点数を加算する。

(問6)

口蓋補綴、顎補綴については、平成22年度歯科診療報酬改定において、「1 印象採得が困難なもの」又は「2 印象採得が著しく困難なもの」のいずれかにより算定することとなったが、どのような場合に「2 印象採得が著しく困難なもの」により算定するのか。

口蓋補綴、顎補綴について、次の場合においては、「2 印象採得が著しく困難なもの」により算定して差し支えない。

  1. 硬口蓋歯槽部の欠損範囲が半側を超える場合
  2. 軟口蓋部の欠損が認められる場合
  3. 歯槽骨を超える下顎骨の辺縁切除を伴うものであって、口腔粘膜のみでは創を閉鎖できないため皮弁されている場合又は下顎骨区域切除以上の下顎骨欠損がみとめられる場合
  4. 口蓋補綴、顎補綴を行う場合であって、上下の切歯を有する場合の正中部における切歯間距離又は切歯を有しない場合の正中部における顎堤間距離が30mm未満の開口量である場合

【歯科矯正】

(問7)

歯科矯正診断料又は顎口腔機能診断料に係る施設基準に適合しているものとして地方厚生〈支)局長に届け出た保険医療機関において、届出された歯科医師以外の専任の歯科医師が歯科矯正診断を行った場合又は届出された専任の常勤歯科医師以外の専任の常勤歯科医師が顎口腔機能診断を行った場合は、それぞれ歯科矯正診断料又は顎口腔機能診断料は算定できないと考えてよいか。

そのとおり。届出が必要な歯科医師について、採用、退職等の異動があった場合は、その都度地方厚生(支)局長に届け出ること。

【その他】

(問8)

「歯科の診療録及び診療報酬明細書に使用できる略称について」(平成22年3月5日保医発0305第15号)において、乳歯晩期残存の略称である「C4 」については、歯科の診療録及び診療報酬明細書に使用できることとなっているが、残根状態である永久歯についても、「C4 」を使用しても差し支えないか。

差し支えない。

(問9)

歯科の入院医療における処置又は手術に伴い歯科診療に係る画像診断を行った場合であって、診療報酬明細書に記載されている傷病名や診療行為により当該画像診断の撮影部位が明らかに特定できる場合は、「画像診断」欄への撮影部位の記載を省略して差し支えないか。

差し支えない。

【明細書の発行】

(問31)

平成22年4月現在、歯科診療所はレセプトの電子請求が義務化されていないが、明細書発行の義務はあるのか。

歯科診療所は、実際にレセプト電子請求を行うこととなる平成23年5月請求に合わせて、レセプトの電子請求が義務化となるため、平成23年5月1日より原則として明細書発行が義務となる。
なお、電子請求が義務化されたが正当な理由に該当する診療所については、平成23年5月2日(同年5月1日が日曜日であるため)までに地方厚生(支)局長あてに届出を行うことにより、同年5月1日より明細書発行の義務が免除される。